焙煎機の排気

焙煎機の排気は高温になります
高温でも使える風速計としてはピトー管風速計が可能です
実際にうちの焙煎機にもピトー管風速計を取り付けました
しかし、実際に使っていてわかったことは
別にピトー管で測定する必要はないと考えています
つまり・・・排気ダンパー手前と釜内との差圧を測定するだけで十分だと思います
基本的に測定する場所がまったく変わらない場合は・・・ダンパーと釜内の差圧は
そのまま風速と比例しそうなのです
あと大切なのは釜内の温度がある程度同じところで差圧を測ることは重要だと思います
これは外の風速をマノスターゲージで測定していて気づきました

ただし微差圧計というのは温度が下がると数値が上がる傾向があるので基本は排気の目安として使わねばなりません。同じ温度では同じ数値をたたき出すので排気のコントロールに使うには有効となります

最終更新日:2016年9月28日

少量焙煎の勘所

3kgや5kgの焙煎機で少量焙煎をやる場合のポイント・・・・
とにかく釜本体温度が低くなければいけません
つまり・・釜本体温度か高くなると焙煎の進行に大きく影響するからです
(簡単にいうと火力のコントロールで温度上昇を止められなくなってしまう)

これが重要になります
基本的に釜本体温度よりも豆の温度が低ければ
バーナーの熱量は釜本体の温度を上げるのにも使われます
つまり・・豆の温度を上げることよりも釜本体の温度を上げるのに使われてしまうのです
これは・・・金属のほうが豆よりも熱を吸収しやすいからです

少量焙煎を行うときには釜本体温度が低い必要があるのです
温度のコントロールは釜本体温度とともに豆の温度を上げるほうが楽なのです
それとその状態では火力という熱風で豆の温度を上げることになります

逆に釜本体温度上がってしまっている場合は・・・
どれだけ火力を落としても豆に熱が伝わります
(つまり・・熱風の量が少なくなる)
その状態で排気は同じようにひっぱるので冷たい空気の影響で
豆が冷却されながら金属表面からの加熱が
行われていることになります

釜本体温度と排気温度と豆温度の3つの温度の意味が違ってきます

結論・・・少量焙煎は投入温度を下げることと釜本体温度が下がっていることを確認すること

テキストの画像のようです

実際に少量焙煎をする場合は、釜内の湿度がどうしても上がりにくいという問題が生じます。
そこで、その問題を解決するために蒸気を釜内に送り込んで釜内の湿度を上げて豆の水分を抜くようにします。(蒸らしを効果的に行う方法)

最終更新日:2016年9月28日

煙突の効率を見極める

焙煎機の煙突は、焙煎していくにつれてクリンカーが煙突の内側に綿状についていきます
当然・・・煙突の口径が小さくなるので排気の効率は落ちます
実際にマノスターゲージで測定するとダンパーの開度に関係なく影響しています
(当然といえば当然のこと・・・)

どの部分に一番影響がでるかというと・・・
排気を全開にしたときの数値が一番大きく影響します
(まぁ・・考えてみれば当然ですが・・・)

ということは・・・
マノスターゲージのない焙煎機でクリンカーの量を予想する一番簡単な方法
煙突掃除をした後に焙煎したときで
排気を全開にしたときにスプーンの穴から出る煙の量をおぼえておくこと・・・
(深煎りが判りやすい)

だんだんクリンカーが煙突についてくると排気能力が落ちてきます
(スプーンの穴からでる煙が多くなる)
それを掃除の目安にするとわかりやすいと思います

最終更新日:2016年9月28日

焙煎機の排気効率

焙煎機の排気は釜の中に豆がどれぐらい入っているかによって排気効率が変わります
(釜の中の豆が吸気の邪魔をする)

つまり・・・
焙煎量が少ないときは排気効率がよくて・・・
豆が多い場合は排気効率が落ちます

少量焙煎の場合は、自分のイメージよりも排気効率が上がってしまいます
ダンパーを同じ値にしても少量焙煎のほうが排気が強くなるということです
それを念頭にいれて排気ダンパーの操作をおこなわねばなりません


実際には焙煎量はいつも一定にしておいた方が確実です。
釜のサイズに対して少量の焙煎では釜内の湿度を上げることが出来ずに水分を豆の内部から抜くことが難しくなって芯残りの原因になることが多くなります

最終更新日:2016年9月28日

煙の色

焙煎しているときにでてくる煙には3種類の色があります。
(排気検査機能付スプーンから出てくる煙)

紫の煙・・・これは煙の粒子が小さい基本となる煙
白い煙・・・煙の粒子に水蒸気が付着した煙
黄色い煙・・油が焼けたときの煙

紫の煙は蒸らしが終了して湿度か減少したときの煙です。
白い煙は蒸らしなど釜内の湿度が高いときに煙の粒子に水滴が付着した時の煙です。
黄色い煙は2ハゼ以降で豆の表面に油が回ってきたころにでて来る煙で
油を熱した時に出る煙です。

これは温度計よりも正確に豆の状態を把握できるポイントとなります。
つまり・・・スプーンで豆を取り出したときに
豆の表面にテカリを感じてからの現象だからです。
深煎りのタイミングで2ハゼからの時間や温度などはよく使われます。

それよりも正確な煎り止めに使えるのが黄色い煙と豆表面のテカリだと思います。

排気検査機能付スプーンは、釜内の圧力を微差圧計よりも正確に判定する装置です。
排気ダンパーの開閉で釜内の圧力の変化がダイレクトに表れるのがここから出で来る煙の量となります。
ファンの回転数が同じであっても外気温が高かったり風が吹いていたりするだけで排気は変化します。
ついでに言うと気圧が高いかだけでも変化します。
そんな微妙な変化に確実に対応するのは微差圧計よりもここからの煙の増減の方がわかりやすいのです。

最終更新日:2016年9月28日

やわらかい排気

フジローヤルの焙煎機は、排気ダンパーの隙間を変化させて排気を調整しています。
排気を絞った状態では狭い隙間に空気が流れ込むような状態になります。
つまり、掃除機で大量の空気を吸うような状態になるのです。
(強い負圧で狭い隙間を空気が流れる感じ)
それに対して、排気ダンパーを全開にあけた状態で切り替えダンパーで排気を調整すると
換気扇で空気を引っ張る感じになります。
(弱い負圧で広い隙間を空気が流れる感じ)
このやわらかい排気では、空気の流れに無理がなくて渦ができにくいという良さがあると考えています。
(まだ・・・仮説ですが・・・・)
では・・・・味にどんな影響があるのか・・・
残念ながらそこまではまだわかっていません。
ただ・・・・なんか可能性があるような気がしてメモってみました。

フジローヤルの3キロ・5キロの焙煎機は冷却と排気が切り替えダンパー方式となっています。
排気ダンパーを全開にして切り替えダンパーの開閉で排気をコントロールすると昔懐かしい豚窯のダンパーと同じになるのです。連続焙煎の時にはけっこう有効な排気となります。
冷却しながら焙煎がスタートできるので一時間に3回焙煎することも可能となるのです。

最終更新日:2016年9月28日

自家焙煎店の裏側

フレーバーコーヒーのホームページのデーターを移動させようと考えています。
もう何年もほったらかしだったものを移動させていこうと思います

昔のデーターを張り付けた後にこのごろの考えを書いてみようと思います。

自家焙煎の大変さちょっとは知ってね

生豆のほこりを落して電子選別機で腐って黒変している 豆を取り除きます。

コーヒー豆は、外国で収穫される農産物です。 コーヒー屋は、自分たちでコーヒーを育てない以上仕入れたコーヒー豆の悪い豆を取り除く作業によって のみ品質の向上ができるのです。 一番手間のかかる選別をいかに、システム化していくかがコーヒー屋にとって大切になると思います。 今までは、焙煎機があれば、自家焙煎としてやってこれましたが、 今からは消費者もそれだけではだまされなくなってきました。 消費者が賢くなってくるとどのように焙煎しているかからどのようにコーヒーを選別しているかまで 興味を持つようになります。その時、コーヒー屋もコーヒーに対する取り組みが問われると思います。 うちの店ではコストを下げるために選別機を活用しています。 ちなみに、電子選別機というのは豆1つぶづつに光りをあてて反射の弱い豆(黒に近い豆) を取り除きます。 しかし、1回通すだけではきれいに取り除けないので生豆を循環させる装置を開発して使ってます。 なんで、改良しなければまともに動かない機械が堂々と売られているのかちょっと疑問です。

左側
良い豆。ちなみにこの豆はガテマラ。カケ豆、貝殻豆は選別機では良品と判断されてしまいます。 選別機にとって一番得意なのは色の違いがおおきいことです。 ですから、黒変した発酵豆はうまく取り除けます。
右側
取り除かれた悪い豆。腐ったり、カビたりして黒変しています。 残念ながら、ちょっと腐っていたりちょっとかびていたりというものまでは取り除くことができません。 当然この段階では、未成熟な豆など色の薄い豆はとれていません。

徹底的に改造を加えた焙煎機

焙煎は職人芸のように思えますが、ある程度までは自動化が可能です。 そのある程度のためにコンピュータを使ってデータを蓄積しています。 コーヒーは、ただ単に豆を焼いているのではありません。 豆に熱を加えて化学変化をさせているのです。 いかに、コーヒーの香りがでるようにコーヒーを焙煎するか、 それは、コーヒー豆に一定のプロセスを与えてやれば良いのです。 そのためにも、科学的なデーターが必要になるのです。 しかし、こういう焙煎の仕方をしたらどうなるだろうという、アイデアは絶対に必要になります。 これが、コーヒー屋の焙煎技術の向上につながります。
ちなみに、焙煎の良し悪しを見分けるコツは買ってすぐにたてたコーヒーと三日ぐらい たったあとたてたコーヒーが同じ味ならば、良い豆です。 下手な焙煎は、かならず劣化のスピードがはやいのです。 コーヒーというのは、簡単に味が落ちるものではないのです。 (新しいに越したことはありませんが)
コンピューターを使っているくせに、豆を出すタイミングは人間の目に頼っているのが現状です。

いり豆を電子選別機にかけて死豆などを取り除きます

死豆はどれだけ焙煎しても色が濃くなりません。 ですから良品と比べると明らかに色の差が出ます。 今度は光りを当てて反射の強い豆だけを取り除きます。特にモカには効果があります。 このいり豆を選別機にかけることによってハンドピックを出来るだけ楽にすることが出来ます。 コーヒー豆の値段が高くなる最大の原因がハンドピックにかかる人件費です。 これをいかに減らし、なおかつ品質を上げるかそれを考えると選別機の性能アップが必要不可欠に なると思います。それと、消費者が品質の良いものと悪いものを見分ける眼を持つことが必要になります。 そうすれば、コーヒー屋の質も向上し選別機の需要も出来もっと、高性能の選別機ができて くるように思います。ちなみに、この段階で2割近くもすてられることがあります

左側、良品。
焙煎されてコーヒーらしい色の仕上がりになってます。 選別機はけっこうばかなところがあります。 それは、光の反射の強弱を利用して選別しているためきれいに表面がのびたつやのある良い豆を 悪い豆として判断することがあるのです。 これは、つやのある豆が光を多く反射して色が薄いと判断されるためです。 このため、この段階では、ゆるめに選別させます。
右側、死豆。
成熟していない豆は焙煎しても色がついてきません。 (良品よりも色が薄い)死豆は、必ず排除しなければいけません。 死豆だけをミルでひいてみるとよくわかりますが、コーヒーの香りではなく落花生のような香りがします。 ちなみに、飲んでみると嫌味が口の中いっぱいに広がります。 たまに、それ以下の喫茶店があったりしますが・・・・

ハンドピックをして仕上げます

一粒づつ悪い豆を取り除いて仕上げます。当然、選別機ではとれない悪い豆もたくさん残っています。 虫食い豆や貝殻豆、生豆段階でとれなかったかびた豆や腐った豆などは いり豆を選別機にとおした場合は、フリーパスです。 つまり、腐った豆は、色が濃いので良品と機械が判断してしまうのです。 そこで、最後の仕上げは手作業となるわけです。 コーヒー屋の1日の大半は、このハンドピックに費やすことになります。 ですから、ハンドピックがやりやすいように焙煎室は広くとらなければなりません。 特に作業しやすいようにテーブルは大きめのほうがいいようです。 だいたい、作業スペースは10畳から20畳ぐらいあるといいと思います。 ハンドピックは、狭いとめちゃくちゃ辛いです。 つらいと、選別せずに売っちゃおうかなぁと考えてしまいます。 そういう、気持ちにならないためにも焙煎室は広くつくりましょう

左側、 良品。
選別機、ハンドピックをへて、良品のみを商品として使います。 この手間がコーヒーの味を大きく左右します。
右側、 不良品。
選別機で取りきれなかった腐った豆やかびた豆などを中心に取り除きます。 人間の目にまさるセンサーはありません。

できあがり

コーヒー豆は、光、温度、湿度、酸素を嫌います。 ですから密封ビンにつめて光が当たらない低温の保管庫に豆を保存します。 密封ビンの良さは、気密性が高いことと在庫の量が判りやすいことです。 それと、店先の棚にも並べやすい事も良いことだと思います。 保管庫とは、一種の冷蔵庫のようなもので光を遮断して低温でコーヒー豆を保存しておくところです。 コーヒー豆に光をあてたり温度変化にさらしたりすれば、販売前にコーヒー豆が劣化することになります。 ですから、コーヒー屋にとって保管庫は、必需品です。 コーヒーは生鮮食料品といわれます。だったらコーヒー豆は、販売前はそれなりの所に保存される べきだと思います。わざわざ、劣化の進む常温にさらすこともないでしょう。

ブレンドして棚に並べられます

店先に並べるのは各ビン一本程度とします。 本来なら光があたる店先にコーヒーを並べるのはコーヒー豆にとっては悪いのですが、 店先にコーヒーが並ばないとお店らしくないので、仕方なく並べています。 当然コーヒー屋ですからコーヒーを店先に並べなければいけません。 そして、効率よく販売しなければいけません。 つまり、いかにして、売れない豆をなくすかこれが重要です。 そうしなけれは、古い豆を販売することになってしまうからです。 どんなに、保管庫を使って保存性をたかめても、新鮮な豆にはかないません。 そこで考えたのが、ブレンドで使う豆しか、単品の豆はおかないという方法です。 これならば、ブレンドが売れるとおのずと単品も使われることになります。 だからうちの店では、ブルーマウンテンなどブレンドに使わない豆は、単品でもおいていません、 あしからず。

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coffee proの現在
30年ぐらい前は、生豆を電子選別機にかけていました。
豆を循環させるシステムを使って腐った豆などを取り除いていました。
現在は残念ながやっていません。
焙煎量が増えてくるととてもそこまでできなくなったというのが現実です。
生豆のハンドビックと煎り豆のハンドピックをやっているバッハグループは本当に偉大だと思います。

現在の焙煎室と選別室の間の煎り豆一時保管室

エアコンで冷やされたところに焙煎後の未選別の豆がおかれます。
選別室の側にて取り出してハンドピックすることが出来ます。

煎り豆保管庫
こちらもエアコンのはいった部屋になっておりハンドピック後の煎り豆が保管されています

ついてに言うとこちらが生豆保管庫
ほこり飛ばし後の生豆が3.8kgづつで保管されています。
ここもエアコンで冷やされています。

最後に販売用の豆は冷蔵庫に入っています

最終更新日:2016年9月28日

ウォーターサイクロン・・再び

ウォーターサイクロンの改造なんてもう必要ないと思ていました。
ところが・・・使っているとアイデアって出てくるもんなんですねぇ・・・

たぶん・・・ウォータートラップを改造すると思います。
チャフを落とす効率を上げるためには今のトラップを新たにつくりなおすと思います。
下に受ける網もうまい具合に改造できそうです。

チャフを取り除くだけでなくきっちりチャフを目視する・・・

焙煎中のチャフがどんな状態なのかが焙煎中に見えることがウォーターサイクロンの長所なのです。

どのタイミングでチャフが外れているかがわかる・・・
3キロ釜についていた監視窓よりもトータルで分かるところがウォーターサイクロンの方がいい感じです

新しいドーム型ウォータートラップ

コンプレッサーのドレン

めちゃめちゃ簡単なアイデアですが結構効果があって好きです。
コンプレッサーのドレンを開けるとけっこう水滴が飛び散るのです。
それを何とかしたいと思っていたのですがあまりいいアイデアがでなくて
周りにドレンが飛び散るのを見て見ぬふりをしていたのです。

なんとなく使い古しの袋を上から垂らしてドレンを袋にぶつけるようにしたのです。
こうすることで水が飛び散らなくでバットに素直に収まってくれるようになりました。

ウォータサイクロンの完成形の完成形

ウォーターサイクロンを色々と改造しているのですが・・・
今度こそ完成形です。
まず・・・・下のザルをプラスチックにしました。
これにより洗濯ネットがワイヤーに引っかかることがなくなりました。
トラップポットの径を少し大きめにしてチャフが流れやすくしました。

ウォーターサイクロンの水量を一定にするために流量計を取り付けました。
これにより焙煎時の水量を一定の状態で焙煎することが可能になります。