排気検査機能付きスプーン

焙煎の基本は、火力と排気のバランスです。
熱風を下から押し込んで排気で熱風を排出する。
凄くシンプルでありながら細かくとらえると複雑なものなのです。
火力が高ければニュートラルは排気開け気味になります。
風が強ければ絞らねばニュートラルになりません。
豆を投入した直後は火力が豆に奪われるので絞り気味に変化します。
豆が多ければ排気の抵抗になって開け気味にニュートラルは移動します。
つまり・・ニュートラルは常に移動するのです。
それが確実にわかる装置がこの排気検査機能付きスプーンです。
とりあえずこのスプーンから熱風が出るかでないかの部分がいつでもどんな時もニュートラルなのです。
釜の中が正圧か負圧かそれをシンプルに測定できる装置なのです。

素材・排気検査機能付きスプーン

焙煎はバックが出来ない

当たり前ですが焙煎は時間を戻すことがてきません。
あの時もう少し火力を落としておけばよかったとか・・・
排気を開けておけばとか・・・・
残念ながらそんな都合いいことはできません。
うまくやろうとか、失敗できないとか思うとなおさらです。
もう少し煎らなきゃとか思って迷うと必ず一瞬落とすタイミングが遅れます。
煎りすぎてはいけないと思っていると豆のチェックが一回分早く落とすことになります。
失敗しないようと思って焙煎すれば勢いのないつまらない豆が出来上がります。

焙煎なんて最後はえい・いゃあ落とすしかないんです。
その一瞬でコーヒーの味は変わるけど飲めないわけではない。
打球を真芯でとらえるプロ野球の選手だって4割が打てないんですから・・・

とにかくコーヒー屋は、びびって見逃し三振だけは避けなければならない。
まぁ・・・おんなじ球種ばっかりだったらヒットも出やすいけど・・・
違う球種を焼くことが多くて・・・

結論・・・焙煎の極意は開き直りなり・・・

・・・・怒られそう・・・・

この当時は、三段焼きで非常にシンプルな焙煎をやっていた時代だと思う。
焙煎で細かいデーターをとっていなかった時代だと思う。
まぁ・・今と比べれはレベルの低い焙煎をやっていた平和な時代であったと思う。
あの程度の焙煎でえらそーに語ってはいかんと今は感じます。
   

どこの焙煎屋よりも現在の焙煎は操作が複雑なような気がする。

立場の違い

よそのコーヒー屋さんのコーヒーを飲んでコメントを書こうとしていました。
いわゆるコーヒーに関しての意見を頼まれたんです。
このとき、迷いました。ぼくは、どんな立場でコメントを書けばいいんだろうと。
つまり、生豆を扱っている問屋さんならばコーヒーを飲んでもその生豆が問題ないかどうかが 絶対に気にかかってしまうと思うんです。
だから、すべて生豆の品質にむすびつけようと思ってしまうと思うんです。
焙煎だとか抽出なんかどーーでもいい事となってしまうと思うんです。
(極端に言えば、インスタントでもコーヒーメーカーのコーヒーでも 生豆の品質が良いコーヒーならばなんでもいい)
たとえば、素人の方で焙煎を練習している人にコメントを求められたら その人は間違いなく焙煎のよしわるしを聞きたがっているしすべての責任を 焙煎にむすびつけようとすると思うんです。
喫茶店を開こうとする人がコメントを求めた場合は、間違いなく抽出技術の 事を聞きたがっているわけです。
さてそうなるとコーヒー屋さんにコメントを求められた場合何を書けばいいんでしょう。
生豆は専門外だし抽出はぼくの責任だし、そうなるとおのずとブレンドと焙煎ということになります。
だけどねぇ、失敗した焙煎ならばいざ知らずそれなりのレベルの焙煎をやられるコーヒー屋さんの コーヒーを一回の抽出で判断できると思いますか。
焙煎をみていればそれなりの意見もだせるんですが 実際にみていない状態であてずっぽうで意見をいって、もし違っていたら申し訳ないですからねぇ。
だから、絶対に自信あるときでなければ意見っていえないものなんです。
そんなことがわかった一日でした。

今から、もっともっと珈琲はうまくなる!

恥ずかしながら、珈琲屋をはじめて10年ぐらいになります。
たぶん、珈琲を知らずに 8年ぐらい過ごしたような気がします。
8年間は珈琲をなめていたような気がします。
焙煎機にコンピューターを取り付けて焙煎のデーターの収集や分析をやって珈琲を 理解した気になっていました。
ついでにいえば、焙煎機用に独自の制御盤なんかも使って いました。
(自分で開発しちゃいました)
そんなこんなで、珈琲のことは何でも判っていると 勘違いしていたんです。
特に、コンピューターで焙煎を管理すると珈琲の味は安定するんですけど 絶対にそれ以上にならないのです。
そのコンピューターがぶっ壊れてから始めて焙煎機自体の改造に 取り組む事ができるようになりました。

そして、わかったことは焙煎機は、完璧なものではないという 事実です。
つまり、焙煎機のメーカーは珈琲を知って焙煎機をつくっているわけではないという 事実です。
なのに、珈琲屋は焙煎機は絶対でその焙煎機でいかにおいしい珈琲を焙煎するかを一生懸命 考えてがんばっていたんです。
だから、がんばったわりに思うようにならなかったんです。
そのため、とりあえずいい生豆を使う事でおいしい珈琲をつくる他なかったような気がします。

そこに気が付いたので、ぼくは焙煎機を徹底的に改造する気になりました。
(現在では、珈琲の味が変わる事を恐れなくなりました。研究のためには多少の犠牲はつきものなのです。
てなわけで、うちのお客さんにはごめんなさいです。いつか、最高の珈琲をつくりまから・・・・)
ぼくが改造してうまくいかなかったり調子が良かったりをこのホームページでどんどん 紹介していこうと思います。
そうすれば、自家焙煎の珈琲屋のレベルはおのずとあがってくるような気がするのです。

フレーバコーヒー開業当時の焙煎データー・豆温と排気温と操作した時間などがプリントアウトされる。
このシステムによって焙煎の進歩が止まった。

この当時は、コンピューターで豆温と排気温でグラフを書いていました。そして、どの操作をいつやったかをすべて記録していました。上昇率も計算していたので今どきのコンピュータと大体同じ感じのことをやっていたと思います。では昔と今の違いは何かというとデーターの数の違いです。
この当時は30秒ごとに2つの温度を測り火力や排気がどのタイミングで操作されたかはぜはいつか・終了はいつかをプリントアウトするだけでした。

現在のデーターは、10チャンネルのデーターロガーを使っていて1秒ごとでコンピューターに送られてきます。センサーの取り付け位置も30年前と違って最適なところに持っていくこともできています。それと今はエクセルやエバーノートを使ってデーターを色々と調べる技術も発達してきています。
30年前は、データーに頼って焙煎を考えなくなってしまったのでコンピューターを否定しました。
今は、焙煎を考えるためのツールとしてコンピューターが存在する気がします。

現在の焙煎画面・過去のデーターやグラフを取り出すこともできる。

焙煎について-焙煎機の冷却器

冷却機のかくはんを動かすべきかについて
富士ローヤルの焙煎機には冷却機がついています。
そして、かくはん用の羽根がついています。
コーヒー豆の冷却というのは、できるだけ短時間に冷やさねばなりません。
ところが・・・少量の焙煎では豆が冷えないのです。
なぜか・・・それは、冷却機にある羽根が問題なのです。
冷却機にある羽根は、豆をかくはんするためともうひとつ豆を集める働きがあります。
大量の豆を冷却する場合は、冷却機の底にある空気の吸われる穴がコーヒー豆で見えない状態になっています。
その状態であれば、必ず空気は豆の隙間を通って冷やしながら抜けていきます。
ところが、豆が少量の場合は問題がおきます。
冷却機の底の穴が見えるようになってしまうのです。
その状態では、空気の流れの性質として「流れやすいところを空気はとおる」のです。
つまり、豆の隙間はまったく通らずに、直接底の穴から空気が抜けてしまいます。
だから、少量の豆を焙煎すると冷却に時間がかかってしまうのです。
それを防ぐ方法は、たったひとつしかありません。
冷却機のかくはん機を動かさずに手で豆を平らにならすのです。
そうすれば、冷却用の空気は必ず豆の隙間を通って効率よく冷やしてくれることになります。

もう一つの問題点

冷却器のそこはパンチングメタルでできており空気がスムーズに流れるようになっています。
基本空気がスムーズに流れないと冷却能力が落ちるのです。
パンチングメタルの穴が冷却の時に割れたコーヒー豆などでふさがれちゃうことが結構あるのです。
掃除していない焙煎機の冷却器をみるとけっこう詰まっています。
この冷却器の穴の掃除をすることにより冷却効率が上がるだけでなく火事の危険性も大幅に下げることができます

焙煎について-極めるということ

言葉の極めるというのは一足飛びで中身がなくて極める感じだと思うのです。
実際の極めるというのはカメのように鈍くてちょっとづつ改良して発見して
失敗してまた発見しての繰り返しで・・・

スマートに極めるという感じではなくで本人的にはまだまだというように感じているような気がする。
そんな中でいろいろと新しい発見があったときには自分が天才かも・・・

なんて思ったりするのですがあまり、自分がわかっていないことに気づきふりだしに戻ったりしての繰り返し・・・

そんなこんなで焙煎機にはどんどん新しい装置がついてきて・・・
わかったこと・・・

焙煎を極めてはいないけれどここまでは分かったといえるようになったということ・・
新しい装置が付いた分知っていることが増えたということ・・・

焙煎を極めるというのは、本当に極めるのではなく少しでも多くを知ろうと貪欲になっている姿のことなんだと思う。



3キロ・5キロ釜の切り替えダンパーのすばらしさを知ると単独ファンの
問題点が理解できるようになるのです。

焙煎について-蒸らしという言葉の謎

昔から使われている言葉ですが、ちょっと・・・
ぼくたちコーヒー屋が、焙煎で使うことばで「蒸らし」という言葉があります。
これは、焙煎機の排気を絞って釜の中を「蒸し焼き」状態にすることをいいます。
ぼくも、この言葉になにも違和感もなく使っていました。
当然蒸し焼き状態ですから、空気の流れはめちゃめちゃ遅いもんだと思っていました。
(たぶん、他のコーヒー屋さんも同じだと思う)
昔、自分の焙煎機に排気監視窓というものをつけたときに 排気を絞っているのにチャフ(豆表面の薄皮)が勢いよくとんでいるのにびっくりしたことがあります。
実際に風速計で測定した時にびっくりしました。
一番排気を絞った状態で一秒間に14リットルの空気が流れているのです。
(ちなみに、ぼくの焙煎機のドラムの体積は16リットル)
これだけ空気が流れているのに「蒸らし」ということばはちょっとおかしいんじゃあないでしょうか。
ただ、しっくりとくる言葉をぼくも思いつきません・・・・

20年ぐらい前は蒸らしを空気の流れでとらえていた感じでした。
つまり、蒸らしは空気の流れが遅い状態でそれによって湿度が上がるというような感じにとらえていました。これは自然排気の概念からくる流れなんです。
これを業務用に当てはめるのはちょっと無理があるのです。
強制ファンのパワーでは自然排気のようなゆるさはやっぱり無理なのです。
大量の豆を自然排気で煙を抜くというのは無理がある。
だから強制排気なんですが実は強制排気は弱い排気が苦手なんです。
排気を絞ると隙間は小さくなるけど圧力差は大きくなってしまって思ったほど下がらないのです。
フジローヤルの3キロと5キロの場合は、切り替えダンパーの隙間があって圧力差を弱めてくれるという効果があるのです。単独ファンのタイプはそれがないので弱い排気がめちゃめちゃ苦手なのです。

・・・とりあえず湿度を上げる方法を書こうと思ったけど長くなりそうなので解説はまた別の機会にします。

排気の流れを見るための窓と・差圧を測っているチューブ

焙煎について-炭焼珈琲と過熱水蒸気

炭焼珈琲と過熱水蒸気
なぜぼくが過熱水蒸気に燃えるのか・・・・
昔、ある珈琲屋の社長さんから「炭焼きで煎った珈琲は長くもつ」といわれたことがあります。
(その当時は、あまり意味がわかりませんでした)
そして、たまたまある人から「君の煎ったコーヒーは1ヶ月、香りがもたないよ」といわれたのです。
(いやみではなく、素直な意見・・・相手は珈琲屋さんですから)
もともと、もたないのが普通かなぁと思っていたんですが、 だんだんもしかしたら・・・と思ってきたんです。
それは、過熱水蒸気の研究をはじめて松屋式ドリップをしていて後半ででる成分に 嫌味がでなくなりコーヒーの味が濃くなってきたのに気づいたんです。
もしかして、今までの焙煎方法では豆の内部の化学変化が不足して コーヒー豆がもたなかったんではないか・・・
そんなことを考えるようになったんです。
(単に焙煎技術がなかっただけだったりして・・・・・・)
そう考えると、炭焼珈琲が長くもつといわれたのにもつじつまが合います。
炭焼珈琲は、空気の流れに依存しなくて豆に熱を加えることができます。
豆の成分を抜きにくく熱を安定的に与えられる技のような気がするんです。
(炭焼の焙煎機では、普通のものよりも釜内の温度差がでにくいような気がする)
そして、豆の内部まで化学変化を起こしているので 香りや味がながくもったんじゃあないかと考えました。
もし、この仮説が正しければ過熱水蒸気の焙煎をうまくやれば炭焼の焙煎機よりも 制御が楽で炭焼の焙煎機と同じぐらい焙煎豆が長くもつ焙煎機ができるんじゃあないかと思っています。
さて、この仮説が当たってますことやら・・・・乞うご期待。

このころの説明は、まだ過熱水蒸気の特性を理解しいない気がします。
過熱水蒸気の文献で出てくる特性で一番に来るのが乾燥逆転温度というもので、これは釜内の温度か175度以上になると湿度が高ければ高いほど水を引っ張る力が強くなるという特性でこれが蒸らしの基本原理となります。この時に水分が抜けるときに成分を引っ張りにくいことも良い点です。
日常の晴れた日の方が洗濯物が乾くと逆になる部分か結構面白い性質です。
もう一つの特性としては膜凝縮伝熱という性質があります。
過熱水蒸気が珈琲豆に当たると凝固熱分珈琲豆に熱を伝えることになるという性質です。
つまり、乾燥空気よりも湿度の高い空気の方が熱を運ぶ力があるということです。
乾燥空気で大量の温風を使わなければ豆の温度か上げられないのでスカスカになりやすいのに対して過熱水蒸気の場合は少量の熱風で熱を運ぶことが出来るということです。
そのために、通常の熱風で焙煎するものよりも成分が飛びにくいという性質が出てきちゃうわけです。
古い解説はここら辺までの過熱水蒸気の基本原理を語っているだけなんです。
珈琲に過熱水蒸気を使うというのはこれではだめなのです。
量が重要なのです。味を変化させてこその価値なのです。
だから過熱水蒸気というのは、どのタイミングでどれだけの量をいれるかを細かく実験しなけれは基本原理を語るだけになってしまうのです。
だからうちの過熱水蒸気の装置はどんどん改良されて蒸気の量をできる限り制御するように改良してきたわけです。

語ってきたことと真逆なシンプルな焙煎機・・アウベルクラフト
この焙煎にもいろいろと語ると面白いことがあるのです

焙煎について-焙煎の概念

さるでもわかる焙煎学・・・・
珈琲豆の内部に熱を加える方法は、たった一つの方法しかありません。
豆の表面の温度を上げて表面から徐々に内部に熱伝導で加熱するしかありません。
あたりまえのことを整理すると・・・・
排気温と豆の表面温度との差が大きければ大きいほど豆は熱を吸収するスピードがはやくなります。
(本体温度の上昇スピードがはやい・・・傾きが急になる)
豆の表面温度と豆内部の温度差が大きければ大きいほど豆内部に熱が加わりやすくなります。
(ひじょうに、あたりまえ)
この中で、問題となるのが豆の表面と豆内部の温度差なんです。
焙煎が、温度に依存する以上も豆の表面と豆内部の温度差があれば 化学変化の進行状態に内部と表面に差がでます。
この差を少なくすれば、コーヒーの味が濃くなる事になります。
(非常にあたりまえのことですいません)

めちゃくちゃ基礎を語っているなぁと思いました。焙煎の基礎中の基礎で今でもこの考えは賛成です。
熱風式であろうが直火式であろうが輻射熱が強かろうがヒーターで焙煎しようがすべてに当てはまるめちゃめちゃ基礎です。今更こんな基礎を読むとはぼくも思いませんでしたが基本に立ち返る大切さを感じました。

はぜをひろうマイク・珈琲は、温度計がなくても微圧計がなくてもはぜるのです。
別に数字で豆がばせているのではないのです。数字は人間のためだけにあるのです。

焙煎について-珈琲の立場に立って考える

 焙煎も抽出もすべて人間の側にたって行っています。焙煎ではガス圧だとか排気温だとか 数字に置き換えます。抽出でも湯の温度が何度だとか蒸らしが何分だとかやっています。 これは、すべて人間の立場であってコーヒーの立場ではありません。コーヒーの内部で 起こっていることは、コーヒーの立場になってみなければわかりません。 コーヒーの立場にたって耳をすませれば、どうすればいいかわかってくるような気がします。 そのあと、人間の立場で翻訳をすればいいのです。
うーーーん、哲学だなぁ。(とりあえず、ちゃかしてみる)

排気ダンパーについているルーペ・1度の差に意味があるのです