Deepドリッパーを考える

週刊フレーバーでフラワードリッパーのディープドリッパーを実験したんですが・・・
思ったよりもいい感じで ・・・ちょっと驚きました。

松屋の金枠で同じことをやった時には薄くなったのであまりいい結果にはならないだろうと思っていたのですが実際にやってみると美味しくはいるのです。
このディープ27で松屋式をやっても美味しくはいるのです。
ただし、ヒタヒタの水位にするために粉のひき方を細かめにしないと雑味が出るところまでわかってきました。
圧力は高さに依存するので粉の厚さがあるとお湯の通りがよくなるのです。
松屋式のように水位をヒタヒタまでに持ってくる抽出方法の場合あまりにも抜けがいいとけっこう困るのです。そこで粉の粒度で調整するかお湯をさすスピードで調整するかになるのです。
週刊フレーバーでは、ドリップ$を使ってしまったため、お湯をさすスピードが変えられずに通常の松屋式のひき方でやった時にはうまくいかなかったんだと思います。

こうなると次の実験は抽出時のドリッパーの重さを測定して水の抜けやすさを測定することとなります。

てなわけで忙しい仕事の合間15分で作ったそれ用のスタンドです。

このスタンドでサーバーを浮かせた状態をつくれば抽出時のドリッパーの重さが測定できることとなるわけです。

ちなみに・・・・たらちねドリッパーも購入して実験しようと思います

松屋式抽出の内部の動画

前の店で松屋式の内部の様子を撮影した動画がほったらかしになっていたので解説がてらアップしてみました。それにしても撮影にけっこう時間も機材も使っていたもんだと感心しました。

粉の内部をチェックする。

30秒蒸らし
蒸らしで最初にお湯を細くかけた時に珈琲の粉の隙間をお湯が流れていきます。
まだその段階では粉からの泡が本格的にでで来ないので均等に濡れた状態なっています。
蒸らし時間によってガスの量が変化して珈琲の粉が浮かびやすくなります。

特に短い蒸らしの場合ガスが抜けていず粉が不安定な状態でお湯をささねばならず非常に注ぎにくい状態となっています。そして、お湯が抜けにくい分粉がお湯に浮いた状態になります。(下の濃い茶色の部分)終了後にお湯が抜けると同時に粉全体が沈む状態になります。

30秒蒸らしの松屋式

1分蒸らし
粉にお湯をかけた後全体に泡が発生して白く輝いた感じになっています。
その後1分の蒸らしの時間で泡が落ち着いて少しづつ隙間ができ始めます。
抽出に関してはその隙間をお湯が埋める状態になり終了時に粉全体が下がる感じはありませんでした。

1分蒸らしの松屋式

2分蒸らし
お湯がいきわたった後泡が全体に広がった状態になりました。
その後2分の蒸らしによって粉と粉の隙間がつくられていきます。
抽出時にはその隙間を利用してお湯がスムーズにしみこみ抽出時に粉が動くことなく抽出されていきます

2分蒸らしの松屋式

3分蒸らし
お湯がいきわたった時に細かい泡が発生します。その細かい泡が、蒸らし時間の間にくっついて大きく成長していきます。それにより、粉と粉の隙間がしっかり形成し珈琲の層が崩れにくくなっていきます。

3分蒸らしで松屋式

結論
松屋式で蒸らし時間の重要性は、最初にお湯をさした後の細かい泡が時間と共に結合して大きく成長し珈琲の粉と粉の隙間を作り上げていく作業にあると考えます。ここがきっちりと出来上がっていると粉は動きにくく珈琲の層としては強固で安定した状態をつくることが可能となるわけです。

関係ないですが、どの抽出でコーヒーの層全体がある程度浮いた状態ができていたのはお湯がたまり過ぎたためだと思われます。(器具の抽出速度の問題と思われる)

抽出温度を測るということ

珈琲の抽出でポットのお湯の温度を測るというのはよくあります。
まぁ・・・これが一番簡単なのです。
ドリップポットに温度計を差し込んで温度を測る非常に安直で確実な感じて結構気に入ってます。
30年ぐらい前にこのポットをつくった時にはほかにはこんな感じのポットがなかったのでけっこう売れました。

現在は安い価格で温度計付きのドリップポットが出回ってそんなに売れなくなりましたが・・・
(現在は販売中止です)

実際に測るべきは湯温ではなく粉の内部の温度なのでこれでは正しくありません。
湯温と粉の温度差を理解しているかどうかは抽出おいてはすごく大切なものなのです。

そう考えると粉の温度をダイレクトに測る温度計付き一杯用金枠は結構勉強になると思います

ポイントとなるのは先端についているツマミでこれによって温度計とのバランスをとっています
ドリップ$のような細く注すことのできる器具では粉の温度は70度前後までしか上がりません。
一杯だしでここまで細く出すことのできるのはdrip$しかないように感じます。

1杯用温度計付き金枠での蒸らしまで

抽出の時もdrip$で70度ぐらいで抽出が可能となります。お湯が太い場合は粉の温度が上がってその分溶かす力が強くなります。どの温度帯をつかい珈琲を抽出するかが技術的には大切になってきます。

1杯用温度計付き金枠の抽出

綺麗な水の流れをつくる

ドリップ$で流量を正確に合わせるための装置をつくりました。
まだ柱と球の違いを色々と考えているのです。
とにかく誰が見てもこれならば間違いないという正確な湯量をだすドリップ$で綺麗なお湯の柱をつくらねば納得してくれません。

そこで今回は水量調整を行ったドリップ$をつくってみました。
ポイントはシリコンチューブに4mm用ワッシャーを何枚かはめて水量を調整するという方法です。
このやり方ならば水の流れに乱れがなく綺麗な水の柱が確実に出来上がるのです。
(水量の微調整はシリコンチューブを少しだけ切って調整する)

パルスと水の柱の水量が同じに調整できたら、あとは点滴と水柱の差を正確に実験することができるようになります。

今度こそなんか結果を出したいと思います。

新しい綺麗な水柱をつくる専用のドリップ$

きれいな水柱と点滴のドリップ$・・・水量をだいたいあわせてあります

パルスフロー抽出について

現在のマイブームがパルスフローです。実際には点滴抽出の延長としてのパルスフローなのです。
ぼくがこのパルスフローに興味を持ったのは節水蛇口の開発者の方の出ている動画がきっかけだったのです。皿のよごれを大量の水で洗い流す場合・・・実際によごれに当たっている水は一部でしかなく大半の水はよごれに触れることなく流れてしまうのです。そこで使われていた技術が水の球を連続でよごれに当てるという方法・・・これならばすべての水がよごれに当たって汚れ落としに活躍することになるわけです。このやり方だと今までの1/10の水でよごれが落ちるらしいのです。

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この考え方を珈琲に応用すると点滴抽出と水柱を使った抽出の違いが出る可能性を持つと思ったのです。点滴抽出の一滴の水は珈琲の粉に当たって広がる時に珈琲の成分をしっかり溶かすんじゃないだろうかと思ったのです。昔やっていた波打ち際理論的な感じとパルスフローは本来セットのものじゃあなかったんだろうかとも思いました。ある程度の高さから珈琲の粉に落とされた水球ははじけるときに
パルスを発生させます。そのパルスが抽出効率上げる可能性を持つ。
もしその仮説が正しかったら今までぼくの中では2杯程度の抽出でしかパルスフローの効果がでないという考えが間違いであることになるのです。球のお湯が珈琲の粉に当たった所だけにパルスフローの効果が表れるとなるとパルスフローの効果は表面の面積に依存することになって20g程度の抽出では効果があるけど200gぐらいの抽出では上部の粉の面積に対して粉量が圧倒的に多いので効果が表れにくくなってしまうということになります。

しかし、球状のお湯が珈琲の表面に当たってその時にできたパルスが水を伝わって内部の粉にも影響を与えるとしたらある程度の粉量でもパルスフローの効果が期待できると思うのです。

その辺の実験をやってみたいと思っています。

水柱で抽出する実験をするためのドリップ$

点滴抽出用ドリップ$

脈動流ができやすいドリップ$

脈動流ができにくい

34cmの立ロシを使ってみた感想

この頃・・・朝の珈琲を立ロシでつくっているんです。
20杯用の金枠でカナワンも使わずにやっています。
一つに週刊フレーバーで単にネタで取り上げたのが発端だったんです。
たまたま会長に指摘を受けて立ロシと金枠で珈琲をたてた時にけっこういい感じだったんです。
どういい感じだったかというと・・円錐ペーパーよりも横に広がる感じあったのです。
つまり・・・粉に無理させずお湯が粉の中を通る感じがけっこうよかったのです。

まぁ・・5杯のペーパーが何度かはじける事件があったのも
問題だったんですけど・・・

最初は折り紙ドリッパーでひだを調整して金枠に取り付けるのが理想だと思っていたんですが
普通の四つ折りで対応したぐらいの方が大量だしには良いかもしれないとちょっと感じでいます。
折り紙ドリッパー方式ではひだのサイズが大きくなり過ぎて金枠に収まりきらなくなる可能性があると思うのです。それに対して四つ折り方式ではあまりひだの影響が無くなってちょっと広がる程度の影響で済むと思うのです。

ネルもそうですが布の張力で支えるのは無限に広がるゴムの様ではなくある程度広がる感じがいいのです。そのためには大きくひだを使う折り紙ドリッパー方式では都合が悪いのです。

ただし・・・一杯程度の場合はひだの高さがあまりないことと粉の拡がろうとする圧力が強くないのであまり問題がなさそうな気がします。

とりあえず今度39㎝の立ロシを取り寄せて使ってみていろいろと実験してみます

穴あけ君ペンタイプ、販売開始!!

最近の流行は、「TOTRON」ですが・・・

販売開始する迄には、もう少し時間が掛かりそうです。

それまで待てない方には、是非、「穴あけ君ペンタイプ」をお使い頂ければと思います。

TOTRONに似た香味が楽しめます!!

ご使用方法は、金枠にペーパーフィルターをセットし、「穴あけ君ペンタイプ」の針で
ペーパーに数か所、穴を開けるだけです。とっても簡単です!

是非、お試しくださいませ。

カナワンの価値

カナワンは、10杯用のペーパーで20杯を抽出できる道具です。
今まで通りに20杯のペーパーがあるのならば、それを使っておけばいいわけです。
20杯のペーパーが無くなった以上何とかしなければならないのでカナワンはできたのです。
つまり・・・大量だしをやるとなるとカナワンを使う方法以外はないわけです。
(松屋式の場合)
カナワンを使えば大量の粉を使っても粉が淵からこぼれることはありません。
ペーパーのように折れ曲がることがないのて非常に安心感があります。

その代わりにペーパーのチャック部分の弱さが問題となるのです。
大量だしの場合チャック部分高い圧力がかかりはじけちゃうわけです。

そこでそれを防ぐためにとめるくんが開発されました。

カナワンととめるくんのセットで最強となるわけです。
その場合は、3リットルの計量カップを使うとアイスコーヒーやポットサービスのようなときに大活躍です。

金枠にリングを取り付けている工程

とめる君とカナワン、販売開始!!

とめる君とカナワンを販売開始しました。

とめる君の単体販売はございません。予め、ご了承くださいませ。

また、お得なセット商品もご用意致しました。

どうぞ、宜しくお願い申し上げます。

とめるくんの接続方法

だいたいとめるくんの使い方も完成に近づいた気がします。
特にとめるくんと金枠の接続はこれしかない気がします。
Sカンによる固定・・・・

その時に問題となるのがはめ込み方なんです。
Sのはめ込み方で微妙にペーパーが差し込みにくくなるのです。

今日・・・朝の珈琲で完成品でコーヒーをたてようとしてペーパーがうまくはまらなくて今までの金枠を使って珈琲をたててごまかしたんです。(スマートに販売に持っていきたかった・・残念)

こんなことで作業性が全く変わるのです。
これだからものづくりは面白いのです。
どこまで深く考えているかが問われるのです。

どれだけ実験を繰り返したかが問われるのです。

あとはこのパターンでいくつか作って個体差が出るかどうかを検証してみたいと思います。

たぶん・・・こちらのつけ方になると思う 
こちらの取りつけ肩の方がペーパーを差し込みにくいことが分かった