のんびりブレンド作り日記④

【予想していなかったブレンドの完成】

まだまだあまり手を付けずに残っていた
・マンデリン
・キリマンジャロ
・メキシコ
の3種類のコーヒー豆。
誤解を恐れずに言ってしまえば、マンデリンは深煎りをドリップで、キリマンジャロやメキシコはストレートで飲むもの、と言う決めつけが僕の頭にはありました。
『ブレンドには合わないのではないか?』と。

だからなのか、ブレンドを考えるときにマンデリンは完全に外して、キリマンジャロとメキシコも少ししか使っていなかったのです。
ぶっちゃけて言うと、マンデリンをエスプレッソで飲んだ経験は殆どなく、特にこれと言って良い印象も持っていませんでした。

「では、この3種類の豆でエスプレッソを試してみるか…」

特に期待感のないままマンデリンのエスプレッソを淹れてみました。
(※この頃になると、ストレートでのエスプレッソをちゃんと作るようになっておりますw)

「悪くない。別にいいじゃん。そんなに癖も強くないじゃん!」
(※本当に申し訳ないのですが、美味しさを表現する語彙に乏しくて情けなくなります…。)

こうして今までの固定観念が、ゆっくりと溶けていきました。
キリマンジャロやメキシコに関しても大体同じような感想で、無意識の決めつけや苦手意識というのは、厄介なものだと学ばされました。

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「僕の最初のブレンドをマンデリンベースで考えてみるか。」
全く当初の予定になかった考えが固まっていき、マンデリンをベースに・キリマンジャロ、・メキシコ、(※残り少ないですが・コロンビア、・ガテマラ、・ブラジル)などの豆を比率を変えてブレンドし、検証する日々が始まっていきます。

そんな中で決まったのが、今回のブレンド「Smooth Espresso(スムーズエスプレッソ)」です。
検証の過程をバッサリと省きましたが、このブレンドに決めた理由は「エスプレッソの味のブレがあまりなかった。」というところ。

「なにそれ?」

と思うかもしれませんが、約5年ぶりにエスプレッソマシンを持ち出してきて、約5年ぶりにエスプレッソを淹れている訳ですから、安定した抽出が出来ているとはさすがに僕も思っておりません。
そんな中で、
・苦み酸味のバランスがちょうどよく、飲みやすい。
・ミルクと合わせても甘くておいしい、コーヒー感も負けてない。
・アメリカーノ(エスプレッソのお湯割り)もさらっと飲める。
このような印象を最も強く感じられたのがこのブレンドです。

「これなら各家庭でエスプレッソを出しても、飲みやすいものが出来るのではないか?」
と言う思いから、商品名をSmooth Espresso とさせていただきました。

今回のブレンドは、淹れやすさと飲みやすさを意識して作らせていただきましたので、エスプレッソ初心者の方には特におススメです。
是非手に取っていただけたらなぁと願いつつ、今回の「のんびりブレンド作り日記」は一旦終わります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

※3月19日のCoffee Pro TVにて、こちらのブレンドの検証、飲み比べ、時間があればデザインカプチーノの披露などをしたいと思います。
よろしかったら見てくださいね!もちろんアーカイブも残ります!

トリ子です。

【ニワトリのキャラクターについて】

ブログにちょくちょく登場しているニワトリのキャラクターについて、ある方から質問をいただいたので、この場を借りて紹介させて頂こうと思います。

名前はトリ子
1歳と半年ほどのメス、女の子です。
チキンバリスタです。
気が小さいので人前でラテアートを作ると、緊張で震えますw
実は僕の家で飼っているニワトリがモデルです。
1日1個卵を産んでくれて、もう400個以上産んでおります。
小松菜が大好きです。
これからもちょくちょく登場するかと思いますので、よろしくお願いいたします。

※チキンバリスタとは、その昔ラテアートの大会などで、震えすぎてコーヒーをこぼしてしまうバリスタのことを、愛情込めて呼んでいた総称です。
 

のんびりブレンド作り日記③

【中煎り豆を試す】

ブレンドを作る前に、まずはそれぞれのストレートの味を理解しておかないといけません。
とは言え、1日にたくさんは飲めないし、今までの経験からある程度は味の予想がついている。
早くブレンドを作りたいと言う気持ちが勝ってしまい、その時の僕はストレートでの味の検証をしないまま、早々にブレンドを作ってしまいます。
・モカ
・ブラジル
・ガテマラ
・コロンビア

とにかく僕が飲み親しんだこの4種類の豆を使って、それぞれの比率を変えたブレンドを、勢いに任せてたくさん作りました。
ブレンドしたコーヒー豆を袋に小分けして、メモを張り付けたら冷凍庫に保管しておきます。

前にも書きましたが検証は、エスプレッソ、カフェラテ、アメリカーノをとにかく作ってひたすら飲む、気に入ったものに関してはドリップもして検証します。
もちろん気に入らなかったものに関してはエスプレッソとカフェラテだけでやめてしまうこともありますが、結局ドリップして飲んでいました。
その結果…
すぐに体調を崩しましたw

美味しかったということもあり、調子に乗って飲みすぎていたようです。

「身体は冷えるし、ふらつくし、しばらくコーヒーは飲みたくない…」

そうしてしばらくコーヒーから離れて身体を休め、元気になったらまた検証。
飲みすぎないように注意しながら、のんびりとブレンド作り(検証)を続けます。

こうして決定的な出会いがないまま、実は数週間が過ぎてしまいました。
なかなか「これだ!」と言うものに出会えないのです。
美味しいと思えるブレンドは、たくさんあるんですけどね。
面白みに欠けると言うか、置きに行っていると言うか、驚きに欠けるというか…。
答えが出ないまま、ブレンド用の4種類の豆も残り少なくなっていきます。

「どうしよう…。」

と悩むまでもなく、目の前には
・マンデリン
・メキシコ
・キリマンジャロ
と、僕があまり好んで使ってこなかったコーヒー豆がまだまだたくさん残っておりました。

「とりあえずこの豆を使って作ってみるか…。」

そのあきらめにも似た決断が、急速に事態を動かしていきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

次回、「全く予想していなかったブレンドの完成!」です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。

のんびりブレンド作り日記②

昨日の続き…
「深煎りの珈琲豆で作ったブレンド」を飲んでみて感じた違和感の正体とは。

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皆さんはスコッチウイスキーはお好きですか?
僕は好きでした。
スモーキーなピート香が特徴的で、その中でもラフロイグを好んで飲んでいたと記憶しています。
しかしそれも、僕がまだ健康だったころのお話。
お酒を飲まなくなってもう何年経つのだろうか…。
しかもコーヒー業界から退いた後はカフェインを制御していたため、普段の飲み物はルイボスティー。
実は、お酒もコーヒーも僕の生活の中には皆無でした。

そんな中で久しぶりに飲んだ深煎り豆で淹れたエスプレッソは、とてもスモーキーに感じられます。
苦いのではなく、飲んだ後に鼻に抜けるスモーキーな余韻…。
それが、苦手になっている。

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はい、その違和感の正体とはものすごく個人的な理由でした。
スモーキーな『余韻』がどうしても苦手。
これはもう個人的に苦手なのだからしょうがない。
そのあとも何個かブレンドを作って飲んでみましたが、「これは!」と思えるものは少ししかありませんでした。
まぁ、少しですが美味しいと思えるブレンドを見つけたので無駄ではなかったのですが、この作業に数週間使ってしまいます。
その結果、僕の出した答えは、「中煎り豆だけでブレンドを作ろう。」と言うもの。

ここで、「なんで中煎り豆と深煎り豆をブレンドしようと思わないの?」と疑問に感じられた方はいらっしゃいますでしょうか。
これもまた個人的な理由なのですが、僕がまだ現役でバリスタをしていたころ、
エスプレッソ用のコーヒーグラインダーには、ホッパーというコーヒー豆を入れておく場所がありました。(今ももちろんあります。)
そこに深煎りのコーヒー豆を入れておくと油(コーヒーオイル)でギトギトになりホッパーが油で汚れてきます。
豆も固まりやすくなり、挽いた粉もサラサラ感がありません。
なんとなく嫌なのですw

「なんだそれ!」と思ったでしょ?
僕もそう思いますが、味作りの面でどうしても譲れない限りは、中煎り豆や浅煎り豆だけでブレンドを作りたいという思いは以前からあったのです。
とは言え、もし第2・第3のブレンドを作らせていただけるのなら、深煎り豆を使った物も考えたいですね。

と、長々と書いてしまいましたが、ブレンドの方向性は決まったので、次回からは【中煎り豆を試す】です。
ここまで読んでいただきありがとうございます!

のんびりブレンド作り日記①

昨日のブログに書き忘れたのですが、エスプレッソブレンドとして作ったブレンドでも、もちろんドリップをして味見をします。
ブレンド作りをしている間は、かなりコーヒーを飲むことになるので、カフェイン中毒には気を付けないといけませんよね。
以前1日にエスプレッソを10杯ほど飲んで体調がおかしくなったことがありまして、カフェインの取りすぎには注意しております。

すいません、話がずれましたw
では、ブレンド作りの話しを。

エスプレッソと言えばやはりガツンと来る苦みであったり、凝縮された甘みであったり何か突出した特徴が欲しいところですよね。
とは言え、僕がバリスタを始めたころはスペシャリティコーヒーの台頭で、ロブ入りのエスプレッソが珍しくなっていたので、僕自身はロブ入りのエスプレッソにこだわりはありません。
なので、まずは普通に【深煎り豆】を使ってエスプレッソのブレンド作りを始めていきます。

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突然ですが、僕はモカが大好きです。
エチオピアのイルガチェフェという珈琲が大好きなのです。
なのでブレンドを作るときも、とにかくモカ(エチオピア)をベースに考えました。

そして次はブラジル。

「モカとブラジルを合わせておけば大体うまくいくっしょ!」

はい、それはもうとっても甘い考えですw
モカとブラジルを4:3で合わせて残りは…コロンビアとガテマラを2:1で…。

「よし、できた!」

では早速エスプレッソを淹れて…、

「うん、飲める。でも…、なんか違う。」

さて、深入り豆を使って作ったブレンド。
そのエスプレッソを飲んで感じた違和感。
果たしてその違和感の正体とは?と言うところで次回に続きます。

ここまで読んでいただきありがとうございました!
3月19日(水)Coffee Pro TVにお邪魔させていただきます。
よろしくお願いいたします。

Pitsおススメのエスプレッソブレンド、販売開始。②

さて、エスプレッソマシンの動作確認を終えて、エスプレッソが淹れられることを確認したら、次はミルクです。
カプチーノやカフェラテは、エスプレッソに「強力な蒸気で泡立てたミルク」を注いで作るのですが、それがなかなか簡単には出来ません。
久しぶりの作業にワクワクしながら、ミルクピッチャーに牛乳を注いで、いざスチーム!
慎重になりすぎて、空気を入れ込む量が少なくなってしまいました。
そんなわけで、久しぶりに作ったカフェラテは、フラットホワイトになりましたとさ…w(わかるかなぁ~、わかんねぇだろうなぁ~)
とは言え、エスプレッソもミルクのスチームも問題なく出来ることを確認。
エスプレッソマシンをしっかり掃除して、丁寧に保管していた5年前の自分に心から感謝しました。

と言うことで次回からブレンド作りを始めるのですが、その作業、なかなか順調にはいきません。

「ブレンド作りって難しいんだろうなぁ~」って思いましたか?

そうではないんです! 
作りたいブレンドのアイデアはいっぱい出てくるのですが、身体がエスプレッソを受け付けないのです。
味見をするにも1日1ブレンドが限度。
まず1杯目…エスプレッソでそのまま一口、砂糖を入れて一口、冷たい牛乳を少し入れて飲みほす。
2杯目…エスプレッソをお湯で割って飲む。(アメリカーノと言われるものです。お菓子やパンをお供にしながら小休憩w)
3杯目…カフェラテにして飲む。
この時にはもうお腹がいっぱいになっていて、気持ちも十分満足しています。
この後二つ目のブレンドを試そうと思うと、コーヒーミルをしっかり掃除しなくてはいけないので、掃除が終わったころには「今日はここまで、ヨシッ!」となるのです。なりますよね?
そんな「のんびりブレンド作り」は次回へ続きますのでよろしくお願いいたします。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

※フラットホワイトはオーストラリアのコーヒーメニューで、ざっくり言うと・カプチーノより泡が少ないのがカフェラテ、・カフェラテより泡が少ないのがフラットホワイト、と言った具合です。
ミルクフォームが安定しないバリスタに嫌味で言ったり、バリスタが自虐で言ったりします。

coffee boxx Pitsのラテアート

新しいブランド「coffee boxx Pits」をご紹介するには、動画を観てもらうのが一番と思いまして・・・

coffee boxx Pits(長野さん)のラテアートを再生リストにまとめました!

ラテアートやエスプレッソコーヒーに興味のある方、ご覧くださいませ。

Playlist: coffee boxx Pits:ラテアート

coffee boxx Pits(長野さん)のYouTube https://www.youtube.com/@masanagano


Pitsおススメのエスプレッソブレンド、販売開始。

こんにちは、初めまして「coffee boxx Pits(コーヒーボックスピッツ)」と言うお店を、岐阜県可児市で営業しておりました長野と申します。
今回、何かと不思議な縁のもとCoffee Proさんからエスプレッソブレンドを発売させていただける運びとなりました。
お声がけいただき本当にありがとうございます。

さて、冒頭でも述べました通り[カフェを営業していた]と言う過去形なわけですが、お察しの通り今はもうお店は閉店しております。
たくさんの方にお助けいただき、何とか営業していたようなお店でしたが、僕のお金と体力が底をつき、閉店せざるを得なくなってしまいました。
残念なことです。
とは言え、紆余曲折ありつつもこうしてまたコーヒー業界に関わらせていただけるというのは、感慨深いものですね。
こちらの場所をお借りして、過去の色々な経緯、人との不思議な縁などについても描いていけたら良いのかなぁとも思いますが、先ずは今回のブレンドについて少し書かせていただきます。

今回のお話をいただいた後、一抹の不安を感じながらも約5年ぶりにエスプレッソマシンに電源を入れ、動作確認をいたしました。
「うっ…、動いた!こいつまだ動くぞ!」が正直な感想です。
動かなかったらお断りするしかないなぁと思っていたので、第一段階クリアです。
そして、エスプレッソの抽出にとりかかります。
『自分の身体の方がよっぽど動かない…。』
苦笑いしつつも何とか抽出し終え、5年ぶりのエスプレッソを口に含みました。

「うん、飲める!うまいじゃん!よかった~!!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

と言うことで、今回は久しぶりにマシンを動かすところまでを書かせていただきました。
ここまで目を通していただきありがとうございます。
続きはまた明日?書かせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。