細かすぎて伝わらない遊戯 M七八

「M七八」は、2種類のマンデリンを使っています。
それぞれをエチオピアと時間差投入で混合焙煎しています。
1釜目はマンデリン・トバコ728gを先行して、3分後にイルガチェフェ・ウェギダブルー272gを後追い投入、焙煎時間は(先行トバコ投入時からで)計20分45秒。
2釜目はマンデリン・スマトラタイガー832gを先行して、4分後にイルガチェフェ・ウェギダブルー168gを後追い投入、焙煎時間は(先行スマトラタイガー投入時からで)計18分35秒。
1釜目と2釜目では(どちらも投入量1kgなのに)焙煎時間が2分以上も差があります。
これは、2釜目の方が火力を強くしているからで、より上品な味わいのスマトラタイガーからクセ味を強く引き出すためです。
でも、火力を強くしている分、もしも1釜目と同じタイミングでエチオピアを後追いすると、混合した中でエチオピアだけがオーバーローストになってしまいます。
これを避けるために、後追いするタイミングを1分遅らせて(1釜目は3分後、2釜目は4分後)、差をつけています。
こうして時間差投入で混合焙煎する釜をさらに焙煎後にブレンドする場合、構成する全ての豆の火通りを予測しながら、調整します。
2釜目に焼く釜の焙煎過程と香味生成を考慮しながら1釜目の焙煎設定を調整して、1釜目に焼いた窯の焙煎過程と香味生成を考慮しながら2釜目の焙煎設定を割り出すのです。
「珈琲遊戯」ならではの焙煎遊戯です。