抽出について-よい生徒と悪い生徒

松屋式の抽出について・・・・ 学校では良い生徒もいれば悪い生徒もいます。いろいろいてはじめて学校です。 コーヒーの抽出とは、良い生徒だけを集める作業なのです。 学校で避難訓練をすれば、良い生徒はすばやく校舎から避難するでしょう。 しかし、悪い生徒は、かったるいなぁといいながらだらだらと避難するんです。 だから、良い生徒が避難したらすぐにドアを閉めちゃえば良い生徒だけを 集めることができるわけです。これが、コーヒーの抽出です。 コーヒーを蒸らして抽出にはいったらうまみが早くとけてきますので うまみがとけたらすぐにやめてしまえば、うまみだけのコーヒーができるわけです。

左端が良い子・右端が悪い子・真ん中が普通の子

抽出について-悪い生徒も使いよう

渋み、いやみについて・・・・ 集団行動が苦手だったりする生徒は、逆にいえば、独立心が旺盛だったりします。 ほんの一面をみてすべてをみたつもりになってはいけないんです。 つまり悪い生徒もいい面があったりするんです。 コーヒーの後半ででてくる渋みは単体では悪い生徒なんです。 しかし、うまみのだけのコーヒーにすこし渋みがはいるとミルクが入ったときに こくがうまれるんです。いやみがまったくないコーヒーもブラックで飲むにはいいですが、 渋みを少しいれたコーヒーにミルクをいれて飲むのもけっこうオツなものなのです。

抽出について-おいしい珈琲は、飲み物のひとつに過ぎない

コーヒー屋をやっているとまずいコーヒーなんかコーヒーでないと思ってしまいます。 インスタントコーヒーや缶コーヒーなんかはコーヒーでないと思ってしまいます。 だけど、コーヒーメーカーのコーヒーがおいしいという人がいたり インスタントや缶コーヒーが好きという人も確実にいます。 相手の好みに対して文句をいうことよりも相手の好みをみとめてから、 自分らしいコーヒーをたててあげましょう。 長い時間かけておいしいと思ってしまった記憶を慌てて変えさせるる必要はありません。 おいしいと思ってくれるまでのんびりといきましょう。 おいしいコーヒーも飲み物のひとつに過ぎないのですから。

ブログを書いているパソコンは焙煎をやっているのと同じものです

焙煎について-珈琲の立場に立って考える

 焙煎も抽出もすべて人間の側にたって行っています。焙煎ではガス圧だとか排気温だとか 数字に置き換えます。抽出でも湯の温度が何度だとか蒸らしが何分だとかやっています。 これは、すべて人間の立場であってコーヒーの立場ではありません。コーヒーの内部で 起こっていることは、コーヒーの立場になってみなければわかりません。 コーヒーの立場にたって耳をすませれば、どうすればいいかわかってくるような気がします。 そのあと、人間の立場で翻訳をすればいいのです。
うーーーん、哲学だなぁ。(とりあえず、ちゃかしてみる)

排気ダンパーについているルーペ・1度の差に意味があるのです

抽出について-松屋式vsカリタ式

同じペーパードリップでもスタートが違います・・・・ 松屋式ドリップは、喫茶店など業務用の技術から発生しています。 業務用のコーヒーの場合、どうしても古かったりくず豆が入っていたりと コーヒー豆のレベルとしては高いとは言えません。
そのコーヒーで業務用の場合は、大量だしや長時間味が変わらないコーヒー そして、なによりもおいしいコーヒーを作らなければならないのです。 その難しい命題を克服しょうというところから松屋式ドリップは発達してきました。

それに対して、カリタ式ドリップは家庭用コーヒーと共に発達してきました。 自家焙煎の挽き売り店と共に発達したともいえます。
(ほとんどの自家焙煎のコーヒー屋さんが指導している抽出法)
自家焙煎のコーヒー屋さんの豆はいりたてで新鮮なうえハンドピックも行われています。 つまり、コーヒーのレベルとしては高いと思います。
(すべての店がレベル高いとは限りませんが・・・・)
カリタ式のドリップは、コーヒーの持っている味に依存するいれ方なのです。
だから、レベルの高いコーヒーならばカリタ式でもそれなりにおいしくなるんです。
家庭用では、コーヒー液を半日もたせたり大量のコーヒーを作ったりすることは普通ありませんから。 では、自家焙煎の挽き売り店のコーヒー豆で松屋式ドリップをしたらどうなるでしょう。
・・・・・・・うまいに決まっているでしょうが。当然

ぼくが推奨する松屋式

抽出について-ドリップの心得2

心でたてる・・・・ これは、信じる人だけ信じてください。はっきりいっていんちきくさいです。 ただし、ぼくはこれが極意だと思っています。
コーヒーを抽出するとき、半眼でコーヒーをいとおしむような感じでコーヒーを抽出します。 そして、好きな人を思い描いて、その人の喜ぶ姿を心に描いてください。 抽出技術が同じならば、心で思い描ける人の方がコーヒーはおいしくなります。
コーヒーの抽出は、9割は技術力で1割は精神力だと思います。 あとの+αは、人柄だと思います。 いんちきくさくて、すいません

抽出について―ドリップの心得

大草原でコーヒーをたてる・・・・ コーヒーの抽出を練習しているとだんだん細かいことにこだわるようになっちゃうんです。 つまり、お湯を細く注ごうとかお湯できれいに円を描こうだとか思っちゃうんです。 すべて大切な技術なんですが、最終的にはコーヒーがうまければいいんです。 ある程度技術ができてきた人には、大草原でコーヒーをたててるようにイメージしてもらいます。 そうすることで細かいことにこだわらずにコーヒーをたてることができます。 それと、必ず左手を腰に手をあてて胸をはってもらいます。 これは、腰に手をあてることにより重心が安定するし、 胸をはることによりコーヒーと目の距離が遠くなります。 コーヒーは全体を見ながら抽出するものなのです。 一点を見ながら抽出するとコーヒー豆の状態がわからなくなってしまうのです。 ちなみに、人間の目は真剣にじっと見るときは望遠レンズのように視野が狭くなり、ほげーっと しているときは、広角レンズのように視野が広くなります。コーヒーは、ほげーっとした状態での抽出が ベストです。
ほげーっとした状態・・・・なーんも考えていない無心の状態

大草原でコーヒーをたてているつもりになること・2020年8月6日

抽出について-豆の種類とたて方

ふかいりのコーヒーをたてる・・・・ コーヒーとしてはアイスコーヒーやカフェオレなどに使うコーヒーをイメージしてください。 このコーヒーの特長は、成分が溶けやすいこととコーヒー豆が持っている炭酸ガスの量が 通常の2倍あるということです。
(通常のコーヒーが200gあたり500ccの炭酸ガスを持っているのに 対してふかいりのコーヒーは、200gあたり1000cc持っている)
つまり、蒸らしの時間を長く取らないと完全にガスが抜けきれないのです。
(通常3分の蒸らしのところを5分ぐらいすると良い)
ふかいりのコーヒーのもっているうまみと甘味を引き出すには、低温で抽出します。 これは、うまみ、甘味は低温でも溶けるのに対してふかいりの豆に一番多い苦味は 高温で溶ける傾向があるからです。つまり、高温で抽出すると苦味が強くでて うまみと甘味が判りにくくなってしまうのです。
そこで、うまみや甘味を強調するのに 苦味がたくさん溶けないように低温で抽出するわけです。

苦味系のコーヒーをたてる・・・・ コーヒーとしては、マンデリンをイメージするとわかりやすいと思います。 苦味の強いコーヒーは、酸味系のコーヒーよりも渋みがでにくい傾向にあります。 そして、少しぐらい渋みがはいっても苦味が味として強いのであまり、気になりません。 その少しの渋みとミルクが混ざるとコーヒーのコクが増します。
つまり、抽出のときに普段よりも長めに抽出してもいいのです。 そうしたほうが、苦味系のコーヒーが、そのコーヒーらしくなるような気がします。
(この苦味系のコーヒーは、豆が持っている苦味のことでふかいりの苦味ではありません。)

酸味系のコーヒーをたてる・・・・ キリマンジャロのような酸味系の豆をイメージしていただくとわかりやすいと思います。 酸味の強いコーヒーは、渋みを必ずといっていいほど持っています。 となると、この渋みをださないように抽出すればいいわけです。
つまり、酸味系のコーヒーは、普通のコーヒーよりも渋みを多く持っていて、 普通のコーヒーを抽出するときよりも早めに渋み、いやみがでてくるというわけです。
そのぶん、普通のコーヒーよりも早めに抽出をきりあげてお湯で薄めればいいわけです。

モカをたてる・・・・ モカの特長といえば、あの独特の強い香りとコーヒーの甘さだと思います。 (ふかいりのコーヒーの甘さではなくコーヒー豆が持っている甘さ)
欠点は、死豆が混入していたり、発酵豆が混ざっていたりしたときかびくささでしょう。 (焙煎でモカの持っているかび臭さをある程度消すことができますが・・・・)
いれ方のポイントとしては、蒸らしをしたあと、抽出の時できるだけ早くひたひたの 状態にします。お湯の太さを太くするのではなく細く少しスピーディーに円を描くのです。
そして、ひたひたになったらその状態を維持するようにお湯をさします。もし、お湯が よく通るように感じたら、ほんの少しだけコーヒーを細かくひきます。 こうすると、非常に高い濃度のコーヒー液ができることになりかび臭さが溶けにくくなります。 そして、普通より少し早めにきりあげます。(人数分より手前)

抽出について-挽いたときの香りをカップの中にいれる

香りを残す方法・・・・ これは、相当技術がいります。松屋式の抽出をひととおりマスターしていなければなりません。
ミルで挽いた瞬間の一番いい香りをコーヒーカップの中まで残す方法なのです。
普通にコーヒーを抽出するとコーヒーを挽いた瞬間の香りとコーヒーを抽出してカップに入ったコーヒーの 香りは少し違います。これは、揮発性の高い香りは抽出したコーヒーまで残らず、 抽出時に飛んでしまうのです。
そこで、この揮発性の高い一番いい香り(挽いた瞬間の香り)の残し方を教えちゃいます。 はっきりいって科学的ではありません。たぶんいつかは科学的説明がつくと思いますが、今のところ 方法だけしかわかりません。
蒸らしは、普通におこないます。
抽出は、30cm以上高い位置からお湯を非常に細く注ぎます。
そのときに、お湯とコーヒーの粉が垂直になるように注ぎます。

たったこれだけなんですが、はっきりいってむずかしいです。
ひまなときにでもチャレンジしてみてください。 そうすると、ミルで挽いたときの香りと同じ香りがコーヒーカップの中まで残すことができます。