焙煎機の煙突掃除

コーヒー屋の仕事というと、コーヒー豆を焙煎したり、ハンドピックしたりとそんなイメージがあると 思います。けっこう、知られていないけど、重要なのが焙煎機の掃除なんです。 その中でも、煙突は、火災の原因にもなるのでまじめに掃除をします。 通常、300回ぐらい焙煎したら掃除をします。 (実をいうと、うちの店では、何回焙煎したかがわかるようにカウンターがついていて 、300回になったら掃除をすることにしているのです)

300回ぐらい焙煎すると内側に1センチぐらいクリンカーが蓄積します。
(クリンカー:コーヒーを焙煎して生ずる油成分)[写真 左]
ですから、煙突の内径が2センチぐらいは、小さくなります。 これにより、排気効率がさがるわけです。 しかし、そんなことよりも、煙突の内側についた油が曲者なんです。 温度が上がると、この油がもえるんです。

煙突にくっついているクリンカー(煙突の長さ約20cm)

クリンカーを皿に入れて電熱器で熱を加えます。 煙が出てクリンカーが液化します。

マッチで火をつけると勢いよく燃えます。
本来の煙突は10mぐらいはありますからこの程度の火では済みません。

焙煎機の煙突は、通常あまり温度が上がらなくできています。(サイクロンの温度で約70度)
しかし、通常の焙煎でなく深煎りのコーヒーを煎っている場合はこれ以上に上がります。 それと深煎りでは大量の煙が煙突に送られます。深煎りを焙煎中に目を離したりすると異常高温になり、 チャフ(渋皮)に火がついてサイクロンに飛んでいきます。それが引火の引き金になります。

一回焙煎するとこれだけの
チャフ(300cc)がサイクロンに
たまります。(モカ 3キロ)

※サイクロン=集塵機

コーヒー屋の焙煎機の煙突(ステンレス製)で、もし、色が変わっていたら、 それは、そのコーヒー屋さんが、掃除をおこたって煙突に火がはいってしまったんです。 ステンレスは、高温になると、変色してしまうんです。 そういう場合は、煙突掃除をやるように教えてあげてください。火事になる前に。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎遍歴

焙煎とは、コーヒー豆に熱を加えて生豆の成分をいり豆の成分に 化学変化させる作業です。 実際にぼくたち珈琲屋さんが使っている焙煎機というのは 排気と投入温度と火力のたった三つしか操作する部分がありません。 このたった三つの操作の仕方だけで味のつくるのです。 実は、これだけでも無限の焙煎理論が存在してしまうのです。

排気温用センサー
煙突部分ではかる

バーナー位置
炎の高さを変える

ガス圧計と
廃熱温度計
(デジタルに変わりました)

制御盤
中段3個の温度計が
比較温度計と廃熱温度計

比較温度計センサー
左右同じ位置に熱電対を
取り付けました。

排気検査機能付スプーン
排気の状態が
チェックできる

現在やっている焙煎方式

2001年5月16日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150155172185
バーナー位置
火 力240280220
過熱水蒸気3min(off)6min(on)(5-S)

コ メ ン ト
蒸気を焙煎機に送り込むタイミングをタイマーで調節するようにしました。
これは、焙煎機に豆を投入して豆が中点に達してから初めて蒸気を送り込んだほうが、 乾燥逆転温度に達した状態で過熱水蒸気を送り込むことができるので いいんじゃあないかとおもったのです。
いままで、豆の汚れと思っていた部分の一部は、 豆表面と内部の煎りむらであることがわかりました。
つまり、煎りやすいコーヒーは内部に熱が伝わりやすいコーヒーではないかと思いました。
逆にいうと、今までモカなどで汚れと思っていた部分が、単なる焙煎の技術不足であることが よくわかりました。 (いままでいまいちと思っていたコーヒーが、実はめちゃめちゃうまいということがわかりました)
いかに豆表面と豆内部の温度差をなくして豆全体で化学変化を安定させるかがポイントとなると思います。 ちなみに、豆内部に熱が伝わりにくい豆は、 ある程度ストレスがあって本当はうまいコーヒーじゃあないかと思います。
熱のとおりやすい豆は、豆にストレスが少なくて温室育ちのような感じではないかと思います。
実際、温室育ちの豆は焙煎しやすくてきれいに煎れるんですが味が弱いのが欠点です。

2001年5月4日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150160172185
バーナー位置
火 力240280
過熱水蒸気8min

コ メ ン ト
過熱水蒸気を再加熱するために、 バーナーを下に持ってきて炎と水蒸気を混ぜて 釜に送るようにしました。
これにより、確実に過熱水蒸気の特性を使うことができる。
(バーナーを下げて火力をちょっとあげる)
蒸気をあてる時間は、蒸らしの段階のみのがいいようです。
きれいに蒸れているかどうかの判断は、 豆のはぜの音の大きさで現在は判断しています。
豆によってはぜの音の大小があるので それが蒸気の当て方の判定基準になるかも・・・

2001年4月30日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150160172185
バーナー位置
火 力220280
過熱水蒸気7min

コ メ ン ト
蒸気分岐バルブを取り付けて過熱水蒸気の装置としては、完成したと思います。
これからは、どのように蒸気を送るべきか、 そして、焙煎の仕方をどのように変えるべきかを調べていかなければ ならないと思います。
現在わかったこと
蒸気を当てすぎると
・豆の個性が消える。
・味的にスカスカになってしまう。
・香りが長くもたなくなる。
蒸気を使うとチャフの量が異様に多くなる。
(チャフがはずれやすくなるためと思われる)

2001年2月10日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165172185
バーナー位置
火 力220260
コ メ ン ト
水抜きのときに排気を全開にしたほうが抜けやすいことは、 何度かの実験でわかっていました。
そして、どちらかというと排気を全開にしたときに 豆が冷やされるの嫌って水抜きのときも排気を「6」ぐらいにしていました。
そして、水抜き時間を豆によって変える方法をとっていました。
今回、調べたかったのは排気を全開にしたときに豆の表面温度と 豆内部の温度差に着目してみようと思ったのです。
つまり、どんなに釜内部の湿度を高くしても表面から熱が流れている以上 表面のほうが高くなります。
内部と表面の温度を同じにする方法は、表面の温度上昇を意図的に下げて やるしかないはずです。
(内部は、温度が徐々にしか変化しない。)
特に、水が抜けるときに表面の熱を奪っているはずです。
(それが、もともとの比較温度計の温度差の原因と思っている)
実際に排気を全開にして意図的に豆の表面温度を調整して焙煎してみようと思います。
これによって、はぜの強さや味の変化をみてみたいと思います。

2001年2月2日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150165172185
バーナー位置
火 力220260
コ メ ン ト
今回の焙煎は、水抜き作業の時間を少しだけ多めにしてみました。
実際にこれでも豆によっては、水の抜けが弱いように思いました。 (マンデリンなど)
これ以降は、豆によって水の抜け方じっくり調べて豆にあわせて 水抜き作業の時間を変化させようと思います。
豆のふくらみや挽いたときのミルの音、抽出時の豆のふくらみ方など 問題はないと思いました。
ちなみに、味も大丈夫だと思います。

2001年1月31日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150160172185
バーナー位置
火 力220260
コ メ ン ト
蒸らしの段階で、水抜きのために排気を今ままで全開にしていたのを 排気を「6」程度にして、水が抜けるかを実験してみました。
排気を全開にすると空気の流れがはやくなってふにゃふにゃになった豆が 冷やされるんじゃあないかと思ったからです。
(実際に廃熱温度計が、下がったところをみると豆が冷やされていたと思う)
結論から言うと、水分は抜けます。
しかし、全開にしたときよりも比較温度計の数値が「35度」に近づくのが やはり遅い様に感じました。
煎りにはいる前には「35度」にたっしてはいましたが・・・・
つまり、水抜き用の排気時間(この場合、排気「6」の状態)を もう少し長めに調整したほうが確実な焙煎ができるように思いました。
味的には、味がやわらかくなったわりに味が濃くなったような気がします。

2001年1月29日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150160172185
バーナー位置
火 力200260
コ メ ン ト
今回、むらし段階で火は近いほうがいいのか遠いほうがいいのかを調べたいと思いました。
(現在のぼくは、近いほうを選択している)
すべて同じ条件でバーナー位置だけを下からスタートさせてみました。
そうすると、温度の上がりとしては、すこし遅くなりました。
(これは、ちょっとは予想できましたが・・・・)
そして、廃熱温度計の上昇が認められました。
これから考えると、炎を遠くにもってくることにより大量の熱風となったことにより 排気ファンですてる排気量以上の熱気をつくったため廃熱温度計の上昇になったんだと思います。
つまり、バーナー位置が高いとたくさんの空気と混ざる前にドラムにあたってしまって 熱が奪われてしまうんだとおもいました。
比較温度計の差は、大きくはでませんでした。
豆のふくらみとしてはよかったんですが、カロリー不足を感じました。
実験は「コロンビア」でした。
ちなみに「Y」さん曰く、最初の段階でバーナーを遠くにしておくと富士珈琲機械の焙煎機の味に 似ているといっていました。たぶん、バーナーの強い炎をあてる焙煎法と遠火にしてやわらかい 炎をあてる焙煎方の違いではないかと思います。

2001年1月26日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150165172185
バーナー位置
火 力200260
コ メ ン ト
性能のいい比較温度計を取り付けました。
豆の水分がある場合は、温度差が60度あります。
完全に水分が抜けた状態だと温度差が28度でした。 とりあえず、蒸らしが終了したあと煎るためには 温度差を35度以下にしなければならないようです。
(うちの機械の場合ですけどね・・・・・)
今回、蒸らしの排気を最初に絞った状態でスタートさせて 豆内部まで白くなったときに排気を全開にして水分を飛ばします。
今回は、最初に排気を絞っているので150度の時にもあまり水分が 飛んでいなくて、その分排気全開を165度まで伸ばしてみました。
煎る段階での温度差は当然35度以下にしました。
結果、豆のはぜは強いですし、豆を挽いたときの音も軽かったです。
そして、抽出のとき最初にお湯をさしたときのふくらみ方も 問題ないと思いました。
しかし、前回の焙煎方法と比べると酸味が強くなっちゃいました。
それと、香りが前回の焙煎のほうがいいように思いました。
ついでにいえば、味は前回の焙煎のがぼくの好みでした。
てなわけで、今回の焙煎は実験だけで終了としました。 ちなみに、実験したのは「モカ」でした。

2001年1月20日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150160172185
バーナー位置
火 力200260
コ メ ン ト
今回、焙煎方法を変えたのはいかにコーヒーの水を抜くかを調べるためです。
基本的に豆の水は、はぜか始まるよりも前に水が抜けていなければならないと 思います。つまり、煎るためには水がじゃますると考えるからです。
ちなみに、水が残っている場合「はぜが弱い」「味が弱い」「のびがわるい」 などの現象が起こります。これは、水が残っているため煎る作業のときに 内部の温度不足のためと考えています。
今回の焙煎は、スタートの排気を「2」で始めたことです。
これにより最初から水分を少し多めに抜くようにしました。
「150度」の排気「8」は、完全なる水分抜きでやっています。
はぜの温度は、「185度」「15分20秒」 ミルで挽いた音としては静かでしたから、火は豆に通っていたと思います。
実際に、蒸らす段階でバーナーの高さが高いほうがいいのか低いほうがいいのかは いまだにわかりません。今後の課題だと思います。

2001年3月29日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165175185
バーナー位置
火 力220280
過熱水蒸気ON

コ メ ン ト
現在、過熱水蒸気の実験をやっています。
本当に使い物になるのかは、非常に未知数です。
(よくわからんから、おもしろいんですけどね)
とりあえず、現在までにわかったことを書いてみます。
まず、排気監視窓がよごれなくなりました。
(理由はまだわかりません)
火力を”260”だったところを”280”にあげたところ 排気温が”260”の時とまったく同じでした。
つまり、この過熱水蒸気を使うと排気温は確実に下がるということになります。
さがった状態で豆に熱を与えるわけですから、豆との温度差が少なく 表面だけが煎れることがなくなります。
この焙煎法を使った場合、抽出時の後半の成分があきらかにきれいになります。 (雑味がでにくい)
焙煎の可否の判断に使えるかも・・・・・

2001年3月8日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165175185
バーナー位置
火 力220260

コ メ ン ト
廃熱温度というものを正確にはかるようになりました。
そこでわかったことは、バーナーを豆に近づけて排気を強くすると 廃熱温度が下がってしまうという事です。 (ちょっと下がるのはあたりまえなんですけど・・・・・)
つまり、水抜きで排気を強くしたときに少量の強い熱風(炎)と空気をいっしょに吸ってしまうから この現象が起こると考えました。
これを防ぐためには水抜きで排気を強くするときには、バーナーを下げて 大量の弱い熱風をつくっちゃえば防げると思ったのです。 (すんげーーーあたりまえの話ですが・・・・・)
その状態で焙煎したほうが、味が濃くなってドリップしていて嫌味が最後まででないように思いました。
味的には、問題がないのですが、豆のつやがちょっと弱いように思いました。
(味は、気にいっているからいいんですけどね・・・・)

2001年2月22日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165175185
バーナー位置
火 力220260

コ メ ン ト
今回調べたかったのは、蒸らしの段階で炎をあてるかどうかなんです。
蒸らしの時にバーナーを下げて焙煎すると、バーナーを上げて焙煎したときよりも スプーンからでる熱風の量があきらかに多いのです。
ということは、高温の炎が大量の熱風に変換されたということになります。
ガスを燃やしている量が同じなんですから熱量は同じです。
つまり、バーナーをドラムに近づけるということは熱を直接豆に届けるという事なんです。
バーナーをドラムから離すという事は、炎で大量の熱風に変換して熱風として 豆に熱を届けるということなんです。
(熱風に変換しなくて豆に直接熱を届ける方法は炭焼きのように 赤外線なんかでとどけるのも同じです)
では、どちらがいいか・・・・無難に焙煎する場合はバーナーが離れたほうがいいです。
しかし、味を強く香りを強くだしたい場合は、 炎を直接ドラムにぶつけたほうが強い味と香りが出来ます。
そのかわり、蒸らしと、豆の内部と外部の温度差を無くす作業は絶対に必要になります。
ちなみに、うちの焙煎機のバーナーも、もう一段ぐらい高くなったほうがいいような・・・・

過熱水蒸気を調べる

過熱水蒸気の特性

過熱水蒸気というのは、通常の水蒸気を加熱して 高温の水蒸気をつくって利用するものです。
しかし、珈琲の場合そこまでの高温の水蒸気は必要なく 過熱水蒸気の特性だけを利用すればいいと思いました。

過熱水蒸気の特性
・乾燥空気よりも乾燥速度かはやい
・乾燥空気より熱を伝える速度がはやい
(乾燥逆転温度以上の温度帯にておこる)

(写真・通常の排気監視窓)

(写真・実験中)

(写真・ソーセージを焙煎機からだす)

実際に実験する

実際に乾燥速度と乾燥量を実験することにしました。
今回の実験装置は、焙煎機の排気監視窓のガラスのかわりにアルミ板を いれそのアルミ板に肉用の精度の高い温度計をつけました。
この温度計にソーセージを差し込んで焙煎機の蒸気発生装置を使った状態と 使わない状態ではどれくらいソーセージか乾燥するかなどを調べてみました。

ガス圧 150 排気 5 バーナー 上
加湿状態では、排気温が180度で平衡状態になりました。
その状態で、6分間ソーセージを入れました。
ソーセージ温度 75度
目減り量 10.7%

加湿器をはずした状態では、195度で 平衡状態に達し実験を開始しました。
ソーセージ温度 75度
目減り量 10.3%
(写真・実際のソーセージ)

実験結果を考える

まず、乾燥の仕方ですが、少しではありますが加湿状態のほうが 乾燥が進みました。
(一回の実験では結論はだせませんが・・・)
温度上昇ですが、同じ熱量を送っていて実際にはソーセージの温度自体は まったく同じでした。つまり、過熱水蒸気の方が加熱力がおおきいとは いいがたいように思いました。
しかし、ソーセージの投入温度が加湿状態のほうが15度ひくいことをを考えると 温度に対する加熱力はたかいと考えてもいいような・・・・
とりあえず、珈琲の焙煎に利用できる可能性のある技術だと思いました。
ただし、今回の実験でスチームをたきすぎて焙煎機のドラムがさびてしまったのは ちょっと情けなかったです・・・・・
(良い子はマネをしないように・・・・)

コーヒーで試してみる

焙煎データー
焙煎時間 10分
2釜目以降 200度投入
バーナー位置・中
火力・240
排気・2
蒸気の量 3cc/min (NO.6)

実際に過熱水蒸気を加えた場合と、加えない場合の比較をくず豆を使って実験してみました。 つまり、学問的に有効であっても実際に使ってみて有効であるかを試してみたかったからです。
文献によると乾燥空気よりも過熱水蒸気では約10倍の熱の伝達能力がある(らしい・・・)
もしそうだとしたら、熱風の量が通常よりも低い状態で焙煎しても 豆を過熱することができるということです。

蒸気アリ(蒸気は3分後から6分間)
終了温度 排気 209度 本体 157度
4000g-3756g=244g
目減り量 6.1%
豆の感じとしては、しわの伸びが良い
豆がもろくなっている
煎りあがりは少し濃い

蒸気ナシ
終了温度 排気 205度 本体 153度
4000g-3767g=233g
目減り量 5.8%
豆が硬い
表面のしわが目立つ
かんでみると内側には火がとおっていない

過熱水蒸気は有効かどうか

実際に焙煎を途中でやめてコーヒーの目減りを計った感じでは有効だと思いました。
つまり、学問的にいわれているように水分を引っ張る力は過熱水蒸気にはあるようですし 温度計がしめす数字も過熱水蒸気を送っているほうが高くなります。
(ただし、蒸気の量や時間が適切かどうかまだわかりません)
ただし、豆の内部に火をいれるのには有効な技術ではないかと思いました。
とりあえず、現在までにわかったことです。

蒸気を多くして実験

焙煎データー
焙煎時間 12分
2釜目以降 150度投入
バーナー位置・下
火力・240
排気・3
蒸気の量 15cc/min 

本格的に蒸気を多くして実験する

蒸気を多くして過熱水蒸気の特性がもう少しでるように実験しました。
このころには、蒸気の必要なのは通常コーヒー屋さんがいう「蒸らし」の時だけだという考えにいたりました。
つまり、煎る段階にはいったら逆に蒸気が邪魔になると考えていました。
蒸気だけで焙煎したコーヒーがなぜはぜなかったかなどがこのころにはわかってきました。

蒸気アリ(蒸気は3分30秒から11分30秒の間)
終了温度 本体 170度
4000g-3699.6g=300.4g
目減り量 7.51%

150度・・・9分
160度・・・10分30秒
170度・・・12分

いり豆の比重・340.4/600=0.56
生豆の比重・・429.8/600=0.71

膨張率・・・・1.27 

蒸気ナシ
終了温度 本体 168度
4000g-3706.6g=293.4g
目減り量 7.33%

150度・・・9分18秒
160度・・・10分51秒
168度・・・12分

いり豆の比重・331.4/600=0.55
生豆の比重・・429.8/600=0.71

膨張率  1.29

モカで試してみる

焙煎データー
焙煎時間 12分
2釜目以降 150度投入
バーナー位置・下
火力・240
排気・3
蒸気の量 15cc/min 

モカ
蒸気アリ(蒸気は3分30秒から11分30秒の間)
終了温度 本体 170度
4000g-3367.4g=632.6g
目減り量 15.8%

150度・・・9分
160度・・・10分30秒
170度・・・12分

いり豆の比重・221.4/600=0.37
生豆の比重・・433.6/600=0.72

膨張率・・・・1.95 

モカ
蒸気ナシ
終了温度 本体 168度
4000g-3371.0g=629g
目減り量 15.7%

150度・・・9分18秒
160度・・・10分51秒
168度・・・12分

いり豆の比重・225.2/600=0.38
生豆の比重・・433.6/600=0.72

膨張率  1.92 

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

バーナーの性能

焙煎機の火力は、バーナーのガス圧で決めています。 実際に、どのぐらいの炎が伸びているかは実際にはよくわかっていません。 そこで、焙煎機からバーナーをはずして炎の高さをはかってみることにしました。 ちなみに、バーナーは、3kg用焙煎機のプロパン仕様です。

今回の装置
バーナーを台にしっかりと固定して危なくないようにします。
(思ったよりも怖い)
バーナーがひっくりかえったら本当に火事になると思いました。 それぐらい、やっていて実験が怖く感じられました。
それと、ものさしをたてておきましたが、残念ながら全く役にたちませんでした。 そのため、元のデジカメの画像から炎の大きさを割り出しました。

50mmaq
炎の高さ 85mm

100mmaq
炎の高さ 100mm

150mmaq
炎の高さ 120mm

200mmaq
炎の高さ 135mm

250mmaq
炎の高さ 145mm

バーナーの炎
バーナーの炎は、写真にとりにくかったので画像に50%コントラストを強くしてみました。 ただし、実際の焙煎機の場合は、排気を強くすると炎が長くなります。 これは、排気で炎も空気といっしょに吸い上げられるからです。 実際にバーナーの高さ調節機能は5cmもあればじゅうぶんだと思いました。 一番使う領域での炎の高さの差が約5cmで収まるからです。

ガスの吹き出し量をはかる
焙煎機のバーナーのノズルを取り寄せてガスの噴出量を 正確に測定することにしました。 微圧計もバルブも焙煎機に使うものと同じものを使って います。 その状態でガスの吹き出し量はかってみました。 ところが、残念なことにガスの圧力はめちゃめちゃ弱いので この実験装置では、水の中にガスを通すときに圧力が下がってしまうのです。 ですから、実験装置も考え直さないと無理だと感じました。

ガスの吹き出し量測定装置をつくる
水道の水を上のじょうごに流しっぱなしにします。
(これにより、水圧が一定になる)
じょうごよりホースを通って下のガラスタンクに水がはいります。
(高低差によって圧力をつくっている) ガラスタンクの空気は、微圧計を通ってバーナーのノズルから放出させます。
バルブを適当に調整しておき水を流すと微圧計が適当な圧力をさします。
その状態で、ガラスタンクに一定の量の水がたまるまでの時間を正確にはかります。
(500ccの量で調べました。)

実験データー

ガス圧・・・・・微圧計の数値
ガス流量・・・・そのガス圧時のガス流量
バーナー.(6)・・3kg焙煎機のバーナー火力
バーナー.(9)・・5kg焙煎機のバーナー火力
バーナー.(15) ・5kg河野仕様の焙煎機のバーナー火力

ガス圧
(mmaq)
ガス流量
(ml/s)
バーナー.(6)
(cal/s)
バーナー.(9)
(cal/s)
バーナー.(15)
(cal/s)
305.679211871979
40  6.3 891 13362226
50  6.8 961 14422403
60  7.7 108816332721
70  8.1  114517182863
80  8.9 125818873145
90  9.8  138520783463
100  10.2144221633605
110  10.9154123113852
120  11.1156923543923
130 11.4161224174029
140 12.2172525874311
150 12.5176726514418
16013.2186627994665
170 13.5190828634771
180 13.9196529474912
190 14.3202130325054
200 15.1213532025336
210  15.2214932235372
220  15.6220533085513
230 16.1227634145690
240  16.6234735205866
250  16.7236135415902
260  17.2243136476078
270 17.9253037966326

結論

ガス圧を10(mmaq)上げると0.5(ml/s)ガス量が上昇する

(バーナー1本に対して)
プロパンガスの燃焼熱
23560(kcal/m3)
23.56(cal/ml)
たとえば、150 (mmaq) の
ガス圧で燃焼した場合
23.56(cal/ml)*12.5(ml/s)=294.5(cal/s)・・・・1本のバーナー

3kgの焙煎機の場合は、バーナーが6本だから
294.5(cal/s)*6=1767(cal/s)・・・・6本のバーナー

5kgの焙煎機の場合は、バーナーが9本だから
294.5(cal/s)*9=2650.5(cal/s)・・・・9本のバーナー

5kg河野仕様の焙煎機の場合は、バーナーが15本だから
294.5(cal/s)*15=4417.5(cal/s)・・・・15本のバーナー

つまり、3kgの焙煎機で200 (mmaq)の火力で焙煎していたものを
5kgの焙煎機で同じ量の豆を焙煎しようと考えた場合、

3kgの焙煎機の200 (mmaq)のときの火力は2135(cal/s)
5kgの焙煎機の火力で2135(cal/s)に近いガス圧は90(mmaq) ぐらいとなります。

この表を使うと少量の焙煎をするときのガス圧の目安になります。
つまり、豆の量が半分になったら、カロリー数が半分になるぐらいの ガス圧を表で調べればいいのです。

* ここでは、焙煎機の蓄熱量や排気力は無視しています。
* 焙煎機はプロパンガス仕様のものです。

燃焼時の水の量 ガスを燃やしたときにどれくらい水がでるか計算してみました。
プロパンガスの化学式・・・・CH3CH2CH3
プロパンガスの燃焼
CH3CH2CH3+5O2---3CO2+4H2O

つまり、プロパンガス1に対して酸素が5必要になります。
実際は、空気に酸素が20%しかないので プロパンガス1に対して空気は25必要となります。 そして、炭酸ガスが3と水が4できます。

ガス圧200mmaqでバーナーを使うと3kg用の焙煎機では 90ml/sのガスがでます。
90/22400=0.004・・・一秒間にバーナーからでるモル数
水4モルの重さ 72g
72*0.004=0.3g

つまり、ガス圧 200mmaq でバーナーを使うと3kg用の焙煎機では 一秒間に 0.3cc の水をつくっていることになるのです。
ちなみに、焙煎時間が20分 ならば、360cc ということになります。

気温と熱量の関係について
プロパンガスも都市ガスもあたりまえですが気体です。
当然、気体というのは気温によって体積が変化します。
そして、その体積の変化は熱量の変化となるわけです。
(微圧計は圧力をはかっていて熱量をはかっているわけではないですから・・・)
ですから、真夏と真冬では同じガス圧でも熱量はまったく違ってしまうのです。

例 3kgの焙煎機・ガス圧 200(mmaq)
火力 
2301(cal/s) 5℃・・・ガス圧 240 相当
2135(cal/s) 25℃
2060(cal/s) 35℃・・・ガス圧 190 相当


つまり、冬はバーナーの火力が表よりも1.078倍高い数値を示し
夏は逆に0.965倍低い数値になるわけです。
だから、夏はガス圧を高めにしなければカロリー不足なるし、冬は逆にガス圧を下げなければ
カロリーオーバーにおちいることになるわけです。

おおざっぱにいえば・・・
秋を基準にすると夏は10mmaq たかく・冬は逆に秋よりも10mmaq 低くする。
(夏と冬では約30mmaqぐらいは変化させてもいいということ)

焙煎機の改造 7

(写真・ウォータークエンチ全体)

(写真・霧吹きのアップ)

ウォータークエンチ
コーヒーを冷却するときに、水をかける装置です。
(大手企業では・・けっこう使われている)
もともと冷却で水をかけることに否定的だったんですが、高温のコーヒー豆に水をかけることにより 豆の表面が急冷されて表面が締まるんじゃあないかと思ったんです。
そして、豆の表面が閉まれば香りが放出されにくくなるはずです。
つまり、豆の香りとか空気を遮断するのに有効な方法になりえると思ったのです。
熱風式の焙煎機で焙煎したものは豆が開いて香りの放出が早いといわれています。
本来は、そんなコーヒーに使うと効果が如実に表れると思います。
ちなみに・・・豆を冷却機に落としてスイッチを入れるとタイマー分だけノズルから霧が豆に吹き付けられます。
そのときに霧をまんべんなく広げるために扇風機が後ろから風を送るようになっています。
(現在は、40秒間霧をコーヒー豆に吹き付けている)

(写真・ウォーターサイクロン)

ウォーターサイクロン
これも別に珍しい装置ではないのです。
シャワー機能を持っていてチャフを落とすサイクロンがないわけではありません。
ただ・・・今回つくった装置はチャフを水浸しにするわけではないのです。
もともと・・過熱水蒸気を煙に混ぜると煙の粒子を核にして水蒸気が水に戻ろうとします。
それを助けるために、サイクロンで霧を吹くのです。
そして、煙の粒子を重くしてサイクロンで取り去るのです。
そのために、ある一定温度に達したとき以外は霧を吹かないようにしてあります。
そして、この装置を使うことによりサイクロンの下にたまるチャフの量と微粒子の量が増えたように思います。
それと・・・チャフの乾燥度が下がりちょっと湿っぽくなった感じがします。

(写真・煙突スプレーの配管部分)

(写真・煙突部分)

煙突スプレー
これは、煙突のてっぺんから霧を吹いて煙の粒子をできるだけ取り去ろうとしてつくりました。
(びみょうに・・・煙が消えたらいいなぁというのも、ちょっと・・・)
そして・・・煙突の下部分にホースがついていてコーヒーの木酢液をとろうと思っています。
本来の木酢液は、炭をつくるときの煙を冷やすことによりででくる液体なんです。
しかし、残念ながらコーヒーからでる煙ではそこまでうまくとれない・・・
そこで、煙突の上から霧を吹いて煙を溶け込ませて煙突の下にあるホースから取り出すわけです。
・・・・問題は、このコーヒー木酢液もどきがなんに使えるのか・・・
とりあえず、お風呂にでも使ってみますか・・・
(この部分は・・・しゃれでつくってみました・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

焙煎機の改造 6

排気ファンの圧力測定装置

マノスターゲージを取り付ける

排気ファンの圧力測定装置通常の排気をおこなっているときに、 排気室の圧力はどのように変化しているかを調べてみました。
この装置の構造は、排気室にパイプを差し込んで 水がどれだけの高さまで引っ張られるかで排気室の圧力を測ろうとするものです。
(構造がめちゃめちゃ簡単ですが一番正確に測れる)
当然、吸う力が強ければ強いほど排気が強いことになります。
富士ローヤルの3-5kg用の焙煎機は、排気用のファンで排気室の空気を抜く構造になっています。
そして、その排気室には冷却と排気を切り替えるための切り替えダンパーと 排気の量を調節する排気ダンパーの2種類があります。
この2つのダンパーが排気室の圧力に対してどのような影響を与えるのかを調べることにより 排気を感覚的でなく数値的に考えることができるからです。
(ちょっとした、思いつきもありますが・・・・・)

実際の測定(単位はmmaq)* 数字が大きいほど引っ張る力が強い

排気ダンパー
ノーマル1615151413131212
切り替え11414131312121211
切り替え21010101010
切り替え3
補助ダンパー開1313131312121212
補助ダンパー連動1313141413131312

表の解説と傾向と対策 (ってこともないですが・・・・)ノーマルの状態では、排気1と排気2の部分で圧力に差がでます。
つまり、排気1では排気を絞っているにもかかわらず排気室の圧力が低く 引っ張る力が強いため絞っているわりに排気が絞れないことになります。
ですから、排気のイメージと実際の排気ではおおきく食い違ってしまうのです。
つまり、排気1は、掃除機が紙なんかをすいつけて一生懸命吸おうとしている状態 なんです。圧力が低くなると小さい隙間でも勢いよく空気が流れ込んで思ったほど 吸う量が減らないのです。
圧力が一定ならば、排気は排気ダンパーの穴の面積に依存するのですが、 その圧力部分が変化するとそのぶん排気が複雑になるのです。
つまり、排気をイメージどおりにするには、最初から適当な抜け穴をつくっておいて 排気室の圧力の下がりすぎを押さえる必要があるのです。
それに一番有効な方法は、切り替えダンパーを少し開けておいて排気を絞ったときに 圧力の下がりすぎを防ぐことだと思います。
(ちなみに、切り替えダンパーの切り替え板に隙間がけっこうある場合は何もしなくても 排気が安定的に変化します)

ルーペ鏡筒部分

ルーペ部分

豆チェック用ルーペ
スプーンで豆をチェックするとき、ほとんど豆の色あわせしかやっていませんでした。
過熱水蒸気を使っていてもっとレベルの高いチェックをしようということで 豆ののびと表面のテカリ具合をみるためにルーペを取り付けました。
ルーペに光が入らないように缶を細工して鏡筒をつくりました。
けっこうみやすくなって都合がいいです。
(ちなみに、ミートソースの缶と同じサイズでした)

排気ダンパー表示板
焙煎していて、温度でダンパーを調整するんですが そのときに火力を変更したりバーナー位置を変更したりするんです。
いろいろな焙煎の仕方をやっているとなにがなんだかわかんなくなっちゃいます。
そこで、ダンパーのところに操作仕様書みたいなものをつけておけば ミスがなくなります。
そこで、焙煎の方法を磁石で変更が簡単にできるようにしました。

流入温度計
熱風式シリンダーを取り付けた場合に効果があります。
吸い込まれる熱風の温度を正確にはかることができます。
これにより、実際に熱風式焙煎機で実際の熱風の温度を正確に管理することが可能になりました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

過熱水蒸気・・初期の装置

蒸気吹き出し口

蒸気吹き出し口アップ

蒸気発生装置

過熱水蒸気を利用する
過熱水蒸気には、2つの特性があります。
1・ある温度以上に達すると乾燥空気よりもはやく乾燥させることができる。
(乾燥逆転温度は・・170度)
2・通常の加熱と膜凝縮伝熱が加わり効率よく加熱できる
(過熱水蒸気がコーヒー豆の表面に次々と膜凝縮してコーヒーに熱を与える)

本来この過熱水蒸気の能力を100%使うには水蒸気100%の状態で 焙煎をしなければなりません。
しかし、この過熱水蒸気の特性だけを利用するのならば100%水蒸気という 状態を無理につくりださなくてもよいわけです。
(現在では、蒸気吹出口に熱変換器を取り付けてできるかぎり高温蒸気をつくるようにしています)
そこで、豆からの湿りけに依存していた蒸らしをバーナーの下より加湿器によって 湿度を上げて過熱水蒸気を利用できるようにしました。
(まだ、うまくいくかまではわかっていません)
この過熱水蒸気をうまく利用すれば豆の煎りむらの解消が簡単できるかも・・・・
今後の研究によりますが・・・・・

蒸気吹き出し口

蒸気の配管付近

蒸気用温度計

新型過熱水蒸気発生装置
今回蒸気発生装置を大幅に変えました。
できるかぎり、蒸気の温度を上げるために 焙煎機の燃焼室の中ほどまで蒸気のパイプを持ってきて燃焼室の熱や焙煎機自体の輻射熱を利用して 水蒸気の温度をあげるようにしました。
(パイプは、熱の吸収がいいように黒く塗ってある)
水蒸気の発生をチェックしやすいように温度計も取り付けました。

写真・アルミの部分がヒーターカバー

蒸気の吹き出し口
蒸気吹き出し口のパイプの下にヒーターをいれて過熱水蒸気の温度を上げるようにしました。
どうしても、加湿器では湿り水蒸気の状態になるので 蒸気を吹き出す前にヒーターでパイプを加熱して水蒸気の温度を上げてから燃焼室に 水蒸気を送り込みたかったのです。
最初は、パイプの内部にヒーターを入れて加熱しようと思ったんですが 残念ながら思うようなヒーターがみつからなくてパイプの下からの加熱となっちゃいました。
(実は、安く上げるために、はんだゴテを加工しています)

蒸気発生回路

制御盤付近

蒸気発生回路
本格的に過熱水蒸気焙煎をやるためにはヒーターやボイラーを制御しなければなりません。
それを電気的に制御しなければ、焙煎がめちゃめちゃ面倒になります。
めんどうな焙煎ではミスがおこります。
それでは、せっかくの改造が改悪になっちゃいます。
(実験の段階はめんどくさくてもしょうがないですが・・・・)
一応、回路の目玉は、予熱スイッチを押すとボイラーが最大のワット数で お湯を沸かしタイマーで自動的に切れるようにしました。
そして、通常のスタートスイッチを押すと蒸気の量を調節するボリュームと 蒸気を送る時間をタイマーで管理しています。
そして、スタートスイッチを押すと 豆が一定の温度になるまでは蒸気をださないようにタイマーを取り付けました。
(まぁ、回路としてはひじょーーーに簡単なもんなんですけどね・・・・)

蒸気分岐バルブ

バルブのアップ

蒸気分岐バルブの裏付近

蒸気分岐バルブ
今回の改造は、ヒーターがはいってから蒸気がでてくるまでの タイムラグをなくすことを目的としています。
(前から、何とかしたいなぁと思っていたんですが・・・・)
このバルブがあると、加湿器の電源をいれっぱなしにしておいて 必要なときだけ焙煎機のほうに蒸気を送り込むことができます。
ずーーーと加湿器が動いた状態ですから、蒸気の量もボリュームで しっかりと調整した状態にできます。
それと、今までの場合ヒーターが切れたあとしばらくは焙煎機の方に 蒸気が流れていました。
その部分も、これで解消することができます。
(当然、制御回路も全部書き換えて配線をつなぎ直しました)
ちなみに、右の写真では蒸気が確実に開閉するように新しい装置がついています。
しかし、この装置は残念ながら蒸気の量と蒸気の温度でちょっと能力不足であることがわかっています。

写真・・ツイン蒸気発生装置

蒸気の量を増やす
通常の加湿器が280wです。それに500wのヒーターを取り付けて780wまであげて使っていました。
しかし、それでも蒸気の量が足りないのでもう一つの加湿器をつなげて約1kwまで熱量を上げました。
この当時から、蒸気の噴出し口が焙煎機のバーナーよりも上に取り付けて バーナーの熱を利用して蒸気の再加熱ができるように工夫しました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造・バーナー編

バーナー位置・低

バーナー位置・高

バーナー高さ切り替え装置
いままで、焙煎量にあわせてバーナーの高さを三段階に切り替えることができるように していました。
今回は、焙煎中に自由にバーナーの高さを切り替えるようにしたのです。
遠火で焙煎した場合、豆はきれいに焼けるけれども、
味に力がでない欠点がありました。
近火で焙煎した場合、味に力がつくれるが、
蒸らしがむずかしく煎りむらがでやすい欠点がありました。

そのふたつのバーナー位置の欠点を加味すると蒸らし段階では、遠火を利用して はぜ以降では近火を利用するのがベストだと考えたのです。
この改造をおこなってから、コーヒー豆の個性がわかりやすくなったようなきがします。
(今回の改造は、めちゃめちゃ自信作です)

バルブ切り替え部分

ふいご取付状態

エアーガン取付状態

バーナー簡単掃除システム
焙煎機のバーナーは、結構、目詰まりを起こすものなんです。
バーナーのラッパをはずしてガスの吹き出し穴に細い針金を 差し込んで細かいごみをとるのが通常のバーナー掃除でした。
これは、バーナーユニットをはずしたり結構面倒でした。
そこで今回の改造では、高圧のエアーをバーナーに吹き込んでごみを吹き飛ばすように しました。当然、微圧計の方にエアーが送られると壊れてしまうので切り替え用の バルブを取り付けています。
それと、カプラーによりバルブの操作ミスによってガスの吹き出しを防いでいます。
(この装置を作ったことにより非常に掃除が楽になりました。)

高さ切り替えバーナー補助具
高さ切替え装置は、バーナー全体を上下に上げ下げしなければならず、 けっこう重たかったのです。(いわゆるぼくは、軟弱もんでして・・・) そこで、重さを補正するためにばねをつけました。 (ちなみに、左右でばねの太さが違う) これにより、今までけっこう重くてやりにくかったバーナーの上下が めちゃくちゃ楽になりました。

ドラムの隙間掃除用スリット
富士ローヤルの焙煎機の欠点の1つにドラムとドラムを覆っている カバーの隙間の部分にチャフがたまり燃えるという現象が起きていました。 (これにより、煙臭が豆につく) ここを掃除するいちばん簡単な方法は、バーナーをはずしてドラムと カバーの隙間にブロアーを吹くのが一番きれいにほこりが取れます。 それでは、あまりにもめんどくさいので、スリットへブロアーの空気を送り込むと ドラムとカバーの隙間に風があたるように細工をしました。 これにより、チャフが燃える対策としては、けっこう満足しています。

T型・吸い込み口

クリーニングブロアー T型
ブロアーがこわれて新しいブロアーにかえました。 今回のブロアーは、非常に強力で掃除機としての吸い込み力に余裕ができました。 それによって、今まではバーナーの真ん中より空気を吸っていましたが 今回の改造では、吸気口の周辺からも吸えるようになりました。 これにより使い勝手が非常に向上しました。

写真・1つだけふたが開いている状態のサンプル冷却機

サンプル冷却機
これは、焙煎途中の豆を冷やすためだけの冷却機です。
通常の冷却機と同様に下に空気を吸うようになっています。
そして、次の豆を冷やすときには冷えた豆にフタをして 冷却効率が落ちないように工夫してあります。
これにより焙煎途中のサンプルをつくったり、途中の豆の味を調べるのに使います。
特に、過熱水蒸気の効果を調べるためだけにつくったものです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造 3

シャッター付きのぞき窓

のぞき窓からドラム内をみる

シャッター付きのぞき窓
焙煎機の内部をみるためののぞき窓です。 これにより、焙煎中の煙や豆の攪拌状態がわかるようになります。 実際にこの窓の部分は、豆投入時に豆がのっかかったりするのを防ぐように 窓をおおうシャッターがついていて釜内部をみる場合は、シャッタを開けて みる事になります

焙煎機正面

焙煎機右部分

焙煎機左部分

制御盤
(中段2個の温度計)

センサー部分
焙煎機の左右同じ位置に
センサーを取り付けました

比較温度計
焙煎機の中で、豆は攪拌されます。そのときに、左のほうに豆が集まります。 そのため、排気温は、右側と左側では違いが生じます。 その違いを実際に表示するための温度計です。
この温度差から豆の乾燥度(水の抜け方)をチェックできるようになると 期待してつけました。
上の段の写真は、てんぷら用温度計を使っています。
実際に使えそうなので熱電対のまともな温度計でデーターをとっています。

ひとつぶ用スプーン

のぞき窓から豆をとる

ひとつぶ用スプーン
焙煎を実際にやっていて大切なのは豆に対して熱がしっかりと 加わって水がきれいに抜けているかです。 それを調べるのにいちばん簡単な方法は、豆を抜いて カッターナイフなどで豆をきってみることです。 そのために、のぞき窓から直接豆をひとつぶづつ取りだすスプーンをつくりました。

(写真・ダンパーの手前のダクトのところの温度計)

正確排気温
通常の焙煎機についている温度計などは、釜からの熱などが影響して 温度変化がスムーズにいきませんでした。 そこで、いちばん焙煎機本体に影響されない温度計を取り付けました。

高さ切り替え部分

高さ切り替え部分アップ

高さ切り替えバーナー部分に、バーナーの高さがわかりやすいように マークを色分けしました。その部分にそのときの火力も指示できるようにしました。
ついでに、その指示用に”のんたん”を使ってみました。
(これは、単なるシャレ・・・・)
ちなみに、この”のんたん”部分は「D」くんにつくってもらいました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造 2

(写真・通常のダンパーの後ろにあるのが補助ダンパー)

焙煎機補助ダンパー
焙煎にとって一番、重要なのが排気です。排気の仕方でコーヒーの味や香りが ものすごく変わります。それだけ重要なものなんです。ところが、焙煎機というのは 同じ目盛にダンパーをしても外気温と煙突内の温度差で排気力が変わってしまいます。 そこで、外気温によって変わる排気力を補正するために作ったのがこの、補助ダンパーです。 これは、通常のダンパーの後についていて、これをあけることにより排気を弱くすることが できます。構造は単純でダンパーのすぐ後の部分の配管に穴をあけて開閉弁をつけただけです。 これにより、ダンパー操作に幅ができたように思います。

(写真・補助ダンパーの上についているのが温度計)

補助ダンパー温度計
補助ダンパーから、どれだけ空気を吸っているかを判断する目安がほしいということで、 温度計をつけました。温度計は、温度が知りたいのではなく温度が上がってきているのか 下がっているのかを知るためにあるのです。これはどの温度計にもいえることですが、 温度計の示しているのは、センサーの部分の温度なんです。たとえば、温度計が200度を 示していても温度が上昇しているときの200度のほうが下がっているときの200度よりも実際は 高いのです。温度計の温度が上がるということは、簡単に言うとセンサーのまわりはその温度より 高いということなんです。その温度差が大きければ大きいほど上昇のスピードが上がるということです。 逆に下がるときは、センサーのまわりのが温度か低いからということになります。 温度計の示している温度を鵜呑みにしてしまうと大きなミスをしてしまうというのは このためです。ですから、自分の目を信じて温度計を補助的に使ってコーヒーは焙煎しなければ ならないとぼくは思います。

今までのバーナー部分

高さ切り替え機能付きバーナー

高さ切り替え機能付きバーナー
直火式焙煎機は、現在どちらかというとバーナーとドラムを離す熱風式に近いタイプが 主流になっているような気がします。ただし、それが正しい選択なのかどうかは誰も 判らないのです。 (ただし、炎を近づけた場合、蒸らしをしっかりやらないとうまく焙煎できないような気がしますが・・・) そこで、実際にどのぐらいの位置にバーナーがあるのが適当なのかを調べるためにバーナーの高さを 変えれるように改造しました。
ちなみに、個人的見解では炎は豆に直接ぶち当てた方がいいように思います。 どうも、ただコーヒーに熱を与えている以上に炎は意味があるように思えてならないのです。 (ただし、これは単なる直感なんでまだまだ根拠はないです)

クリーニングブロアー吸い込み口

焙煎機のドラムの掃除

L型・吸い込み口

クリーニングブロアー
焙煎したら毎回ドラムや煙道なんかをブロアーで掃除します。 これをしないと焙煎時に残ったチャフや微粉に次の焙煎で火がついて煙を出します。 このチャフや微粉が燃える場所がドラムよりも下だと珈琲豆が煙を吸着してしまいます。
(ぼくは、このドラムよりも下で燃えるのを防げはいりたて特有の煙くささは防げると思います。)
このブロアーで掃除をするときにほこりやチャフが舞い上がって大変なんです。 そこでつくったのが、掃除機の吸い込み口をバーナーの真ん中に置いて掃除機の吹き出し口を ブロアーとして使う事です。
この装置の良さは、ブロアーで吹いたときのほこりを掃除機が すぐに吸ってくれて焙煎機の外にほこりがでないことです。 それとバーナーの近くでほこりを 吸うとブロアーで舞い上がったほこりがバーナーのノズルをつまらせにくくできます。
(今までのブロアーでの掃除は、バーナーの上にふたをしてやっていました。)

釜本体用センサー

釜本体用センサー
焙煎機についているセンサーは、せいぜい豆の温度をはかるか 排気温をはかるかぐらいしかありませんでした。 今回は、釜の一番空気の動きのなさそうなところにセンサーを 取り付けました。これは、釜自体の温度をはかるものです。 つまり、排気温などか同じであっても釜の温度が低ければ、 焙煎時間が長くなってしまいます。 つまり、釜の状態をみるためのセンサーです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)