においセンサーを使って実験

においセンサー本体

においセンサーとは

においセンサーというのは、本体内部に吸引ポンプを持っています。
そのポンプが一定のスピードで空気を吸うようにできています。
吸った空気がセンサー部分を通るときにセンサーに香りの粒子がついて電圧変化を生じます。
その電圧の強弱を表示しただけの装置です。
ですから、においの質とかは人間の鼻に頼ることになります。
ただし、においの強さに関してはにおいセンサーの数値はけっこう信頼性があるように感じました。
この装置を使って、焙煎による香りのでき方や保存方法による劣化のスピードなどいろいろと実験ができると思います。
ただし、そのためには同じ条件で実験できるように、それ専用の治具をうまくつくるかが重要になると思います。 もし、この実験がうまくいけば焙煎の良し悪しを評価するのにけっこう役立つ可能性を持つと思います。

実験装置

実験の方法

コーヒー豆を20g 透明容器に入れます。
この容器の構造はけっこう簡単な構造です。
(もともとは、砂糖入れ)
まんなかにあるパイプは容器の底近くまで達していてそのまんなかのパイプ部分から においセンサーで空気を引っ張る構造になっています。
そして、容器の上の方に2mmほどの空気取り入れ口となるあながあいているだけです。
つまり、においセンサーを動かすと上部にある空気取り入れ口となっている小さなあなから 空気が容器内に流れ込みます。
そして、コーヒーの豆の隙間を通って底近くまで伸びているパイプを通ってにおいセンサーのほうに 送られることになります。
そして、においセンサーからでてきたデーターは、コンピューターの方に送られてグラフを書くわけです。

実験の方法の改良

コーヒー屋でコーヒーのかおりをセンサーでひろう場合、どうしても困ることがあります。
それは、実験をやる室内にコーヒーの香りが充満しているのです。
ですから、連続して実験するときにはセンサー豆をはずしたときに値が下がるのに時間がかかってしまうのです。
そこで、今回考えたのは空気を取り入れる口の部分に活性炭のタンクを設け、その活性炭のタンクを通った空気が コーヒーのはいったタンクの中に入ってにおいセンサーの方へでていくようにしました。
これならば、コーヒーの香りで充満しているときでもそうでないときで同じ条件で実験できますから・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

過熱水蒸気とクリンカーについて

焙煎機のクリンカーについて
焙煎機の煙突は必ず綿状のクリンカーが生じます。
これは、コーヒー豆からでた細かいちりなどを核として糖分や油分がツリー状に結晶化して 煙突の内側表面にびっしりと積もります。
だいたい、焙煎を300回程度おこなうとだいたい1cmぐらいの厚さになります。
つまり、煙突の直径が2cmほど小さくなって排気の能力が大幅に減少することを意味します。
それと、この綿状クリンカーは燃えやすく(主成分は油)燃えたチャフが煙突に飛んでいったり、 焙煎時に煎りすぎて豆に火がついたときなど煙突内が高温になってこのクリンカーが燃え始めると 手がつけられないぐらいの炎をだすことになります。
今回の過熱水蒸気の特性でこの綿状クリンカーの除去が可能となる可能性がでてきました。
(実は、まだ研究の途中だったりする・・・・・・)

煙突のL部分

煙突のふた部分のアップ

煙突内を調べる

写真のL部分は、サイクロンから立ち上がって最初の曲がりの部分です。
この部分のふたを取って、この部分のクリンカーの状態を調べてみます。
(この部分は、ふたになっているので調べやすい)
もともと、最初に発生するのは綿状のクリンカーと考えています。
その綿状のクリンカーが、高温の状態で蒸気があたると綿状のクリンカーが水に溶けて タール状のクリンカーに変化します。
それにつれて、クリンカーの体積が大幅に減少します。
(綿状の部分とタール状の境界部分では綿状のクリンカーがタール状に変化しているのがわかる)

外の煙突の曲がり部分

煙突内のクリンカー

煙突内のクリンカーのアップ

外の煙突部分のクリンカー

そとにでている煙突は、当然ながら室内の煙突よりも温度か下がっています。
その分、蒸気が水に変わりやすくなっています。
そのため、外の煙突のクリンカーの方がタール状のクリンカーに変化している率が高くなります。
ちなみに、まんなかの写真は煙突の垂直部分の下からストロボを使わずに撮影しました。
黒く写っているのがタール状クリンカーでこぶのようにでっぱっているのが綿状クリンカーです。
この状態でずーーっと焙煎していくと綿状クリンカーは すべてタール状クリンカーに変化していくものと思われます。
ついでにいうと、この部分の掃除は半年以上掃除していません。
(自慢になりませんが・・・・・)
左の写真は、クリンカーのアップです。
写真よりも実際には、タール状に変化しているクリンカーが多いです。
(写真だと「こぶ状」のクリンカーが目立ちますが実際はそれほどでもありません)

結論

サイクロンの内側の筒状の部分では、タール状のクリンカーとなっていない
それに対してサイクロンの外側の壁部分では、タール状のクリンカーが一部生じている。
そして、タール状のクリンカーは、外の煙突の方が多く生じている。
この状態からすると、過熱水蒸気サイクロン部分では、高温のため水に戻ることがなく 外の煙突や煙突の曲がりのように空気の流れが乱れたところで蒸気が水に戻って 綿状クリンカーを溶かしてタール状クリンカーに変化させているんだと思う。
そのため、煙突の出口に近くなるほどタール状に変化するんだと思う。

とりあえず、タール状クリンカーは、綿状クリンカーに比べて体積がおおきく減少し 燃えにくく、煙突の効率を下げることを防ぐことができることがわかりました。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

ひいた瞬間に発生するガスの量をはかる

以前のガス捕獲装置

今回のガス捕獲装置

ガス吸引弁

ひいた瞬間どれだけガスがでるか

この実験は、以前もやったことがあります。
今回は、ちょっとバージョンアップした形にしました。
それは、挽く部分が取り外しのできる岩谷のミルサーを使ったことで、 挽く部分の気密性をあげたのです。
それと、ガスの量を測るメスシリンダーに水を簡単に詰めることができるように メスシリンダーの底に吸引用の弁をつけました。 ポンプで手軽に吸引してメスシリンダー内を水で満たすことが可能となるわけです。
これにより、実験の準備がめちゃめちゃ簡単になって手軽に実験ができるようになりました。
これによってやりたいのは、焙煎時にどのタイミングでガスをコーヒー豆が持つかを定量的に調べたいと思います。

実験データー・ 6/8  ・ くず豆 ・ 50g ・ 30秒

通常・・・3分後から7分間蒸気を送る
全工程・・投入から終了まで蒸気を送る

温度時間(通常)ガスの量(通常)時間(全工程) ガスの量(全工程) 
14511:5615cc10:24 10cc 
15512:3215cc12:06 20cc 
17515:1070cc14:55 70cc 
18516:10110cc15:50 110cc 
終了 18:00190cc17:45 190cc 

蒸気を「全工程」で送ったものと「蒸らし」だけに送ったものとの差を調べる

焙煎の方式は、まったく同じ状態でやりました。
その中で変化させたのは蒸気の送っている時間の違いだけでした。
ぼくの予定では、全工程蒸気を送るとはぜないはずなんですけどねぇ・・・
くず豆でなくいい豆を使ってもう少し、蒸気を送る時間を煮詰めてみたいと思います。
味に関しては、くず豆だったので余り詳しくはかけませんが、蒸気を全工程で送ったものは 苦味がでないようでした。
それと、いやな穀物くささやかび臭さまでが消えていて、 なんか飲めるじゃん!と思いました。
それに対して、現在の過熱水蒸気の送り方だと明らかに味がしっかりしていて いゃな味までしっかりとでています。
(たぶん、煎る段階の蒸気が化学変化の妨げになったんだと思う・・・単なる予想ですが・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

マルヤス工業試作2号機

過熱水蒸気発生装置本体

蒸気分岐バルブ付近

排水ドレン付近

本格的な実験を始める
マルヤス工業から用意された試作機は、一分間に25ccの蒸気を作り出す能力がありました。
その試作機に、ぼくのつくった制御盤を接続して試験を始めることにしました。
この機械のよさは蒸気に圧力があるので三方バルブが使えるようなったことです。
ぼくが、最初につくった加湿器の改良版は蒸気の分岐はできるんですが残念ながら蒸気に圧力がなかったのです。
それに対してこの機械は蒸気に十分の圧力があったので、蒸気を焙煎機の釜の方へ送ったり煙突の側に送ったりの実験が 結構簡単にできたのがよかったです。
試験機としては使いやすかったしいろいろなデーターどりに活用できました。
どのタイミングでどれだけの蒸気を何分間送れば適切か・・・
これがわかれば焙煎の職人芸が数値化できる可能性を秘めていると思いました。

釜内に蒸気を送り込むパイプ

排気ファンに蒸気を送るパイプ

蒸気の噴出し口について
蒸気の噴出し口は釜内に送り込むパイプと煙突の方に直接送り込むパイプとあります。
蒸気は基本的に「蒸らし」の段階に送ると効果がでます。
(煎る段階まで送ると逆効果)
それ以外のときには、蒸気を直接排気ファンのほうにパイプで送り込み煙突から外へ排出させます。
なぜ、「蒸らし」の時以外、蒸気が不要なときに煙突の側に送っちゃうかといいますと ふたつの理由があります。
蒸気を室内に排出すると部屋の湿度が上がってしまって煎る段階では、その湿度が煎るのを邪魔してしまうのです。
つまり、「蒸らし」の段階では、湿度はあったほうが非常に役立つんですが、そのあと「煎る」段階になると 残念ながら邪魔になってしまうのです。
そのせいか、焙煎という作業では湿度はコーヒーの味を左右する重要な要素となるわけです。
梅雨時のように湿度の多いときは「蒸らし」は結構うまくいくんですが、「煎る」段階で失敗してしまうのは この湿度というものを理解していないことに依存しています。
逆に、冬などの湿度の低いときには「蒸らし」はうまくいかないけれど「煎る」段階ではうまくいくことになるのです。
もっと、掘り進めると焙煎機のドラムの長さが長いタイプと短くて直径が大きいタイプでは、焙煎機の性質が大きく違ってきます。
ドラムの長さが長くて直径が小さいタイプは「煎る」のは得意ですが「蒸らし」が苦手です。
逆にドラムの直径が大きくて長さがないタイプは「蒸らし」は得意ですが、残念ながら「煎る」のが苦手となるわけです。
オールドクロップのように「煎る」のが中心だった昔は、ドラムの直径が小さくて長さが長いタイプのほうが コーヒーがじょうずに焙煎できたと思います。
(この湿度の特性を理解すると、どんな土地でもどんな焙煎機でもとりあえずは使えるはずです)

もうひとつ、蒸気を煙突に送る理由は煙突にたまる「クリンカー」なのです。
通常焙煎機の煙突というのは、綿状の「クリンカー」がたまります。
この綿状の「クリンカー」は、細かいちりを核にして油分や有機酸などが煙突内で温度が下がって析出しツリー状に 成長していきます。
それが、煙突の内側にびっしりと積もっていくわけです。

この「クリンカー」は、270度以上に達するとで引火しやすくなりますからたまたま、チャフなどに火がついた状態で 煙突までいってしまったりすると煙突内の「クリンカー」が一気に燃えることになるわけです。
実は、蒸気を送り込むと本来綿状の「クリンカー」になるはずのものがタール状の「クリンカー」になってしまうのです。
この状態だと、綿状の「クリンカー」と比べると非常に体積が減ってしまって煙突を詰まらせるまでの期間が長くなってくれることと 物理的に燃えにくくなってくれるという特徴をもっています。
ついでにいうと、蒸気を排気に混ぜてやると本来煙といっしょにサイクロンを抜けて煙突に送られるはずのちりの一部は 蒸気のために重くなってサイクロンで落っこちてくれるという効果もでるのです

釜内湿度測定装置付近

湿度センサーのアップ

釜内湿度記録計

焙煎機内の湿度を測定する
焙煎している最中は、当然200度前後まで温度が上がっているわけです。
(まぁ・・・あたりまえですが・・・・)
実際に蒸気を送り込んでいる間は、どの程度の湿度上昇があるのだろうか・・・
たぶん、コーヒー屋さんなら誰もが考えることではないでしょうか・・・
このことをマルヤス工業の溝田君にいうと、それにちょうどいいようなセンサーをみつけてきてくれました。
(はっきりいってこの測定器は、一ヶ月のリース代がめちゃめちゃ高かったらしい・・・)
焙煎機内の湿度のはかりかたですが非常に簡単な方法をとりました。
焙煎機に穴をあけてそこから一定量だけ空気を抜きます。
(ここでは、真空ポンプで決まった量づつく空気を抜いていた)
なぜ一定量だけ空気を抜くのが大事かというと排気ダンパーのを変化させたときにセンサー部分に 送られる空気の量が変化するのを防ぐためです。
真空ポンプで空気を抜いて湿度をはかるとめちゃめちゃきれいなグラフがかけるようになりました。
この装置をつかって、一番の成果はなんといっても「いちはぜ」の重要性です。
焙煎という作業でコーヒーは15%前後の目減りを起こします。
(中煎りぐらいでの話)
その水の抜け方というのは最初の「蒸らし」で約7%が消えます。
そして、あとの7%ぐらいがこのはぜのときに一気に消えるのです。
ですから、湿度センサーの数値は必ず「はぜ」に合わせて針が大きく振れるのです。
ちなみに、そのはぜ手前の焙煎度合いの豆は、煎ったコーヒーのだすガスの量が極端に少ないのです。
ついでにいうと「2はぜ」の時には、湿度計の針は余り振れませんでした。
・・・・・・・・・・・・・
蒸らしに要した10分間に抜ける水の量とたった1分か2分の「はぜ」の間に抜ける水の量が等しいのには ちょっとびっくりしました。

水分計

余り役に立たなかった水分計
期待しながら余り役に立たなかったのが水分計です。
水分計は、豆を一定量セットするとゆっくりと加熱して水分を取って 最初の重さとの差を計算するといういたって簡単な装置です。
ぼくと、溝田君の予定では焙煎途中で豆を取り出して水分計で 水分の含有量をはかっていけば、どの時期にどれくらいの水分が抜けているかが わかると思ったのです。
しかし、コーヒー豆の焙煎はめちゃめちゃデリケートで あまりきれいなデーターにならなくてあきらめてしまいました。
結局、その実験ではほんちゃんのコーヒー豆を途中まで焙煎した途中に落として冷却して 実際にどれだけ減ったかを調べる方法をとることにしました。
この方法は、コーヒー豆のロスはでますが結構0.2g単位のはかりで測定すると 結構の精度ででてくれるのです。
この方法が確実で、現実的だと思いました。

こんな感じの装置を使って過熱水蒸気の研究をしました。
実際に実験した時のデーターもどんどんのせていきます。
なぜ、ぼくが過熱水蒸気という技術に魅力を感じたかとかが だんだんわかってくると思います。
まだまだ、この技術は研究途中ですが、とりあえずマルヤス工業とぼくとの 共同特許までこぎつけたので、安心して実験結果を公開していくつもりです。
(基本概念の特許ですから・・けっこう範囲が広いんです)
興味がありましたら、メールで質問してください。
わかることならばお答えします。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

マルヤス工業試作一号機

本格的に過熱水蒸気を実験する

最初にぼくが実験に使っていた蒸気発生装置は単なる加湿器でした。
そのあとマルヤス工業が過熱水蒸気発生装置をつくってきてそれを使って実験しました。

マルヤス工業がつくった試作機

最初の試作機はヒーターをボリュームで調整して水を霧状にして送り込む部分を 制御できるものでした。
はっきりいってめちゃめちゃ電気を食うわ水を送るのを忘れちゃうとパッキンが燃えちゃうわで 大変でした。
この当時は、蒸気を焙煎機内に送っていないときは全部外に排出していてなんか強力な加湿器が動いているようでした。
ちなみに、制御回路はぼくが使っていた加湿器用のものをつかっていました。
(写真・焙煎機の隣に取り付けた蒸気発生装置)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

過熱水蒸気との出会いについて

なぜ過熱水蒸気にハマッタか
なぜ、過熱水蒸気にはまったかというと、広島にある「”I”商会」という会社から 過熱水蒸気を使って焙煎したコーヒーをもらったのが始まりです。
そのコーヒーは、煎りむらもすごく豆もはぜた感じもなく、まったくだめな感じでした。
(よそのコーヒー屋さんにもいわれたらしい)
ただ、豆を切ってみると豆の水分だけはきれいにぬけているなぁと感じました。
(豆の水分の抜き方のうまいかへたかで焙煎は決まるといっても過言ではないとおもっています)
そして、「”I”商会」からちょっとした過熱水蒸気に関する資料をもらいました。
それを読んでいてもしかしたら・・・と思いました。
それは、過熱水蒸気の持っているいくつかの特性でした。

乾燥逆転温度・・170度以上に達した場合、乾燥空気よりも湿度の高い空気のほうが乾燥能力がある
膜凝縮伝熱・・・・乾燥空気よりも湿度の高い空気のほうが10倍ほど熱伝達能力がある
過熱水蒸気を使うと成分が壊れにくく飛びにくい。

などの特性があるのです。
過熱水蒸気の特性を焙煎という作業に当てはめてみるとけっこう類似性があることに気づいたのです。
そして、直感として感じたのが、焙煎機の内部の湿度の変化なのです。
通常焙煎という作業では、豆を投入してからしばらくの間は排気を絞って釜の中の湿度を上げるようにします。
(これを「蒸らし」といいます)
豆が投入されて豆の温度が下死点に達したころの排気温がちょうど乾燥逆転温度と一致するのです。
つまり、ぼくたちコーヒー屋というのは過熱水蒸気なんてものを知らなくても 過熱水蒸気の特性をなんとなく使っていたということなんです。
普通に焙煎する場合などは、釜の内部の湿度を上げる要因としてはガスを燃焼した時の水と 空気を取り込んだときの湿度と豆からでる水分だけだったわけです。
それを強制的に水蒸気を送り込むことにより水の抜けにくい豆の蒸らしなんかに効果があるんじゃあないかと考えました。

焙煎方式による弱点

熱風式
この方式は、大量の熱風をボイラーでつくっておきそれを豆のはいったドラムに送り込み焙煎する方式です。
豆一粒にたいしてまわりにある熱風の温度は低く豆の表面から熱が入り込もうとする力は弱いが、変わりに 大量の熱風でそれをカバーするようになっています。
熱風の温度が低ければ焦げることが少なくで失敗の少ない方法といえます。
そのかわりに、大量の熱風を送り込むために成分が飛びやすい欠点も同時に持っているといえます。
湿度という考え方では釜内部の湿度は上げにくく成分のロスが多くなる可能性をもつ方法といえます。
ですから、このタイプの焙煎機の特長は飲みやすい無難なコーヒーをつくるのには向いています。
(飲みやすいんだからいいじゃん!・・そのとーーり)
どちらかというと、コーヒーを商売として考えている商売屋さん向けの焙煎方法といえます。

直火式
この方式は、欠点が多いです。
バーナーの炎を直接豆に当てるために焦げやすいのです。
排気を強くすれば、ドラム内の温度差が大きくなり煎りむらの原因にもなります。
ただし、この方法には唯一いい部分があるのです。
それは、熱風式と違い成分を残しやすいのです。
炎は、高温の熱風と考えると豆の表面から入り込もうとする力は強いのです。
(温度のはいりやすさは、温度差に依存するから・・あたりまえですが)
つまり、排気を弱くしても豆に熱を送り込むことができることになります。
それと・・・「蒸らし」という独特の手法を使って釜内の湿度を上げることができるのです。
ただし、この排気の操作を誤るとコーヒー豆の水が逆に抜けなかったり本来起こるはずの化学変化がおきなかったりして コーヒー豆がめちゃくちゃになる可能性を秘めているわけです。
昔から、焙煎が職人技といわれたのはこのためです。
非常にマニア向けで味で勝負するコーヒー屋さん向けの焙煎方法といえます。

今回研究している過熱水蒸気はどちらかというと直火式の方を中心に研究しました。
なぜかというと理由は簡単で直火式の焙煎機しかうちの店にはないからです。
(非常にまぬけな理由だなぁ・・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

ピトー管式風速計をつくろう

ピトー管とは・・・・空気の流れに対して真正面の穴からひろった圧力と
流れと平行にあいた穴との圧力差を利用して風速を測定する装置です
(別に空気の流れだけをはかるわけではないですが・・・)
煙突などの高温に達する部分でもはかれるのが非常に都合がいいです

ピトー管本体
(右の管は横に2.4mm の穴が4ヶあいている)

ピトー管のつくり方2本の管を90度に曲げます
1本はそのまま使います(写真では左側)
ちなみにこちらの管が流れに対して真正面の穴になります
もう1本の管の先端に詰め物をしてふさぎます
そして管の横にてきとうに小さい穴を開けます(写真では右側)
こちらの管が流れに対して平行な穴になります
この写真では左から右に風が流れる感じになります

ピトー管・・取り付け位置

ホッパーとダンパーの間にピトー管を取り付ける
ダンパーのあとのエルボーを通った後のまっすぐな煙突に
ピトー管を取り付けたらけっこういい数字がだせなかったんです
風速計を取り付けてもいい数字にならなかったのでいちばん実績のある場所に
ピトー管を取り付けて実験することにしました
ちなみに・・・ダンパーの側が流れに対して垂直の穴を担当しています
そして・・・ホッパーの側が流れに対して平行な穴を担当しています
(加工ができれば1本でつくるんですけどねぇ・・・)

風速計 (3kg釜・風速 m/s)

排気ダンパー
ファン風速(m/s)2.02.83.64.55.56.37.07.47.5
熱線風速(m/s)2.13.24.25.26.26.87.57.87.8
ピトー管・差圧(pa)5913182530343840
ピトー管・風速(m/s)2.93.84.65.46.47.07.47.98.1

実際に計測したデーター
ファン式風速計・・・・・青色
熱線式風速計・・・・・・赤色
ピトー管式風速計・・・黄色

測定結果について青色の折れ線グラフがファン式の風速計で測定したものです(単位はm/s)
赤色の折れ線グラフが熱線の風速計で測定したものです(単位はm/s)

同じ位置にピトー管を取り付けて差圧を測定してみました(単位はpa)
そして、その数値を下の式に代入すると・・・・
風速(m/s)=1.2773√ピトー管・差圧(pa)
ピトー管による風速が計算できます
風速計の数値とピトー管の数値がけっこういい感じになっているので・・・
信用してもいいと思っています

これで焙煎中の排気もすべて把握できると思います

風速計 (3kg釜・風速 m/s)
火ありは、ガス圧200にて釜温度200度前後にて測定

排気ダンパー
火なし・差圧(pa)61014212935414747
火なし・風速(m/s)3.14.04.85.96.97.68.28.88.8
火あり・差圧(pa)5812152228343737
火あり・風速(m/s)2.93.64.44.96.06.87.47.87.8

実際に計測したデーター
火なし・風速(m/s)・・・・・青色
火あり・風速(m/s)・・・・・赤色

煙突効果とファン効率の減少
焙煎機には煙突がついています
当然・・・煙突は温度差をエネルギーにして働きます
となると・・・焙煎機は温度が上がるほど排気が強くなるはずです
しかし・・・実際にはかってみると煙突効果よりも高温による
ファンの能力減少の方が大きいようです
データーをみた感じでは約一割ほど減少しているようです
もっというと・・・
煙突効果よりも風によって起こる負圧のほうが・・・
よっぽと深刻な影響を焙煎に与えると思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

微差圧計を考える

排気ファン付近の圧力を測定・・A

排気ダンパー手前の圧力を測定・・B

排気の吸い込み口の圧力測定・・C

サイクロンの圧力測定・・D

マノスターゲージを焙煎機に使う
マノスターゲージというのは・・・2ヶ所の圧力差を測定する装置です
つまり・・・ひとつを開放にしておくと大気圧との比較となるわけです
A・・・排気ファン付近は、排気の原動力となる部分です
B・・・排気ダンパー手前付近は、ダンパーの開閉で大きく変化する部分です
C・・・排気の吸い込み口付近はほとんど大気圧になります(ただし大気圧ではない)
D・・・サイクロンの圧力はファンの風と煙突効果の引っ張りの合計となります(火が入らなければ必ず正圧)

実際の測定・(3kg釜・バーナーなし・mmH2O)

排気ダンパー
A・・・排気ファン付近-16.5-15.5-14.9-14.0-13.0-12.2-11.5-11.5-11.0
B・・・排気ダンパー手前-0.6-1.0-1.4-1.9-2.9-3.6-4.2-4.6-4.7
C・・・吸い込み口付近-0.1-0.1-0.1-0.2-0.2-0.25-0.25-0.3-0.3
D・・・サイクロンの圧力+3.4+3.8+4.0+4.2+4.8+5.0+5.4+5.6+5.6
A-B・排気ファン-排気ダンパー-15.5-14.5-13.5-12.0-9.5-8.0-7.0-6.0-6.0

排気ダンパーとマノスターゲージの関係
(バーナーに火がはいるとどうなるか)

排気ダンパー
B-C・火なし0.50.91.32.02.83.54.04.44.5
B-C・火あり0.50.91.31.92.63.33.84.04.1
B・火なし0.61.01.42.13.13.74.24.64.7
B・火あり0.30.71.11.62.33.13.63.94.1

マノスターゲージの取り付け位置を考える
マノスターゲージは2ヶ所の差圧を測定する計器です
片側を開放状態にしておけば微圧や微真空計となります
排気ダンパーの手前(B)が一番焙煎機の排気との関連がとりやすいと考えます
問題となるのはどことの差圧をはかるかです
開放にすれば大気圧との差圧となります
しかし、焙煎機内と大気圧では温度差が大きく条件が大きく変化します
そこで実際にどことどこの差圧を測定したときが
バーナーに火を入れたときと火をいれないときのデーターが似るかを試してみました

B-Cと接続

赤がB-C・火あり
青がB-C・火なし

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・排気圧(mmH2O)

B・片側開放

赤がB・火あり(片側開放)
青がB・火なし(片側開放)

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・排気圧(mmH2O)

グラフの解説焙煎機の排気をマノスターゲージによって計る場合・・・
気をつけねばならないのはバーナーに火を入れて釜が温まると釜内に
熱風を送り込むだけ正圧になります
(ただしダンパー手前はファンによって吸われているので負圧)
その分・・火を入れたときと入れないときでは誤差が生まれます
(誤差を理解して使う場合はかまいませんが・・・)
そして、実験の結果・・・・
排気ダンパーの手前(B)と吸い込み口付近(C)をマノスターゲージでつなぐと
バーナーをつけたときと消したときのデーターの誤差が小さくなる
まぁ・・・これって珈琲屋以外の人には全く役立ないですけどね
ちなみに焙煎機の排気 2で
マノスターゲージと風速の関係も実験しています
あわせて参考にしてください

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

連続焙煎を考える

連続焙煎とは・・・
小型の焙煎機は、排気ファンと冷却ファンがいっしょです
つまり、焙煎したコーヒー豆を冷やすためには切り替えダンパーを冷却側にして
ファンを切り替えていました
そのため冷却している間は、次の焙煎ができないということになります
そこで、排気用のファンと冷却用のファンを単独で持てば連続焙煎が可能になるわけです
しかし、そのためにはサイクロンがもうひとつ必要になったり・・・
煙突をもう一本ださねばならなかったりで結構大変でした
たまたま「T」さんと「H」さんと話していて・・・
本当に単独ファンをつけなければ連続焙煎ができないのか試したくなりました

(写真・排気ダンパー)

(写真・切り替えダンパー)

排気用ファンだけで連続焙煎するには・・・
基本的に冷却しているときに焙煎機の側からどれだけ空気が引っ張れるかが鍵となります
つまり、蒸らし程度の排気を冷却しながらできれば連続焙煎が可能であるということになります
そして、その状態でも煎った豆がスムーズに冷やせる程度の能力があれば可能ということになります

排気ダンパーに取り付けた風速計

実際に測定する生豆を4kgいれた状態で排気をはかる

排気1排気2排気4
7.6km/h9.7km/h15.8km/h

切り替えダンパーを焙煎の側にした状態で測定しました
これが通常の焙煎機の排気であると考えて間違いないと思います
つまり、この風速を切り替えダンパーで冷却状態のときに作ることができれは連続焙煎が可能となるわけです

生豆を4kgいれた状態で排気をはかる
冷却機に 3.2kgの煎り豆をいれる
(かくはん状態)
排気ダンパーは全開
切り替えダンパーを冷却側より1目盛りづつずらす

切り替えダンパー・1切り替えダンパー・2
8.0km/h (4.7km/h)11.3km/h (8.8km/h)

連続焙煎を想定して測定する
この状態は、通常の冷却を想定しています
つまり、焙煎後のコーヒー豆が冷却機にはいった状態で
次の豆が本体に投入されれたときの風速を測定したものです
このときにポイントとなることは冷却機の底の穴がみえない程度の
コーヒー豆があることが必要です
これは、穴がみえる状態だと空気がそこから流れてしまって豆の冷却に使われないのです
それと同時に、排気ファンの減圧が弱くなって焙煎機側の排気が弱くなってしまうのです
ちなみに・・かっこ内の数値は冷却機に豆がまったくはいってない状態です

単独ファンを使わずに連続焙煎が可能かについて・・はっきりいって、通常の焙煎機でも連続焙煎は可能です
そして、冷却も問題なく冷えます
慣れてしまえばそれほど難しくありません
ただし、火力は相当下げる必要があります
これは、釜が温まるために使われる熱量が必要なくなるからです
ただし、これも数回、焙煎すればコツがつかめると思います
あとは、スポットクーラーを冷却機にずーっとあてておくとベストです
これは、冷却機が冷える時間が不足するのを補填するためです
ただし、これは単独ファンがついていても同じことがいえますからなくても可能です

ちなみに・・これはぼく個人の意見です
試すかどうかは自己責任でやってください

豆の種類とチャフ

焙煎をしていて、豆によってチャフの量が明らかに違うと感じていました。
そして、目減りの中にはチャフの量もはいってしまって単純に水分が飛んだのとは違ってしまいます
つまり、目減りを測定してチャフの重さ分だけ補正すれば、もう少しつかいやすい数字になると考えたわけです

モカ (4kg・焙煎)
チャフの重さ 34g
チャフの体積 2000cc

ブラジル (4kg・焙煎)
チャフの重さ 17.4g
チャフの体積 800cc

キリマン (4kg・焙煎)
チャフの重さ 14.2g
チャフの体積 700cc

マンデリン (4kg・焙煎)
チャフの重さ 7.8g
チャフの体積 350cc

ガテマラ (4kg・焙煎)
チャフの重さ 12.8g
チャフの体積 650cc

コロンビア (4kg・焙煎)
チャフの重さ 14.4g
チャフの体積 650cc

メキシコ (4kg・焙煎)
チャフの重さ 4g
チャフの体積 200cc

チャフの量の違い
(モカとメキシコ)

チャフの色の違い
(モカとメキシコ)

チャフの量とチャフの色
一番チャフがでたのはモカです。(エチオピア・デルガーゴ)
そして、でなかったのがメキシコでした。
この差は重さで30g、体積で1800ccとけっこうすごい量の差がありました。
そして、目減りは15%から20%ぐらいですからそのときの30gは明らかに影響があります
(0.8%ぐらいは変化する)
この量を補正すると、けっこう目減りも使える数字になってきます。
それと、気づいたのはモカのチャフだけが重く感じるのです
チャフの厚さが違うように思います。
(比重をはかってもやはり重かった)
あとは、チャフの色が薄いものと濃いものが混ざっていました。
これは、チャフが外れるタイミングによって起こるものではないかと思いました。
つまり、蒸らしの段階で外れるチャフとはぜの段階で外れるチャフによって色が変わると考えました。
その仮説が正しければ、チャフの色が薄い状態のメキシコなどは蒸らしの段階で外れてしまっているということになります

今回の実験装置・チャフとりびん

モカ・蒸らしのチャフとはぜのチャフ

ガテマラ・蒸らしのチャフとはぜのチャフ

蒸らしの段階のチャフとはぜのチャフ
今回の実験装置は、めちゃめちゃ単純です。
サイクロンのちょうど落ちてくるところにビンを置いておきます。
そして、蒸らしが終わったら新しいビンにかえるだけです。
つまり、そうすることにより蒸らしの段階のチャフとそれ以降のチャフの差が調べられるわけです
(説明するほど複雑ではないと思うのですが・・・・)
結果・・・
実際にやってみて、蒸らしまでで外れるチャフというのは非常に少ないと思いました。
(写真では薄い色の方)
モカでは、蒸らしまでのチャフの量の約10倍ほどの量がはぜの段階ででました。
ガテマラでも、同じような結果がでました。
つまり、パッとみのチャフの色でどの段階で外れたチャフかは見当がつくということです。
もっと詳しく考えるならば、チャフの色をみれば蒸らしをしっかりやったものかそうでないかもわかる可能性があると思います。
(よその珈琲屋さんにわざわざチャフをみせてもらうことはないとおもいますが・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)