クイックドリップを実験する 2

今日もちょこっと実験していました。
350メッシュと380メッシュの違いです。
これは単なる目の細かさなんですがぼく的には350メッシュ一択です。
(ただし・・・松屋式に関してのことなので色々と意見があるとは思いますが・・)

このメッシュの違いはオイル感の出方が変わります。
350メッシュの方がオイル感が明瞭で強く出ます。
380メッシュではオイルが通りにくいだけではなく湯どおりが悪く抽出がしにくいです。
松屋式ではフィルターはコーヒー粉というろ過層の邪魔をしてはいけないのですが380メッシュでは邪魔をします。

そして一番の問題は、このフィルターの特徴であるオイル感が減少してしまうのが致命傷だと思います。
ただし・・・松屋式で抽出した時の結果なのでほかの抽出法では違う結果が出ることもあるので注意が必要です。

ちなみに現在のクイックドリップはクリップのつまみを完全に外しました。

次はペーパーとこのクイックドリップ濁りともち(時間が経ったときの味の変化)の実験に移ろうと思います。

クイックドリップを実験する

現在・・・ぼくが凝っているのがポリエステルフィルターなのです。(商品名クイックドリップ)
ナイロンと比べて油との親和性が高い所に興味を持ちました。
抽出時にオイル感が自然と出るのです。
あなあけくんや波打ち際理論やアポロくんも必要なくオイル感が出せるフィルターなのです。

今回・・・その実験がしやすいように金枠にフィルターを取り付けて使いやすくしました。
特にこのフィルターはリブの影響に左右されるのでリブがない状態で使えるようにして実験しています。

右が380メッシュ(1インチあたり380の網目がある)
左が350メッシュ(1インチあたり350の網目がある)

ついでに台形のフィルターも作ってみた


普通に松屋式をやった結果

何も考えずに同じように抽出すると380の方がお湯が通りにくくアリ地獄のように粉が沈みました。
これは底の方に湯だまりが出来た状態になって抽出したときにおこる現象で抽出された珈琲は薄くなる傾向があります。その分抽出に手を加える必要があるわけです。

ちなみに今回自信作は、コーヒーかすの捨て方なのです。

ドリップの時に珈琲が球状になる現象


珈琲を抽出していてけっこう誰もが経験していることなんですが珈琲が球状になって液面を滑っていくような現象・・・・マランゴニ効果

マランゴニ効果とは、液体の表面張力の差によって流れが生じる現象のことです。 ドリップしている最中にお湯がコーヒーの表面を滑るように球状のものは、お湯とコーヒー液の表面張力の違いによるものです。 お湯が注がれた部分では温度や濃度の違いが起こり、それによって表面張力が変化し、液体が特定の方向に流れます。

ドリップコーヒーの場合、特に粉の抽出が進むにつれてコーヒー液の濃度が変わるため、マランゴニ効果が著しく現れることがあります。

この実験で使った装置

これをどうやったらうまく撮影できるかを色々とやってみました。ラボジャッキを使って高さを変化させて液面にぶつけてみてわかったのは液面に一滴の珈琲をのせるような感じでやるとうまくいくことがわかりました。そこで液面が固定できるように抽出液がこぼれるような装置にしました。抽出をやめるとだんだん下に落ちる珈琲液が減ってきてある程度減ると一滴づつ落ちるようになります。

この時に結構簡単にこの現象をつくりだすことが出来ます。

珈琲の湯気

朝の動画でコーヒーカップにとどまる湯気の話が出てきてちょっと試しに作ってみようと思いました。
一応どんな条件で起こるかをある程度試してみて実際につくってみました。

うまくできるためにはカップを温めておいて熱いコーヒーをちょっと少なめに注ぐことが綺麗にできるコツのように思いました。カップの淵から2cm~3cmぐらい水位が低いと珈琲から出た湯気がカップの中では上昇気流を作れず停滞してしまうのが原因じゃあないかと思いました。
カップの外側などは熱いので上昇気流をつくることが出来てカップの淵よりも上については空気の入れ替えが起きるのですがカップ内はそれが起きにくくゆらゆらがたまっているような感じがします。

珈琲急須その後・・・・

お湯を最初に急須にいれて珈琲の粉を浮かべる
たぶん・・・これが一番粉に対しては優しい浸漬法だと思います。
しかし・・これには弱点があるのです。
それは・・・珈琲の持っているガスが抜けるのに時間がかかりすぎるのです。
珈琲のガスが抜けなければ粉内部にお湯が入らず成分が溶けないのです。
そこで今回はお湯を急須に少し入れて急須を軽く振ってお湯となじませた後に・・・
電子レンジ500w10秒かけたあとお湯で満たす方法に変えました。

問題はこの方法でも浸漬法で起こる粉っぽさを消すことが出来るかなのです。
今までの方法とどれぐらいの味の違いが出てくるかが問題なのです。

少しお湯を入れて珈琲の粉を入れた後・・・急須を軽く振ってお湯となじませます。
次にレンジ500w10秒かけます

レンジで10秒かけた後の粉の様子

お湯を満たした状態
お湯を満たした段階である程度の粉が沈んでくれてある程度の濃さが出来るので普通にカップに注いで飲むことが可能です。

時間が経つほどに味もしっかりしてきておいしくなりました。

珈琲急須を使ってみた

クラウドファンディングで珈琲急須というものを見たことはあるんですが・・・
ぼくてきには全く興味がなかったのです。
珈琲をたてるという事をまったく考えていない・・・
つまり・・・コーヒーの抽出というものを理解していない人がつくったものだとしかおもえない感じがしたのです。

では・・・何故急に珈琲急須などどぼくがいいだしたかというとハリオのティーポットを使って色々と実験しているからなのです。これが結構優れもので気に入っているのです。

以前カリタのティーポットを薦めていたのですが廃盤となり使えるティーポットはないかと色々と調べていたのですがこのティーポットは使い勝手が良くて超お気に入りなのです。

そして・・・このティーポットならば珈琲が上手にたてられそうだと思ったのです。

まず・・・急須で珈琲をたてるという事は何がポイントかというと浸漬法を使うという事なのです。
つまり・・・いかに刺激を与えずに珈琲の成分をとかすかなのです。
そのためにはお湯を入れたポットに粉を入れる方が珈琲に刺激を与えずに済むのです。
しかし、それでは珈琲の粉が浮いた状態で10分以上たっても成分が溶けてくれないのです。
そこで活躍するのが電子レンジなのです。
お湯を入れたポットに珈琲の粉をそっと乗せた状態でレンジに入れて500wで20秒これにより珈琲の粉がお湯と馴染んで抽出が早くなるのです。

適当に色が付いたらカップに注いで飲めばいいのです。

当然・・・ティーポットのフィルターなので微粉は入るのですが粉っぽさが全くないクリアでオイル感のある珈琲が楽しめます。

ちなみに・・・美味しく出すポイントは粉を湯面にそっと乗せた後、粉がある程度湿った後に電子レンジに入れると効果的です。これは湿っている方が水分子の振動が効果的に働くからです。

急須珈琲・レンジかける

抽出グラデーションの謎

だんだん研究っぽくなってきました。
フロートも浮力が強い発砲スチロール板を使用。
抽出時から氷で温度を下げることにより分離効率が向上しています。
実際に春ブレンド50gで松屋式をやった結果です


出来上がった珈琲の謎
180ccから200ccぐらいの濃厚な部分は普通に当たり前の感じがするのですが問題は380ccぐらいまでの次の濃い部分が何なのかということなのです。
どんな味がするのかを試してみたいと思っています。
もっと言うとどんな珈琲で同じような現象が起こるのかも調べてみようと思います

溶け出す成分の速さと味・・・・
けっこう興味があります。実際には今回の場合はドリップ$を使って抽出したわけですがこれをドリップポットでやった場合も同じような結果になるのかも興味あります。
もっというと300ccで切り上げていたものを380ccにしてもいいのかもと思っています。

まだまだ松屋式・・・なぞは多いです

180ccと380ccの部分に境界が出来ている

抽出のグラデーションをつくる

松屋式ドリップの特長は前半に濃厚な成分を抽出して後半ではお湯で薄める方法をとります。
実際に抽出しているときにどれぐらい濃さが変化しているのかを調べてみたいと思いました。
ほかの抽出法とどれぐらい違うかをみてみたいと思ったのです。

ということで実験装置を作ってみました。
実験装置としては実に簡単なもので液面にフロートした島のようなものを浮かべておくだけなのです。
抽出液はその液面に浮いている島に当たって下に対する力を失い液面にそっとのせるような感じでたまってきます。当然後半の抽出液の方が軽いので混ざることなくグラデーションのようになるわけです。

30gの珈琲を使って試してみました。150ccぐらいまでが極端に濃厚に抽出されているのがわかります。

メスシリンダーを使ってやってみる
通常のビーカーの類ではどうしても高さがないのでもっとわかりやすくするためにメスシリンダーを使ってやってみました。

この場合は高さがあるのでコーヒー液がたたきつけられる力が強いので浮島も少し浮力の強いものにしなければちょっと負けてしまうようです

深煎りの珈琲50g使って試してみました。思ったよりも色が濃く出たため後ろから光を当てないと分かりにくい感じでした。浅煎りの珈琲で試した方がわかりやすそうでした。

150ccぐらいまでが極端に濃く出ている感じてこの部分に旨味が集まっている感じがしました。

ほかの抽出法との差も色々と試していきたいと思いました。

ちなみに下の写真は中煎りのブラジルブレンド・ホットな小休止を使ったものです。
中煎りのほうが薄くなってきたときに色の差が分かり易いので使うのならば中煎りの豆を使った方が良さそうな感じがしました。

極端に濃厚な部分が100ccほどありその後は300ccぐらいまである程度の濃さがありそれ以降は順次薄くなっていく感じです。

もう一つの実験

色が薄くなったとを確認した後、新しい珈琲を抽出したらどんな状態になるかを試してみました。
可能性としては3つが考えられます。
・濃厚な抽出液だから下に沈む
・抽出液の温度が高いので濃厚な液体だが上に浮く
・極端な比重差がないために混ざってしまう

この実験のために濃厚な液体が薄い珈琲の上に乗ることが出来るように抽出液を最初からしっかり冷やした状態で実験しました。最初の抽出から氷の中で抽出して混ざりにくい環境を作ってみたのです。

これならば後半の薄い珈琲も氷で冷やされて重たくなって熱くて濃い珈琲よりも比重が重くなる可能性があると考えたわけです。

氷で冷やした状態

結論
動画をみる感じでは濃い珈琲液は緩やかに薄い珈琲液の層を通過していき下の濃い珈琲液まで到達して混ざっていく感じで一回目の抽出のグラデーションが完全に壊された。珈琲液を冷やした程度では残念なが薄い珈琲液にのせることは無理だと思いました。薄い珈琲液の層に濃い珈琲液が通過する程度でも簡単に混ざってしまう感じがしました。最終的にグラデーションの実験をする場合はメスシリンダーを氷で冷やした状態でやるときれいに分かれると感じました。

あとはどの抽出法だと濃い部分と薄い部分の比率がどう変化するかを調べていきたいと思います。

ドリップバックも極めれば深くなる

じゃんけんドリップバッグをやるようになってドリップバックをバカにしなくなりました。
ドリップバックも普通に珈琲なのです。
いれ方を研究するに値する珈琲なのです

お客さんと話していて・・・ドリップバック一つでどれだけの珈琲が取れるかという話になりました。
自分の中では120ccと勝手に思っていたのでちょっと反省です。
実際に試してその結果で語らなければ単なる机上の空論なのです。

てなわけでそのお客さんと実験したのはドリップバック1個で500ccは可能かというものでした。
当然・・・コーヒー的には薄いわけですがいゃな味がなくてお茶感覚で飲めるのでこれもありだし思いました。(水筒に入れて飲むためのものらしい・・・)

お客さんが帰った後・・・・実験してみました。
50ccづつ抽出して移動するパターン・・・・
(紙コップは底が抜いてありホルダーとして使用しています)

実験した結果
通常の松屋式と同じように濃さによる分離は可能だと思いました。
後半で出てくるはずの雑味に関しては分かりづらく長めに抽出して多めに薄めることが可能な気がしました。なぜ雑味がみえにくいかはいろいろと検証せねばわかりませんが・・・
なんかテーマが見つかってけっこうラッキーでした。

ドリップバックはなぜ雑味との分離がわかりにくいのか・・・
この辺の実験は水曜日を使っていろいろと試してみようと思いました。
まぁ・・・どこに発見がころがっているかわかりませんから・・・・

土曜の珈琲教室・・・3時間で終わらせるのがプロである

9日は土曜の珈琲教室の日でした。
以前は2時間の講座だったんですが2時間で終わらず・・・
現在は3時間の講座になったのです。
・・・・ところが、9日の講座は3時間で終わらずに結局3時間30分・・・・
一応・・・
大きな時計がみえるところにあるのですが質問がでたりするとどんどん伸びてしまう・・

結局・・・時間通りに終わらせることが出来ない所がダメな所なんだとちょっと反省

ちなみに・・・下の写真の時計がぼくの所から見えるところに鎮座している。


あと・・・反省点としては深煎りの入ったブレンドで講義をやったのですが穴あけ君の効果を強調する場合は中煎りのミルクに負けやすい珈琲を使った方が分かりやすかったなぁと思いました。
次回はそんなところを改善してやろうと思います。