抽出について-河野とハリオのドリッパー

どうしても・・・わからない
ハリオのドリッパーと河野のドリッパーの味の違い・・
もっというと・・松屋の金枠との違い・・・
普通に考えて同じ形状のペーパーを使えばある程度味が似ると思う
特にお湯のさし方を同じにすれば似なければおかしいような気がする
しかし・・・どうみてもちがう・・
ハリオのドリッパーを使うと水っぽくなってしまう
粉を細かくとかお湯のさし方だとかいろいろとやっても・・・
どうしても水っぽくなってしまう
これをスパイラルリブの特長として片付けるのは簡単である・・
水が流れる抵抗が弱いと考えることもできそうである
しかし・・お湯のさし方でもっとコントロールできるはずである・・
しかし・・・それがどうしてもわからない
結局・・・まだ謎なんです

この文章を書いた当時は、ちょうどハリオのV60が新製品で発売された当時でした。
河野との違いがあることは実験してみてわかったんですがその理由がこの段階ではわからなかった・・・。現在の考え方はリブが紙と接触しているとこで起きる表面張力。
ここに原因があると考えています。濡れの状態のリブは水を引っ張る方向に力が働くのです。
松屋式のようにリブが全くないものは水の重さが絞り出す原動力となります。
だから、抽出は珈琲液の高さに依存します。ここは河野もハリオも同じなんですがリブに関してはドリッパーの上の方も下の方も同じ力が働いています。松屋式では上の方のフィルターは高低差がない分あまり漉すことができないのですが、ハリオのV60の場合は上の方のリブか水を引っ張るように働いで珈琲の成分が溶け出す前のお湯なんかも引っ張ってしまって珈琲が薄くなってくる特徴があるのです。
河野の場合は、半分しかリブがないので上の方は基本ろ過ができない分濃くなる傾向があります。
それと、ハリオの方がリブの本数や長さが長い分表面張力で引っ張る力が大きくなるような気がします。

同じ抽出法を使った場合薄くなる傾向があるV60

抽出について-雑味をとる方法

抽出したコーヒーの雑味をとる方法について
抽出したコーヒーがめちゃめちゃまずかった場合に味をかえる方法はいくつかあります
ただし・・・どの方法も美味しくたてたコーヒーには劣ります
つまり・・・まずいコーヒーをそこそこ美味しくすることはできますが
本当に美味しくすることはには無理があります

これは
珈琲の味=旨味+雑味-雑味というような式になるわけですが・・・
現実的に雑味だけをすべて取り除くという方法がないからです
そのため・・・抽出で旨味だけを抽出したものには絶対に劣る味になってしまうのです

・二度ごし
これは・・・雑味と旨味では雑味のほうが吸着されやすいと性質を利用します
珈琲をたてたあとのコーヒー粕にもう一度コーヒー液を通します
そうすると雑味がコーヒー粕に吸着されて飲みやすくなります
これはコーヒー粕を吸着材として使うわけですから
活性炭やゼオライトなどでも同じ効果が現れます
あと・・・竹炭などをマドラーとして使っても同様の効果が期待できます

・泡を使った方法
抽出したコーヒー液をテキトーな方法で泡立てます
(ミルクホイッパーでも泡だて器でも何でもOK!)
泡立ったコーヒーの泡をテキトーにスプーンですくってすてます
どれだけ泡を捨てるかは好みでOKです
これは、泡というのが雑味を吸着する性質を利用するものです
つまり・・泡によって旨味と雑味の分離を行うということなのです

珈琲というものは裏技がいっぱいあるんです。
多分・・・この辺は20年前のネタだと思うのですが結構簡単に追試できるので試してもらいたいと思います。大切なことは知ることではなく体験して納得することですから・・・


おうちゃくドリップで使った二度ごしという技術

超お気楽抽出法


この抽出法は、蒸らしなしで抽出するどんな素人でも確実にできる抽出法です。
お湯のさしかたもへったくれもなくテキトーにお湯をさして落ち切ったコーヒー液を何度か珈琲の粉の中を通すというだけのいれ方です。(ベースとなっている技術は、二度ごしという技術です)

一度目の注湯・太めのお湯でどば―――っと注ぐ
粉が浮いた状態で水位が下がった時の特徴である蟻地獄が出来上がる
珈琲の成分は完全に溶けてはいない

お湯を”どばーーーっ”と注ぐ
コーヒーは、こまかく挽いてドリッパーにいれます。
粉は、平らにしても穴をほってもなんでもOKです。
人数分のお湯を沸かしたら、なーーーも考えずに”どばーーーっ”と 注ぎます。
(めちゃめちゃ大胆に、そしていいかげんに・・・)
お湯を細くだとかそんなこと考えずに、”どばーーーっと”がポイント!
ちなみに、一度目の注湯あとは、あり地獄のようにコーヒーの粉がすり鉢状に かべにくっついた状態になっています。
これは、コーヒーの粉がお湯に浮いた状態であった証拠です。
本来のドリップならば完全にダメなんですが、この抽出法ではたいした問題ではありません。

一回落とした抽出液をもう一度コーヒーに通す

壁に付いた珈琲の粉が少なくなっている。

ドリップしたコーヒーをもう一度ドリップする
一度目と同じようにコーヒーの抽出液を”どばーーーっと”ドリップします。
簡単にいえば、コーヒーかすの中を2-3度抽出液を通すだけなんです。
そうすると、コーヒーの持っている嫌味などが最初にでてきても、 2-3度目にコーヒーかすの中を通したときにコーヒーのカスに嫌味なんかが 吸着されちゃってひじょーーーに飲みやすく”マイルド”になります。
ちなみに、ていねいにいれたコーヒーよりは、味がやっぱり落ちますけどね
(あたりまえかぁ・・・・・)

基本この超お気楽抽出法は、二度ごしの原理を使っています。
本来の2度ごしは、蒸らしも普通にやるのですがこの淹れ方では蒸らしをしない代わりに何度か珈琲の粉の中をくぐらせる方法をとっているわけです。


二度ごしの原理

この原理を説明しますと、一度目の抽出の場合、高温のお湯でドリップしてますから、 ものを溶かす力が強くうま味もしぶ味もとけます。
ところが、二度目の抽出の場合は低温で高い濃度のコーヒー水溶液で抽出することになります。 この場合、コーヒーの粉に残っている不純物はとけにくい成分のため、 高い濃度で低い温度の水溶液にはとける事ができないのです。 そのかわりに、コーヒーの粉の別の性質がでてしまうのです。 それは活性炭と同じ吸着作用を持っているということです。
不純物は吸着されやすいため、二度目の抽出の時、 不純物がコーヒーの粉に吸着されて飲みやすくなります。 ネルドリッパーの場合、コーヒーの粉が細かいので吸着作用が効果的に起こります。 (つまり、こまかくひくとコーヒーの表面積が大きくなって吸着作用がおおきくなる)
ちなみにこの吸着がおこるためには低温(60度以下)でなければなりません。 (活性炭の浄水器にお湯を通さないように注意書きがあるのは吸着作用は、低い温度でなければ 効果が弱く、逆に高温のお湯を通すと今まで吸着した物質がはずれて溶けだしてきてしまうからです。)
よって、二度目の抽出の際、コーヒーを暖めてから抽出するとおいしくなりません。
下の二つの器具も二度ごしと同じ効果があります。

誤解のないようにしてほしいのですが、おいしくはいったコーヒーを二度ごしすると 味は確実に落ちます。まずいコーヒーをうまくすることはできますが、うまいコーヒーを もっとうまくすることはできません。

超お気楽抽出法はこんなときに利用してください
この方法の1番オススメは、アウトドアです。
別に、サーバーが二つ必要なわけでなく、なべでも何でもいいんです。
2つのいれ物があればOKなんです。
それと、パーコレーターやなんかを持っていかずにすみますから 荷物が少なくてらくちんです。

この方法では、お湯が沸かせればあとは何もむずかしい操作がいらないので はじめての人でもコーヒーをたてたことのない人でも大丈夫です。
喫茶店ぐらいのコーヒーならばバッチリできます。
(ても・・・・できれば、真面目にコーヒーをいれてほしいなぁ・・・・)

抽出について-珈琲と小鳥

松屋式コーヒーの抽出法・・・・松屋式ドリップはあさいりのコーヒーでもけっこううまくいきます。 卵もふんも持っている小鳥の卵だけをとりたかったら、小鳥をお風呂にいれるように そっと刺激を与えないようにお湯をさすんです。 そうすると、小鳥は気持ち良くなって卵を落としてしまうのです。 しかし、ゆったりと気持ちよくなっただけなんでふんは落とさずに済んでしまうのです。 ふかいりのコーヒーの場合は最初からふんを持っていない小鳥のわけですから 簡単にうまくいってしまうのです。

カリタ式コーヒーの抽出法・・・・ふかいりのコーヒーは、ふんをだした後の小鳥のようなものなんです。 小鳥は、卵をかかえてじっとしているんです。そこに、勢いよく小鳥たちを脅すようにお湯を注ぐと 驚いた小鳥はびっくりして卵を落としてしまうんです。その、小鳥の卵がコーヒーのおいしい成分なんです。 ところが、この抽出の欠点は、ふんをだす前の小鳥では、びっくりすると卵も落とすけれどふんも同時に 落としてしまうのです。ふんを落とさせずに卵だけを落とさせるのが非常に難しいのです。 ちなみに、ふんも卵も持っている小鳥があさいりのコーヒーなのです。ですから、コーヒーの抽出は あさいりのほうが難しいのです。

この辺の考え方は、30年以上前の考え方で今ではちょっと無理があるかなぁと思っています。
特に雑味をふんにたとえる部分にはちょっと無理があるように感じます。
焙煎で雑味の成分を完全に消し去ることができればこれもいいんですが、この解釈では浅いりは雑味が多いと勘違いが起きてしまいます。浅いりでも芯や水を残さずに焙煎することができればいいわけですから・・

焙煎で水抜きを効果的に行うには湿度が必要です。その湿度を補充する装置です。過熱水蒸気発生装置

抽出について-悪い生徒も使いよう

渋み、いやみについて・・・・ 集団行動が苦手だったりする生徒は、逆にいえば、独立心が旺盛だったりします。 ほんの一面をみてすべてをみたつもりになってはいけないんです。 つまり悪い生徒もいい面があったりするんです。 コーヒーの後半ででてくる渋みは単体では悪い生徒なんです。 しかし、うまみのだけのコーヒーにすこし渋みがはいるとミルクが入ったときに こくがうまれるんです。いやみがまったくないコーヒーもブラックで飲むにはいいですが、 渋みを少しいれたコーヒーにミルクをいれて飲むのもけっこうオツなものなのです。

抽出について-おいしい珈琲は、飲み物のひとつに過ぎない

コーヒー屋をやっているとまずいコーヒーなんかコーヒーでないと思ってしまいます。 インスタントコーヒーや缶コーヒーなんかはコーヒーでないと思ってしまいます。 だけど、コーヒーメーカーのコーヒーがおいしいという人がいたり インスタントや缶コーヒーが好きという人も確実にいます。 相手の好みに対して文句をいうことよりも相手の好みをみとめてから、 自分らしいコーヒーをたててあげましょう。 長い時間かけておいしいと思ってしまった記憶を慌てて変えさせるる必要はありません。 おいしいと思ってくれるまでのんびりといきましょう。 おいしいコーヒーも飲み物のひとつに過ぎないのですから。

ブログを書いているパソコンは焙煎をやっているのと同じものです

抽出について-ドリップの心得2

心でたてる・・・・ これは、信じる人だけ信じてください。はっきりいっていんちきくさいです。 ただし、ぼくはこれが極意だと思っています。
コーヒーを抽出するとき、半眼でコーヒーをいとおしむような感じでコーヒーを抽出します。 そして、好きな人を思い描いて、その人の喜ぶ姿を心に描いてください。 抽出技術が同じならば、心で思い描ける人の方がコーヒーはおいしくなります。
コーヒーの抽出は、9割は技術力で1割は精神力だと思います。 あとの+αは、人柄だと思います。 いんちきくさくて、すいません

抽出について―ドリップの心得

大草原でコーヒーをたてる・・・・ コーヒーの抽出を練習しているとだんだん細かいことにこだわるようになっちゃうんです。 つまり、お湯を細く注ごうとかお湯できれいに円を描こうだとか思っちゃうんです。 すべて大切な技術なんですが、最終的にはコーヒーがうまければいいんです。 ある程度技術ができてきた人には、大草原でコーヒーをたててるようにイメージしてもらいます。 そうすることで細かいことにこだわらずにコーヒーをたてることができます。 それと、必ず左手を腰に手をあてて胸をはってもらいます。 これは、腰に手をあてることにより重心が安定するし、 胸をはることによりコーヒーと目の距離が遠くなります。 コーヒーは全体を見ながら抽出するものなのです。 一点を見ながら抽出するとコーヒー豆の状態がわからなくなってしまうのです。 ちなみに、人間の目は真剣にじっと見るときは望遠レンズのように視野が狭くなり、ほげーっと しているときは、広角レンズのように視野が広くなります。コーヒーは、ほげーっとした状態での抽出が ベストです。
ほげーっとした状態・・・・なーんも考えていない無心の状態

2020年8月6日本日の珈琲「ハートに深煎り」と珈琲の極意2

抽出について-豆の種類とたて方

ふかいりのコーヒーをたてる・・・・ コーヒーとしてはアイスコーヒーやカフェオレなどに使うコーヒーをイメージしてください。 このコーヒーの特長は、成分が溶けやすいこととコーヒー豆が持っている炭酸ガスの量が 通常の2倍あるということです。
(通常のコーヒーが200gあたり500ccの炭酸ガスを持っているのに 対してふかいりのコーヒーは、200gあたり1000cc持っている)
つまり、蒸らしの時間を長く取らないと完全にガスが抜けきれないのです。
(通常3分の蒸らしのところを5分ぐらいすると良い)
ふかいりのコーヒーのもっているうまみと甘味を引き出すには、低温で抽出します。 これは、うまみ、甘味は低温でも溶けるのに対してふかいりの豆に一番多い苦味は 高温で溶ける傾向があるからです。つまり、高温で抽出すると苦味が強くでて うまみと甘味が判りにくくなってしまうのです。
そこで、うまみや甘味を強調するのに 苦味がたくさん溶けないように低温で抽出するわけです。

苦味系のコーヒーをたてる・・・・ コーヒーとしては、マンデリンをイメージするとわかりやすいと思います。 苦味の強いコーヒーは、酸味系のコーヒーよりも渋みがでにくい傾向にあります。 そして、少しぐらい渋みがはいっても苦味が味として強いのであまり、気になりません。 その少しの渋みとミルクが混ざるとコーヒーのコクが増します。
つまり、抽出のときに普段よりも長めに抽出してもいいのです。 そうしたほうが、苦味系のコーヒーが、そのコーヒーらしくなるような気がします。
(この苦味系のコーヒーは、豆が持っている苦味のことでふかいりの苦味ではありません。)

酸味系のコーヒーをたてる・・・・ キリマンジャロのような酸味系の豆をイメージしていただくとわかりやすいと思います。 酸味の強いコーヒーは、渋みを必ずといっていいほど持っています。 となると、この渋みをださないように抽出すればいいわけです。
つまり、酸味系のコーヒーは、普通のコーヒーよりも渋みを多く持っていて、 普通のコーヒーを抽出するときよりも早めに渋み、いやみがでてくるというわけです。
そのぶん、普通のコーヒーよりも早めに抽出をきりあげてお湯で薄めればいいわけです。

モカをたてる・・・・ モカの特長といえば、あの独特の強い香りとコーヒーの甘さだと思います。 (ふかいりのコーヒーの甘さではなくコーヒー豆が持っている甘さ)
欠点は、死豆が混入していたり、発酵豆が混ざっていたりしたときかびくささでしょう。 (焙煎でモカの持っているかび臭さをある程度消すことができますが・・・・)
いれ方のポイントとしては、蒸らしをしたあと、抽出の時できるだけ早くひたひたの 状態にします。お湯の太さを太くするのではなく細く少しスピーディーに円を描くのです。
そして、ひたひたになったらその状態を維持するようにお湯をさします。もし、お湯が よく通るように感じたら、ほんの少しだけコーヒーを細かくひきます。 こうすると、非常に高い濃度のコーヒー液ができることになりかび臭さが溶けにくくなります。 そして、普通より少し早めにきりあげます。(人数分より手前)