水だしアイスコーヒーの極意

(写真左側・ひきたてのコーヒー使用)
(写真右側・ひいて1週間ガス抜きをしたコーヒー使用)

いりたての水だしアイスコーヒーと
ガス抜き後の水だしアイスコーヒーの特長

アイスコーヒーの豆は大量の炭酸ガスを吸着しています。
通常の抽出では、蒸らしという炭酸ガスを放出させる作業をおこないます。
これにより、新鮮な大量の炭酸ガスを含んでいるコーヒーも
古くなって炭酸ガスが放出されているコーヒーも同じように抽出することができるのです。
(これにより、お湯がコーヒー内部までしみこみやすくなる)
水だしアイスコーヒーの場合、蒸らしがなく水につけておくだけなので、
この炭酸ガスの影響がでてしまうのです。

(写真左・水につけて1時間)

(写真右・水につけて2時間)

両者の抽出状態

左の写真が水だしアイスコーヒーを水につけて約1時間たったものです。
右の写真が2時間たったものです。
写真でもわかるようにガス抜きをした
コーヒーでは抽出のスピードが速くなります。
これは、コーヒー豆の内部に水が入り込みやすいからでひきたてのコーヒーの場合
コーヒーからでる炭酸ガスが水の進入を妨げて抽出のスピードを遅らせてしまいます。
もうひとつ、抽出の違いを起こす原因は、コーヒーからでる炭酸ガスの量で
ひきたてのコーヒーの場合は、コーヒーバックが膨らんでしまい
水が袋の中に進入しにくくしてしまいます。
このふたつの原因でガス抜きをしたコーヒーと
ひきたてのコーヒーの抽出の差がでてきたのです。
ただし、6時間後は、同じ濃さに落ち着きました。

(写真・たてた状態と寝かせた状態での水だしアイスコーヒー抽出)

立てて抽出と寝かせて抽出

左の容器は、口が広く寝かせた状態で水に浸かります。
右の容器は、口が狭く立てた状態で水に徐々に浸かります。
このふたつともガス抜きのしてあるコーヒーを使用しました。
コーヒーが入っている紙の袋は、
乾いている間はガスをスムーズに通すことができます。
しかし、いったん水がしみこんでしまうと
ガスがとおりにくくなります。
たてた状態では、ペーパーが完全にぬれるまでに時間がかかり寝かせた状態では
、 短時間で水がしみこんでしまいます。
本来ならば、たてた状態の方がコーヒーの抽出が早くなり
寝かせた状態の方がコーヒーの抽出が遅くなるはずです。
(寝かせた状態の方がコーヒーから出る炭酸ガスで大きく膨らんでしまう)
しかし、写真のようにふたつの抽出状態に差はでていません。
これは、ガス抜きがしっかりしているコーヒーでは、
コーヒーに水がしみこみやすくコーヒーからでるガスの量が少ないため
水だしコーヒーの袋がふくらんで抽出を邪魔をすることがないためだと思います。

結論

水だしアイスコーヒーバックでコーヒーをたてるとき、
ガス抜きがしっかりしている場合は、どんな容器でコーヒーをたてても大丈夫です。
しかし、ガス抜きがしっかりなされていない場合は、
たてた状態で水だしコーヒーバックがはいるような容器を使うとうまくいきます。
(ひきたてのコーヒーも含む)
ちなみに、うちの店の水だしコーヒーバックは、ひとつづつ香りを通さない袋にいれてあり
その袋に炭酸ガス吸収剤をいれておくことにより完全にコーヒーのガスが抜けるようにしてあります。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしアイスコーヒーを科学する

(写真・水だしアイスコーヒー)

コーヒーバックとは

コーヒーバックは、細かくひいたコーヒーがはいっている袋で水の中にいれて
6時間ぐらいかけて抽出する商品です。
特長は、なんといっても手軽で簡単。
それに尽きると思います。
いちじき、うちの店でもはやってたくさん作ったりもしました。
(けっこうコーヒーバックのノウハウも持っていました)
実際本格的にいれたアイスコーヒーと比べると味気なくて飽きちゃったんです。
そこで、同じ日に焙煎したアイスコーヒーを使って同じミルで同じひきにして
同じ量のコーヒー豆を使ってコーヒーバックで作ったアイスコーヒーと
氷だしコーヒーで作ったアイスコーヒーとどのぐらい違いがあるかを
試してみることにしてみました

(写真・コーヒーバックで抽出)

コーヒーバックの特長

コーヒーバックは1袋づつ香りを通さない袋に入れて販売していました。
このときのポイントは、かならす、鮮度保持剤を入れることです。
鮮度保持剤は、コーヒーからでる炭酸ガスを吸収するものでこれをいれることによって
コーヒーの持っている炭酸ガスが強制的に排出できるわけです。
(新鮮なコーヒー豆を一瞬だけ真空ポンプで真空にしたぐらいでは、
コーヒー豆の持っている炭酸ガスを100%排出できない)
この作業をすることにより、コーヒーの内部に水が侵入しやすくなるわけです。
抽出のポイントは、コーヒーバックが立った状態で水に使っていることです。
これによりコーヒーから出てくる気体があっても
乾いたペーパー部分から抜けることができるわけなんです。
ぬれてしまったペーパーは、気体通過を妨げるので最初から
バック全体をぬらしてしまうとコーヒーからでた気体で水の進入を妨げてしまうのです。
つまり、コーヒーと水が接しにくく
成分の抽出がしにくくなってしまうわけです。

(写真・氷だしコーヒーの蒸らしの後)

(写真・氷だしコーヒーで抽出)

氷だしコーヒー

氷だしコーヒーは、ダッチコーヒーの改造したものです。
感じとしては、性能の良いダッチコーヒーのようなものです。
氷の溶けるのを利用してゆっくりと1滴づつ均等に水が落ちるように
したものです。氷が溶けて水が落ちるので水の温度は一定になるのです。
くわしくは、氷だしコーヒーをつくろうを 参考にしてください。
普通のダッチコーヒーで水の温度を一定にする場合
フラスコに水と氷を入れておきます。
そうすると、水の温度が上がるのを 防ぐことができます。
基本的にダッチコーヒーの良いところは、コーヒーの抽出液が
長く持つことです。
それは、コーヒーの品質を落とす原因の温度変化が非常に少なくてすむからです。
通常、コーヒーを抽出すると70度前後になります。これを冷蔵庫などで保存すると
コーヒー液が、温度変化にさらされることになります。
その点、、ダッチコーヒーの場合は
それを防ぐことができるわけです。

(写真左・水だしコーヒーでだしたコーヒー)

(写真右・2種類水だしコーヒーの抽出液のアップ)

出来上がったコーヒー液の比較

どちらの写真も左側が氷だしコーヒー、右側がコーヒーバックのコーヒーです。
同じコーヒー、粉のあらさも同じ、出来上がり量も同じです。
ついでに言うならば、抽出時間では、
コーヒーバックの方が倍の時間(6時間)かけています。
コーヒーは、水の中につけた状態で抽出するのには限界があるように思いました。
氷だしコーヒーの場合、上から落ちてくる水は何も溶けていない、
一番ものを溶かすことができる状態なのです。
コーヒーの成分を溶かした水はコーヒーの粉の中を
ゆっくり下へと流れていきます。
当然、下へいけば行くほどコーヒーは濃くなり、
一番濃い状態でサーバーへと落ちることになります。
このとき流れようとする力は重力が原動力となります。
これに対して、コーヒーバックの場合は、粉が水の中に浸かった状態ですから
コーヒー成分がとけた状態と溶けていない水の状態との比重の差だけが
コーヒーの粉の中を水が通過する原動力となるわけです。
そして、この力はコーヒーが溶ければ溶けるほど比重の差がなくなっしてまい
コーヒーの粉の中を通過しようとする力が弱くなってしまうのです。
そして、もの(コーヒー)が溶けている水は、ものを溶かす力が弱くなってしまいます。
ふたつの同じ水出しコーヒーですが、濃さに歴然と差がつきました。
味も個人的には、氷だしコーヒーのが好きです。
(人の好みもありますから絶対とはいえないですが・・・)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

氷だしコーヒーをつくろう

(氷がとけるのを利用した水だしコーヒー)

用意するもの

すべてカリタ製を使いました
・ 101-Dドリッパー 1ヶ
・ 102-Dドリッパー 1ヶ
・ 101-ペーパー 1ヶ
・ 300ccサーバー 1ヶ

写真・・・101-Dドリッパーにペーパーをセットします。
(こまかびきの粉を30gいれます。ふかいりのコーヒーを使う必要はありません)

写真・・・スプーンなどで穴をほります。

写真・・・ていねいにお湯をさして3~5分蒸らします。
(松屋のいれ方参照)

※水だしコーヒーのポイントは蒸らしにあります。
つまり、いかにコーヒーに含まれるガスをぬくか、
そして、水のとおり道をいかにつくらないようにするかが問題となります。
水は、通りやすい所を通る性質を持っています。
ですから、水の通り道ができると
そこばかりを水が通ってしまって他の部分を通らなくなってしまいます。
そのため、抽出に使われないコーヒー豆ができてしまいます。
うまくいくためには水が均等にコーヒーの中を通るようにする必要があります。

102-Dのドリッパーをのせて、氷を入れます

3~5分たって蒸らし終わったあと、102-Dのドリッパーをのせて、氷を入れます。
写真の中では氷が均等にとけて水が滴下するために
ステンレスのばねをドリッパーの中に入れています。
普通の場合は、ペーパーフィルターをセットして氷を入れてください。

テキトーなところで味見をします

50~60ccでたところで落ちてくるコーヒーをスプーンですくって味見をします。
コーヒーは、うまみが最初に溶けてある時期から渋味が溶けるようになります。
水の滴下のスピードによってこのうまみから渋味に変わる時期が異なります。
この時期を知るには味見をするのが一番簡単で確実な方法だと思います。
ちなみに、少し渋味をいれるとミルクをいれた時コクになります。
ですから、砂糖・ミルクを入れる方は渋味を少し入れることをおすすめします。

薄めて、できあがり

スプーンでおちてくるコーヒーをなめて、好みの所でやめたら、薄めます。
ホットの場合は熱湯で、アイスの場合は冷たい水で薄めてください。
これもその人それぞれの好みです。
だいたい2~3人分には薄めることができると思います。

※渋味が早く出るようでしたら、ドリッパーの穴を下からのぞいてください。
3つある穴のコーヒー液の色が違うはずです。
これはうすいコーヒー液の穴のところに水の道ができていて、
そこの穴ばかり水が通っている証拠です。
これは、蒸らしの失敗か氷のはいったドリッパー部分から
水の滴下が均等に落ちていないかが原因です。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水

あさいりで水だしコーヒーをつくる

水だしコーヒーは、ふかいりの豆を使うというのは、コーヒー屋としては、
常識のようなものなんです。コーヒーを抽出するとは、
うまみの成分と渋味の成分をわけることです。
もっと簡単に言うとうまみの成分は
、溶かして渋味の成分は粉の中に残すということです。
水だしコーヒーは、うまみと渋味をわけることができないので、
渋味の成分のすくない、ふかいりの豆を使うのです。
なぜ、渋味までででしまうかを説明すると

  • 一滴づつコーヒーの粉に落ちた水は、うまみを溶かして下の方へ流れ落ちていく。
  • 上の方の粉は、うまみを溶かし終えたあと、渋味を溶かし始める。
  • 松屋のいれ方のひたひた状態で抽出ができないときは、渋味が溶け出す。
    これと、同じ事が水だしコーヒーでも起こる。
    (松屋のいれかた参照)

これが、水だしコーヒーであさいりを使わない理由です。
つまり、あさいりの豆を使うと、どうしても渋味がでてしまう。
これを、防ぐためには、ふかいりの豆を使うしかない。
これを、証明するために実験をしてみました

実験
あさいりのコーヒーを水だしコーヒーの器具にセットします。
(粉は、こまかびきでむらしは、穴をほってお湯でやってください。松屋のいれかた参照)
水を一滴づつ落として、でてくるコーヒーをスプーンにとってなめてみる

結果
予想と反して前半では、うまみしかでませんでした。
水を落とすスピードと味は、あまり関係がなく
せいぜいうまみが溶け終わるまでの水の量が違うだけでした。
(はやければ、コーヒーが多く出たところで渋味がでてきます。
おそければ、逆に落ちてくるコーヒーは、濃くて少ないところで渋味がでてきます。)

結論
水だしコーヒーは、こまかびきの粉を使います。
ここに、水出しのポイントがあります。
コーヒーの粉の保水力は、粉をこまかくすればするほど、高くなります。
実際、はかってみますと、水だしコーヒーが動いているときの
コーヒーの粉がもっている水の量と、松屋式でコーヒーをいれている時の
粉が持っている水の量が、ほとんど変わらないんです。
つまり、一滴づつ水を落としているのにもかかわらず、
松屋式でいう、ひたひた状態を水だしコーヒーは、つくっているのです。
そのため、うまみが溶け終わってから渋味が溶けるという松屋式の抽出と、
同じ事が水だしコーヒーでもおこるのです。
つまり、水だしコーヒーでもあさいりの豆が使えるということです。
そのかわり、人数分抽出するのではなく渋味がでたらそこでやめてあとは、
薄める必要があるということです。
そうすれば、おいしくて長もちするコーヒーが簡単にできます。
(この原理を使って作ったのが氷だしコーヒーです。)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしコーヒーの器具をつくろう

準備する品々
ペットボトル、コーヒーサーバー、きゅうす
ひもかガーゼか手ぬぐいか

コーヒーの粉をしめらせます
カリタのドリッパーに細かくひいた深煎りのコーヒーを入れて
普通の蒸らしの様にお湯をかけます。

本来は水で練って空気を抜く作業をするのですが、
これがなかなか面倒です。
ガス抜きで一番手っ取り早いのは
お湯をさして水蒸気をコーヒーの粉の中に入れ、
炭酸ガスを追い出す普通のドリップ式の蒸らしです。
簡単なので今回はそのやり方でいきます

コーヒーの粉の上に丸いロシをのせます
しっかり蒸らした後(3~5分)の粉の上に丸いロシをのせておきます。
水出しコーヒーの場合は、一点に集中して
水が落ちるので水を分散させるためです。

...

等速滴下装置 「まじめなポタ君」
水の入ったペットボトルを適当なきゅうすにひっくり返してつっこみます。

きゅうすの中にひもを入れ、きゅうすの口からひもを出します。

ひもの長さを調節して、1秒間に1滴程度に調節します。
(ひもの長さを長くすると水の出るスピードが早くなります)※この装置はきゅうすの水位とひもの長さで水滴のスピードが決まります。 きゅうすの水位が下がると自動的にペットボトルから水が入りこんで きゅうすの水位を一定に保ってくれるのです。

簡単な作りでありながら高級なウォータードリッパーのように
最初から最後まで一定のスピードで水滴が落ちるスグレものです。

できあがり
一定量のコーヒーがでたらできあがり。
ウォータードリッパーは一度も温度変化にさらされていないので
けっこう長持ちします。
ホットにしてもアイスにしてもOKです。
もともと深煎りのコーヒーを使った理由は
浅煎りだと嫌味がでておいしくないからです。
低い温度で抽出しても時間をかけると嫌味は溶け出すようです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

エスプレッソ エッセイ

エスプレッソという器具を実験なんかで使っているうちにいろいろなアイデアが浮かびます。
そんなこんなを書くためのページをつくってみました。
(だいたい写真を必要としない小ネタの格納場所)
できるかぎり、客観的に判断できるようなものを中心に書いてみたいと思います。
ただし、どーーーしてもコーヒーがうまくなったとか苦くなったとかちょっと客観的でない
部分もでてくるとおもいますが、ごかんべんを・・・・。
実際に客観的でない部分でほんとうかなぁと思った部分があったら実際にやってみてください。
(もしかすると、大発見がみつかるかも・・・・)

ボイラーの水はくさらないのか・・・
ファーストクラスを壊しておもったこと・・・・
エスプレッソのボイラーをバラしたときにふとおもったんですが・・・・
あのボイラー部分の水は腐らないんだろうか・・・・
使ったあとボイラーの中に水が残ります。 (あたりまえですが・・・)
当然ヒーターで加熱しているときは、殺菌しているわけでいいんですが 問題はエスプレッソをそのままほったらかして1週間とか1ヶ月ほったらかしておいた 場合、水がどうなるんだろうと思ったんです。
あのボイラーが機密性が高ければもつかもしれないのですが、 残念ながらそんな機密性はないのです。
スチームを使ったあと、そのままにしておくとボイラー内の圧力がさがって ポンプのバイパス部分から水がボイラーのほうに流れ込んでしまいます。 (これにより、ボイラー内の圧力を大気圧に戻している)
この状態でほったらかしておいたら間違いなく水が腐ると思うんです。
次に使うときにヒーターで水を温めるからいいんだろうか。
まぁ・・・・それで病気になったって話も聞かないからいいとしよう

エスプレッソの将来
エスプレッソの実験をしていて思ったこと・・・・
日本人にエスプレッソが定着するかを考えるとちょっとむずかしいかなぁと思います。
つまり、エスプレッソというコーヒーはこてこての料理にあうような気がするのです。
(いわゆる、脂っこいもの)
ということは、まず日本料理などどちらかというと素材の味を楽しむような料理には あわないことになります。
そして、日本人は年齢とともに脂っこいものをさける傾向があると思うのです。
となると、日本人にはエスプレッソのようなコーヒーよりもドリップで落とした きれいな味のコーヒーのが何杯でも飲めて長続きするような気がするのです。
特に家庭ではそんなコーヒーがやっぱり主流ではないでしょうか。
では喫茶店ではどうかというと・・・・
たまに飲むコーヒーならはとりあえずOKかなぁ・・・・
(どーーせ、ぼくはたまにしか喫茶店にいかないし・・・・)
ただし、本当にしっかりといれたドリップコーヒーだったらぼくはまちがいなく そっちを飲みますけどね・・・・

直火式エスプレッソの材質について
アルミ製 vs ステンレス製・・・・
はっきりいってこれは、写真を使えません。
なぜならば、どちらの商品がいいかを話そうとするわけですから・・・
これは、ぼくの解釈で他の人は意見が違うかもしれません。
(ですから、最終的には自分でどっちがいいかを判断してみてください)

ぼくの勝手な判断
性能では、ステンレスのエスプレッソのほうがいいです。
なぜか・・・・

・ステンレスは、丈夫なのでフィルターを細かい穴でつくれる
これにより粉をあまり強く押し込まなくても圧力を上げることができる。
(フィルターの部分が抵抗になるから)
・ステンレスは丈夫なので、ボイラー部分も薄くできる。
(あたりまえですが・・・・)
ボイラー部分を薄くできると、ボイラーを加熱して圧力が上がるまでの時間が短くて済みます。
簡単にいえば、熱が蒸気に変わる率が高いのです。
その分スピーディーに抽出ができるのです。

アルミの欠点
ほとんどステンレスの逆になりますが・・・
アルミのフィルター自体弱いので、にあまり負荷がかからないように 穴がステンレスよりもあらくなっています。
(抵抗が弱いとその分、圧力を上げることができなくなります)
ボイラー部分がどーーーしてもアルミの場合、すごく厚くなります。
(結局、アルミは弱いですから・・・・)
アルミは、熱伝導が高く圧力を上げるために熱を加えてもアルミが熱を奪ってしまい ボイラーの圧力が上がるのを防いでしまいます。
そして、エスプレッソ全体の温度を上げてしまって抽出されたコーヒーの温度も高く 嫌味なんかが非常にでやすいのです。
普通に熱をかけて圧力をあげるのに圧があがり始めてから3分ぐらいかけて やっと 3kg/cm2 にまであがりました。
(ちなみに、吹き出し口を閉じた状態で)
つまり、ステンレスの方がスピーディーに低い湯温で抽出されるために アルミのエスプレッソと比べると嫌味やコーヒーの濁りがでにくいと思います。

ただし、ぼくが実験したエスプレッソで起きた現象で他のアルミのエスプレッソでは そのようにならない可能性もあります。
(とりあえず、フォローしときます)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

一杯だしエスプレッソを使って実験

(写真・吹き出し口のところにあるのがボールコック)

吹き出し口にボールコックを取り付ける
いままでのバルブは、微調整がききにくかったのでバルブを ボールコックに変えました。
これにより調整は非常にやりやすくなりました。
それとなんといっても再現性が良くなったので実験がしやすくなりました。
実際に使ってみて最初からこのパターンでつくればもっとかっこよくできたのに・・・・ ちょっと残念です。
この装置を使って直火で圧力を 3kg/cm2 にしてからバルブを開いた実験もやりましたが、 以前やった結果と同じで濁ったコーヒーが出来上がりました。
そして、クレマはぜんぜんできませんでした。
どうも、ボイラー内の圧力を蒸気で上げるとどうしてもお湯の温度が高くなりすぎて あまりいい結果がでないようです。

結 論
三枚の写真は、抽出の連続写真です
左から、出始め・抽出途中・抽出終了です。
ポイントとなる部分は、真ん中のコーヒーが白っぽいのにたいして 右の終わったコーヒーが下のほうから黒っぽくなってくることです。
つまり、抽出時に高圧のために無理に溶け込んでいた炭酸ガスが 常圧になって泡となって出現して、それが上に集まって下のほうから 透明なコーヒーになってきたということです。
たぶん、この圧力が高いほどこの泡が細かいんじゃあないかと思います。
(このへんは、たぶんですが・・・・)
次は、透明なびんの中にコーヒーの粉とお湯を入れておき、それに高い圧力を かけて、その後圧力を常圧に下げたとき細かい泡がでるかどうか実験してみたいと思いました。
もし、この高圧状態から常圧に下げたときに泡がでることになれば、 エスプレッソという機械が、コーヒー豆の内部の炭酸ガスを高圧のお湯に強制的に溶け込ませて それを常圧に戻すことによりクレマを生成すると考えてもいいんじゃあないかと思います。
実際にあらい粉と細かい粉の比較なんかも実験しなくっちゃ・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

一杯だしエスプレッソ

(写真・一杯だしエスプレッソ)

吹き出し口にバルブをつける
新しく一杯だしの直火式エスプレッソをこわしてつくってみました。
今回は、吹き出し口の部分にエアーの風量調節バルブを取り付けて ボイラー内の圧力が上がった状態で抽出できるようにしてみました。
つまり、このバルブを閉じることによってボイラー内の圧力を強制的に上げることが できるようにしました。

(写真・コーヒーがしろっぽいのは泡が含まれているため)

試しに抽出してみよう
まず、コーヒーをセットして吹き出し口のバルブを閉じておきます。
そして、エアーを送ってボイラー内の圧力を上げておき 吹き出し口のバルブをあけてきます。
そうすると、ゆっくりとコーヒーが抽出され始めます。
あとは、抽出時間が30秒ぐらいになるように メインバルブと吹き出し口のバルブを調節して抽出します。
ちなみに、ポイントとしてはフィルターの部分にペーパーを しいて、コーヒーの粉をしっかりと詰めて圧力が上がりやすいようにします。
(結局、少しでもコーヒーの粉をかためて湯がとおりにくくする)

(写真・抽出後のアップ)

結 論
泡がでるかどうかは、抽出の圧力が 3kg/cm2 で 20秒以上かけなければならないようです。
(ちなみに、それ以上の圧力では安全弁が働いてしまう)
きれいに抽出されると細かい泡でコーヒー液がしろっぽい状態でノズルからでてきます。
そして、コップの中に注がれた後、泡が上にあがって、下から コーヒー本来の色に変わっていきます。
(けっこう、きれいです)
このような感じて抽出されたときは、おいしいコーヒーとなります。
お湯のとおりが早すぎるとこくのないコーヒーになるし逆に時間が かかりすぎると嫌味がですぎることになります。
実際には、吹き出し口のバルブはもっと使いやすいバルブにしたほうがいいような気がしました。
それとなんといっても、配管とかシールテープとかなんか、食品にはちょっと・・・・
というような部分がこのエスプレッソの欠点だとおもいます。
まぁ、とりあえず実験用のエスプレッソですから仕方ないですが・・・。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

新型エスプレッソで実験する

(写真・レギュレーター付エスプレッソ)

圧力と泡のでかたを考える
今回、圧力と泡のでかたを調べるためにエスプレッソに エアーがはいるところにレギュレーター(減圧弁)をとりつけて 入力の空気圧を自在に変化させることができるようにしました。
つまり、レギュレーター部分の圧力とボイラー部分の圧力の差が 吹き出し口からコーヒーとともに圧力が逃げるためおきるものなのです。
(あたりまえのことですが・・・・・)

エスプレッソを動かす
(コーヒーがではじめる)

吹き出し口のアップ
(細かい泡がでる)

抽出の後半
(泡があらくなる)

圧力と泡の関係
この装置では、お湯がボイラーの中になくなってくると 圧力が下がる傾向があります。
コーヒーの粉の中をお湯がとおるのと空気がとおるのではあきらかに 空気がとおるほうがとおりやすいからあたりまえなんですが・・・・
そのボイラーの圧力が下がるとコーヒーの泡があらくなります。
つまり、ボイラーの圧力をできるだけ高く維持させればクリーミーな泡が 維持できるわけです。
(普通の機械式のエスプレッソの場合は水がからっぽになりませんから関係ないですが・・・・)
簡単にいえば、吹き出し口にバルブをつけて抵抗をつけるかコーヒーの粉を きつくつめて抵抗をつけるかになります。
ちなみに今回は、きつくコーヒーをつめるほうにしました・・・実は、バルブをつけるように 吹き出し口にタップをたてたらアルミが薄くて割れちゃったため実験できなかったんです

蛇口式エスプレッソ
(サーバーは河野10人用)

抽出しはじめ
(細かい泡がでる)

抽出終了
(泡が最後まできれい)

ボイラーの圧力を上げる方法
この装置でボイラーの圧力を上げる方法として ぼくがやったのは、一回ひいたコーヒーをもう一度 ミルにかけたことと、円形ロシをコーヒーの上と下に一枚ずつ ひいたことです。
これと、コーヒーの粉をいれたときにしっかりと押さえつけることをしました。
これだけのことをやった結果上の写真のような感じにエスプレッソがいれられるようになりました。

入力圧力・・・・4kg/cm2
ボイラー圧力・・3kg/cm2
コーヒー豆50g
お湯300cc(温度90度)
抽出時間 30秒

ところで、機械式のエスプレッソでは、9気圧ぐらいで抽出するらしいのですが、 フィルター部分の直径が6cm だとして面積が28.3cm2 となります。
ということは、1.033kg/cm2*9*28.3cm2=263kg
あのホルダーに263kgもの力が加わって壊れちゃわないんですかねぇ
なんせ、コンプレッサーの10kgのものなんかめちゃめちゃ頑丈に できているのにエスプレッソの部品はどーーーもきゃしゃにみえちゃうんですが・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

新型エスプレッソをつくる

(写真・新型エスプレッソ)

泡のでるエスプレッソをつくろう
機械式エスプレッソできれいな泡がでるのは、なぜかというのが疑問でした。
業務用のエスプレッソでは、ブリエル社の「ファーストクラス」などのように 泡をつくる機能がないエスプレッソでもきれいな泡ができます。
(ファストクラスのほうがいんちきともいう・・・・)
そこで、業務用のように泡ができるかどうかを実験する装置をつくることにしました。
構造としては、直火式エスプレッソにコンプレッサーでエアーを送り込んで コーヒーをだすという簡単な構造です。
(空気入れからちょっと進歩しました)

吹き出しを止めるドーム
(ちなみに、冷酒グラス)

吹き出し口のおもり
(ちなみに、ドリップポットのつまみ)

コーヒーの吹きだし口

細かい部分では、コーヒーが吹き出したのがよくわかるように ガラスの冷酒グラスをつってよくみえるようにしました。
そして、吹き出し口部分には、おもりを取り付けてできるだけ 高い圧力をつくるようにしました。

直火で動かす
(泡がほとんどない)

コンプレッサーで動かす
(きれいな泡がでる)

(左・直火式)
(右・コンプレッサー使用)

結 論

直火で吹き出し口におもりをつけたぐらいではあまり効果はありませんでした。
(ただしちょっとは泡がでましたが・・・・)
つまり、直火でやるとだいたい1kg/cm2以下ぐらいの圧力で抽出してしまいます。
それを防ぐためにコーヒーの粉を詰めすぎると圧力は上がるのですが、 濁ったおいしくないエスプレッソができてしまいます。
むかし、ステンレスのエスプレッソとアルミのエスプレッソではステンレスの エスプレッソのほうがおいしかったのはフィルター部分がステンレスのほうが 丈夫なため細かい穴があけられてエスプレッソの圧力を上げるのに 都合が良かったからだとおもいました。
それに対して、コンプレッサーの方は、けっこう簡単に泡がでました。
エアーの送り方で抽出時間が決まるのでバルブの調整はけっこう大変でしたが 泡のでかたやコーヒーの味に関しては非常に良かったです。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)