「I」さんの焙煎機

ダクト接続型焙煎機

今回の焙煎機の特長はダクトを接続することです。
つまり、室外に煙を排出する機能を最初から取り付けるということです。
これはこれで、やってみるとけっこうおもしろい・・・
どうすれば煙突を簡単に接続することが可能になるか・・・・
とにかく・・・いろいろな意味で勉強になりました。

今回の焙煎機の改良点

チャフ集め板を取り付けてチャフは灰皿の中央に集まるようにしました。
それによってスプーンをのせる台を灰皿に置くことが可能になりました。
これが思いのほか調子いいのです。
スプーンを抜いた状態ですぐに置く・・・
スムーズに作業をすすめることができます。
ストレスなくできる作業ではミスが起こりにくくなります。

冷却装置部分の改良点

ダクトは100ミリのじゃばら式の煙突を取り付けるようにしました。
できるだけ簡単に取り外しができるようにとネジ1本で固定できるようにしました。
それを可能にしたのがファンを固定するネジをわざと伸ばして3点で支持できるようにしました。

屋根と冷却装置の接続部分

今までの焙煎機と比べると横の配管が長いことと
配管が真横にきていないために接続や取り外しがしにくくなりました。
そこで、冷却側の煙突にもつまみをつけて両手で屋根をはずすようにしました。

冷却器の改良点

装置としては全く変わりません。
ただ、作り方としては大幅に変更しました。
(見た目は全く変わりません)
最初にパンチングメタルの部分をつくっておき
それに合わせて外側を現物あわせでつくっていく。
特に・・・
コの字形に曲げる時は、片側を曲げておき
そこで寸法をとってもう一方を曲げるようにする。
このやり方により曲げによる誤差が半分に防げるようになるわけです。

排気ダンパーの改良

この部分も作り方では改良しました。
冷却装置本体と上ふた部分の接続を外側のアングル部分のネジ止めにしました。
これにより、排気ダンパー部分との干渉なく取り付け取り外しなどに苦労せずにすみます。

このような機械は、部品点数が増えても
後で改造したり修理が楽なように工夫することが大切だと思います。

試運転の感想

排気用の煙突があるのはいいです。
なんせ・・・
部屋が煙だらけにならなくてすみます。
ただし・・・
煙を確認できないためにどれぐらい煙がでているかをチェックできないことは欠点です。
慣れてくれば煙は外に排出されるほうがやっぱり楽です。
次回つくるときはスプーンを排気チェック機能付きスプーンにしてみますか・・・

番外編

今回は焙煎機を2台いっぺんにつくりました。
そこで効率よく作るために材料を置いておく棚をつくりました。
これによりチャンネルやアングルなどをしっかり分けて置いておくことが可能になりました。
それと吊り棚を作業台の上に取り付けました。
ここにドライバーやレンチなどを載せて置くようにしました。
これは非常に作業性がアップして良かったです。
そして、焙煎機をつくり終わったら天井に棚が収納できて邪魔にならずに助かりました。
近所の「K」さんにドリルの砥ぎ方を教えてもらってドリルを砥ぐようになりました。
これがけっこうおもしろかったです。
わざわざ刃先が砥げているかを顕微鏡でチェックして使ってみると
見事に切れるようになってちょっとした驚きでした。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

謎の焙煎機の改造

横浜でコーヒー屋をやっている「U」さんが持っている焙煎機です。
一応・・・3台の焙煎機がいっしょになっているような構造で1台で400gぐらいは焙煎できるようです。
ちょうど・・珈琲工房「H」でみさせていただいたサンプルロースターと構造としては同じようなものです。
ただ、珈琲工房「H」は、熱風式の構造でしたが、この焙煎機は直火式でした。
排気も一応調節できるようになっています。

今回のいきさつ
年末のめちゃめちゃ忙しいときに「U」さんからメールがきました。
焙煎機を改造して欲しいと・・・・
電話でどうしたいのか聞くと・・・
いまから行きますだって・・・
てなわけで、夜中の9時に「U」さんは、焙煎機と共に店にきました。
最初は、みるだけのつもりでした・・・
しかし、次の日には営業するらしい・・・
てなわけで・・・できるところまで改造してあげることにしました。
(ちなみに・・・明け方3時30分までかかりました)
「U」さんは、そのあと横浜まで帰っていきました。

今回の改造について

今回は、3台の焙煎機がつながったような構造になっています。
とても、すべての焙煎機を改造するわけにいきません。
(急な話で材料もなかったし・・・・)
そこで、1台だけを改造することにしました。
今回の問題は、いつものような温度計兼スプーンを取付けると豆を取り出すときの邪魔になってしまうということです。
そこで考えたのは、ドラムを傾けたときに取付け台が跳ね上がる構造です。
こうすれば、豆を取り出すときには邪魔にならないし普通に温度計は差し込んだままにすることができます。
実際にすべてを改造するかどうか聞いたら・・・
この焙煎機にはあまりお金をかけずにお金がたまったらもう少し大きい焙煎機を買おうと考えているようです。
まぁ・・・少量づつ焙煎できておもしろい機械ですけどね

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

熱烈なファンに支えられて・・

9月半ばから予約販売となった「珈琲屋の本気ゼリー」ですが・・・

実は、熱烈な本気ゼリーファンの方に、定期的にご予約を頂いています。。誠に有難うございます!
本日もご予約があり、昨日、中川さんが作っていました。

現在は、3個からの予約販売ですが、11/22(土)~24(月)2周年記念イベントでは、
本気ゼリーを特別販売致します。

期間中は、ご予約なしで1個からお求め頂けます。

ゼリーファンの方、是非、2周年記念イベント期間中にご来店くださいませ。

カリビアンロースターの改造・その2

またまたカリビアンロースターの改造を頼まれちゃいました。
今回の依頼者は浜松の「M」さんで「樹の香」さんの焙煎機の設置のときに お手伝いしてもらった人です。
(ちなみに、そのときはご夫婦できてて夜中までつきあわせてしまった・・・)
今回どんな感じにつくるかを打ち合わせたときにでた意見がチャフの処理なんです。
てなわけで今回の焙煎機のテーマは台所が汚れない焙煎機です。

今回の改造で苦労した部分
一番に苦労した点は、どうやったら煙突からでるチャフをとめることができるかでした。
後の部分はカバーをしっかりとつくればチャフは外へ出ないでしょうから・・・
煙突というのは釜の煙を外にだす大事な部分です。
普通に考えれば煙突でおきた上昇気流に乗ってチャフも飛んでしまいます。
そこでぼくが考えたのが煙突を直角に一回曲げてその水平な部分に上下に数箇所のはねをつけて 空気の流れを乱れさせてチャフを落とそうというアイデアでした。
最初はそのはねを4枚つけたんですが、つけすぎると排気の効率がめちゃめちゃ落ちちゃって 結局は、2枚のはねだけになっちゃいました。
それでも、排気を全開にしても煙突からチャフが飛ぶのを防ぐことができました。

カリビアンロースターとフィスコの焙煎機の大きな違い

カリビアンロースターと以前改造したフィスコの焙煎機の大きな違いは ドラムの回転数です。
カリビアンロースターのほうが回転数がはやく豆はよく混ざります。
(煎りむらが少ない)
しかし、その分豆がドラムの口部分から飛び出しやすいという欠点を持っています。
そこで今回も豆飛び出し防止板を取り付けました。
どうも、カリビアンロースターの改造にはこの豆飛び出し防止板が絶対に必要となるようです。
(写真・カバーを取った状態)

微圧計とバーナーについて
この焙煎機のベースとなったのがたこ焼き用のコンロでした。
それも、めちゃめちゃ安物だったためにベースとしての強度がそのままでは取れませんでした。
そのため、裏側に補強をいれたりけっこう苦労しました。
(ベースがしっかりしていると非常にやりやすいとしみじみ思いました)
バーナー部分はたこ焼き用でいいんですがドラムの長さよりもちょっと長かったんです。
そこで、バーナーの穴を10個ほど埋めちゃいました。
方法は、タップでバーナーの穴にねじを切っちゃってステンレスのねじを締めるときに マフラー用の耐熱パテをつけてOKでした。
(少しぐらいガスがもれったって大丈夫ですから・・・たぶん)
あと、バーナー部分が簡単に取り外せるようにして掃除をしやすくしました。

豆飛び出し防止板について
豆飛び出し防止板は、簡単に開閉できるようにしました。
決まった温度まで釜があったまったら専用のじょうごで豆をドラムの中に入れます。
そのときにはこの豆飛び出し防止板はあけた状態にしておかねばならないのです。
それと、以前作ったときはこの豆飛び出し防止板は着脱式になっていて ちょっとスマートじゃあなかったんです。
だから、今度はちょっとスマートにつくってみました。
(それほどスマートともいえなかったりして・・・・)

ダンパー部分について
今回のダンパーは今までのものと比べると効率が悪くなります。
なぜかというと、煙道を直角に折り曲げて、どうしても抵抗ができてしまうのです。
そこで、いつもよりも大きめの開閉部分にしました。
ちなみに、ここで使ったダンパー確認窓は富士ローヤルの焙煎機の窓なんです。
なんか、めちゃめちゃ高くついてしまった・・・・

軸受けについて
特に後部軸受けにはこだわりました。
ギヤーというのは、適正なかさなりにしなければなりません。
そこでどうしてもしっかりした受け部分が必要となります。
今回は、寸切りのボルトに3mmのねじを切ってそのねじ部分で軸を受けるようにしました。
ちなみにもう片方のボルトはバカ穴になっています。
前面の軸受けは初めてベアリングを使いました。
一度試しに使ってみたかったんです。
使ってみると細工が楽だし非常に気に入りました。
たぶん、今度からはこの方法になるだろうなぁ・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

カリビアンロースターを改造しよう

カリビアンロースター

東京の「U」さんからメールがきました。
煎っ太郎をつくってほしい・・・と
ぼくとしては、普通の人が使うにはでかいし、煙もすごいし・・・ てなわけで、ていちょうにおことわりしました。
(実は、ステンレスが多くて改造がしにくかったんで・・・)
メールのやり取りの中で「U」さんは、小型の焙煎機は持っているといっていたので、 それならばその小型の焙煎機ならば改造してあげましょうということになりました。
たかが、焙煎機であまりお金をかけるのはねぇ・・・・
とりあえず、うちの店に送ってくださいと「U」さんにメールを送りました。
当然、すぐに焙煎機が送られてくると思ったのですが・・・・来ません。 3日ほどたってやっと来ました。
焙煎機が・・・・
そして、ついでに「U」さん本人が・・・・
そうなんです、わざわざ焙煎機を背中にしょって現れたのです。
(宅急便なら、1000円ぐらいで済むのに、新幹線で持ってくると往復で2万円はかかるだろうに・・・やれやれ)

(写真・改造前の焙煎機)

改造のポイント

今回やってみたかった改造がありました。
それは、イワタニのカセットコンロ「ジュニア」というコンロに取り付けたかったのです。
はっきりいって、めちゃめちゃコンパクトな焙煎機ができるような気がしたのです。
それと、ダンパーを今までよく使っていたスライドダンパーのかわりに回転式ダンパーをつけてみたかったのです。
それ以外の軸受け部分とか温度計兼用スプーンはフィスコ改造のときとまったく同じタイプを使いました。

(写真・コンロにのった焙煎機)

問題発生(コケた・・・・!)

この改造は、結構スムーズに進んだんですがやっぱり、問題が起こりました。
このカセットコンロはめちゃめちゃ小さいのでモーター部分がどうしてもコンロの外にいっちゃうんです。
そうすると、必然的に後ろが重たくなっちゃうんです。
そして、きたいどおーり、コケちゃいました。
(最初から、ちょっと予想していましたが・・・・)
そこで仕方なく、モーターの下に足をつけてフロント部分にもおもりもかねて足をつけました。
これによって安定感はましました。

(写真・足を取り付ける前の焙煎機)

ついに完成
今回の焙煎機の全体写真です。
試運転をやった結果、150gのコーヒー豆が安定して焙煎できるようです。
ついでに、豆が飛び出しやすい欠点を克服するために豆飛出防止板もとりつけちゃいました。
結局、試運転を含めて一週間ほどの改造でしたが、けっこうおもしろかったなぁ・・・
とりあえず、いい仕事ができたなぁと満足しています。
「U」さん、はっきりいって文句はいわせません!
特に性能に関しては・・・・

ダンパー部分のアップ
今回の一番の力作・回転式ダンパーです。
左にあるハンドルを回すとダンパーの開閉が出来ます。
そのときにバランスを保つために右側におもりがついています。
そして、ハンドル部分のうでに磁石がついており適当なところでも止まるように工夫してあります。
ちなみに、煙突とダンパー部分の箱はお茶漬けの空き缶です。

豆飛出防止板とフロントの足のアップ
温度計兼スプーンの奥にある板が豆飛出防止板です。
実は、これがないと150gのコーヒー豆を煎ると豆がドラムと温度計の隙間から飛び出してきてしまうのです。
(けっこう、これが調子いい・・・つけた状態で豆の投入も可能です。)
右の写真はフロントの足部分です。
これを取り付けたことによって、極端に後ろが重いというアンバランスから開放されました。
それと、見た目の安定感もできたような・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

小型焙煎機の改造

小型焙煎機の改造たのまれる

メールでやり取りしていた千葉県の「S」くんが、 井上製作所のHR-06という小型の焙煎機をかかえて 知多の珈琲屋さん「Y」さんと来ました。
(改造を前から頼まれていた)
せっかく遠くから持ってきたんだから、はやいとこ片付けてあげようと おもって営業時間にもかかわらず改造することにしました。
(実は、いつものことだったりして・・・・・)

(写真・改造前の焙煎機)

どこを改造するか

とりあえず、簡単にできるところから始めました。
微圧計や、温度計付きスプーンをつけました。
これは、今までフィスコの焙煎機で使った部品の流用で 簡単に出来ました。

(写真・改造後の焙煎機)

今回の改造の目玉

今回排気部分はつけないつもりでした。
(簡単にカバーがカットできないような気がしたから・・)
ところが、「Y」さんが、
「カバーを半分開けるだけでいいんじゃあないの?」
なんていうもんだから、その排気装置をつける羽目になってしまいました。
(けっこうぼくとしては、そのアイデア気にいっていたりして・・・)
ちなみにこの装置をつけていたため「S」くんは新幹線に乗り遅れて うちの店で寝袋で寝るはめになってしまいました。
めちゃめちゃかわいそーーーー。
(この夜、西尾ではこの秋一番の寒さでした)

排気装置の詳しい説明

茶色のつまみが排気のレバーです。
これを右いっぱいに持っていくと全閉
左にスライドするとじょじょにカバーが開いていきます。
その分だけ排気力が強くなります。
完全にカバーを開ければ、排気全開となります。
ただ残念なことは、アイデアがぼくではなく 珈琲屋の「Y」さんだったということぐらいかなぁーーーー

(写真・スライドレバー)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

フィスコの取り扱い説明書

用意するもの

・フィスコの焙煎機(通称 トーマス)
・じょうご(高性能豆投入装置)
・生豆(できれば、コーヒー)
・うちわ(ファジー送風機)
・ざる(豆が落ちない程度の目の細かさが必要)
・チャッカマン(高性能点火装置)

(写真・用意するもの)

焙煎機に火をつける

まず、焙煎機の電源を入れます。
次に、チャッカマンに点火してバーナーのできるだけ おくに持っていきます。
そして、コックを開けて火をつけます。 (バーナーの手前の方だと火がつきにくい)
そして、けっこうとろ火にしておきます。 (はぜが、12-15分ぐらいになる火力が理想)
このときに排気は、ほとんど、閉じ気味にしておきます。 そして、スプーンを差し込んでおきます。

(写真・チャッカマンで火をつける)

コーヒー豆を投入

温度計が、140度ぐらいになったらスプーンをぬいて じょうごを投入口にセットします。
そして、豆を投入します。 できれば、ここでストップウォッチなんかをスタートさせます。 スプーンは、入れたままにしておきます。

(写真・コーヒー豆を投入)

スプーンでチェック

排気が絞り気味になっていると、とーぜん投入口が水蒸気が でてきます。この状態を蒸らしといいます。この状態をじっくりと すごさないとコーヒー豆は内部まで熱が届きません。
そして、豆を時々すくって水の抜けを具合をチェックします。 (きれいに蒸らすと全体的に白っぽくなってくる)

(写真・スプーンでチェック)

排気を調節する

投入口から出てくるのが、水蒸気やコーヒー豆の青臭さなんかから少しずつ 煎った感じの匂いがしてきたら、排気を少しあけてやります。
投入口からの煙の状態で排気を調節します。 はっきりいってこの調整だけで味が決まります。
とくに、煙っぽさがきつくならないがぎり、排気を全開にしない方が よでしょう。

(写真・排気を調節する)

スプーンとカバーをはずす

ちょうどいい煎り加減になったら、スプーンとカバーをはずします。 (とーぜん、これをはずさないと、ドラムがはずせない)
つぎに、ドラムをはずして熱いコーヒー豆をざるに移します。

(写真・スプーンとカバーをはずす)

コーヒーをざるに移す

あわてずに、確実にざるにコーヒー豆を移します。 (別にそんなにあわてなくても良い)
ドラムを焙煎機に載せてコックを閉じます。 焙煎機は、まわしっぱなしにしておいてください。

(写真・コーヒーをざるに移す)

うちわでひやす

あとは、がんばってうちわであおいでコーヒー豆をひやします。 冷えたらできあがり

ちなみに、焙煎の基本は火力でコーヒーを作り排気で味をつくるです。 これは、強い火力を使っても弱い火力を使ってもコーヒーは出来ます。 しかし、決まった化学変化のプロセスをおこなうのには、時間というものが 大切になります。このええころを見つける事がまず第一。 そして、成分を過不足なく化学変化させるの大切なのが排気なんです。 コーヒーの成分を飛ばす飛ばさない火をコーヒー豆の芯までいれる いれないを決めるのがこの排気の調節なんです。

(写真・うちわでひやす)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

フィスコの焙煎機を改造する

改造前の焙煎機

フィスコ AD-201という焙煎機を名古屋の「O」君がもっていて 改造を頼まれました。 この焙煎機は、自家焙煎してみませんか というホームページをつくっている佐藤さんが使っていたものをゆずりうけたらしいのです。 ちなみに、佐藤さんといえば、早くからこのホームページからリンクを張っている人なんです。 結構、世の中ってせまいなぁと、感じてしまいました。

(写真・改造前の焙煎機)

フィスコの焙煎機の問題点

最初に焙煎機をみたときに「なんじゃこりゃ」と思いました。 前の軸受けがないし、排気の調節もない、温度も測れないと ここまではがまんしましょう。しかし、バーナーの近くに 薄いステンレス板一枚をはさんでコンデンサーは危ないでしょう。 温度が高くなって破裂したらどーーーーすんだよう。 などとめちゃくちゃぼろくそにけなしていました。
こんなもん買うやつはいないんじゃあないのと思いました。
(頼まれた以上改造しようとは思っていましたけどね)

(写真・改造後の焙煎機)

どこを改造するか

今回の改造では、以前ミルク缶焙煎機の改造で使ったノウハウを 多用しようと思いました。軸受け部分やスプーン兼温度計などは ミルク缶焙煎機と同じようにつくればいいので簡単だと思いました。 今回、始めての試みとしては排気を強制排気(モーターによる排気)を 使わず煙突による自然排気を使ってみようと思いました。 簡単に言うと煙突の根元にダンパーを付けるだけなんですけどね。

(写真・カバーをはずした状態)

今回の改造の目玉

今回の改造の目玉としては、排気のカバー部分にある程度の空間を 設けるようにしました。なぜかというと、煙がドラムより上部にたまってから 排出するような構造にしたかったからです。これはドラムの上部に空間をつくっておかないと コーヒー豆と煙を分離した状態にする事ができないため簡単に煙と豆がからんだ状態になってしまうのです。 それを防ぐために排気を開けると今度は排気オーバーになってしまうのです。 つまり、この空間をつくることによりこの空間が緩衝材のような役割をしてくれて排気に余裕持たせてくれるのです。
ちなみに、この温度計の取り付け方は煎ったろうの改造で使った方法です。

(写真・温度計付近のアップ)

フィスコの問題点

フィスコの焙煎機の問題点はコンデンサーの温度が上がりすぎることです。 これを防ぐために断熱のためにもうひとつ壁を設ける事にしました。 (これは、使わなくなったフロントの軸受け用ステンレス板を利用しました) その板にガスバーナーも取り付けました。これにより 焙煎機の前面に空間が空いてチャッカマンなどてガスに点火しやすくなりました。 たぶん、豆をドラムにいれた状態ではずしておき、ガスに点火したらおもむろに 軸受けにドラムをのせたんだと思います。(普通は、余熱が必要だと思うんですけどね・・・・) と、勝手に想像していたら、佐藤さん(前の持ち主)から 「最初に空焚きしてしっかり余熱を持ったらじょうごで豆を入れるのですよ」と教えていただきました。
はははは、いいかげんなことは書いちゃあいけませんね。反省。

(写真・スプーンのアップ)

とりあえず焙煎してみる

バーナーに点火してみました。はっきり言って、不安定な炎だしガスを全開にすると 不完全燃焼になっちゃうしやっぱりだめかなぁと思いました。 それでも、一番安定した炎にして適当な温度になるのを待ちました。 そして、豆を専用のじょうごて投入しておき、排気を絞り気味にしてみました。 この状態で豆投入口から水蒸気がでれば蒸らしはうまくいくのです。 そして、排気を開けていったときに豆投入口からでていた水蒸気が止まれば 排気能力は大丈夫なんです。(ぼくは、業務用の焙煎機だってこんな感じて判断しています) 実際に試してみたら、この煙突による自然排気の性能がめちゃくちゃいいのです。 この段階でぜったいにうまいコーヒーができると確信しました。

(写真・軸受部分)

すごい!

たった2日間の改造であまり期待はしていませんでしたが、コーヒーを焙煎してみて 本当にびっくりしました。ひかりのさとファームのために改造した煎っ太郎よりも うまく焙煎できるのです。(電動ミルク缶焙煎機よりもちょっと劣りますが・・・・) これならば、改造して売ってもいいと思いました。 たぶん、1日で改造できるから 5万円の焙煎機を改造して7万円で売ろうと考えました。

いわゆる「取らぬ狸の皮算用」状態です。
販売元の山下コーヒーに電話をいれて焙煎機をおろしてもらえるように交渉しました。
ぼく 「フィスコの焙煎機を卸してもらえますか」
山下コーヒー「いいですよ」
心の中で狸は捕まえたと思いました。
山下コーヒー「ちなみに、今ある10台の在庫がなくなると廃版になりますけど・・・・」
ぼく「・・・・・・・・」
どうも、ぼくはお金に縁がないようです。

(写真・豆投入用じょうご)

フィスコの焙煎機、その後

ある日、フィスコの焙煎機(通称 トーマス)を改造してあげた「O」くんが モーター部分にパッキンを取り付けて欲しいとトーマスと共に遊びにきました。 (パッキンをつくるのはめちゃめちゃ簡単だった) 「O」くんとの雑談の中でどの部分を改造すれば もっと性能がよくなるかを「O」くんと話し合っていました。 うちの焙煎機がバーナーの高さを切り替えて成功しているので 「トーマス」もバーナーの切り替え装置をつくろうという話になりました。 夜の8時から11時までがんばってバーナー無段階高さ切り替え装置を つくってみました。(けっこう、改造には時間がかかるものなのです。)

(写真・高さ切り替え装置付きバーナー)

大宮の「O」さんの焙煎機
お盆に「O」さんが持ち込んだフィスコの焙煎機です。 今回は、微圧計とバーナーの高さ切り替え装置をいっきにつけてみました。 なんせ、西尾市から大宮市までは、めちゃめちゃ遠いので あまり遅い時間までかけてつくるわけにはいきません。 そこで、「O」さんに手伝っていただいて この大改造のわりには3時間ぐらいで終わってしまいました。 (もう、家庭用のおもちゃとは言わせない!)

最終更新日:2016年9月28日

クリスマスブレンド、販売開始!

こんにちは。。

ハロウィンが終われば、クリスマス!

ということで、フレーバーコーヒーとDFR環のクリスマスブレンドを販売開始しました!
クリスマスまでの期間限定商品です。お試しくださいませ。

今月は、coffee boxx Pitsから冬ブレンドの新作珈琲も発売予定です。

お楽しみに!