クイックドリップを実験する 4

リブの影響はどの程度現れるのか
ドリッパーにそれぞれにリブが用意されています。
そのリブというのは単なるデザインではなく抽出に大きく影響するのです。 
特に1から2杯程度の少量ではこのリブが大きく影響するのです。
ドリップでは、ドリッパー内の水位が大きければ大きいほどろ過能力が上がります。
簡単に言うと早くなるということです。
松屋式の金枠でいうと1杯を抽出するときと20杯を抽出するときでお湯の太さがまったく違ってきます。
20杯の方が水圧がかかるのでひたひた状態にするのに多めにお湯をかけねばならなくなるのです。
大量出しの場合は、水圧の比重が大きいのです。

しかし、少量出しではリブによる表面張力による吸い出し効果の影響が大きく表れ始めるのです。

特にこのクイックドリップのように薄いフィルターではリブの吸い出し効果が大きく影響すると思います。V60の吸出し効果の大きさはV60のさっぱりとした抽出に特徴として現れます。
この特性を利用した抽出法を見つけることが重要だと思います。

V60を使った実験装置

リブなしの状態の実験装置

ドリッパーのリブはどの程度の効果があるのか

ドリップという抽出法では珈琲層の厚さによる水圧とリブの部分にかかる表面張力の二つによって濾過が行われている訳ですが圧倒的に強い力は珈琲層の厚さによる水圧なのです。
ぼくの感覚ではリブの引っ張りなんかは大したことはないと思っていました。
これはぼくが抽出する杯数が5杯とか20杯とかとにかく珈琲の層が厚い状態で抽出することが多いからなのです。今のスペシャリティーの人たちは20gぐらいの抽出が主流となっているのでその状態では珈琲層の厚さによる水圧がどう考えても弱い訳なんです。そうなるとリブの影響も比重として大きくなってくるわけです。ですからリブの影響も加味せねばならないと思うのです。

ハリオV60・・・・・・・・・ 蒸らし 30秒・20g 250cc ・・・150cc…19s ・・・200cc…40s ・2.4cc/s
河野ドリッパー ・・・・・・ 蒸らし 30秒・20g 250cc ・・・150cc…21s ・・・200cc…40s・ 2.6cc/s
フレームドリッパー・・・ ・蒸らし 30秒・20g 250cc・・・ 150cc…23s ・・・200cc…61s ・1.3cc/s
リブなし・・・・・・・・・ 蒸らし 30秒・20g 250cc ・・・150cc…33s・・・ 200cc…109s ・0.65cc/s

・・・・・・・・・・・0-150cc ・・・150-200cc
ハリオV60・・・ ・・・7.89cc/s・・・ 2.4cc/s
河野ドリッパー ・・・ ・7.14cc/s ・・・2.6cc/s
フレームドリッパー・・ 6.52cc/s ・・・1.3cc/s
リブなし・・・・・・・ 4.54cc/s・・・ 0.65cc/s

実際にリブなしの数値が水圧による濾過だけと仮定してその分を差っ引くと・・・・
リブの効果となります

・・・・・・・・・・0-150cc ・・・150-200cc
ハリオV60・・・・ ・3.35cc/s ・・・1.75cc/s
河野ドリッパー ・・ ・2.60cc/s・・・1.95cc/s
フレームドリッパー・ 1.98cc/s・・・ 0.65cc/s

この表から言えることはハリオのV60は水位が高い時(0-150cc)の時にリブの影響が高く水位が低くなった時(150-200cc)では河野もハリオもリブの影響があまり変わらないという感じになります。
ついてに言うとフレームドリッパーに関してはリブの効果が全くない訳ではないけれども他と比べると弱い感じがします。

ハリオのV60を使う時はある程度粉を細かくして水位の上げ下げをコントロールしやすくするとリブの効果を最大限に利用できる抽出が可能になる気がします。

クイックドリップを実験する 3

クイックドリップを使って色々とやっています。ペーパーとポリエステルの抽出液の違いをいろいろと調べています。ぼくがオイル感を調べる時によく使う技法でペーパーで抽出液を濾した時にどのように差が出るかというのをペーパーとポリエステルのフィルターの差を調べています。味的にはペーパーで抽出した珈琲をペーパーで濾してもほとんど差が出ないのに対してポリエステルで抽出した珈琲液をペーパーで濾すとオイル感が消える現象があるのですがこれを動画にすると差が出るかを試してみました。オイル感のある珈琲とないコーヒーではペーパーのろ過にけっこう差が出る感じでした。

濾した後のペーパーを開いてみるとポリエステルの方が細かい粉を通しているのが分分かります。

クイックドリップを実験する 2

今日もちょこっと実験していました。
350メッシュと380メッシュの違いです。
これは単なる目の細かさなんですがぼく的には350メッシュ一択です。
(ただし・・・松屋式に関してのことなので色々と意見があるとは思いますが・・)

このメッシュの違いはオイル感の出方が変わります。
350メッシュの方がオイル感が明瞭で強く出ます。
380メッシュではオイルが通りにくいだけではなく湯どおりが悪く抽出がしにくいです。
松屋式ではフィルターはコーヒー粉というろ過層の邪魔をしてはいけないのですが380メッシュでは邪魔をします。

そして一番の問題は、このフィルターの特徴であるオイル感が減少してしまうのが致命傷だと思います。
ただし・・・松屋式で抽出した時の結果なのでほかの抽出法では違う結果が出ることもあるので注意が必要です。

ちなみに現在のクイックドリップはクリップのつまみを完全に外しました。

次はペーパーとこのクイックドリップ濁りともち(時間が経ったときの味の変化)の実験に移ろうと思います。

クイックドリップを実験する

現在・・・ぼくが凝っているのがポリエステルフィルターなのです。(商品名クイックドリップ)
ナイロンと比べて油との親和性が高い所に興味を持ちました。
抽出時にオイル感が自然と出るのです。
あなあけくんや波打ち際理論やアポロくんも必要なくオイル感が出せるフィルターなのです。

今回・・・その実験がしやすいように金枠にフィルターを取り付けて使いやすくしました。
特にこのフィルターはリブの影響に左右されるのでリブがない状態で使えるようにして実験しています。

右が380メッシュ(1インチあたり380の網目がある)
左が350メッシュ(1インチあたり350の網目がある)

ついでに台形のフィルターも作ってみた


普通に松屋式をやった結果

何も考えずに同じように抽出すると380の方がお湯が通りにくくアリ地獄のように粉が沈みました。
これは底の方に湯だまりが出来た状態になって抽出したときにおこる現象で抽出された珈琲は薄くなる傾向があります。その分抽出に手を加える必要があるわけです。

ちなみに今回自信作は、コーヒーかすの捨て方なのです。

ドリップの時に珈琲が球状になる現象


珈琲を抽出していてけっこう誰もが経験していることなんですが珈琲が球状になって液面を滑っていくような現象・・・・マランゴニ効果

マランゴニ効果とは、液体の表面張力の差によって流れが生じる現象のことです。 ドリップしている最中にお湯がコーヒーの表面を滑るように球状のものは、お湯とコーヒー液の表面張力の違いによるものです。 お湯が注がれた部分では温度や濃度の違いが起こり、それによって表面張力が変化し、液体が特定の方向に流れます。

ドリップコーヒーの場合、特に粉の抽出が進むにつれてコーヒー液の濃度が変わるため、マランゴニ効果が著しく現れることがあります。

この実験で使った装置

これをどうやったらうまく撮影できるかを色々とやってみました。ラボジャッキを使って高さを変化させて液面にぶつけてみてわかったのは液面に一滴の珈琲をのせるような感じでやるとうまくいくことがわかりました。そこで液面が固定できるように抽出液がこぼれるような装置にしました。抽出をやめるとだんだん下に落ちる珈琲液が減ってきてある程度減ると一滴づつ落ちるようになります。

この時に結構簡単にこの現象をつくりだすことが出来ます。

珈琲の湯気

朝の動画でコーヒーカップにとどまる湯気の話が出てきてちょっと試しに作ってみようと思いました。
一応どんな条件で起こるかをある程度試してみて実際につくってみました。

うまくできるためにはカップを温めておいて熱いコーヒーをちょっと少なめに注ぐことが綺麗にできるコツのように思いました。カップの淵から2cm~3cmぐらい水位が低いと珈琲から出た湯気がカップの中では上昇気流を作れず停滞してしまうのが原因じゃあないかと思いました。
カップの外側などは熱いので上昇気流をつくることが出来てカップの淵よりも上については空気の入れ替えが起きるのですがカップ内はそれが起きにくくゆらゆらがたまっているような感じがします。

珈琲急須その後・・・・

お湯を最初に急須にいれて珈琲の粉を浮かべる
たぶん・・・これが一番粉に対しては優しい浸漬法だと思います。
しかし・・これには弱点があるのです。
それは・・・珈琲の持っているガスが抜けるのに時間がかかりすぎるのです。
珈琲のガスが抜けなければ粉内部にお湯が入らず成分が溶けないのです。
そこで今回はお湯を急須に少し入れて急須を軽く振ってお湯となじませた後に・・・
電子レンジ500w10秒かけたあとお湯で満たす方法に変えました。

問題はこの方法でも浸漬法で起こる粉っぽさを消すことが出来るかなのです。
今までの方法とどれぐらいの味の違いが出てくるかが問題なのです。

少しお湯を入れて珈琲の粉を入れた後・・・急須を軽く振ってお湯となじませます。
次にレンジ500w10秒かけます

レンジで10秒かけた後の粉の様子

お湯を満たした状態
お湯を満たした段階である程度の粉が沈んでくれてある程度の濃さが出来るので普通にカップに注いで飲むことが可能です。

時間が経つほどに味もしっかりしてきておいしくなりました。

珈琲急須を使ってみた

クラウドファンディングで珈琲急須というものを見たことはあるんですが・・・
ぼくてきには全く興味がなかったのです。
珈琲をたてるという事をまったく考えていない・・・
つまり・・・コーヒーの抽出というものを理解していない人がつくったものだとしかおもえない感じがしたのです。

では・・・何故急に珈琲急須などどぼくがいいだしたかというとハリオのティーポットを使って色々と実験しているからなのです。これが結構優れもので気に入っているのです。

以前カリタのティーポットを薦めていたのですが廃盤となり使えるティーポットはないかと色々と調べていたのですがこのティーポットは使い勝手が良くて超お気に入りなのです。

そして・・・このティーポットならば珈琲が上手にたてられそうだと思ったのです。

まず・・・急須で珈琲をたてるという事は何がポイントかというと浸漬法を使うという事なのです。
つまり・・・いかに刺激を与えずに珈琲の成分をとかすかなのです。
そのためにはお湯を入れたポットに粉を入れる方が珈琲に刺激を与えずに済むのです。
しかし、それでは珈琲の粉が浮いた状態で10分以上たっても成分が溶けてくれないのです。
そこで活躍するのが電子レンジなのです。
お湯を入れたポットに珈琲の粉をそっと乗せた状態でレンジに入れて500wで20秒これにより珈琲の粉がお湯と馴染んで抽出が早くなるのです。

適当に色が付いたらカップに注いで飲めばいいのです。

当然・・・ティーポットのフィルターなので微粉は入るのですが粉っぽさが全くないクリアでオイル感のある珈琲が楽しめます。

ちなみに・・・美味しく出すポイントは粉を湯面にそっと乗せた後、粉がある程度湿った後に電子レンジに入れると効果的です。これは湿っている方が水分子の振動が効果的に働くからです。

珈琲急須・レンジなし
急須珈琲・レンジかける

抽出グラデーションの謎

だんだん研究っぽくなってきました。
フロートも浮力が強い発砲スチロール板を使用。
抽出時から氷で温度を下げることにより分離効率が向上しています。
実際に春ブレンド50gで松屋式をやった結果です


出来上がった珈琲の謎
180ccから200ccぐらいの濃厚な部分は普通に当たり前の感じがするのですが問題は380ccぐらいまでの次の濃い部分が何なのかということなのです。
どんな味がするのかを試してみたいと思っています。
もっと言うとどんな珈琲で同じような現象が起こるのかも調べてみようと思います

溶け出す成分の速さと味・・・・
けっこう興味があります。実際には今回の場合はドリップ$を使って抽出したわけですがこれをドリップポットでやった場合も同じような結果になるのかも興味あります。
もっというと300ccで切り上げていたものを380ccにしてもいいのかもと思っています。

まだまだ松屋式・・・なぞは多いです

180ccと380ccの部分に境界が出来ている