パーコレーターのすごさを知る

コーヒーはうまいだけがすべててじゃないんです・・・

パーコレーター嫌いのぼくが
アウトドアショップ FUTO さんで聞いて感動した
パーコレーターの話をします。
(今ではパーコレーターも好きです)

水筒、カレーヌードル、携帯ガスコンロ、パーコレーター

パーコレーターからバスケットを出して荒びきの粉を入れます。

(写真はカップラーメンの蓋をあけてパーコレーター本体でお湯を沸かしている図)

ラーメンに
お湯を入れている図

(キャンプにはやっぱカレーヌードルです)

分間まっている間にパーコレーターに水をいれ、バスケットをセットしコンロに火をつけます。

(カレーヌードルができあがって食べている最中にコーヒーの香りが漂ってきます。 ちょうど食べ終わった頃にコーヒーができあがります)

食後のコーヒータイム

この間に次のコーヒーをセットします。

釣りの計画やなんかかんかを話している間にコーヒーができあがります。

できたコーヒーを水筒に入れます。 ドリップで作ったコーヒーだと冷めてしまいますが、 パーコレーターのコーヒーは沸騰していますから、水筒を温める様な面倒は必要ありません。

特に寒い冬の釣りなど体を暖める時にポットからのあったかいコーヒーは最高のごちそうとなります。

コーヒーは味がすべてじゃあないんです。

コーヒーを研究してみますと、パーコレーターの欠点がいっぱい見えてきます。 たとえばコーヒーを沸騰させ、その力を利用してコーヒーの粉の中を通したり、 抽出されたコーヒー液をまたコーヒーの粉にかけるという事をするんです。 ドリップコーヒーが一番と思っているぼくにはとても納得できません。

実際に飲んでみるとひどい味です。 入れてすぐでもコーヒーはにごっているし味もひどい。 薄くしなければとても飲めたしろものではないのです。

そんなわけで「パーコレーターのコーヒーはコーヒーにあらず」などと思っていたのです。

ところがある日、FUTOのオーナーの斎藤太さんとコーヒーの話になったんです。

その中で、コーヒーはペーパーフィルターが一番いい事やサイフォン、 パーコレーターがなぜいけないかなどを自慢気に説明しました。 アウトドアの雑誌などにたき火で焙煎しているシーンがでていても、 ネルやペーパーフィルターでコーヒーをいれています。 どう考えてもアウトドアでもパーコレーターの出るまくはないとまで言っていました。

その時、斎藤さんが教えてくれたのが、パーコレーターのよさです。

斎藤
「寒い日に、渓流釣りにいくでしょ。 釣りにきたんだから、めしは簡単にすませたいんですよ。 そんな時、重宝するのがカップラーメンなんですね。

5人用パーコレーターって大きいサイズのカップラーメン2ヶ分の お湯が沸かせるんですよ。 それを食べている間にコーヒーを作るわけです。 そうすると食べている途中でコーヒーのいい香りがしてくるんですよ。 カップラーメンだけだとさみしい食事もコーヒーがあるだけでなんだかリッチな感じになるんです。 それにパーコレーターは熱いコーヒーが飲めて、体があったまっていいんです。

それとパーコレーターでいれたコーヒーを小さなポットに入れて釣りにいくでしょ。 寒くなったらポケットからポットを出してこれを飲むんです。 これが結構うまいんです」

どんなにコーヒーを研究してもやっぱアウトドアでコーヒーを飲み続けている人 にはかなわないなあと思いました。
それ以来、キャンプに行く人には「パーコレーターはキャンプでないと楽しめないんだから パーコレーターを使いなよ」とすすめています。

ちなみに、カレーヌードルになっている理由は、カレーヌードルを食った後は コーヒーの味なんかちったあまずくても関係ないからです。(^o^)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

フレーバーコーヒーをつくろう

(写真・道具一式)

フレーバーコーヒーをつくろう

フレーバーコーヒーという飲み物があります。(うちの店の屋号と同じですが、全然関係ありません)
これの作り方としては、焙煎した直後の熱いコーヒーに香りのオイルを吹き付けてコーヒー豆に 香りを吸着させたり、豆を販売するときに香りのパウダーなどを振りかけてミキシングしたりの 方法をとります。
この場合コーヒーの香りが強いと邪魔になるので香りの弱いコーヒーを使います。 ちなみに、ここでのフレーバーコーヒーは、もっといいかげんです。

(写真・カップを入れて真空にしている)

フレーバー流フレーバーコーヒーの作り方・その1

はっきりいってめちゃくちゃいいかげんなフレーバーコーヒーのいれ方です。 たぶん、まじめにフレーバーコーヒーを愛する人からクレームがきそうないれ方なんです。 (コーヒー好きからすれば、フレーバーコーヒー自体にクレームがつきそうなものなんでどっちもどっち のような気がしますが・・・・・)
香りのオイルを真空器の中に入れ陶器のカップをいれて真空にします。 そうすると、カップの底の部分は上薬が塗られていないため、陶器の内部の空気がでてきます。 (香りのオイルが、下にあるので泡として空気がでてきます。)
今度は、大気圧に戻すとそのとき、香りのオイルがコーヒーカップの底から内部に染み込んでいきます。

(写真・フレーバーつきカップにコーヒーを注ぐ)

できあがり

カップを適当に洗っておきます。 暖かいコーヒーをそのカップに注ぐと熱で香りのオイルが底の方から蒸発 してきます。コーヒーカップを口に近づけたときにほのかに香りがただよって けっこうおもしろいフレーバーコーヒーとなります。 (味は、全く普通のコーヒーです。あたりまえですけど・・・)

(写真・フェルトをカップの底にはる)

フレーバー流フレーバーコーヒーの作り方・その2

普通の家庭で真空器なんかはないと思います。(あったら、けっこうすごい)
そこで真空器がない方のための方法を紹介します。(はっきりいって、ばかはがしい方法です) カップの底にフェルトをはってそのフェルトに香りのオイルをしみこませます。 そうすると、カップに注いだコーヒーの熱で香りがほのかにでてくれます。
この方法の良いところは、コーヒーカップをソーサーにセットしてお客さんのところに持っていき お客さんの目の前でコーヒーを注いであげるんです。 そうすると、お客さんは、コーヒーカップを持つまではコーヒーの香りしかしなくてコーヒーを 口に運んだとき他の香りがしてびっくりするといういたずらが簡単にできることです。
このふたつの方法は、通常のフレーバーコーヒーのようにコーヒーにオイルを吸着させたりして 香りをつけるよりもコーヒーの味を損なわずにつくれて いいような気がします。

...

(写真・湯のみに香りをつけてみた)

日本茶でやってみる

コーヒーでうまくいくわけですから、日本茶のでもできるわけです。 そこで、日本茶でもやってみました。香りに関しては、コーヒーと同様に うまく香ります。しかし、はっきりいって日本茶にバニラの香りは似合いませんでした。 たぶん、他の日本茶にあう香りならば使えると思いました

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

コーヒー酒をつくろう

普通コーヒー酒をつくる場合、お酒にコーヒー豆をつけてつくります。 (たぶんこれが一般的) だけど、普通にコーヒーをつくるときこの方法をとる人は、 ほとんどいないはずです。やっぱり、おいしいコーヒーを飲みたければ ドリップ式を選ぶはずです。ドリップ式の方がコーヒーのうまみだけを 溶かし込むことができてやっぱりコーヒーがうまいのです。 となれば、コーヒー酒をつくる場合でもドリップ式を採用すれば もっとおいしいコーヒー酒ができるんじゃあないかと考えました。

(写真・コーヒー酒メーカー)

用意するもの

・お酒(今回は、焼酎 720ml)
・今回特別につくった水出しコーヒーの器具
・コーヒー(小さな初恋 50g こまかびき )

(写真・コーヒー酒メーカーに酒ビンをのせる)

コーヒー酒メーカー基本構造

はっきり言って単なる水出しコーヒーの器具と何ら変わりません。
ひとつ工夫したところは、水と違ってお酒はアルコールが蒸発しては 元も子もなくなってしまうのでドリップする部分も抽出する部分も そして、サーバー部分もできるかぎりアルコールが蒸発しないように すべて囲った状態で抽出されるようになっています。

(写真・コーヒーと酒をなじませる)

コーヒーと酒をなじませる

水だしコーヒーのつくり方と同じようにコーヒーの粉とお酒を混ぜて コーヒーのガスをできるだけ抜くようにこねます。 水だしコーヒーと同様に、コーヒーのガスが残っていると 泡がコーヒーの抽出を邪魔してしまうのです。 つまり、泡がなくなればコーヒーは非常にスムーズ抽出されるわけです。 (通常のドリップの場合は蒸らしという作業をしてガスを完全に 抜いてしまって抽出がスムーズになるようにしているのです。)

ネルフィルターにいれる

セット完了

(写真左・抽出直後)

(写真右・抽出終了)

抽出

ビンをひっくり返してセットします。 そうすると水だしコーヒーと同じように一滴づつお酒が コーヒーに落ちるようになります。 (全体に落ちるようには工夫してあります) 実際にアルコールで抽出する場合は、水よりも抽出速度がはやく 嫌味が溶けやすいのです。だから、抽出をはやめに切り上げた方が すっきりとしたコーヒー酒ができます。 だいたい2時間ぐらいあれば簡単にできます。

(写真・抽出直後・左はお酒)

(写真右・抽出60分・右は水)

お酒と水の比較

アルコールは水よりもあきらかにコーヒーをよく溶かすのがわかります。 ですから、水だしコーヒーなんかよりも短時間でコーヒー酒が出来上がるわけです。
だいたい1/3ほどの量を抽出したらそこでやめます。 (それ以上抽出するとコーヒーの嫌味なんかがでてきます)
これで、高い濃度でクリアーなコーヒーリキュールのできあがりです。 これを水割りにしたりお湯わりにしたりアイスクリームにかけたりして 楽しんでください。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

バターコーヒーをつくろう

(写真・ふかいりのコーヒーと雪印バター)

用意するもの

コーヒーはふかいりの豆を使います。バターは、お好みの銘柄を使ってください。 なぜふかいりの豆を使うかというと、バターの味や香りに負けない力が必要だからです。
バリエーションコーヒーといわれる、カフェ・オ・レやウインナーコーヒーなども 同じ理由でふかいりのコーヒーを使います。基本的に副材料がはいるコーヒーは、 副材料に負けない力のあるコーヒーを使います。

(写真・コーヒーの上にバターをのせる)

コーヒーの上にバターをのせます

コーヒー豆50gに対してバターの量は、2gから4g使います。 極端に多くのせて作るとコーヒーがべとべとになってしまいます。 その場合は、コーヒー豆を余分にいれてべとべと感を調整します。

(写真・電子レンジで加熱)

(写真・ちょっと溶けたバターをかきまぜる)

電子レンジで加熱したあとかきまわす

電子レンジで加熱した後、かきまわしてコーヒー豆とバターをなじませます。 コーヒー豆は、活性炭と同じ多孔質なのでバターがコーヒーの内部まではいりこんでくれます。
もしも、コーヒー豆がバターでぎとぎとになってしまったら、コーヒー豆を 少し加えてかき混ぜます。
ちょうど、イタリアンローストの時にコーヒーの豆の表面に 油がでてきたような状態にします。ちなみに、イタリアンローストとは、2はぜが終わって そのまま焙煎を続行すると、めちゃくちゃ煙をだしながら豆の表面に油が浮いてきて その油が豆にまわったぐらいの状態を言います。
(うちの店では、ここまで焙煎することはありませんが・・・)
普通のふかいりのコーヒーでも日にちがたつと豆の表面に油がまわった状態になります。 そんな状態にバターをこねてするわけです。(けっこうつやがでておいしそうになる

(写真・バターコーヒーにする前と後)

(写真・バターコーヒーを抽出・油は浮いていない)

バターコーヒーを抽出

左の写真の左側がバターコーヒーでとなりがバターをしみこませる前の コーヒーです。(豆の照かり具合に差が出ます。)
ちなみに、コーヒー屋の裏技をひとつ。
油のまわったコーヒーをごまかす方法ですが、 古くて油のまわったふかいりのコーヒーとあさいりのコーヒーをブレンドするんです。 そうすると、ふかいりのコーヒーの油があさいりのコーヒーに吸われて古いふかいり豆の ぎとぎと感はなくなり、あさいりのコーヒーは、表面につやがでて古い豆にはとても見えません。
もっと裏技になると、焙煎が終わってまだ余熱がある焙煎機の中にぎとぎとになったふかいりの コーヒーを入れちゃうんです。そのまま、軽く数分まわしてやると油が飛んでくれます。
(注・・・うちの店ではやってませんから)

抽出結果
ペーパードリップでいれたのですが、バターの油は抽出液の方には溶け出しませんでした。 (抽出液表面に油膜が張らない)
これは、コーヒー豆がバターをしっかり吸着しているためだと思いました。
バターの香りもほのかにしてバターのくどさもでてなくて、けっこうおいしかったです。
香りのついたコーヒー(フレーバーコーヒー・うちの店の屋号)などは、 焙煎した直後に香りのオイルなどを吹き付けたりして香りを豆にしみこませたりします。
そのオイルなどもコーヒー豆が しっかりと吸着して抽出時には溶けださなくてすんでいるんではないかと思いました。 ちなみに、うちの店では香りのついたコーヒー(フレーバーコーヒー)は扱っていません。 悪しからず。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

コーヒーメーカーであそぼう

コーヒーメーカーとは、ドリップ作業を全部機械がやってくれる非常にありがたい器具です。 しかし、コーヒーがまずいという重要な問題点を持っています。 (コーヒーメーカーのコーヒーがおいしいと思う人はそれでいいんですが・・)
基本的には、コーヒーメーカーも人がいれるのも同じようにお湯を上からさしているのですから 工夫すれば、コーヒーメーカーでもおいしくなるのです。ちょっと手間をかけて おいしくする方法を説明します。

(写真・実験装置)

コーヒーメーカーの特性

コーヒーメーカーの特性を調べるには、普通にコーヒーメーカーを動かしてどのようにコーヒーが 抽出されるかを調べるのが一番簡単です。30gのコーヒーを使って300ccのコーヒーを3個の ビーカーに分けて抽出してみました。つまり、コーヒーは前半、中盤、後半では、どのように成分を 抽出させているかを調べるためです。実験装置は、カリタのコーヒーメーカー(ET-5)を使って 行いました。ドリッパーだけ浮かせた状態にしておきコーヒーがビーカーに100ccでたときに 次のビーカーに取り替え、3個のビーカーが一杯になったとこでコーヒーを調べてみました。

(写真・蒸らしなしで抽出)

抽出結果

写真を見てもわかるように最初のビーカーが非常に濃く出ています。 コーヒーは、高い濃度の水溶液には不純物は溶けないという性質をもっていますから この最初のビーカーのコーヒー液をできるだけ濃くすればおいしいコーヒーが 作れる可能性がでてくるわけです。特に、最初のビーカーと次のビーカーの 色の差が大きければ大きいほどよいわけです。そこで、コーヒーメーカーに むらしを行ってみました。つまり、最初のビーカーにコーヒーが出始めたとき すぐにスイッチを切ってしまいます。こうすると当然コーヒーメーカーは とまってしまいます。この状態で3分間まってやります。 これにより、コーヒーの中に吸着されている炭酸ガスがコーヒーから 抜け出してその代わりにお湯が内部に侵入することができるわけです。 それにより、コーヒーの中にお湯が入りやすくなり抽出がスムーズになるわけです

(B・・・蒸らし3分)(A・・・蒸らしなし)

蒸らしたものとの比較

同じ条件で蒸らしをしたものとしないもので比較をしてみました。 蒸らしをすると最初のビーカーのコーヒーが明らかに濃く出ます。 最後のビーカーを比較すると蒸らしをした方は薄く出ています。 つまり、蒸らしを行うと、コーヒーの成分が一気に抽出されるということです。

(写真・コーヒーの濃さの拡大写真)

おいしくコーヒーをいれるコツ・結論

抽出されたコーヒーを飲んでみると最初のビーカーは、濃いけれどもいやみ や渋みははいっていません。2つ目のビーカーは、うまみと渋みが混ざっています。 最後のビーカーはいやみや渋みのオンパレードです。 つまり、コーヒーとしてほしい成分は、最初のビーカーの成分と2つ目のビーカーの 成分の一部なんです。(コーヒーメーカーの種類によって出方は多少違います)
そこで、結論・コーヒーメーカーでおいしくいれるコツ
・水の量は、人数分の半分程度にする
・コーヒーの粉は平らな状態にセットする
(コーヒーメーカーはハンドドリップのように
穴を掘らない)
・サーバーに数滴コーヒーが落ちてきたらスイッチを切って3分待つ (いわゆる蒸らしです)
・蒸らし終わってスイッチをいれコーヒーがでおわったら、人数分までサーバーに お湯をいれてうすめる
(とーぜん、好みの濃さでいいです)
・ここで使う水すぺて浄水機を通した水を使ってください

(写真・普通に抽出した後の粉)

蒸らしなしのコーヒーかす

普通にコーヒーメーカーを動かすと写真のようになります。 ちょうど、お湯のかかっていないところが、土手のようになっています。 これは、特にコーヒーが新鮮で炭酸ガスを多く含んでいるときにおきやすく 抽出が終わっても最後まで土手のコーヒーは、内部の炭酸ガスが 抜けることができないために軽い粉が外側に集まってしまったのです。
この状態では、ドリッパーの三個の穴から均等にコーヒー液がでません。 これは、泡がコーヒーの抽出を妨げてそのためお湯はコーヒーの層全体を使わずに 一部の通りやすい所をとおってしまうからです。(どうも、水と電気は横着で通りやすい所を とおりたがりますから・・・)
つまり、実際にはコーヒーの粉の一部しか成分抽出に使われていないわけです。

(写真・蒸らしをして抽出した後の粉)

3分の蒸らしをおこなったコーヒーかす

コーヒーメーカーを途中で止めて3分間の蒸らしをおこなった場合、 コーヒー内部の炭酸ガスがきれいに抜けてくれて、その後の抽出のとき コーヒーの層全体を使ってコーヒーが抽出されてくれるのです。
(じゃまな泡がないためコーヒーの中をお湯が均等にとおってくれる) 実際に3分間の蒸らしをやった後、抽出するとドリッパーの三つの穴から 均等にコーヒー液がでてくれます。

(写真右・普通にコーヒーメーカーで抽出)
(写真左・蒸らしをしてコーヒーメーカーで抽出

コーヒーの濁りを調べる

右のビーカーは、普通にコーヒーメーカーを動かして抽出したコーヒーで 4時間経過したものです。
左のビーカーは、3分間の蒸らしをおこなって人数分の半分抽出してそのあと薄める 方法をとっています。とーぜんですが、経過時間は同じ4時間です。
ふたつのビーカーのコーヒーはあきらかににごりぐあいが違ってきています。 つまり、コーヒーメーカーで抽出しても工夫次第でおいしいコーヒーを 作ることができるというわけです。
(コーヒーメーカーでわざわざここまでするのならば本当は、 ハンドドリップをすすめますけどね・・・・・・)

(写真・あく抜きドリッパーを使ったコーヒーメーカー)

このコーヒーのいれかたは松屋式コーヒーのいれ方をコーヒーメーカー用に
アレンジしたものです。詳しくは、下記のページを参考にしてください

* これ以外にコーヒーメーカーのコーヒーをおいしくする方法として あくぬき機能付ドリッパーを使う方法があります。これは、あくがサーバーの 方へ落ちなくした特殊なドリッパーを使っていれる方法です。

「あく抜きドリッパー」

カリタのサイフォンドリッパーを改造しています。
サイフォンカバーの先端に穴をあけた構造です。

サイフォンカバーの先端に
穴があいている拡大図。

市販の状態の穴のあいていない
状態の拡大図

※写真は水が最後に残っている状態です。

コーヒーメーカーで使った場合

コーヒーメーカーが動いている間はフツーのサイフォンドリッパーとして働きます。水タンクの水がなくなると当然ドリッパー内の水位が下がってきます。
(この場合、あくは上に浮いています)
サイフォンカバーの先端の穴より水位が下がってくるとそこから空気が入ってコーヒーがドリッパーに残った状態で終わります。つまり、あくがドリッパーに残るのです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

プレス研究ノート

フレンチプレスに関する疑問を書いていこうと思っています
当然・・プレスのおもしろさもあるし問題点も存在しています
はっきりいって万能な器具ではありません
ただし・・・めちゃめちゃ駄目な器具でもなさそうです
とりあえず・・・いいことも悪いことも素直に書こうと思っています

ゴールドフィルターの松屋式
ゴールドフィルターで松屋式をやると・・けっこう調子いいんです
ここまでは去年ゴールドフィルターを買ったときに判っていました
(ただ・・そうじがめんどくさくてすぐに飽きちゃった)

アポロを研究するうち・・・オイルには単純に表面に浮くオイルと
コーヒーの中に溶け込んでいるオイルがあることに気づきました
そして・・・ぼくにとって重要なのはコーヒーに溶け込んでいるオイルのほうなんです

プレスで抽出したものをアポロで引っ張って美味しくなるんだったら・・・
ゴールドフィルターでもなるはずだ・・・と思ってプレスと同じ実験をやってみました

そして・・・判ったこと・・・
ゴールドフィルターのほうがうまくいきます
まず・・・ゴールドフィルターで松屋式をやった場合プレスよりも
水溶性の成分がしっかりと濃く出ます
濁りもプレスほどでません
カップ表面に浮くオイルもプレスほどではありません
(昔はオイルが多く浮いたほうが正しいと思っていた)
ちなみに・・・抽出時にかくはんをかければオイルは多く浮きます

そして・・・
アポロを使ってゴールドフィルターで抽出したコーヒーをこすと・・・
アポロでだしたコーヒーと同じような味になるんです
そんでもって・・・オイルがカップに浮かないのです

水となじみやすいオイルを溶かすこと・・・
もっというと水に浮くオイルを溶かさないこと・・・
その辺がアポロでもどんな抽出でもポイントとなりそうです

プレスの微粉は必要か
プレスといえば微粉が入ります
これは構造上・・・仕方ないことです
(ただし・・微粒子感は抽出法で消すことができます)

では・・・この微粒子は旨味の一部と考えるべきか・・・
この微粒子にオイルが吸着されているわけだから旨味の一部である・・・
こんな考え方もできます

アポロの研究からこの考え方にちょっと疑問を感じました
アポロは微粉を完全にとりのぞいていますから・・・
そして・・・・実験してみました

方法は簡単です
プレスで抽出したコーヒーを
A・・そのままのコーヒー
B・・ペーパーでこしたコーヒー
C・・アポロでこしたコーヒー
というように3つに分けてみました
Aは、微粉とオイルがふたつとも入ったコーヒーということです
Bは、微粉もオイルもなくなっているコーヒーです
Cは、オイルだけが入ったコーヒーです

そして・・・飲んだ結論
まず・・・Bはぜんぜんダメです
プレスのよさが消えてプレスの長所で隠されていたマイナス材料が顔をだしてきます
舌を縛る収斂性やだしがらっぽい雑味感までが現れてきます

それに対してCは、味がきれいになっただけでなくオイル感がクリアになったのです
つまり・・・そのままのプレスよりも美味しくなったのです
そして・・・ミルクを入れたときにはてきめんにそのままのプレスよりも出来がいいのです

今回の実験からするとプレスの持っている微粉はなくてもいいと思いました
オイル感だけのほうがクリアさが明確になると思いました
それと・・アポロのポンプの特長で無駄なオイルはペーパーで止まってしまいます
その分・・・・いいオイルだけになってオイルのよさが際立つように感じました

とにかく・・・・プレスの情報はうそが多いと思いました

フレンチプレスの悲劇
フレンチプレスという器具は、すごく古い器具です
ぼくは20年前にサンドイッチ抽出器というものを出願しました
そのアイデアのベースになったのかプレスなんです
つまり・・・20年以上の歴史がプレスにはあります
ところが・・・プレスはスペシャリティコーヒーにしか使えないと誤解されています
グルメコーヒーやスペシャリティーコーヒーよりも
古くからある器具なのにおかしな話です・・
(フレンチプレスには罪がないのに・・・)

確かにスペシャリティと相性がいいのは認めます
しかし、自分の都合で真実をねじ曲げるのはいかんと思います
コーヒーの業界そんなうそが多すぎます
まぁ・・・それでだまされたってたいした問題もないですけどね

スペシャリティーもいろいろ・・
ぼくがプレスを教えてあげた「R」さんが・・・
あるスペシャリティーの豆をプレスで入れたら美味しくはいって・・・
松屋式でいれたらいまいちだったといっていました
ぼくはちょっと前にスペシャリティーのコーヒーをプレスでいれれたり
松屋式でいれたりして実験をしていました

そのときのぼくの結論は・・・いい豆を使われると勝てないなぁというものでした
(スタンダード勝負しようとするところがぼくらしい・・・)
この豆はプレスでも美味しかったし松屋式でもとーぜんのように美味しかったんです

では・・・このふたつのことから導き出される答え・・・
まぁ・・・非常に簡単な答えなんですけどね
プレスは生豆の品質をみるには適当だか焙煎をみるには問題がある

結局・・・ぼくが飲んだスペシャリティーは焙煎が上手なコーヒー屋さんが
焙煎したコーヒーだったんです
だから・・・プレスも上手かったし・・松屋式でもバッチリだったんです

ところが・・・「R」さんが飲んだスペシャリティーは
焙煎技術がないコーヒー屋さんのコーヒーだったんです
だから・・プレスでは美味しかったけど松屋式でいまいちだった・・・

スペシャリティーの怖さは焙煎に問題があってもプレスでは上手くはいってしまう・・・
つまり・・・ プレスでばかり抽出していると自分の焙煎技術のレベルが自分でわかりにくいという欠点を持っているようです

プレスの研究をしているとイロイロなことがわかってきておもしろいです
それにしても・・・スペシャリティーもやっぱいろいろですねぇ・・・

フィルターを押さえるスピード
プレスは、逆方向のドリップのようなものと考えています
つまり・・・
コーヒーの粉が浮いた状態でフィルターを押し下げるときに
粉の隙間をお湯が通過する・・・
・・・という事は、ゆっくりとフィルターを押さえれば濃くなり・・
すばやく押さえれは薄くなるわけです
(わかってしまえば当たり前)
プレスも試してみればけっこうイロイロなことができるもんです
ちなみに・・・どれだけゆっくりフィルターを押さえても適切に抽出されたプレスでは
微粒子感はでませんでした

欠点を認める勇気
プレスの基本である浸漬法は大きな欠点を持っています
ドリップに比べて成分を溶かす力が弱いのです
ちょうど・・・漬けた状態でだす水だしコーヒーが薄くて
一滴づつ落とすタイプの水だしコーヒーが濃くはいるのと同じです
液体は物をとかすととその分・・・物を溶かす力が弱くなります
(まぁ・・・あたりまえですが・・・)
その点ドリップは、溶けた成分を下に落としてしまうので濃くだすのに優れています
それとお湯のコントロールでうまみと雑味に分離する技術に優れています
これがコーヒー屋のプロとしての腕のみせ所となるわけです
それに対してプレスは分離技術に優れていません
つまり・・うまみをすべて溶かすこともムリです
(雑味を分離することも無理)
これは、どれだけプレスでがんばってたてても
プロのコーヒーには勝てないという事実です
簡単にいえばプレスで美味しいコーヒーを
プロがドリップすればもっと美味しくなるということです
まず・・・この欠点を認めないとダメです
その欠点を認めた後でもプレスの価値は下がらないのですから・・・

プレスの長所
オイル感・・・・
ぼくの中ではこの部分だけですべての欠点をチャラにしてもいいと思っています

簡単さ・・・・・・
素人に教えるにはこれほど簡単な器具は無いと思います
ただし・・・この器具のコーヒーが絶対だと教えるのはちょっと問題があると思います
しょせん家庭用の器具ですから
プロのたてたコーヒーの深さと比べるとあまりにも幼稚な感じがします

プレスとスペシャリティー
まず・・・スペシャリティーコーヒーとプレスは相性がいいです
これは紛れもない事実です

スペシャリティーの一番の特徴は「クリアー」なことです
そして、焙煎時も火が通りやすく焙煎も楽です
火が通りやすいということは・・
焙煎で失敗したときに起こる重たい味や舌をしばるような味はでにくいということです
プレスで一番まずく感じる部分はこの舌をしばるような部分です
スタンダードの豆を下手に焙煎するとてきめんにこの味が出ます
ドリップならばいれかたが悪いといえますが・・・プレスではそれがいえません
だから・・プレスで美味しいコーヒーこそいいコーヒー・・・
みたいないいい方になっていってしまったんだと思います

はっきりいって・・・そんな安直なもんではありません
プレスでも上手に抽出もできるし下手にも抽出できるのです

スペシャリティーでもまずくなるし・・・
逆にスタンダードでも美味しくもはいります

ただし・・・焙煎技術がそれなり程度の場合は・・・
必ずスペシャリティーのほうが高い評価になります

ここで間違ってはいけないのは・・・
スペシャリティーだから・・・
焙煎や抽出はおろそかにしていいわけではないのです・・・
煎りやすさは成分が飛びやすさにつながります
「クリアー感」は「スカスカ感」につながっちゃうんです
プレスのよさはオイル感であって・・・
コーヒーとしての力は残念ながらドリップに勝てないのです
(浸漬法の宿命です)
それを肝に命じて使わねばならないのです
それを理解したうえでスペシャリティーやプレスを使えば・・・
こんなに使いやすい豆や器具はないのですから・・・

ゴールドフィルターとプレス
ペーパーフィルターの代わりに使えるゴールドフィルターという器具があります
ごみがでないのでけっこう使われていたりします
ただ・・・残念ながらぼくにはよさがわからないのです
コーヒーオイルは基本的に上にあがります
(オイルはお湯よりも軽いので当たり前)
コーヒープレスは、コーヒーオイルをカップに入れるにはいい方法だと思います
リクツからして・・・そうです
だけど・・・ゴールドフィルターがオイルを溶かすといわれてもねぇ・・・
当然フィルターの目が粗いわけですから微粉が通るのはリクツでわかります
だけど・・・
軽いはずのオイルが通る条件としては・・・かくはんしかありえないのです
そして・・・かくはんはこのタイプのフィルターではまずくなる原因です
・・・・誰かリクツを説明してもらいたいもんです

ちなみに・・・
ペーパーフィルターでもしっかりかくはんさせて抽出させる・・・
と抽出液の上にオイルが浮きます
ペーパーの持っている吸着力なんて・・・しょせんたいしたもんではないのです
紙の持っている吸着力と比べるとコーヒーの持っている吸着力のほうが・・・
だんぜん強いのです

微粒子感と微粉は違う
プレスでたてたコーヒーは必ず微粉を含んでいます
当然フィルターが金属のあらいフィルターですから当然です
ただ・・・きれいにプレスでたてたコーヒーは微粒子感はでません
つまり・・・微粉は入っていますが微粒子感ないのです
そこが重要なのです
微粉が微粒子感の元凶ではないということです
微粒子感の元凶は、コーヒーの粉とお湯をかき混ぜたりすることによる
物理的な刺激が原因だとぼくは考えています

オイル感と微粒子感
ぼくの中ではプレスの持っている性質として
「オイル感」と「微粒子感」のふたつを考えていました
そして・・このふたつはコーヒーの微粒子が大きく介在していると考えていました
プレスの特徴を作っているのはこの微粒子であると考えていました
ところが・・・研究していくうちにこの考えが間違いだとわかりました
プレスには微粒子感など必要ないのです
つまり・・プレスのもっていると思っていた微粒子感は「NG」なんです
上手く抽出するとプレスでは微粒子感はでないのです
そして、微粒子感がでないときにはオイル感が非常に強く感じられることがわかったのです
このオイル感こそプレスの価値なのです
微粒子感や味の劣化が激しいようだったらそれは抽出に問題があるということです

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

ネル式プレス

アポロくんを研究してきて・・・わかったことはネルという素材の優位性でした
固体のろ過は単純にフィルターの細かさに依存します
たとえば・・金属フィルターなどは目が荒いので微粉も通します
そして・・・コーヒーのオイルも通します
このオイルを通すことを非常に評価する人たちもいます
それに対して使い古したネルは微粉を通さないのに
コーヒーオイルを通すという優れた特性を持っているのです
(ただし使い古したネルにかぎる)

通常のフレンチプレス

ネル式フレンチプレス

金属フィルター vs ネルフィルター

通常のプレスは金属フィルターのものを使いました
ネルフィルターはサイフォン用のフィルターを加工して使いました
ネルフィルターにコーヒーオイルをスプレーして 使い古しのフィルターと同じ条件にしてあります
ちなみに・・このコーヒーオイルはコーヒーを無水アルコール(エチルアルコール)でドリップしたもので、
コーヒーのオイル分だけを抽出したものです
これをネルにスプレーすることにより使い古しのネルと同じ条件にすることができるわけです
新しいネルは、ペーパーフィルターと同様に オイルを反発する力が生じオイルを通さなくなる

同時に抽出(右がネル式)

抽出液(右がネル式)

コーヒーのにごり
お湯の量もコーヒーの量もすべて同じで抽出してみました

このときにコーヒーのにごり具合では大きな差ができました
これは単にどの程度の粒子を通すかで決まっています
つまり・・・金属フィルターの場合は、ある程度の粒子まで通します
しかし・・・ネルは相当細かい粒子でもシャットアウトできるのです
その差が濁りとして現れています

プレス抽出液のアップ

ネル式プレス抽出液のアップ

オイルの差
実は・・・ここからが一番重要です
金属フィルターを使ったときのオイルとネルフィルターを使ったときのオイルの質が 違うようなのです
つまり・・・・ネルフィルターを通ったオイルのほうが滑らかな感じがするのです
オイルとしての分離の仕方も金属フィルターの方ほど ネルフィルターの方は分離していない感じです
しかし、飲んでみると確実にオイルは存在しているのです
この感じはアポロくんのオイル感に通じるものがあります
これからすると水となじみやすい部分のオイルがネルやアポロくんでは 溶けだしているんじゃあないかと考えています
プレスの金属フィルターは選択性のないフィルターなので味という観点では やっぱり問題があると思います
ただ・・・そこまで深く研究せねば問題もないと思いますが・・・・

今回の実験でネルフィルターの選択性というものはもっと評価されてもいいと思いました
ネルドリップのすばらしさをコーヒー屋がもっと一般の人に知らせてもいいと感じました
コーヒーは誰でもいれられます
しかし、そんな薄っぺらな飲み物でないのです
もっと抽出のすばらしさを一般の人に教えるべきだと思いました

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

油脂をさがせ!

この実験は・・・百珈苑の旦部さんのアイデアを参考にして実験してみました。

・・・・・・旦部さんのアイデア(百珈苑の掲示板より)・・・・・・
コーヒーの油脂分は、ペーパーやネルドリップではどうしても失われがちな要素です。
これには3つほどの原因があります。効果的な改善方法を示せるわけではありませんが、参考までに。
まず第一に、これらが「溶けにくい」成分であること。これはある意味しょうがない点です。
改善するためにはかなりの長時間をかけるか、抽出温度を(エスプレッソ並に) 上げるしかありませんし、そうするとそれによる雑味が問題になります。
それから二点目には、この油脂分は豆組織や微粉に吸着していることです。
ペーパーやネルの場合、金属フィルターなどとは異なり抽出液から大部分の微粉が除かれますが、 これが却って仇となります。
それから三点目ですが、油脂分はペーパーやネルフィルターに吸着してしまいます。
それによって一旦抽出されても最終的にはコーヒーに入ってこない。
#ちなみにこの2、3点目については、コーヒーの油脂成分の研究をしている北欧の研究グループがデータを出してたはずです。
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実験方法
蒸気式のエスプレッソ・ポンプ式のエスプレッソ・松屋式ドリップ・フレーバー式カップテスト法で抽出する。
コーヒー液をビーカーにいれて冷凍庫で凍らせる。
凍ったコーヒー液を溶かす。
これを数度、繰り返して水とコーヒー液と油分の分離を試みる。

A・・蒸気式エスプレッソ

B・・松屋式ドリップ

C・・ポンプ式エスプレッソ

D・・ミルサーによる抽出

抽出後すぐのもの

蒸気式エスプレッソA・松屋式ドリップB・ポンプ式エスプレッソC・ミルサーによる抽出D

抽出した写真の説明

蒸気式のエスプレッソは、4kg程度の圧力をかけた状態で抽出しました。ですから、100度以上の高温で抽出したことになります。
松屋式ドリップは、薄める前の状態です。抽出温度は85度ぐらいです。
ポンプ式エスプレッソは、9kgぐらいの圧力で温度は90度ぐらいだと思います。
ミルサーは、150ccに対して20gのコーヒーを使って20秒まわしました。
抽出した段階から、蒸気式のエスプレッソとミルサーによる抽出はにごっていました。
このにごりが油脂のにごりかどうかまでは、現段階ではわかりません。

凍らせたあと溶かしたもの

蒸気式エスプレッソA・松屋式ドリップB・ポンプ式エスプレッソC・ミルサーによる抽出D

A・・蒸気式エスプレッソ

はっきりいって・・・オリがすごいです。
ビーカーの横に油分がついているんですが、思ったよりも浮いている油が 少なく感じました。
しかし、オリが多いところをみるとオリに油分も含まれいるように感じました。
とりあえず、高温で抽出すると油分は溶けるようです。
抽出したときからにごっている場合、油分が溶けている可能性を感じました。

B・・松屋式ドリップ

この抽出法では、オリがほとんどでません。
そして、ビーカーの側面も油らしい汚れがありません。
この抽出法では、油も微粒子も非常に少ない感じがします。
この微粒子がはいっていないことが劣化のスピードを遅らせているんではないかと思います。

C・・ポンプ式エスプレッソ

この方法は、思ったよりも油がビーカーに付着していません。
ポンプ式のエスプレッソの場合、お湯の温度が低いため油が溶けだしにくいように感じました。
オリは、ありますが蒸気式のものと比べると明らかに少ないです。
松屋式と比べると濃度がちょっと薄い感じがします。

D・・ミルサーによる抽出

この方法は、低温で物理的な刺激によって成分を溶かすことになります。
(ひっかきまわしての抽出)
この方法が、一番上に浮く油分が多い感じがします。
オリ自体は、蒸気式のエスプレッソと比べても多くありません
油が一番きれいに分かれたような気がしました。
ちなみに、ペーパーでろ過しています。

ぼくなりの結論

実験でわかったこと
ペーパーでこしているのが・・・松屋式とミルサー
金属の網でこしているのが・・・蒸気式とポンプ式のエスプレッソ
油脂が多くかんじられたもの・・蒸気式とミルサー
オリが多くかんじられたもの・・蒸気式とミルサー
ここからは・・・
ぼくのかってな意見なんですが・・・
・ペーパーで吸着する油脂の量は非常に少ない
・・・・・ペーパーの吸着がおおければ、ミルサーであれだけ多くの油がでるとは思えない
低い温度で物理的な刺激が弱い松屋式ドリップでは、油脂はあまり溶けだせないように思いました。
ただ・・・後半でかくはんを意図的におこなう松竹式抽出法では、油が浮かないのにコクがでたところから コーヒーの微粒子がコクのひとつの原因ではないかと思います。
・油脂を溶かすためには、そうとう高温で抽出するか、強いかくはんなど物理的な刺激をおこなうかのどちらかだと思います。
ただし・・・高温で抽出した場合は、温度か下がったときにいろいろな成分が析出してきてオリが発生します。
そのときにそのオリの部分に油脂も吸着されてしまうと思います。
・・・・・蒸気式エスプレッソよりも、ミルサーのほうがオリが少なくて浮いていた油が多かった。
ポンプ式のエスプレッソは、非常に濃い印象をもっていましたが、実際に凍らせたときにドリップよりも薄いとかんじました。
・・・・・松屋式と比べると色が薄い
それなのに、濃くかんじるのはコーヒーの微粒子が混ざっていて、そのように感じるんだと思いました。
コーヒー屋が、オイル感やコクを考えるときに実際に油脂を溶かすことを考えるよりは、 コーヒーの微粒子をコーヒー液にどれくらい溶け込ませるかを考えたほうが実用的だと思いました。
しかし、コーヒーの微粒子がはいればはいるほどコーヒー液のもちが悪くなるという欠点を持っているように思いますが・・・・

その後の研究

ショボイ顕微鏡

コーヒーのオイル分

抽出したコーヒーのオイル分を調べる

実は・・・いままでこれができなかったのです。
オイル分があるだろうとおもいながら・・・証明ができなかったのです。
だけど・・・・
顕微鏡を買ったことによりどの抽出法だとオイル分がカップに落ちているかを写真に撮ることが可能になりました。
これを発展させれば本当にドリップではオイル分がカップに落ちないかまで証明できることになります。
つまり・・・ペーパーフィルターが本当にオイルを吸着するか否か・・・それを証明することができるわけです。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレーバー式カップテスト

(写真・道具一式)

自分の基準を作ろう

ぼくは、たぶん・・・味おんちなんんだと思う・・・
いろいろなコーヒー屋さん(高級な豆を使っている)のコーヒーを飲んでも あまりおいしいと思ったことがないのです。
通常のカップテストの真似事をしても・・・過熱水蒸気の焙煎とそうでない焙煎の差を 明確に説明できないのです。
つまり・・・ある程度完成している焙煎でほんの少しの調整をやったものの味の差をカップテストで調べることができないのです。
(松屋式の比較法ではけっこうわかるんですけどね・・・・)
そこで・・・・ぼく程度の味覚でも焙煎の比較がしっかりとできる独自のカップテストの方法を作ろうと思ったのです。

(写真左・ミルサーに容器をセットした状態)

(写真右・ミルサーのスイッチを入れて抽出中)

イワタニのミルサーをつかう

イワタニのミルサーという道具があります。
これは、密閉した容器の中でカッターがまわって細かく砕いたりかくはんしたりする道具です。
・ミルサーの容器に200ccのお湯をいれます。
・10gのコーヒー豆を入れます。
・カッターつきのふたを閉めます。
・15秒間ミルサーを動かします。
つまり・・・この閉じた容器の中で香りもうまみも雑味すべてお湯に溶かしてしまおうということなんです。
通常のカップテストなどは、溶けにくい雑味の成分をみつけにくいのですが、このやり方ならばそれがわかりやすいのです。
(ちょっと・・・・強引に溶かしてきますが・・・)

(写真・プレスフィルターをセットした状態)

(写真・プレス部分を押し下げてろ過した状態)

ボナポットのフィルターでこす

かくはんが終わったらカッターつきのふたをはずします。
このときに、内圧が高いので気をつけないとやけどをしちゃいます。
(このふたを開けたときに香りがわかりやすい)
そして、ドトールコーヒーがだしているボナポットという器具のプレス部分を利用した フィルターを使ってコーヒーをこします。
ちなみに・・・ぼくは、紙の丸型ロシを使ってこしています。
そうすると、後片付けが楽ちんで楽しんでカップテストがおこなえますから・・・

(写真左・カップに注いでいる)

(写真右・抽出終了)

この抽出器の特長

この抽出法では、コーヒーが非常ににごります。
雑味もしっかりとはいります。
熱を加えても濁りが消えないところをみるとカフェインとタンニンの結合なんかではなく その他の成分で濁っているんだと思います。
これは、ペーパーフィルターでこしても濁りは取れないしコーヒー液を真空にかけて 溶けている気体を抜いても消えません。
それから考えると、非常に細かい粒子のようなものが濁りの原因じゃあないかと思います。
そして、普通のカップテストをやってみると雑味の部分とコーヒーの煎りムラは非常にわかりやすくなったと思います。
それと・・・・力のある豆とそうでない豆の違いは一目瞭然となりました。
つまり・・・通常のカップテストがセンサー部分(人間の舌)の精度を上げることによっておこなわれていたのに対して このカップテストはコーヒーの成分を強制的に溶かすことによりコーヒーの特長をアンプにかけてよりわかりやすくした状態で 調べることができるのだと思います。
ですから、焙煎のよしあしがこのカップテストの方法ではわかるんだと思います。
それと・・・煎り豆ではなく生豆でも同じことができるのが特長です。
つまり、煎り豆の代わり生豆をいれて抽出するとけっこう、カビの味とか石灰のような味とか生豆によって けっこう特長があります。
これをもっともっと体系的に調べれば生豆の状態である程度までは判断がつくと思います。
それと・・・焙煎の合間でも簡単に試験ができるのもこの装置のいいところだと思います。
(焙煎途中にスプーンで取り出した豆でも実験ができる)

(写真・コーヒーかすロカ器)

後片付け用装置

これは、めちゃめちゃ大したことはないのですがけっこう役立つのです。
朝ポット用のコーヒーをたてたあとのコーヒーかすをフィルターにして コーヒーの粉をろ過する装置をつくっちゃいました。
なんでもそうですが・・・手軽に使えるためにはこんなしょぼいアイデアが大事になると思います。
当然、たまった水は流しに流れるようになっています。
ついでに、浄水器の高さにあわせているのでちょっとしたものを洗ってろ過するのに役立ちます。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

カップテストであそぼう

焙煎の研究をしていて微妙な味の違いを調べるためにはカップテストをしなければなりません。
ところが・・・・松屋式ドリップ法は残念ながらカップテストには向かないのです。
なぜか・・・・実は、松屋式で抽出するとどんなコーヒーでもおいしくはいってしまうのです。
(本当はいいことなんですけどねぇ・・・)
つまり、松屋式ドリップはコーヒーのいい成分だけを選択して抽出することができる技術なんです。
そのため、カップテストのようにコーヒー豆がどんな成分を持っているかを調べるために 抽出するにはめちゃめちゃ不向きなんです。
そこで、どうすればカップテストがうまくいくかを研究してみました。

(写真・珈遊カップとすりこぎ式ミル)

珈遊カップを買いました

そこで、考えたのはヤスナガコーヒがだしている 「珈遊カップ」を使ってカップテストをする方法なんです。
これは、めちゃめちゃおもしろかったです。
最初に、すりこぎ式のミルでコーヒーをつぶします。 ちなみに、最初は普通のすりこぎを使ったんですが、あまりにもすりこぎが削れていっちゃうので しょうがないのでもっと硬いさんしょのすりこぎを使うようにしました。
(ヤスナガコーヒの本当のミルの杵は樫を使っています)
さんしょの香りがでちゃうかどうかが心配でしたがけっこう大丈夫でした。 これによって、豆の硬さや豆を砕いたときの香りがダイレクトにわかるようになりました。

(写真左・すりこぎ式ミル 写真右・電動ミル)

ちなみに、普通のミルを使うと繊維方向関係なく細かく砕いてしまうのに対して、 このすりこぎ式だと決まった方向でしか、くだけないため表面のロウ質部分は、大きめに ひけます。そして、内部は細かくひける傾向があります。 そして、微粉が少ないのが特長です。
珈遊カップで飲む場合フィルターが穴3個あるだけですから、浮いている粉は大きめでないと 穴からでてきてしまいます。
このすりぎ式のミルだと大きめの粉はロウ質部分のため浮いていて穴3個のフィルターでこされて こまかくひけた部分は、カップの下に沈んでいて吸い口からでないようになるのです。

(写真・ティーバックサーバー)

もっと簡単なヤスナガ式をつくろう

珈遊カップのおもしろさは、けっこうわかったんですがお手軽さは残念ながらありませんでした。 そこで、できるかぎり手軽にできるヤスナガ式をと考えました。
使うもの・・・ティーバックサーバーと53ミリの茶こし

(写真・お湯を注ぐ)

コーヒーをいれてお湯を注ぐ

コーヒー20gをあらくひいてサーバーにいれます。
そして、茶こしをセットしてお湯を200cc注ぎます。
そして、フタをして3分待ちます。

(写真・蒸らしている状態)

前後に数回傾ける

3分たったら、サーバーを前後に数回傾けます。
これにより、じゃまな泡は外へ抜けてくれます。
そして、お湯とコーヒーがしっかりと接してくれます。
このポットのいいところはコーヒーの粉にあまり刺激を与えずにすむことと コーヒーを注ぐときに沈んでいる粉はポットのふくらみのところにたまって ロ過の邪魔にならず、浮いているコーヒーの粉は、茶漉しの部分でしっかりとこされてきて ヤスナガ式のよりも粉がはいりにくくなります。
それと、コーヒーカスを簡単にすてれるのも特長です。

カップテストでわかったこと

いままでぼくが、カップテストをやる場合よく使っていた方法は、 松屋式で抽出していて後半ででてくるコーヒーだけを飲んで 調べる方法をとっていました。(嫌味は後半に多くでる性質をもつ)
ここで、いゃな味がでなければ芯まで火がとおって豆全体で化学変化を おこしている。
そして、もし前半の部分のコーヒーが薄くて弱いようだったら成分が 抜けている。
そんなふうにやっていました。
今回のカップテストのいい部分は、高温で抽出することにより すべての成分を溶かすことが、可能になったこととやり方が単純なため 再現性が非常に増したと思いました。
どーーーしても、松屋式のドリップは抽出する人間の技量に依存する 傾向があったのです。
焙煎を調べるにはこのカップテストは有効でしたが、コーヒーとして飲むなら 松屋式ドリップでだしたコーヒーのがぼくは好きです。 人それぞれでしょうが・・・・・
まぁ簡単に言えば、コーヒーの味はわかりますがきれいな味ではないもんで・・・・

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)