フレンチプレスのいれかた

フレンチプレスとは・・・
浸漬法の代表的な抽出法です
粉とお湯がずーーーっと接触した状態で抽出されます
オイル感や微粒子感が特徴です
・・・実は僕はこの器具が大嫌いでした
イロイロなサイトに書かれている抽出法を試しても全くうまくない
どう考えても・・おかしい・・・
そこで・・・自分独自の抽出方法を編み出すことにしたのです

1・お湯をいれる

2・粉をいれる

3・ふたをセットする

フレンチプレスのいれ方

1・お湯を入れる
これは・・・コーヒーを入れてからお湯を注ぐのではなくて逆なんです
つまり・・・お湯を先に入れてからコーヒーの粉を入れたほうが
コーヒーに対して物理的な刺激が少ないと考えたからです
ちなみに・・・このやり方は浸漬法とはいえない気がします

2・コーヒーの粉をいれる
粉のひきは荒くします
粉の量は一杯あたり8-10gぐらいでいいと思います
このいれ方はあまり濃くださないほうがいいです

3・ふたをセットする
単純にふたをきせるだけです
このときにフィルター部分はいちばん上に上げておきます

4・水面より下に押し下げる

フィルター部分のアップ

5・できあがり

4・フィルターを水面より下に押し下げる
ここがいちばんのポイントになります
つまり・・・コーヒーの粉からでるガスをスムーズに抜いて
コーヒーの粉とお湯が確実に接触する方法は
ゆっくりとフィルターを水面よりも下まで押し下げることなのです
こうすれば
コーヒーからでるガスは泡となってフィルターの隙間から抜けてくれます
そして、コーヒーの粉にお湯が進入して抽出できる状態に自然になるわけです
ですからコーヒーの粉は必ず泡が通れる程度の荒さである必要があるわけです
(細かいとコーヒーからでた泡が抜けられずにコーヒーとお湯の接触の妨げになる)
そして・・・この状態で3分から5分程度待ちます
このやり方ではコーヒーの粉に物理的な刺激を与えていないので
10分以上置いておいてもなんら問題ありません
(粉が浮いた状態でもかまいません)

5・フィルターをゆっくりと押し下げます
コーヒーの粉が浮いた状態だとフィルターを押し下げるにつれて・・・
コーヒーの粉の間をゆっくりと流れることになります
これは、ちょうどドリップの逆になるわけです

そして、コーヒーの持っているオイルは確実に上にあがってくれます
普通にかくはんする方法と比べると粉っぽさが全く出なくて
非常に飲みやすいコーヒーができあがります

とりあえず・・・フレンチプレスでの抽出ではこれがいちばんきれいな抽出法だと思います
(もっと良い方法がみつかるかもしれませんがね)

ちなみに・・・このときのフィルターは金属である必要があります
ペーパーやナイロンではなく金属でなければなりません
これはオイルを吸着するとかではなく
コーヒーからでたガスが金属のあらいフィルターのほうが抜けやすいからです
そしてこのガスが抜けてくれないとコーヒーの粉とお湯の接触を妨げてしまうからです 

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「新型・氷だしコーヒー」

新型・氷だしコーヒーについて・・・・
今までの氷だしコーヒーではコーヒーの粉を直接ペットボトルに詰め込みました。
*氷だしコーヒー再発見を参照
当然、片づけにくさが欠点でした。
今回は今まで販売している水だしコーヒーを使って
氷だしコーヒーをやってみました。

普通の使い方

水だしコーヒーを氷だしで使う

水だしコーヒーで氷だしコーヒーをつくる
水だしコーヒーのパックを650ccの水の中に入れて
ほったらかしておけばアイスコーヒーができます。
これは浸漬法という非常に手軽な抽出法です。
非常に手軽でいいのですが味に関してはお茶のような感じで
力がないのが欠点です。

今回はその水だしコーヒーのパックを使って
氷だしコーヒーをつくろうというものです。
水だしコーヒーのパックの場合、片付けが非常に簡単で本当に手軽な感じで
氷だしコーヒーが作れるのが特徴です。

コーヒーパックを詰める

少しお湯をかける

コーヒーに氷をの載せる

氷だしコーヒーの作り方
1.2リットルのペットボトルの底をカッターナイフなどでカットします。
2.水だしコーヒーのパックをペットボトルの口部分にしっかりと詰めます。
(出来るだけ隙間ができないよう詰めます)
3.お湯を少しだけコーヒーパックにかけて3分ほど待ちます。
(コーヒー豆の内部のガスを抜くため)
4.氷を適当な数、ペットボトルに敷き詰めます。
(多めに入れたほうがうまくいきます)
サーバーに300ccから400ccぐらいコーヒーが落ちたら
好みの濃さまで水や氷で薄めます。

抽出スタート

約40分後

約8時間後

水だしコーヒーと氷だしコーヒーの比較
水の中に浸けっぱなしの浸漬法では、
水とコーヒー液の比重の差が抽出の原動力となります。
つまり、上に浮いた状態のコーヒーに水が浸み込み
重さで下にコーヒー液が下に流れだします。
そして、軽い水は上に上がってきてコーヒーに接触し
コーヒーの成分を溶かすことになりまた下に流れていきます。
これの繰り返して徐々にコーヒー液の濃度が上がるわけです。
そして、コーヒー液の濃度が上がれば上がるほど
コーヒー液と水の比重の差が小さくなって溶かす力が弱くなってくるわけです。
当然この構造ではかくはんは行われないのでコーヒーのクリアさは維持できます。
しかし、残念ながらコクができない欠点があります。

氷だしコーヒーの場合は、単純に氷がとけた水がコーヒーの粉の中に流れていきます。
これは比重ではなく水の重さが原動力となるのです。
そして、成分がとけたコーヒー液はサーバーに落とされコーヒーは
成分がとけていない水と常時接触することとなるのです。
その分、溶かす力が浸漬法と比べると溶かす力が強いため
コクのあるコーヒー液をつくることができます。

左・浸漬法 右・ドリップ法

結論
美味しさに関しては圧倒的に氷だしコーヒーがうまいです。
お茶感覚で飲める部分では、浸漬法も悪いわけではありません。
しかし、濃いコーヒーを薄めてのばすことはできますが、
薄いコーヒーはそれ以上細工はできないのです。

この器具は、だれでも手軽につくれるし
ふたつの抽出法を実験するのにちょうどいいと思います。
ちなみに、水だしアイスコーヒーは販売しています。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

氷だしコーヒー再研究・・・

氷だしコーヒーとは・・・・
基本的には、水だしコーヒーの変形みたいなもんです
通常の水出しコーヒーはコックなどを使って一滴づつ水が落ちるように調節します。
いますが、氷だしコーヒーは氷の溶けるスピードを利用して
ゆっくりとコーヒーに水を供給するのです。
まぁ・・・ 誰でも簡単にできる装置ってなのがちょっとつくる気になった理由なんですけどね

(写真・コカコーラ1.5リットルのペットボトル)

氷だしコーヒーの器具のつくり方
1.コカコーラの1.5リットルのペットボトルを用意する
2.ペットボトルの底をカッターナイフで切り取る
一応・・コカコーラの1.5リットルのペットボトルが一番使いやすいと思いました
とくに・・コーヒーを100gいれた後に氷を
たっぷり入れるスペースがあって都合がいいです
それとペーパータオルをフィルターにする時、
コーヒーの粉がとおりにくくうまくできるのです

(写真・ペーパーをつめる)

フィルターを取り付ける
できれば厚手のキッチンペーパーが理想です。
もし・・なければペーパータオルを二枚重ねで使ってもかまいません
厚手のもののほうがペットボトルの口部分に隙間ができにくく
微粉が落ちにくい特長があります
3.キッチンペーパーを4ッ折にして人差し指にかぶせるようにして、
ペットボトルの内側から押し込みます

(写真・蒸らし)

コーヒーを蒸らす
細かくひいた(NO.2)コーヒーをペットボトルにいれる
(100gぐらいが適当・・)
そして、100gに対して120ccのお湯をゆっくり細くさします
このときのお湯の温度は70度程度て十分です
お湯をさし終わったら、10分間の蒸らしを行います
このときにさすお湯の量は、
松屋式ドリップの時に蒸らしで使うお湯の量を基本としました。
つまり、コーヒーの粉がお湯に浮かない程度の量しか
蒸らしではお湯を使ってはいけないと考えました
それには、松屋式ドリップの時のお湯の量が一番妥当と考えました
お湯の温度は、あまりコーヒーの粉から泡がてで膨らんでもらうと都合が悪いので
低い温度である70度にしました
全体に粉が濡れていなくても10分程度ぽったらかしてやると
お湯がゆっくりとしみこんでペーパーの部分まで到達します
それと、蒸らしを長くとることによって、コーヒーの層自体が下に少し沈んで
氷の重さにも耐えることができるのです

蒸らし終了後のコーヒー

氷をコーヒーの上に並べる

氷を詰めて準備完了

氷をコーヒーの上にのせる
蒸らしが終わったら氷を準備します
まず、ボウルなどに水を張り氷をそこにいれます
その状態で氷をかき回しながら5分ほど氷を溶かします
これは、冷蔵庫から出した氷は-20度ぐらいあって、
そのままコーヒーにのせていくと氷同士がくっついてしまうのです。
そうなると、均一にコーヒーの粉に水がドリップされなくて困るのです。
その点、氷を0度まで戻してやっておけば絶対に氷同士がくっつくことはなく
とけると氷がバラけるようになって、コーヒーの粉全体に水が供給されることになるのです

3時間待って出来上がり・・・・
コーヒーの出来上がった量で決めてもかまいません。
それ以外の方法としては、でてくるコーヒーをスプーンですくって舐めてみてください。
その味が、自分にとって嫌味がでてきたと思ったらやめてください。
そして、そのコーヒーを好みの濃さに薄めたほうがよりきれいなコーヒーになります。
一応、目安としては100gの粉で
300ccから400ccぐらいが妥当だと思いました。
そのかわり、めちゃめちゃ濃いコーヒーなので
3倍ぐらいにのばして飲んだほうがいいと思います。
それ以外としては、濃いコーヒーをアイスクリームにかけて食べるとけっこううまいです。

(写真左・白い沈殿物 右・加熱しない時のコーヒー)

番外編---研究らしい部分---
実は・・・こっからが本題なんです。
このコーヒーを、あっためて飲もうと思ったんです。
そのときにアレって思いました。
温めたときに濁るのです。
普通コーヒーというのは、さめると濁るというのはよく聞きますが
温めると濁るというのは初めてだったんです。
そこで・・・氷だしコーヒーで濃厚なコーヒーを300ccつくって、
湯煎で熱を加えてみました・・・
そうすると・・・なんかよー判らんものが分離できました・・・
(写真左の白い部分)
そして、白い部分が沈んだ後、 スポイドて上澄みのコーヒーを抜いてコーヒーを追加して
まだ湯煎するという作業を繰り返しました。

一応、この白い物質の性質
・熱を加えると凝縮して固まる(湯煎したら現れた)
・比重は水よりも重い(静かにしておくと沈殿した)
・色は白い(みりゃあ・・わかるけど・・)
・作業を繰り返すうちにおおきくなっていった
(新しく追加したコーヒーの白い物質とがくっついた)

(写真・装置を水だしバージョンにする)

完全なる水出しバージョン
白い沈殿物が氷だしコーヒーの特長か・・・
これを証明するためには普通の水だしコーヒーをつくってみて
実際に沈殿物が出来上がるかを調べるしかありません
そのためにわざわざペットボトルをふたつ重ねて水だしコーヒー用に改造しました。
原理は上のペットボトルの氷が溶けて下のペットボトルの
コーヒーの粉に1滴づつ水が落ちるという単純な装置です
一応、氷のはいったペットボトルの口にはペーパータオルをつめて
氷が落ちないようにしました
実際に動かしてみると氷の溶け方も全く同じですし、
違っているのはコーヒーの粉と氷が接してないだけです

---研究らしい部分---その2
写真をみて判るように水出しコーヒーでも同様な白い沈殿物がでてきました
つまり・・・氷だしコーヒーの特長ではなさそうです
そして・・この白い粉の特長としてはクエン酸などで簡単に溶かすことができます

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

水だしアイスコーヒーの極意

(写真左側・ひきたてのコーヒー使用)
(写真右側・ひいて1週間ガス抜きをしたコーヒー使用)

いりたての水だしアイスコーヒーと
ガス抜き後の水だしアイスコーヒーの特長

アイスコーヒーの豆は大量の炭酸ガスを吸着しています。
通常の抽出では、蒸らしという炭酸ガスを放出させる作業をおこないます。
これにより、新鮮な大量の炭酸ガスを含んでいるコーヒーも
古くなって炭酸ガスが放出されているコーヒーも同じように抽出することができるのです。
(これにより、お湯がコーヒー内部までしみこみやすくなる)
水だしアイスコーヒーの場合、蒸らしがなく水につけておくだけなので、
この炭酸ガスの影響がでてしまうのです。

(写真左・水につけて1時間)

(写真右・水につけて2時間)

両者の抽出状態

左の写真が水だしアイスコーヒーを水につけて約1時間たったものです。
右の写真が2時間たったものです。
写真でもわかるようにガス抜きをした
コーヒーでは抽出のスピードが速くなります。
これは、コーヒー豆の内部に水が入り込みやすいからでひきたてのコーヒーの場合
コーヒーからでる炭酸ガスが水の進入を妨げて抽出のスピードを遅らせてしまいます。
もうひとつ、抽出の違いを起こす原因は、コーヒーからでる炭酸ガスの量で
ひきたてのコーヒーの場合は、コーヒーバックが膨らんでしまい
水が袋の中に進入しにくくしてしまいます。
このふたつの原因でガス抜きをしたコーヒーと
ひきたてのコーヒーの抽出の差がでてきたのです。
ただし、6時間後は、同じ濃さに落ち着きました。

(写真・たてた状態と寝かせた状態での水だしアイスコーヒー抽出)

立てて抽出と寝かせて抽出

左の容器は、口が広く寝かせた状態で水に浸かります。
右の容器は、口が狭く立てた状態で水に徐々に浸かります。
このふたつともガス抜きのしてあるコーヒーを使用しました。
コーヒーが入っている紙の袋は、
乾いている間はガスをスムーズに通すことができます。
しかし、いったん水がしみこんでしまうと
ガスがとおりにくくなります。
たてた状態では、ペーパーが完全にぬれるまでに時間がかかり寝かせた状態では
、 短時間で水がしみこんでしまいます。
本来ならば、たてた状態の方がコーヒーの抽出が早くなり
寝かせた状態の方がコーヒーの抽出が遅くなるはずです。
(寝かせた状態の方がコーヒーから出る炭酸ガスで大きく膨らんでしまう)
しかし、写真のようにふたつの抽出状態に差はでていません。
これは、ガス抜きがしっかりしているコーヒーでは、
コーヒーに水がしみこみやすくコーヒーからでるガスの量が少ないため
水だしコーヒーの袋がふくらんで抽出を邪魔をすることがないためだと思います。

結論

水だしアイスコーヒーバックでコーヒーをたてるとき、
ガス抜きがしっかりしている場合は、どんな容器でコーヒーをたてても大丈夫です。
しかし、ガス抜きがしっかりなされていない場合は、
たてた状態で水だしコーヒーバックがはいるような容器を使うとうまくいきます。
(ひきたてのコーヒーも含む)
ちなみに、うちの店の水だしコーヒーバックは、ひとつづつ香りを通さない袋にいれてあり
その袋に炭酸ガス吸収剤をいれておくことにより完全にコーヒーのガスが抜けるようにしてあります。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしアイスコーヒーを科学する

(写真・水だしアイスコーヒー)

コーヒーバックとは

コーヒーバックは、細かくひいたコーヒーがはいっている袋で水の中にいれて
6時間ぐらいかけて抽出する商品です。
特長は、なんといっても手軽で簡単。
それに尽きると思います。
いちじき、うちの店でもはやってたくさん作ったりもしました。
(けっこうコーヒーバックのノウハウも持っていました)
実際本格的にいれたアイスコーヒーと比べると味気なくて飽きちゃったんです。
そこで、同じ日に焙煎したアイスコーヒーを使って同じミルで同じひきにして
同じ量のコーヒー豆を使ってコーヒーバックで作ったアイスコーヒーと
氷だしコーヒーで作ったアイスコーヒーとどのぐらい違いがあるかを
試してみることにしてみました

(写真・コーヒーバックで抽出)

コーヒーバックの特長

コーヒーバックは1袋づつ香りを通さない袋に入れて販売していました。
このときのポイントは、かならす、鮮度保持剤を入れることです。
鮮度保持剤は、コーヒーからでる炭酸ガスを吸収するものでこれをいれることによって
コーヒーの持っている炭酸ガスが強制的に排出できるわけです。
(新鮮なコーヒー豆を一瞬だけ真空ポンプで真空にしたぐらいでは、
コーヒー豆の持っている炭酸ガスを100%排出できない)
この作業をすることにより、コーヒーの内部に水が侵入しやすくなるわけです。
抽出のポイントは、コーヒーバックが立った状態で水に使っていることです。
これによりコーヒーから出てくる気体があっても
乾いたペーパー部分から抜けることができるわけなんです。
ぬれてしまったペーパーは、気体通過を妨げるので最初から
バック全体をぬらしてしまうとコーヒーからでた気体で水の進入を妨げてしまうのです。
つまり、コーヒーと水が接しにくく
成分の抽出がしにくくなってしまうわけです。

(写真・氷だしコーヒーの蒸らしの後)

(写真・氷だしコーヒーで抽出)

氷だしコーヒー

氷だしコーヒーは、ダッチコーヒーの改造したものです。
感じとしては、性能の良いダッチコーヒーのようなものです。
氷の溶けるのを利用してゆっくりと1滴づつ均等に水が落ちるように
したものです。氷が溶けて水が落ちるので水の温度は一定になるのです。
くわしくは、氷だしコーヒーをつくろうを 参考にしてください。
普通のダッチコーヒーで水の温度を一定にする場合
フラスコに水と氷を入れておきます。
そうすると、水の温度が上がるのを 防ぐことができます。
基本的にダッチコーヒーの良いところは、コーヒーの抽出液が
長く持つことです。
それは、コーヒーの品質を落とす原因の温度変化が非常に少なくてすむからです。
通常、コーヒーを抽出すると70度前後になります。これを冷蔵庫などで保存すると
コーヒー液が、温度変化にさらされることになります。
その点、、ダッチコーヒーの場合は
それを防ぐことができるわけです。

(写真左・水だしコーヒーでだしたコーヒー)

(写真右・2種類水だしコーヒーの抽出液のアップ)

出来上がったコーヒー液の比較

どちらの写真も左側が氷だしコーヒー、右側がコーヒーバックのコーヒーです。
同じコーヒー、粉のあらさも同じ、出来上がり量も同じです。
ついでに言うならば、抽出時間では、
コーヒーバックの方が倍の時間(6時間)かけています。
コーヒーは、水の中につけた状態で抽出するのには限界があるように思いました。
氷だしコーヒーの場合、上から落ちてくる水は何も溶けていない、
一番ものを溶かすことができる状態なのです。
コーヒーの成分を溶かした水はコーヒーの粉の中を
ゆっくり下へと流れていきます。
当然、下へいけば行くほどコーヒーは濃くなり、
一番濃い状態でサーバーへと落ちることになります。
このとき流れようとする力は重力が原動力となります。
これに対して、コーヒーバックの場合は、粉が水の中に浸かった状態ですから
コーヒー成分がとけた状態と溶けていない水の状態との比重の差だけが
コーヒーの粉の中を水が通過する原動力となるわけです。
そして、この力はコーヒーが溶ければ溶けるほど比重の差がなくなっしてまい
コーヒーの粉の中を通過しようとする力が弱くなってしまうのです。
そして、もの(コーヒー)が溶けている水は、ものを溶かす力が弱くなってしまいます。
ふたつの同じ水出しコーヒーですが、濃さに歴然と差がつきました。
味も個人的には、氷だしコーヒーのが好きです。
(人の好みもありますから絶対とはいえないですが・・・)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

氷だしコーヒーをつくろう

(氷がとけるのを利用した水だしコーヒー)

用意するもの

すべてカリタ製を使いました
・ 101-Dドリッパー 1ヶ
・ 102-Dドリッパー 1ヶ
・ 101-ペーパー 1ヶ
・ 300ccサーバー 1ヶ

写真・・・101-Dドリッパーにペーパーをセットします。
(こまかびきの粉を30gいれます。ふかいりのコーヒーを使う必要はありません)

写真・・・スプーンなどで穴をほります。

写真・・・ていねいにお湯をさして3~5分蒸らします。
(松屋のいれ方参照)

※水だしコーヒーのポイントは蒸らしにあります。
つまり、いかにコーヒーに含まれるガスをぬくか、
そして、水のとおり道をいかにつくらないようにするかが問題となります。
水は、通りやすい所を通る性質を持っています。
ですから、水の通り道ができると
そこばかりを水が通ってしまって他の部分を通らなくなってしまいます。
そのため、抽出に使われないコーヒー豆ができてしまいます。
うまくいくためには水が均等にコーヒーの中を通るようにする必要があります。

102-Dのドリッパーをのせて、氷を入れます

3~5分たって蒸らし終わったあと、102-Dのドリッパーをのせて、氷を入れます。
写真の中では氷が均等にとけて水が滴下するために
ステンレスのばねをドリッパーの中に入れています。
普通の場合は、ペーパーフィルターをセットして氷を入れてください。

テキトーなところで味見をします

50~60ccでたところで落ちてくるコーヒーをスプーンですくって味見をします。
コーヒーは、うまみが最初に溶けてある時期から渋味が溶けるようになります。
水の滴下のスピードによってこのうまみから渋味に変わる時期が異なります。
この時期を知るには味見をするのが一番簡単で確実な方法だと思います。
ちなみに、少し渋味をいれるとミルクをいれた時コクになります。
ですから、砂糖・ミルクを入れる方は渋味を少し入れることをおすすめします。

薄めて、できあがり

スプーンでおちてくるコーヒーをなめて、好みの所でやめたら、薄めます。
ホットの場合は熱湯で、アイスの場合は冷たい水で薄めてください。
これもその人それぞれの好みです。
だいたい2~3人分には薄めることができると思います。

※渋味が早く出るようでしたら、ドリッパーの穴を下からのぞいてください。
3つある穴のコーヒー液の色が違うはずです。
これはうすいコーヒー液の穴のところに水の道ができていて、
そこの穴ばかり水が通っている証拠です。
これは、蒸らしの失敗か氷のはいったドリッパー部分から
水の滴下が均等に落ちていないかが原因です。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水

あさいりで水だしコーヒーをつくる

水だしコーヒーは、ふかいりの豆を使うというのは、コーヒー屋としては、
常識のようなものなんです。コーヒーを抽出するとは、
うまみの成分と渋味の成分をわけることです。
もっと簡単に言うとうまみの成分は
、溶かして渋味の成分は粉の中に残すということです。
水だしコーヒーは、うまみと渋味をわけることができないので、
渋味の成分のすくない、ふかいりの豆を使うのです。
なぜ、渋味までででしまうかを説明すると

  • 一滴づつコーヒーの粉に落ちた水は、うまみを溶かして下の方へ流れ落ちていく。
  • 上の方の粉は、うまみを溶かし終えたあと、渋味を溶かし始める。
  • 松屋のいれ方のひたひた状態で抽出ができないときは、渋味が溶け出す。
    これと、同じ事が水だしコーヒーでも起こる。
    (松屋のいれかた参照)

これが、水だしコーヒーであさいりを使わない理由です。
つまり、あさいりの豆を使うと、どうしても渋味がでてしまう。
これを、防ぐためには、ふかいりの豆を使うしかない。
これを、証明するために実験をしてみました

実験
あさいりのコーヒーを水だしコーヒーの器具にセットします。
(粉は、こまかびきでむらしは、穴をほってお湯でやってください。松屋のいれかた参照)
水を一滴づつ落として、でてくるコーヒーをスプーンにとってなめてみる

結果
予想と反して前半では、うまみしかでませんでした。
水を落とすスピードと味は、あまり関係がなく
せいぜいうまみが溶け終わるまでの水の量が違うだけでした。
(はやければ、コーヒーが多く出たところで渋味がでてきます。
おそければ、逆に落ちてくるコーヒーは、濃くて少ないところで渋味がでてきます。)

結論
水だしコーヒーは、こまかびきの粉を使います。
ここに、水出しのポイントがあります。
コーヒーの粉の保水力は、粉をこまかくすればするほど、高くなります。
実際、はかってみますと、水だしコーヒーが動いているときの
コーヒーの粉がもっている水の量と、松屋式でコーヒーをいれている時の
粉が持っている水の量が、ほとんど変わらないんです。
つまり、一滴づつ水を落としているのにもかかわらず、
松屋式でいう、ひたひた状態を水だしコーヒーは、つくっているのです。
そのため、うまみが溶け終わってから渋味が溶けるという松屋式の抽出と、
同じ事が水だしコーヒーでもおこるのです。
つまり、水だしコーヒーでもあさいりの豆が使えるということです。
そのかわり、人数分抽出するのではなく渋味がでたらそこでやめてあとは、
薄める必要があるということです。
そうすれば、おいしくて長もちするコーヒーが簡単にできます。
(この原理を使って作ったのが氷だしコーヒーです。)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしコーヒーの器具をつくろう

準備する品々
ペットボトル、コーヒーサーバー、きゅうす
ひもかガーゼか手ぬぐいか

コーヒーの粉をしめらせます
カリタのドリッパーに細かくひいた深煎りのコーヒーを入れて
普通の蒸らしの様にお湯をかけます。

本来は水で練って空気を抜く作業をするのですが、
これがなかなか面倒です。
ガス抜きで一番手っ取り早いのは
お湯をさして水蒸気をコーヒーの粉の中に入れ、
炭酸ガスを追い出す普通のドリップ式の蒸らしです。
簡単なので今回はそのやり方でいきます

コーヒーの粉の上に丸いロシをのせます
しっかり蒸らした後(3~5分)の粉の上に丸いロシをのせておきます。
水出しコーヒーの場合は、一点に集中して
水が落ちるので水を分散させるためです。

...

等速滴下装置 「まじめなポタ君」
水の入ったペットボトルを適当なきゅうすにひっくり返してつっこみます。

きゅうすの中にひもを入れ、きゅうすの口からひもを出します。

ひもの長さを調節して、1秒間に1滴程度に調節します。
(ひもの長さを長くすると水の出るスピードが早くなります)※この装置はきゅうすの水位とひもの長さで水滴のスピードが決まります。 きゅうすの水位が下がると自動的にペットボトルから水が入りこんで きゅうすの水位を一定に保ってくれるのです。

簡単な作りでありながら高級なウォータードリッパーのように
最初から最後まで一定のスピードで水滴が落ちるスグレものです。

できあがり
一定量のコーヒーがでたらできあがり。
ウォータードリッパーは一度も温度変化にさらされていないので
けっこう長持ちします。
ホットにしてもアイスにしてもOKです。
もともと深煎りのコーヒーを使った理由は
浅煎りだと嫌味がでておいしくないからです。
低い温度で抽出しても時間をかけると嫌味は溶け出すようです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

エスプレッソ エッセイ

エスプレッソという器具を実験なんかで使っているうちにいろいろなアイデアが浮かびます。
そんなこんなを書くためのページをつくってみました。
(だいたい写真を必要としない小ネタの格納場所)
できるかぎり、客観的に判断できるようなものを中心に書いてみたいと思います。
ただし、どーーーしてもコーヒーがうまくなったとか苦くなったとかちょっと客観的でない
部分もでてくるとおもいますが、ごかんべんを・・・・。
実際に客観的でない部分でほんとうかなぁと思った部分があったら実際にやってみてください。
(もしかすると、大発見がみつかるかも・・・・)

ボイラーの水はくさらないのか・・・
ファーストクラスを壊しておもったこと・・・・
エスプレッソのボイラーをバラしたときにふとおもったんですが・・・・
あのボイラー部分の水は腐らないんだろうか・・・・
使ったあとボイラーの中に水が残ります。 (あたりまえですが・・・)
当然ヒーターで加熱しているときは、殺菌しているわけでいいんですが 問題はエスプレッソをそのままほったらかして1週間とか1ヶ月ほったらかしておいた 場合、水がどうなるんだろうと思ったんです。
あのボイラーが機密性が高ければもつかもしれないのですが、 残念ながらそんな機密性はないのです。
スチームを使ったあと、そのままにしておくとボイラー内の圧力がさがって ポンプのバイパス部分から水がボイラーのほうに流れ込んでしまいます。 (これにより、ボイラー内の圧力を大気圧に戻している)
この状態でほったらかしておいたら間違いなく水が腐ると思うんです。
次に使うときにヒーターで水を温めるからいいんだろうか。
まぁ・・・・それで病気になったって話も聞かないからいいとしよう

エスプレッソの将来
エスプレッソの実験をしていて思ったこと・・・・
日本人にエスプレッソが定着するかを考えるとちょっとむずかしいかなぁと思います。
つまり、エスプレッソというコーヒーはこてこての料理にあうような気がするのです。
(いわゆる、脂っこいもの)
ということは、まず日本料理などどちらかというと素材の味を楽しむような料理には あわないことになります。
そして、日本人は年齢とともに脂っこいものをさける傾向があると思うのです。
となると、日本人にはエスプレッソのようなコーヒーよりもドリップで落とした きれいな味のコーヒーのが何杯でも飲めて長続きするような気がするのです。
特に家庭ではそんなコーヒーがやっぱり主流ではないでしょうか。
では喫茶店ではどうかというと・・・・
たまに飲むコーヒーならはとりあえずOKかなぁ・・・・
(どーーせ、ぼくはたまにしか喫茶店にいかないし・・・・)
ただし、本当にしっかりといれたドリップコーヒーだったらぼくはまちがいなく そっちを飲みますけどね・・・・

直火式エスプレッソの材質について
アルミ製 vs ステンレス製・・・・
はっきりいってこれは、写真を使えません。
なぜならば、どちらの商品がいいかを話そうとするわけですから・・・
これは、ぼくの解釈で他の人は意見が違うかもしれません。
(ですから、最終的には自分でどっちがいいかを判断してみてください)

ぼくの勝手な判断
性能では、ステンレスのエスプレッソのほうがいいです。
なぜか・・・・

・ステンレスは、丈夫なのでフィルターを細かい穴でつくれる
これにより粉をあまり強く押し込まなくても圧力を上げることができる。
(フィルターの部分が抵抗になるから)
・ステンレスは丈夫なので、ボイラー部分も薄くできる。
(あたりまえですが・・・・)
ボイラー部分を薄くできると、ボイラーを加熱して圧力が上がるまでの時間が短くて済みます。
簡単にいえば、熱が蒸気に変わる率が高いのです。
その分スピーディーに抽出ができるのです。

アルミの欠点
ほとんどステンレスの逆になりますが・・・
アルミのフィルター自体弱いので、にあまり負荷がかからないように 穴がステンレスよりもあらくなっています。
(抵抗が弱いとその分、圧力を上げることができなくなります)
ボイラー部分がどーーーしてもアルミの場合、すごく厚くなります。
(結局、アルミは弱いですから・・・・)
アルミは、熱伝導が高く圧力を上げるために熱を加えてもアルミが熱を奪ってしまい ボイラーの圧力が上がるのを防いでしまいます。
そして、エスプレッソ全体の温度を上げてしまって抽出されたコーヒーの温度も高く 嫌味なんかが非常にでやすいのです。
普通に熱をかけて圧力をあげるのに圧があがり始めてから3分ぐらいかけて やっと 3kg/cm2 にまであがりました。
(ちなみに、吹き出し口を閉じた状態で)
つまり、ステンレスの方がスピーディーに低い湯温で抽出されるために アルミのエスプレッソと比べると嫌味やコーヒーの濁りがでにくいと思います。

ただし、ぼくが実験したエスプレッソで起きた現象で他のアルミのエスプレッソでは そのようにならない可能性もあります。
(とりあえず、フォローしときます)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

一杯だしエスプレッソを使って実験

(写真・吹き出し口のところにあるのがボールコック)

吹き出し口にボールコックを取り付ける
いままでのバルブは、微調整がききにくかったのでバルブを ボールコックに変えました。
これにより調整は非常にやりやすくなりました。
それとなんといっても再現性が良くなったので実験がしやすくなりました。
実際に使ってみて最初からこのパターンでつくればもっとかっこよくできたのに・・・・ ちょっと残念です。
この装置を使って直火で圧力を 3kg/cm2 にしてからバルブを開いた実験もやりましたが、 以前やった結果と同じで濁ったコーヒーが出来上がりました。
そして、クレマはぜんぜんできませんでした。
どうも、ボイラー内の圧力を蒸気で上げるとどうしてもお湯の温度が高くなりすぎて あまりいい結果がでないようです。

結 論
三枚の写真は、抽出の連続写真です
左から、出始め・抽出途中・抽出終了です。
ポイントとなる部分は、真ん中のコーヒーが白っぽいのにたいして 右の終わったコーヒーが下のほうから黒っぽくなってくることです。
つまり、抽出時に高圧のために無理に溶け込んでいた炭酸ガスが 常圧になって泡となって出現して、それが上に集まって下のほうから 透明なコーヒーになってきたということです。
たぶん、この圧力が高いほどこの泡が細かいんじゃあないかと思います。
(このへんは、たぶんですが・・・・)
次は、透明なびんの中にコーヒーの粉とお湯を入れておき、それに高い圧力を かけて、その後圧力を常圧に下げたとき細かい泡がでるかどうか実験してみたいと思いました。
もし、この高圧状態から常圧に下げたときに泡がでることになれば、 エスプレッソという機械が、コーヒー豆の内部の炭酸ガスを高圧のお湯に強制的に溶け込ませて それを常圧に戻すことによりクレマを生成すると考えてもいいんじゃあないかと思います。
実際にあらい粉と細かい粉の比較なんかも実験しなくっちゃ・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)