いんちきドリップ法

それは、カップテストからはじまった・・・・
焙煎の実験をしながらカップテストをしたかったんです。
うちの店の場合、通常松屋式という抽出法を使うんですが、これには重大な欠点があるんです。
それは、どんなコーヒーでもうまくはいってしまって焙煎の欠点が隠されてしまうんです。 それと、腕によって味がおおきく違ってしまうため焙煎の微妙な差よりも抽出の差のほうが 影響が大きくなってしまうのです。
(これって、本当は松屋式の長所なんですがねぇ・・・・・)

(写真・コーヒーでドリップしている)

「超お気楽抽出法」
焙煎をチェックするための抽出ですから、まずくてもいいと思いました。
そこで、まったく蒸らしなし、沸騰したてのお湯でドリップしました。
(ちなみにお湯は、どばーーーーっという感じ注ぎます)
当然、コーヒーの粉はお湯に浮いちゃって成分が溶けてくれません。 そこで昔こった二度ごしをやりました。
(抽出液をもう一度、コーヒーの中を通すやり方)
二度ごしでも粉が浮くようなのでもう一度とおしてやりました。

そうしたら・・・・・・うまいじゃん!
てなわけで、カップテストは、一人用のコーヒーメーカーを使うことにしました。

いんちきドリップ法・取り扱い説明書

(写真・サーバーでお湯をさしている)

(写真・一度目注湯後のドリッパー)

お湯を”どばーーーっ”と注ぐ
コーヒーは、こまかく挽いてドリッパーにいれます。
粉は、平らにしても穴をほってもなんでもOKです。
人数分のお湯を沸かしたら、なーーーも考えずに”どばーーーっ”と 注ぎます。
(めちゃめちゃ大胆に、そしていいかげんに・・・)
お湯を細くだとかそんなこと考えずに、”どばーーーっと”がポイント!
ちなみに、一度目の注湯あとは、あり地獄のようにコーヒーの粉がすり鉢状に かべにくっついた状態になっています。
これは、コーヒーの粉がお湯に浮いた状態であった証拠です。
本来のドリップならば完全にダメなんですが、この抽出法ではたいした問題ではありません。

ドリップしたコーヒーをもう一度ドリップする
一度目と同じようにコーヒーの抽出液を”どばーーーっと”ドリップします。
簡単にいえば、コーヒーかすの中を2-3度抽出液を通すだけなんです。
そうすると、コーヒーの持っている嫌味などが最初にでてきても、 2-3度目にコーヒーかすの中を通したときにコーヒーのカスに嫌味なんかが 吸着されちゃってひじょーーーに飲みやすく”マイルド”になります。
ちなみに、ていねいにいれたコーヒーよりは、味がやっぱり落ちますけどね
(あたりまえかぁ・・・・・)
詳しくは二度ごしを試そうを参考にしてください。

こんなときに利用してください
この方法の1番オススメは、アウトドアです。
別に、サーバーが二つ必要なわけでなく、なべでも何でもいいんです。
2つのいれ物があればOKなんです。
それと、パーコレーターやなんかを持っていかずにすみますから 荷物が少なくてらくちんです。

この方法では、お湯が沸かせればあとは何もむずかしい操作がいらないので はじめての人でもコーヒーをたてたことのない人でも大丈夫です。
喫茶店ぐらいのコーヒーならばバッチリできます。
(ても・・・・できれば、真面目にコーヒーをいれてほしいなぁ・・・・)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

二度ごしを試そう

(まずくはいったコーヒーをおいしくする魔法です)

コーヒーの抽出の基本はうまみだけをとかして、不純物は粉のほうに残すことです。 ただ、どんな人にも失敗があります。失敗したときの復活の呪文のような裏技を説明します。
* ちなみに、コーヒーの値段と味は全く関係ありません。 どんなに高い豆でも、いやみは持っています。だから、高い豆を使えば、おいしくなるということは 断じてありません。コーヒーは、値段ではなく好みだけです。

写真・用意するもの

二度ごしをためそう

用意するもの
 ・サーバー 2個
 ・ネルフィルター 1個
 ・ふかいりでこまかびきのコーヒー 適当
 (ペーパーフィルターでも可能です。ただし、ペーパーで二度ごしを やる場合は、ひきをあまり細かくしないこと)

写真・コーヒーをいれている

コーヒーをいれる

普通にコーヒーをいれる場合、蒸らしが重要になりますが、この二度ごしの場合は、 蒸らしがなくてもうまくいきます。(つまり、いいかげんにいれても何とかなるという事) 粉を動かさないように、そっとお湯をさすとフィルターの目詰まりがおきにくくなります。

写真・一度目の抽出終了

一度目の抽出終了

ネルのドリッパーは、粉が詰まりにくいのが特長です。ペーパードリッパーの方が 粉が詰まりやすいので粉をあらく挽いてください。なぜ、ネルは粉が詰まりにくいかというと、 コーヒーを布の厚さでこすのに対して、ペーパーは紙の表面でこすからだと思います。

写真・二度目の抽出

二度目の抽出

抽出が終わったら、別のサーバーにドリッパーを移します。一回目の抽出が終わった コーヒーを使ってドリップをします。(つまり、だしがらにコーヒーを通すということ)
一回目が終わった状態で少しコーヒーを飲んで おくとおもしろいと思います。抽出したコーヒーを温めて 二回目の抽出をしないで下さい。コーヒーの温度が下がっていないと、 二度ごしはうまくいかないのです。ちなみに、飲むときは、なべなんかで コーヒーを温めてください。そのままでは、ぬるいです。

二度ごしの原理

この原理を説明しますと、一度目の抽出の場合、高温のお湯でドリップしてますから、 ものを溶かす力が強くうま味もしぶ味もとけます。
ところが、二度目の抽出の場合は低温で高い濃度のコーヒー水溶液で抽出することになります。 この場合、コーヒーの粉に残っている不純物はとけにくい成分のため、 高い濃度で低い温度の水溶液にはとける事ができないのです。 そのかわりに、コーヒーの粉の別の性質がでてしまうのです。 それは活性炭と同じ吸着作用を持っているということです。
不純物は吸着されやすいため、二度目の抽出の時、 不純物がコーヒーの粉に吸着されて飲みやすくなります。 ネルドリッパーの場合、コーヒーの粉が細かいので吸着作用が効果的に起こります。 (つまり、こまかくひくとコーヒーの表面積が大きくなって吸着作用がおおきくなる)
ちなみにこの吸着がおこるためには低温(60度以下)でなければなりません。 (活性炭の浄水器にお湯を通さないように注意書きがあるのは吸着作用は、低い温度でなければ 効果が弱く、逆に高温のお湯を通すと今まで吸着した物質がはずれて溶けだしてきてしまうからです。)
よって、二度目の抽出の際、コーヒーを暖めてから抽出するとおいしくなりません。
下の二つの器具も二度ごしと同じ効果があります。

誤解のないようにしてほしいのですが、おいしくはいったコーヒーを二度ごしすると 味は確実に落ちます。まずいコーヒーをうまくすることはできますが、うまいコーヒーを もっとうまくすることはできません。

写真・かるきちくん 

写真・セラミックドリッパー

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

超マニア用ドリップ法

大阪にヤスナガコーヒという会社があります。
そこの抽出法は、けっこうマニアックなんです。

ドリップ法
1.コーヒー粉(一人分10g前後)をネルまたは、ペーパーに入れセットする
2.一度沸騰したお湯を70度まで下げてドリップを始める
3.一回目のドリップするお湯の量は、全体の三分の一をゆっくり注ぎ、ふたをして 30秒待つ
4.二回目も中央から「の」の字にゆっくりとまわしながらドリップする。
その後、二回または三回にお湯を分けてドリップする

*下ポットにドリップされたコーヒーは、「香りと味」が花にたとえますと、 つぼみ状態になっているのです。
*飲むときは、必要量だけを強く沸騰してください。
そうすることで、花が開いた状態になるのです。
*残したコーヒーは、夕方(長時間経過後)になって、煮沸かしても 苦味のないおいしいコーヒーが飲めます。(香りは、減少する)
*コーヒーの一番高い香りが出てくる温度は、72度くらいといわれています。

ヤスナガコーヒ株式会社 パンフレット引用

この抽出法は、面白いと思いました。 これと松屋式ドリップと 百珈苑 さんの「湯の花を差す」というアイデアを使えば、コーヒーを挽いたときの香りをカップにいれるという 最高級のドリップ技術が一般の方にもできると思います。ちなみに、このやり方では松屋式の苦手な 一杯だしがうまくいきます。

必要なだけお湯をはかります
5杯分をつくる場合、5杯の目盛りまでお湯を 注ぎます。通常コーヒーをドリップすると2割程度 コーヒーの粉がお湯を吸うのでその分だけ余分に お湯を用意しなければなりません。 しかし、今回はあとで氷をいれて補充されるのであまり余分にお湯をいれなくても OKです。(ちょっと、多めのほうがいいですけどね)

ドリップポットに移して沸騰させます
完全に沸騰させてください。 他のやかんで沸騰させてもOKです。 なぜ完全に沸騰させるかというと、いつでも同じ温度にするためです。 この抽出法では、お湯の温度が一番重要なんです。

ドリップポットの中に氷を落とします
大体、一杯のコーヒーあたり冷蔵庫の角氷を1個ぐらいを目安にします。
ですから、5杯つくる場合は5個となります。
氷をいれただけ湯の体積が増えますが、この分がコーヒーの粉にとられる湯の量と 大体同じぐらいになるわけです。
この氷によって湯の温度さげるわけです。

温度の下がり方
10g の氷が溶けるときに奪う熱は
79.7*10=797cal
氷が溶け10cc の水が85度まであがるのに必要な熱量
85*10=850cal
2つの合計
850+797=1647cal
100cc のお湯を85度まで下げるには
15*100=1500cal
つまり、お湯に氷を入れることにより85度以下にすることができるのです。
ちなみに、氷の融解熱は、79.7(cal/g)
冷蔵庫の角氷1個の重さが約10g

一杯だし

三杯だし

抽出
抽出部分は、松屋式ドリップを参考にしてください。
松屋式と違う点は、コーヒーをペーパーにいれたときに、穴を深く掘らないでください。
なぜかというと、このドリップでは通常のドリップと比べて湯の温度か非常に低いのです。
その場合、コーヒーがあまりふくらまないので浅めの穴で十分なんです。
それと、蒸らしの時間は30秒で十分です。
松屋式の場合、人数分の半分でやめていましたが、この方法では 人数分抽出してください。(ドリップポットのお湯がなくなるまでさすと人数分になる)
これは、湯の温度をさげることにより嫌味の成分がでにくいからです。

一杯だしの場合
なべに直接抽出してください。(このほうが楽)
ドリップポットのお湯がなくなるまでドリップすればOKです。
そして、そのまま火にかけて温めてください。

二杯だし以上の場合
うけるものは、サーバーでも何でもOKです。
なぜならば、一杯だし同様、ドリップポットのお湯がなくなるまで抽出するから、 中身がみえなくても何ら問題がないのです。
コーヒーの保存を考えれば、ステンレスのドリップポットなんかは最適です。 (喫茶店でなければ、必要ないですが・・・)

必要なだけなべにいれて強く温めます
この抽出法の特長は、抽出されたコーヒーの温度が低いことです。(約70度前後)
そのため、必ず飲む前に温めなければなりません。
そして、この抽出法の特に優れている点は、香りの強さにあります。 ミルで挽いたときの香りをカップの中で再現させる事ができるのです。 これは、低い温度で抽出することによって、普通では飛んでしまう香りの成分も 飛ばずに抽出液の中に溶け込んでいるため、なべて強く温めたときその香りがでるためだと思われます。 それとコーヒーは、松屋式と同様に長く持ちます。

この抽出法の特長
この抽出法の特に優れている点は、香りの強さにあります。
ミルで挽いたときの香りをカップの中で再現させる事ができるのです。
これは、低い温度で抽出することによって、普通では飛んでしまう香りの成分も 飛ばずに抽出液の中に溶け込んでいるため、なべて強く温めたときその香りがでるためだと思われます。 それとコーヒーは、松屋式と同様に長く持ちます。

松屋式ドリップのほうが、一般の人にはうけがいいかもしれません。(飲みやすい)
・抽出して温めなおさずにすぐに飲める。
・コーヒー液が長く持つ。

それに対して、この抽出法はマニアに対してはうけがいいと思います。
(少し嫌味がはいりますが、味が複雑になった分だけおもしろみがでます)
香りに関しては、この抽出法のほうが優れています。
特に、一杯だしの場合はこの方法の方が優れていると思います。

個人的見解ですが、松屋式ドリップが白ワイン、今回の抽出法が赤ワインのような気がします。 つまり、どちらがいいのではなくて別の抽出技術のような気がするのです。

一杯だし専用ドリップポット

松屋式ドリップで一番むずかしいのが、一杯だしなんです。(他のドリップ法でも 同じですが・・・) なぜ、一杯だしがむずかしいかというと、普通に五杯だしをするときよりもお湯を 細くささなければならないからです。通常、ぼくたちプロが使う道具でも細くさすのが 難しいのに、ふつうのやかんではまったく無理です。
コーヒー業界発展のためには、一般の素人の方のための一杯だし専用のドリップポットが 絶対に必要と考え、巨費と投じ、一杯だし専用のドリップポットの開発に成功いたしました。 これを販売してもいいんですが、とりあえず個人でつくって使うのは許可しますので 試しにつくって使ってみてください。

用意するもの

・350mlのお茶などの缶(スチール缶の場合さびに注意
アルミ缶のお茶なんかオススメ)
・断熱材(水を吸わないものがベスト)
・ひも(断熱材をしばる)
・千枚通し(できれば、針が長いもの)

(写真・缶の側面に穴をあけている)

のみくちから千枚通しを使って穴をあける

のみくちの部分から缶の横に穴をあけます。このときに、内側から穴をあけるのが大切です。 これは、穴をあけたときのバリが外にでていないと都合が悪いからです。(バリがないと 缶の側面にお湯がつたってしまう)
このときの、穴の大きさでお湯のでかたが決まります。 ちなみに、スチール缶に穴をあけた場合、穴の部分がさびてきます。

(写真・のみくちのふちに穴をあける)

のみくちのふちに穴をあける

お湯を缶に注いだときに缶の上にお湯がどーーしてもたまってしまいます。
(うちの店で使っているドリップポットならば全く缶の上にお湯がたまらない ように注ぎいれることができます。ただし、ドリップポットを持っている人は こんなもんつくらないと思いますが・・・)
そのたまったお湯を缶の中に落とすための穴です。 この穴をあけておかないと、いざコーヒーをいれようと缶を傾けたときに、上に たまっているお湯がドバッと落ちてきてしまいます。それを防ぐための穴です。
水抜き穴の秘密!

(写真・缶に断熱材を巻く)

断熱材を缶に巻く

缶の中にお湯をいれるわけですから、そのままでは手で持てません。 試しに使ってみるぐらいでしたら軍手を二重にして缶を持って使ってください。 しかし、熱湯を使うので軍手をはめている状態で熱湯がかかればやけどをしてしまいます。 (熱湯がかかったときに、軍手が簡単にはずせなくて 大やけどの可能性もありますのでおすすめできません。)
安全と使いやすさを考えると、断熱材を缶に巻いてひもでしばる方法のがいいと思います。
このとき、断熱材は、お湯がしみこまない材料を使います。 そうしないと、お湯を缶にいれるときにこぼすと、断熱材にお湯がしみこんでしまい 缶を手で持てなくなってしまいます。

一杯だし専用のポット
50ml/min 

普通のドリップポット
114ml/min

一杯だし専用ドリップポットの使い方

(写真・お湯を缶にいれる)

ドリップポットにお湯をいれる

沸騰ポットか、もしくはやかんからドリップポットにお湯をいれる。 このときに、缶の上部にお湯がたまったら、缶を斜めにして 水抜き穴を利用して水を抜いておきます。 (これをしておかないと、傾けたときにたまっていた水がコーヒーの上に落ちてしまう)

(写真・ドリップをしている)

コーヒーをドリップする

コーヒーのいれ方は、一杯だしの極意や 松屋式コーヒーのいれ方教えます を参考にしてください。一杯だしの基本は、お湯をいかに細くさすかに尽きます。つまり、お湯を 細く差すことができれば、一杯だしも、むずかしいものではなくなります。(お湯を細く差すことにより 一杯だしでも、コーヒー液が濃くでて不純物がとけにくくなる。)

もし、お湯を細くだしたときにお湯が缶をつたうようでしたら、千枚通しをお湯のでる穴に差し込んで バリを水平方向に持ち上げてください。(千枚通しが缶の底と平行になるぐらい)

(写真・濃いコーヒーを薄めている)

うすめてできあがり

松屋式ドリップの場合、濃いコーヒー液をだしておいてお湯で薄めます。 このとき、このドリップホットは、お湯が細くでる注ぎ口とたくさんでる注ぎ口 の二種類もっており、薄めるときは、たくさんでる注ぎ口を使います。 (簡単にいうとフツーの缶の飲みくち)
好みの濃さに薄めたらできあがり。

一杯だしの極意

(写真・蒸らし作業)

一杯だしはむずかしい?

はっきりいって、一杯だしはむずかしいです。松屋式のドリップで五杯だしで説明しているのは 簡単だからなんです。 (詳しくは松屋式コーヒーのいれかた教えますを参考にしてください)
五杯だしで3週間にごらないコーヒーをつくるのは自信がありますが 一杯だしで一週間にごらないコーヒーをつくるのはちょっと自信ないです。 プロがそんなんですから、素人の方が一杯だしをやるのは結構大変なんです。 ただし、素人の方の場合はそれほどたかいレベルを求めているのではないので 試しにやってみておいしくはいったらめっけもんというつもりでやってみてください。 たぶん、うまくいくはずです。

(写真・3分間の蒸らし作業)

一杯だしはなぜむずかしい?

コーヒーの抽出で重要なことは、うまみの成分だけを溶かして渋みの成分はコーヒー豆の中に 残すことです。そのときに使われる原理は、
・うまみは溶けやすく渋みはとけにくい。
・うまみは、高い濃度の水溶液中にも溶けることができる。
・渋みは、低い濃度の水溶液にしか溶けることができない。
これが、ドリップの基本原理なんです。五杯以上のコーヒーをだす方がドリップが簡単なのは、 高い濃度の水溶液(コーヒー液)を作りやすいからです。

(写真・コーヒーを40ccづつ、ビーカーに分けてだす)

一杯だしでは、コーヒーを何グラム使うべきか

うちの店では、コーヒーは一杯(120cc)あたり10gと指導しています。 一杯だしの場合でもコーヒー豆のうまみの量は一定ですから10gでいいはずです。 しかし、そうは甘くありません。なぜならば、10gのコーヒーを使ってコーヒーを だすと高い濃度の水溶液(コーヒー液)が出しにくいのです。そのため、うまみと渋みが 混ざったようなコーヒーになってしまうのです。それを防ぐ簡単な方法がコーヒーの粉を15g使って 一杯だしを行うのです。そうすると、最初の40ccが非常に濃くだすことができて 渋みが溶け出すのを防ぐ働きをしてくれます。

(写真左の試験管3本・15gのコーヒーを使ってだす)
(写真右の試験管3本・10gのコーヒーを使ってだす)

参考実験

この試験管のコーヒーは、左側3本が15gのコーヒーを使って3個のビーカーに40ccづつだした コーヒー液です。右側3本は、同様に10gのコーヒーで作ったものです。
(どちらも、内側から外側に抽出している)
写真でみるとわかるように左の試験管の方が明らかに濃くでています。 特に、最初のコーヒー(左から3番目)は濃いのがわかると思います。 コーヒーをいれるのがうまいかへたかの違いは、前半でいかに濃い成分をだすことが できるかなのです。
つまり、3個のビーカーのコーヒー液の濃度の差が大きいほどじょうずに コーヒーがはいったということなのです。

(写真・お湯がいきわたった状態)

コーヒーのいれかた(一杯だし)

・15gのコーヒーをペーパーにいれる
・粉のひきは普通びきぐらい
・軽く穴を掘る
・まんなかにお湯をていねいにできるだけ細くさす
・粉にお湯がいきわたったらお湯をさすのをやめる

(写真・ていねいにお湯をさす)

抽出

・できれば、3分間の蒸らしをする (めんどくさいときは、1分でもよい)
・お湯をためないように気を付けながら細く湯をさす
・コーヒーが、50ccから70ccぐらいまででたら やめる(この量は、自分で何度も試して決めてください)

(写真・好みの濃さに薄める)

好みの濃さに薄める

抽出したコーヒー液をスプーンなどでなめてみて、いやみがでていなければ成功です。
沸騰したお湯をカップに注いで薄めてください。好みの濃さに 薄めれば出来上がりです。

(写真・急須を使ってコーヒーをだす)

番外編

基本的に一杯だしは、お湯をいかに細くさすかが問題になります。この一杯だしでは ドリップポットというどちらかというとプロの道具を使いました。(通販で売っています)
しかし、普通の人はそんなもん持っていないと思います。 そこで利用してもらいたいのは、急須なんです。
やかんでお湯を沸かして急須にお湯を移して使うのです。 急須を使うとけっこう細くお湯がさせます。 とりあえずは、急須を使ってコーヒーをだしてみてください。

(写真・一杯だし専用ドリップポット)

一杯だし専用ドリップポット

一杯だしの極意は、いかにお湯を細くだすかにいきつきます。
つまり、いかにお湯を細くコントロールするかが味を決めるといっても 過言ではありません。
そこで、素人の方でもお湯が、細くコントロール できる装置を開発しました。
詳しい説明は一杯だし専用ドリップポットを みてください。
ちなみに、このドリップポットの特長は、
・水量が非常に安定して一定である(穴の位置から水面までの高低差が変化しにくい)
・お湯が口から斜め下に落ちる構造でお湯の落ちる位置をコントロールしやすい。
・ドリップポットの重心が手のひらの中にありドリップポットの重さが傾きを変化させるように 働かない(ドリップ中に疲れて湯が多くでることがない)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

コーヒーゼリーができるまで

なぜ、コーヒーゼリーを試食してもらうようになったかといいますと、
うちの店に遊びにくる女の子にこんこんと説教されたのが始まりなんです。
(なぜか、二十歳そこそこの女の子に頭が上がらないのです。)
その女の子にコーヒーゼリーを作ってあげたらめちゃくちゃ感動してくれて
「これは宣伝になるからもっとまじめにつくらなくっちゃあだめだょー」 てなこといわれて、 その気になって毎日作るはめになったんです。
できるだけ簡単につくるために考えたのが今回のアクリル板のふたなんです。
結構単純な構造なんですが、めちゃくちゃ優れものなんです。
「コーヒーゼリーも作っちゃおう」のページに基本の作り方が最初から書いてあります。
このページで紹介するのはそれの改良版です。(前半部分はどちらも同じ)

試食用コーヒーゼリーのできるまで

もとになるコーヒーをいれる方法は「松屋式コーヒーのいれかた教えます 」を読んでください。
準備する物やゼラチンとコーヒーをまぜるあたりは コーヒーゼリーも作っちゃおうを読んでください。

そして左の写真はきゅうすでコーヒーをグラスに注いでいるところです。
きゅうすの茶漉しでこすとグラスに泡が入りません。

グラスをトレイにならべます。

グラスにコーヒーゼリーの液をいれます。
コーヒーゼリー用に新しく手に入れたグラスです。 今まではプラスチックの容器で作っていましたが、これはかなりおしゃれです。 ぜひ一度お店に来て試食してください。
(ちなみに、このグラスは冷酒用のグラスで宴会のときも大活躍です)

トレイにアクリル板をのせます。

アクリル板の蓋がトレイにのるように細工してみました。 この方法だとグラスも出し入れしやすいのです。 そして、アクリル板の蓋はすぐにはずして洗えるので便利!

冷蔵庫で冷やします。

アクリル板の蓋をつけたままトレイを冷蔵庫に入れます。固まればできあがりです。
結局、毎日やる仕事なのでできるかぎり手軽に作れなければなりません。
そのためにはどうしても、このアクリル板の蓋が必要だったのです。
もともと、このアクリル板の蓋のアイデアができたからコーヒーゼリーの試食を やる気になったんですけどね。
みなさん。お店まで食べにきてください。
けっこう、うまいはずです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

コーヒーゼリーもつくっちゃおう

準備する品々

・アイスコーヒー(ゆかた美人・挽きは粗め)50g
・ゼラチン13g(650ccの水を固めることができます)
・きゅうす・Vポット(ゼリーの原液を小分けするとき泡をこすのに使います)
・サーバー・2ヶ(コーヒー抽出用とゼラチンを溶かすのに使います)
・ゼリーカップ(7個できます)

ゼラチンを水にひたします

水を150ccサーバーA(ゼラチン溶かし用)に入れ、水を動かしながらゼラチンを振りいれます。
(水を動かしながらゼラチンを入れるとサーバーにゼラチンがくっつかなくて済みます。)
これを最初にやっておいてアイスコーヒーを抽出するとちょうどコーヒーが できたぐらいにゼラチンがしっかりとふやけるのです。

この段階で、別のサーバーB(コーヒー抽出用)を使って
アイスコーヒーを抽出します。
ポイントとしては、
蒸らしを3分以上とること
抽出量は人数分の半分ぐらい(250ccから300ccぐらい)にすること
詳しくは、松屋式コーヒーのいれかた教えます を参考にして下さい

ゼラチンとコーヒーをまぜます

抽出した濃いコーヒー液・・・・・ (しっかり蒸らしてていねいにコーヒーを抽出すると人数分の半分ぐらいまでにコーヒーのうまみをすべて抽出することができる)
人数分にのばす前のコーヒーの原液。
粉にもよるが、このあとお湯で薄めればホットコーヒー。
水で薄めればアイスコーヒーになる)

抽出した濃いコーヒー液をゼラチンのふやけたサーバーAに入れます。
コーヒー液の温度が65度前後あるのでゼラチンを溶かすのには十分の温度となります。
甘みをつける場合は、濃くてあたたかいコーヒー原液に砂糖を好みの量だけいれます。

竹べらなどでまぜます

コーヒーが熱いのでゼラチンは簡単にとけてくれます。
ゼラチンをしっかりとふやかしておくとけっこう簡単に溶かすことができます。
ちなみに、サーバーの底にゼラチンが残りやすいので サイフォンで使う竹べらか割る前の割り箸を使ってかきまわすとサーバーが 傷つかずに済みます

水で薄めて650ccにします

ちょっと早く作りたい時は角氷を3個ほど入れてかきまぜ、氷がとけてから650ccまで薄めます。
(この650ccという部分はできるだけ正確に)
この650ccが重要となります。
つまり、ゼラチンを正確に13gに小分けしてあるのでできあがりが 正確に650ccにすれば必ずうまくいきます。
(ぷるるん状態のゼリーになります)

泡をとりのぞきます

きめの細かい茶こしのはいったきゅうすの中にゼリー液を入れます。
ゼラチンを溶かすときにどうしても泡立ってしまいます。
その泡をきゅうすの茶漉しでこすわけです。
(このとき、泡だけでなくゼラチンの溶け残りもこすことができます。)
こうするとゼリー液の泡はゼリーカップにまったく入りません。ここがポイント!

ゼリーカップにいれ分けます

このきゅうすでゼリー液をいれ分けるとけっこう簡単に泡の浮いていないゼリーができあがります。
きゅうすならば、カップに注ぎやすいしカップに入れてから泡を取り除くのよりめちゃめちゃ簡単です。
(きゅうすをコーヒーゼリーに使うアイデアはけっこう気にいっている)

できあがり

蓋をつけて、冷蔵庫で2~3時間冷やしてください。

コーヒーの抽出技術によって味が決まり、食感は、ゼラチン13gに対して650ccという比率を間違えなければ 大丈夫です。
必ず硬すぎず柔らかすぎずのちょうどよい硬さになるはずです。
あとは、ミルク、シュガーシロップ、ホイップクリームなどをそえてお召し上がり下さい。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

松屋式ドリップの弱点

先日、うちのお客さんであるアップファーレン の樋山さんから質問がありました。 樋山さんは、松屋のいれ方のファンで、自宅でも松屋式でコーヒーを入れているんです。
いつもは、浄水器を通した水を使ってコーヒーを入れていたんですが、 たまたま、水道水でコーヒーを入れたんです。 そうしたら、コーヒーメーカーで入れたコーヒーよりもまずいコーヒーになったらしいんです。 その、理由が知りたいというわけです。
とりあえず、店で実験をすることにしました。

実験方法

  1. 水道水を沸かしてコーヒーをいれる
  2. 人数分の半分までコーヒーをだしてやめる(松屋のいれ方参照)
  3. 二つの、カップに原液を半分づつ入れる
  4. ひとつは、沸かした水道水でうすめ、もうひとつは、浄水器を通した水を沸かして薄める

結果

この二つを飲み比べると、あきらかに違いがあるんです。
水道水で薄めたほうは、確かにコーヒーメーカーで入れたコーヒーよりまずいぐらいです。 しかし、浄水器の水で薄めたほうは、いつも、浄水器の水でコーヒーを入れているのと、 そんなには変わらないんです。
このコーヒーの原液を飲んでもあまりいつもと変わった感じは、ありませんでした。

結論

コーヒーの原液がまずくないのに、そのあと、水道水で薄めたコーヒーは、まずい。
ということは、原因は、薄めた水ということになります。 抽出の段階で水道水を使っているんですからコーヒーの原液もまずくなければ、いけません。 実際には、それほど、まずくない。つまり、コーヒーの抽出で水のまずさが消えたことになります。
多分、コーヒーを入れるときに、コーヒーが活性炭として作用して、 水道水に含まれているカルキを取り除いてしまうのではないでしょうか。 (浄水器ほどの、能力はありませんが)
コーヒーメーカーを水道水で動かすと、カルキはコーヒーがとってくれてそこそこ飲めるコーヒーに なります。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

40杯だしアイスコーヒー抽出法

このアイスコーヒーのいれかたは、一回の抽出で4500ccつくることができます。
喫茶店など業務用で アイスコーヒーをたてるのに非常に都合の良いいれ方だと思います。
うちの店ではイベントでアイスコーヒーを頼まれたときなどに40リットルぐらい つくったことがありますが、やってみるとそれほど大変なもんではありません。
(それだけやるとあきてきちゃいますが・・・・)

写真・コーヒータンクにペーパーをセットします

コーヒータンクには、1000ccと4500ccのところにあらかじめマークがうってあります。
(当然、自分でマークをうったものですが・・・)
コーヒータンクの中に、氷もしくは水を1000ccのマークのところまでいれます。
(氷の中に抽出するとアイスコーヒーの持ちが良くなります)
コーヒーはアイスコーヒー用をあらびきで400g用意します。
お湯は3000ccきっかりをやかんなどで沸かしておきます。

写真・蒸らし

蒸らしは松屋式ドリップと同じで3分間です。
この蒸らしのポイントは真中にお湯をいつまで さすかです。サーバーのように下がガラスの場合コーヒー液が下に落ち始めたのがわかりますが、 コーヒータンクのような中がみえない容器ではわかりません。
慣れてくると、お湯をずーとさしていると コーヒーの粉の膨らみ方が一瞬強くなります。
そのときに、コーヒー液がコーヒータンクのほうに 落ち始めて周りにお湯をかけ始める合図になります。
蒸らし時間は、3分間です。

写真・抽出

粉を動かさないように気をつけてお湯をさします。
特に、お湯をさしすぎると泡がちょうど火山の 噴火のように噴出してきます。
これがおこると、水がとおる道ができてしまってその後の抽出が 難しくなります。
その兆候がでたら、お湯をさすのを少しの間やめてからていねいにお湯をさし始めます。
そして、3000ccのお湯全部がさし終わったら抽出は終了です。

写真・あくとり

コーヒー液の上に浮いている油などをあくとりを使って取り除きます。
最初に氷や水を入れておいたのでコーヒー液はさほど熱くはありません。

写真・水や氷をいれて出来上がり

すぐにアイスコーヒーとして使う場合は、4500ccの目盛りのところまで氷をいれてかき回します。
普通に水で薄めて冷蔵庫で保存して大丈夫です

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

ポットコーヒー抽出法

基本的には、松屋式ドリップの理論を使っています。 喫茶店などのランチ時に大量にコーヒーが必要なときや 会議やイベントなどで大量に一気にコーヒーが必要なとき、つくりおきするのに非常に便利な 技術です。半日ぐらいは味が落ちませんので、喫茶店などプロの方が利用するのに向いていると 思います。

写真・蒸らし

コーヒーの粉は、150g使います。ひき方は、あらびきです。 ドリップポットに1000ccのお湯を用意します。 全体にお湯をかけたら、3分間の蒸らしをします。(松屋式ドリップを参考にしてください)

写真・抽出

粉を動かさないよう気をつけてお湯をさします。ドリップポットのお湯がなくなるまで ずーとお湯をさします

写真・抽出終了

お湯をさし終わったらすぐに金枠をはずします。これでコーヒーの原液はできあがりです。

写真・コーヒーを薄める

沸騰したお湯をサーバーにいれて竹べらなどてかきまわします。 これは、ポットの中に原液を入れてからかきまわすよりもサーバーの中で かきまわして混ぜたほうが簡単だからです。

写真・コーヒーをポットにいれる

ポットはお湯をいれて温めておきます。
ポットのお湯をすてて、サーバーのコーヒーを全部注ぎます。 (このサーバーのコーヒーの量では、ポットはいっぱいになりません)

(写真・竹べらでかきまわす)

かきまわしてできあがり
沸騰したお湯をポットの口元までいれます。(ポットの容量は2.2L) 竹べらなどでかきまわして混ぜて出来上がりです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)