ペーパーはオイルを吸着するか

コーヒーの業界って・・・
けっこう常識に縛られています
しかし・・その常識が絶対かどうかは別問題です
ぼくの中でずーーーーっと不思議たったこと・・・
「ペーパーはコーヒーオイルを吸着する」
外国のえらい人がいったのが始まりみたいなんですが・・・
どんな実験をやってそうなったかは・・・ぼくたちコーヒー屋も知らない
ただ・・・その言葉だけが独り歩きしている
そこで実際に吸着するのか実験してみました

実験方法
あらびきのコーヒー10gに150ccでプレスを使います
(抽出法はフレンチプレスのたて方を参考に)
抽出時間時間は3分間です

フツー・・・だだフツーに抽出しただけ
しっかり油が浮いている

ペーパー・・プレスのフィルターにペーパーを取り付けて抽出したもの
やっぱり油が浮いている

ろ過・・・・ペーパーフィルターで抽出したものをろ過したもの
表面に油は浮いていない

ペーパーを使う
プレスのフィルター部分に丸いペーパーを取り付けて抽出する
ペーパーの吸着が本当ならば油は浮かないはずです
しかし・・実験の結果は見事に油が浮く
どうもペーパーでコーヒーオイルが吸着されるというのは
違うような気がする
単にフレンチプレスの優位性を語るのに
使われただけだと思う
まぁ・・・この程度のうそにだまされたぼくたちコーヒー屋も問題ですけどね

ペーパーフィルターでこす
フツーにプレスで抽出したものを
ペーパーフィルターでこしてみました
これは微粉がこせるだけでなくオイルもしっかりこせました
つまり・・カップのほうにはオイルが入りません
そして・・カップにはいったコーヒー自体がまずいのです
酸味が強くでたりしてバランスが大きく崩れるのです
これがペーパーよりもプレスのほうがいいという根拠となっていったんだとおもう

実験の結論について
すごくシンプルな結論ですが・・・
ペーパーも単なるフィルターと考えたほうがいいと思います
プレスのようにフィルターに圧力がかかる場合はオイルもとおります
(微粉は隙間をとおるんだと思う)
吸着とかは関係ないのです

本来・・・水と油は混ざりません
(だから・・・浮くんですけどね)
当然・・・ペーパーに油を塗っておけば水は通りません
逆に水にぬらしたペーパーだと油がこせません
(ちょっと・・・当たり前っぽい話・・)

つまり・・・
ペーパードリップでは最初にペーパーが水で濡れます
その状態では油は通れなくなります
そのため油はカップのほうに落ちないのです
しかし・・・圧力がかかった場合は話が別です
プレスのように圧力がかかればオイルもペーパーの隙間を抜けるのです
(結論としては・・・当たり前)

この考えでいくとペーパーフィルターでオイルが浮く条件は一つしかないと思います
粉に対して強いかくはんを起こしてやること
こうすれば軽いオイルもペーパーフィルターまで達することができるし
お湯の勢いがよければペーパーフィルターを通る圧力が生まれることになります
ただし・・・この抽出法がうまいかどうかは別の話です

それから・・・
プレスでたてたコーヒーをペーパーフィルターでこすと味が全く変わります
ペーパーフィルターでドリップしたコーヒーをこしても味は変わりません
これはプレスという器具がオイルと微粉に味を大きく依存する性質をもつというだけで
これは長所でも短所でもないのです
単なる特徴なんです
逆にドリップはドリップの特徴があるわけです
だから・・・どちらの抽出法がすぐれているというわけではないのです
ただし・・・人によって好き嫌いはあってもかまわない気がします

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

めちゃめちゃうまい!プレスのいれかた

まず・・・知らねばならないのは・・・
プレスはコーヒーのすべてを溶かしているわけではないということです
もっというと・・・非常に抽出器としては未完成なものであるということです
抽出の完成度としてはドリップ式のほうが完成度も高いし
成分の選択性もあるので優れていると思います
しかし、プレスにはどの抽出器にも無い優れている点があります
それがよくいわれるオイル感です
これは残念ながらドリップではだせない成分なのです
ただし、ドリップでも強いかくはんを起こせばだすことができます
しかし、その場合は雑味感も強くでるので通常はやりません

1.プレスと松屋式ドリップ

2.お湯をさして蒸らしの状態

3・ふたつを混ぜて完成

めちゃめちゃうまい!プレスのいれかた
1・器具を用意する
松屋式の器具とフレンチプレスを用意します
フレンチプレスの入れ方はフレンチプレスのいれ方を参考にしてください
松屋式抽出法は松屋式ドリップを極めるを参考にしてください
このいれ方は松屋式の長所もプレスの長所も理解せねば意味がないのです

2・コーヒーの粉をいれて蒸らしにはいる
松屋式の蒸らしにはいってからプレスの蒸らしをやるぐらいでいいと思います
実際にどちらの抽出法も少しぐらい蒸らしが長くでも味に影響はありません
もし・・・味がおかしいようでしたらそれ以外の問題があるとおもいます

3・できあがったコーヒーを混ぜる
松屋式ドリップのほうはうまみが溶けたところでやめます
つまり・・・抽出は人数分の半分の量でやめるというのが大切になります
この松屋式で大半のうま味を溶かしてプレスでオイル感を溶かすのです
そして、そのふたつを混ぜることにより
ドリップでもできずプレスでもできないコーヒーが出来上がるわけです
ただし・・・この味がぼくが研究している「アポロ」と味の性質が似ているんです
ということは・・・・「アポロ」はプレスと同じようなオイル感を
溶かすことができる可能性があるということです

実際にはまだ仮説でしかありませんが・・・・

プレスを押し下げだ濃いコーヒー

松屋式の濃いコーヒー

ふたつのコーヒーの比較
(松屋式のほうが圧倒的に濃く出ている)

ふたつの抽出法の違いについて
写真でみてわかるようにプレスでたてたコーヒーは明らかに薄く濁っています
松屋式のような透明感のある濃い黒ではありません
つまり・・・プレスという器具は濃くだすことは苦手なのです
だから・・クリアな味が得意なスペシャリティーに評価されるのです
(それとプレスは焙煎の失敗がわかりにくいという欠点を持つ)
そのかわり・・・素人でも少し覚えれば簡単にコーヒーがたてられるよさがあります
そういう意味では家庭用の器具ですから仕方ないのです

とにかく再三いうようですが・・・プレスは濃くだすための器具ではないのです
オイル感を楽しむ器具なんです
(これだけで十分価値があると思う)

それに対して松屋式は喫茶店の抽出を基としています
つまり、技術を持っていることを基本としているわけです
その分・・・うまいへたがでやすいという欠点があります
ただし・・プロの技術である味の選択性を持ったとしても
オイル感というものは松屋式では絶対にだせないのです

その全く性質の違うふたつの器具でたてたコーヒーを混ぜるとどうなるか・・・・

プレスの物足りなさを松屋式のクリアなうま味がカバーしてオイル感のあるクリアーで
ミルクにも負けない最強のコーヒーができるのです
味が「アポロ」似ているのが一番の特長です

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレンチプレスの改造

現在売られているフレンチプレスは・・・
アミの部分が細かいことと・・・
アミが平らであること・・・
この2点が気になります
これは・・・
プレスが単なるロカキとしてしか考えていないからいです
(別にそれでよければいいんですけどね)

それで・・・ぼくなりに改造してみました
ちなみに・・抽出の基本はフレンチプレスのいれ方 を参考にしてください

左・通常 右・つくったアミ

アミのアップ

フレンチプレスのアミをかえる

プレスの抽出で微粒子感はコーヒーの微粒子が原因ではなく
コーヒーのかくはんが原因であると考えています
つまり・・コーヒーの微粒子などはカップの中に入っても何も問題はないのです
それと・・・コーヒーの微粒子はロウ質の部分ではなく
コーヒーの豆の内部の部分であることが多く豆の内部は水を吸いやすく
カップのそこにすばやくとごってくれて飲みにくさには関係がないと考えました
そう考えれば・・・ガスが抜けやすい程度の荒いアミのほうが有利です
そこで茶漉しをばらしてつくってみました

ガスもスムーズに抜けて非常に調子いいです

アミのバルーン

ガスを外に逃がすためのもの

アミのバルーン
コーヒーの粉を水面よりも下に押し下げる部分のアミです
これは下に凸の状態にアミをしてあります
これは・・・コーヒーからでたガスを抜くときに 容器との接触部分が一番抜きやすいからです
そのためにガスが外へ逃げやすいようにつくりました
ガスができるだけ短時間で抜ければ抜けるほどお湯とコーヒーが接触しやすくなります
いかにスムーズにガスを抜くか・・・
この工夫がプレスを発展させるかどうかの鍵となります

ちなみに・・・このアミのバルーン構造は・・・
ぼくが20年前に発明したサンドイッチ抽出法で使った技術です

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレンチプレスのいれかた

フレンチプレスとは・・・
浸漬法の代表的な抽出法です
粉とお湯がずーーーっと接触した状態で抽出されます
オイル感や微粒子感が特徴です
・・・実は僕はこの器具が大嫌いでした
イロイロなサイトに書かれている抽出法を試しても全くうまくない
どう考えても・・おかしい・・・
そこで・・・自分独自の抽出方法を編み出すことにしたのです

1・お湯をいれる

2・粉をいれる

3・ふたをセットする

フレンチプレスのいれ方

1・お湯を入れる
これは・・・コーヒーを入れてからお湯を注ぐのではなくて逆なんです
つまり・・・お湯を先に入れてからコーヒーの粉を入れたほうが
コーヒーに対して物理的な刺激が少ないと考えたからです
ちなみに・・・このやり方は浸漬法とはいえない気がします

2・コーヒーの粉をいれる
粉のひきは荒くします
粉の量は一杯あたり8-10gぐらいでいいと思います
このいれ方はあまり濃くださないほうがいいです

3・ふたをセットする
単純にふたをきせるだけです
このときにフィルター部分はいちばん上に上げておきます

4・水面より下に押し下げる

フィルター部分のアップ

5・できあがり

4・フィルターを水面より下に押し下げる
ここがいちばんのポイントになります
つまり・・・コーヒーの粉からでるガスをスムーズに抜いて
コーヒーの粉とお湯が確実に接触する方法は
ゆっくりとフィルターを水面よりも下まで押し下げることなのです
こうすれば
コーヒーからでるガスは泡となってフィルターの隙間から抜けてくれます
そして、コーヒーの粉にお湯が進入して抽出できる状態に自然になるわけです
ですからコーヒーの粉は必ず泡が通れる程度の荒さである必要があるわけです
(細かいとコーヒーからでた泡が抜けられずにコーヒーとお湯の接触の妨げになる)
そして・・・この状態で3分から5分程度待ちます
このやり方ではコーヒーの粉に物理的な刺激を与えていないので
10分以上置いておいてもなんら問題ありません
(粉が浮いた状態でもかまいません)

5・フィルターをゆっくりと押し下げます
コーヒーの粉が浮いた状態だとフィルターを押し下げるにつれて・・・
コーヒーの粉の間をゆっくりと流れることになります
これは、ちょうどドリップの逆になるわけです

そして、コーヒーの持っているオイルは確実に上にあがってくれます
普通にかくはんする方法と比べると粉っぽさが全く出なくて
非常に飲みやすいコーヒーができあがります

とりあえず・・・フレンチプレスでの抽出ではこれがいちばんきれいな抽出法だと思います
(もっと良い方法がみつかるかもしれませんがね)

ちなみに・・・このときのフィルターは金属である必要があります
ペーパーやナイロンではなく金属でなければなりません
これはオイルを吸着するとかではなく
コーヒーからでたガスが金属のあらいフィルターのほうが抜けやすいからです
そしてこのガスが抜けてくれないとコーヒーの粉とお湯の接触を妨げてしまうからです 

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)