あさいりで水だしコーヒーをつくる

水だしコーヒーは、ふかいりの豆を使うというのは、コーヒー屋としては、
常識のようなものなんです。コーヒーを抽出するとは、
うまみの成分と渋味の成分をわけることです。
もっと簡単に言うとうまみの成分は
、溶かして渋味の成分は粉の中に残すということです。
水だしコーヒーは、うまみと渋味をわけることができないので、
渋味の成分のすくない、ふかいりの豆を使うのです。
なぜ、渋味までででしまうかを説明すると

  • 一滴づつコーヒーの粉に落ちた水は、うまみを溶かして下の方へ流れ落ちていく。
  • 上の方の粉は、うまみを溶かし終えたあと、渋味を溶かし始める。
  • 松屋のいれ方のひたひた状態で抽出ができないときは、渋味が溶け出す。
    これと、同じ事が水だしコーヒーでも起こる。
    (松屋のいれかた参照)

これが、水だしコーヒーであさいりを使わない理由です。
つまり、あさいりの豆を使うと、どうしても渋味がでてしまう。
これを、防ぐためには、ふかいりの豆を使うしかない。
これを、証明するために実験をしてみました

実験
あさいりのコーヒーを水だしコーヒーの器具にセットします。
(粉は、こまかびきでむらしは、穴をほってお湯でやってください。松屋のいれかた参照)
水を一滴づつ落として、でてくるコーヒーをスプーンにとってなめてみる

結果
予想と反して前半では、うまみしかでませんでした。
水を落とすスピードと味は、あまり関係がなく
せいぜいうまみが溶け終わるまでの水の量が違うだけでした。
(はやければ、コーヒーが多く出たところで渋味がでてきます。
おそければ、逆に落ちてくるコーヒーは、濃くて少ないところで渋味がでてきます。)

結論
水だしコーヒーは、こまかびきの粉を使います。
ここに、水出しのポイントがあります。
コーヒーの粉の保水力は、粉をこまかくすればするほど、高くなります。
実際、はかってみますと、水だしコーヒーが動いているときの
コーヒーの粉がもっている水の量と、松屋式でコーヒーをいれている時の
粉が持っている水の量が、ほとんど変わらないんです。
つまり、一滴づつ水を落としているのにもかかわらず、
松屋式でいう、ひたひた状態を水だしコーヒーは、つくっているのです。
そのため、うまみが溶け終わってから渋味が溶けるという松屋式の抽出と、
同じ事が水だしコーヒーでもおこるのです。
つまり、水だしコーヒーでもあさいりの豆が使えるということです。
そのかわり、人数分抽出するのではなく渋味がでたらそこでやめてあとは、
薄める必要があるということです。
そうすれば、おいしくて長もちするコーヒーが簡単にできます。
(この原理を使って作ったのが氷だしコーヒーです。)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしコーヒーの器具をつくろう

準備する品々
ペットボトル、コーヒーサーバー、きゅうす
ひもかガーゼか手ぬぐいか

コーヒーの粉をしめらせます
カリタのドリッパーに細かくひいた深煎りのコーヒーを入れて
普通の蒸らしの様にお湯をかけます。

本来は水で練って空気を抜く作業をするのですが、
これがなかなか面倒です。
ガス抜きで一番手っ取り早いのは
お湯をさして水蒸気をコーヒーの粉の中に入れ、
炭酸ガスを追い出す普通のドリップ式の蒸らしです。
簡単なので今回はそのやり方でいきます

コーヒーの粉の上に丸いロシをのせます
しっかり蒸らした後(3~5分)の粉の上に丸いロシをのせておきます。
水出しコーヒーの場合は、一点に集中して
水が落ちるので水を分散させるためです。

...

等速滴下装置 「まじめなポタ君」
水の入ったペットボトルを適当なきゅうすにひっくり返してつっこみます。

きゅうすの中にひもを入れ、きゅうすの口からひもを出します。

ひもの長さを調節して、1秒間に1滴程度に調節します。
(ひもの長さを長くすると水の出るスピードが早くなります)※この装置はきゅうすの水位とひもの長さで水滴のスピードが決まります。 きゅうすの水位が下がると自動的にペットボトルから水が入りこんで きゅうすの水位を一定に保ってくれるのです。

簡単な作りでありながら高級なウォータードリッパーのように
最初から最後まで一定のスピードで水滴が落ちるスグレものです。

できあがり
一定量のコーヒーがでたらできあがり。
ウォータードリッパーは一度も温度変化にさらされていないので
けっこう長持ちします。
ホットにしてもアイスにしてもOKです。
もともと深煎りのコーヒーを使った理由は
浅煎りだと嫌味がでておいしくないからです。
低い温度で抽出しても時間をかけると嫌味は溶け出すようです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)