氷だしコーヒー再研究・・・

氷だしコーヒーとは・・・・
基本的には、水だしコーヒーの変形みたいなもんです
通常の水出しコーヒーはコックなどを使って一滴づつ水が落ちるように調節します。
いますが、氷だしコーヒーは氷の溶けるスピードを利用して
ゆっくりとコーヒーに水を供給するのです。
まぁ・・・ 誰でも簡単にできる装置ってなのがちょっとつくる気になった理由なんですけどね

(写真・コカコーラ1.5リットルのペットボトル)

氷だしコーヒーの器具のつくり方
1.コカコーラの1.5リットルのペットボトルを用意する
2.ペットボトルの底をカッターナイフで切り取る
一応・・コカコーラの1.5リットルのペットボトルが一番使いやすいと思いました
とくに・・コーヒーを100gいれた後に氷を
たっぷり入れるスペースがあって都合がいいです
それとペーパータオルをフィルターにする時、
コーヒーの粉がとおりにくくうまくできるのです

(写真・ペーパーをつめる)

フィルターを取り付ける
できれば厚手のキッチンペーパーが理想です。
もし・・なければペーパータオルを二枚重ねで使ってもかまいません
厚手のもののほうがペットボトルの口部分に隙間ができにくく
微粉が落ちにくい特長があります
3.キッチンペーパーを4ッ折にして人差し指にかぶせるようにして、
ペットボトルの内側から押し込みます

(写真・蒸らし)

コーヒーを蒸らす
細かくひいた(NO.2)コーヒーをペットボトルにいれる
(100gぐらいが適当・・)
そして、100gに対して120ccのお湯をゆっくり細くさします
このときのお湯の温度は70度程度て十分です
お湯をさし終わったら、10分間の蒸らしを行います
このときにさすお湯の量は、
松屋式ドリップの時に蒸らしで使うお湯の量を基本としました。
つまり、コーヒーの粉がお湯に浮かない程度の量しか
蒸らしではお湯を使ってはいけないと考えました
それには、松屋式ドリップの時のお湯の量が一番妥当と考えました
お湯の温度は、あまりコーヒーの粉から泡がてで膨らんでもらうと都合が悪いので
低い温度である70度にしました
全体に粉が濡れていなくても10分程度ぽったらかしてやると
お湯がゆっくりとしみこんでペーパーの部分まで到達します
それと、蒸らしを長くとることによって、コーヒーの層自体が下に少し沈んで
氷の重さにも耐えることができるのです

蒸らし終了後のコーヒー

氷をコーヒーの上に並べる

氷を詰めて準備完了

氷をコーヒーの上にのせる
蒸らしが終わったら氷を準備します
まず、ボウルなどに水を張り氷をそこにいれます
その状態で氷をかき回しながら5分ほど氷を溶かします
これは、冷蔵庫から出した氷は-20度ぐらいあって、
そのままコーヒーにのせていくと氷同士がくっついてしまうのです。
そうなると、均一にコーヒーの粉に水がドリップされなくて困るのです。
その点、氷を0度まで戻してやっておけば絶対に氷同士がくっつくことはなく
とけると氷がバラけるようになって、コーヒーの粉全体に水が供給されることになるのです

3時間待って出来上がり・・・・
コーヒーの出来上がった量で決めてもかまいません。
それ以外の方法としては、でてくるコーヒーをスプーンですくって舐めてみてください。
その味が、自分にとって嫌味がでてきたと思ったらやめてください。
そして、そのコーヒーを好みの濃さに薄めたほうがよりきれいなコーヒーになります。
一応、目安としては100gの粉で
300ccから400ccぐらいが妥当だと思いました。
そのかわり、めちゃめちゃ濃いコーヒーなので
3倍ぐらいにのばして飲んだほうがいいと思います。
それ以外としては、濃いコーヒーをアイスクリームにかけて食べるとけっこううまいです。

(写真左・白い沈殿物 右・加熱しない時のコーヒー)

番外編---研究らしい部分---
実は・・・こっからが本題なんです。
このコーヒーを、あっためて飲もうと思ったんです。
そのときにアレって思いました。
温めたときに濁るのです。
普通コーヒーというのは、さめると濁るというのはよく聞きますが
温めると濁るというのは初めてだったんです。
そこで・・・氷だしコーヒーで濃厚なコーヒーを300ccつくって、
湯煎で熱を加えてみました・・・
そうすると・・・なんかよー判らんものが分離できました・・・
(写真左の白い部分)
そして、白い部分が沈んだ後、 スポイドて上澄みのコーヒーを抜いてコーヒーを追加して
まだ湯煎するという作業を繰り返しました。

一応、この白い物質の性質
・熱を加えると凝縮して固まる(湯煎したら現れた)
・比重は水よりも重い(静かにしておくと沈殿した)
・色は白い(みりゃあ・・わかるけど・・)
・作業を繰り返すうちにおおきくなっていった
(新しく追加したコーヒーの白い物質とがくっついた)

(写真・装置を水だしバージョンにする)

完全なる水出しバージョン
白い沈殿物が氷だしコーヒーの特長か・・・
これを証明するためには普通の水だしコーヒーをつくってみて
実際に沈殿物が出来上がるかを調べるしかありません
そのためにわざわざペットボトルをふたつ重ねて水だしコーヒー用に改造しました。
原理は上のペットボトルの氷が溶けて下のペットボトルの
コーヒーの粉に1滴づつ水が落ちるという単純な装置です
一応、氷のはいったペットボトルの口にはペーパータオルをつめて
氷が落ちないようにしました
実際に動かしてみると氷の溶け方も全く同じですし、
違っているのはコーヒーの粉と氷が接してないだけです

---研究らしい部分---その2
写真をみて判るように水出しコーヒーでも同様な白い沈殿物がでてきました
つまり・・・氷だしコーヒーの特長ではなさそうです
そして・・この白い粉の特長としてはクエン酸などで簡単に溶かすことができます

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

水だしアイスコーヒーを科学する

(写真・水だしアイスコーヒー)

コーヒーバックとは

コーヒーバックは、細かくひいたコーヒーがはいっている袋で水の中にいれて
6時間ぐらいかけて抽出する商品です。
特長は、なんといっても手軽で簡単。
それに尽きると思います。
いちじき、うちの店でもはやってたくさん作ったりもしました。
(けっこうコーヒーバックのノウハウも持っていました)
実際本格的にいれたアイスコーヒーと比べると味気なくて飽きちゃったんです。
そこで、同じ日に焙煎したアイスコーヒーを使って同じミルで同じひきにして
同じ量のコーヒー豆を使ってコーヒーバックで作ったアイスコーヒーと
氷だしコーヒーで作ったアイスコーヒーとどのぐらい違いがあるかを
試してみることにしてみました

(写真・コーヒーバックで抽出)

コーヒーバックの特長

コーヒーバックは1袋づつ香りを通さない袋に入れて販売していました。
このときのポイントは、かならす、鮮度保持剤を入れることです。
鮮度保持剤は、コーヒーからでる炭酸ガスを吸収するものでこれをいれることによって
コーヒーの持っている炭酸ガスが強制的に排出できるわけです。
(新鮮なコーヒー豆を一瞬だけ真空ポンプで真空にしたぐらいでは、
コーヒー豆の持っている炭酸ガスを100%排出できない)
この作業をすることにより、コーヒーの内部に水が侵入しやすくなるわけです。
抽出のポイントは、コーヒーバックが立った状態で水に使っていることです。
これによりコーヒーから出てくる気体があっても
乾いたペーパー部分から抜けることができるわけなんです。
ぬれてしまったペーパーは、気体通過を妨げるので最初から
バック全体をぬらしてしまうとコーヒーからでた気体で水の進入を妨げてしまうのです。
つまり、コーヒーと水が接しにくく
成分の抽出がしにくくなってしまうわけです。

(写真・氷だしコーヒーの蒸らしの後)

(写真・氷だしコーヒーで抽出)

氷だしコーヒー

氷だしコーヒーは、ダッチコーヒーの改造したものです。
感じとしては、性能の良いダッチコーヒーのようなものです。
氷の溶けるのを利用してゆっくりと1滴づつ均等に水が落ちるように
したものです。氷が溶けて水が落ちるので水の温度は一定になるのです。
くわしくは、氷だしコーヒーをつくろうを 参考にしてください。
普通のダッチコーヒーで水の温度を一定にする場合
フラスコに水と氷を入れておきます。
そうすると、水の温度が上がるのを 防ぐことができます。
基本的にダッチコーヒーの良いところは、コーヒーの抽出液が
長く持つことです。
それは、コーヒーの品質を落とす原因の温度変化が非常に少なくてすむからです。
通常、コーヒーを抽出すると70度前後になります。これを冷蔵庫などで保存すると
コーヒー液が、温度変化にさらされることになります。
その点、、ダッチコーヒーの場合は
それを防ぐことができるわけです。

(写真左・水だしコーヒーでだしたコーヒー)

(写真右・2種類水だしコーヒーの抽出液のアップ)

出来上がったコーヒー液の比較

どちらの写真も左側が氷だしコーヒー、右側がコーヒーバックのコーヒーです。
同じコーヒー、粉のあらさも同じ、出来上がり量も同じです。
ついでに言うならば、抽出時間では、
コーヒーバックの方が倍の時間(6時間)かけています。
コーヒーは、水の中につけた状態で抽出するのには限界があるように思いました。
氷だしコーヒーの場合、上から落ちてくる水は何も溶けていない、
一番ものを溶かすことができる状態なのです。
コーヒーの成分を溶かした水はコーヒーの粉の中を
ゆっくり下へと流れていきます。
当然、下へいけば行くほどコーヒーは濃くなり、
一番濃い状態でサーバーへと落ちることになります。
このとき流れようとする力は重力が原動力となります。
これに対して、コーヒーバックの場合は、粉が水の中に浸かった状態ですから
コーヒー成分がとけた状態と溶けていない水の状態との比重の差だけが
コーヒーの粉の中を水が通過する原動力となるわけです。
そして、この力はコーヒーが溶ければ溶けるほど比重の差がなくなっしてまい
コーヒーの粉の中を通過しようとする力が弱くなってしまうのです。
そして、もの(コーヒー)が溶けている水は、ものを溶かす力が弱くなってしまいます。
ふたつの同じ水出しコーヒーですが、濃さに歴然と差がつきました。
味も個人的には、氷だしコーヒーのが好きです。
(人の好みもありますから絶対とはいえないですが・・・)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

氷だしコーヒーをつくろう

(氷がとけるのを利用した水だしコーヒー)

用意するもの

すべてカリタ製を使いました
・ 101-Dドリッパー 1ヶ
・ 102-Dドリッパー 1ヶ
・ 101-ペーパー 1ヶ
・ 300ccサーバー 1ヶ

写真・・・101-Dドリッパーにペーパーをセットします。
(こまかびきの粉を30gいれます。ふかいりのコーヒーを使う必要はありません)

写真・・・スプーンなどで穴をほります。

写真・・・ていねいにお湯をさして3~5分蒸らします。
(松屋のいれ方参照)

※水だしコーヒーのポイントは蒸らしにあります。
つまり、いかにコーヒーに含まれるガスをぬくか、
そして、水のとおり道をいかにつくらないようにするかが問題となります。
水は、通りやすい所を通る性質を持っています。
ですから、水の通り道ができると
そこばかりを水が通ってしまって他の部分を通らなくなってしまいます。
そのため、抽出に使われないコーヒー豆ができてしまいます。
うまくいくためには水が均等にコーヒーの中を通るようにする必要があります。

102-Dのドリッパーをのせて、氷を入れます

3~5分たって蒸らし終わったあと、102-Dのドリッパーをのせて、氷を入れます。
写真の中では氷が均等にとけて水が滴下するために
ステンレスのばねをドリッパーの中に入れています。
普通の場合は、ペーパーフィルターをセットして氷を入れてください。

テキトーなところで味見をします

50~60ccでたところで落ちてくるコーヒーをスプーンですくって味見をします。
コーヒーは、うまみが最初に溶けてある時期から渋味が溶けるようになります。
水の滴下のスピードによってこのうまみから渋味に変わる時期が異なります。
この時期を知るには味見をするのが一番簡単で確実な方法だと思います。
ちなみに、少し渋味をいれるとミルクをいれた時コクになります。
ですから、砂糖・ミルクを入れる方は渋味を少し入れることをおすすめします。

薄めて、できあがり

スプーンでおちてくるコーヒーをなめて、好みの所でやめたら、薄めます。
ホットの場合は熱湯で、アイスの場合は冷たい水で薄めてください。
これもその人それぞれの好みです。
だいたい2~3人分には薄めることができると思います。

※渋味が早く出るようでしたら、ドリッパーの穴を下からのぞいてください。
3つある穴のコーヒー液の色が違うはずです。
これはうすいコーヒー液の穴のところに水の道ができていて、
そこの穴ばかり水が通っている証拠です。
これは、蒸らしの失敗か氷のはいったドリッパー部分から
水の滴下が均等に落ちていないかが原因です。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水