みるっこについて

みるっこというミルについて

非常に値段が高いミルです。
このミルのノーマル刃は、松屋式には最強です。

カット刃のタイプでは、刃と刃の間隙が非常によせられるので細かびきに向いています。
しかし、あらびきにするとスライスしたような状態になって厚さと幅に差が出るようになります。

それに対してみるっこのノーマル刃は、厚さと幅の差がなく球のような状態になるのです。
松屋式のように粉を水よりも重い状態で抽出する技法では粉と粉に隙間が出来なければ湯の通りが確保できません。
カット刃の場合は、どうしても厚さの部分で重なるようになります。
そのため隙間ができにくくお湯の通りが悪くなりやすいのです。

それと、カット刃の特長としてあらびきにすると極端に粉の粒度が不均一になる傾向があります。

シャッターの使い方について

ポッパーの部分に取り付けられているシャッターは、モーターの回転を安定させてから投入できるようについています。
ミルのスイッチをいれてからホッパーに豆を入れるんだったらいらないです。
松屋式のようにあらびきの場合は、ホッパーに豆を入れてかスイッチを入れてもあまりモーターに負荷がかかりません。
しかし、細かびきの場合はモーターに高い負荷がかかるのでモーターを回転させてから豆を挽くことがてベストです。
推奨の挽き方は、シャッターを閉じた状態で豆をホッパーに入れてスイッチを入れます。
モーターの回転数が安定したら、ポッパーをあけて豆を挽きます。
松屋式の場合は、あらくひくのであまりモーターに負荷がかからないので気にしなくても大丈夫です。

ダイヤルについて

通常のあらびきでも松屋式には細かすぎます。
そこで調整しなおすことになります。
ダイヤルの調整方法
・一番あらい10番にダイヤルを合わせます。
・ダイヤルを固定している真ん中のねじを10円玉で外します。
・ダイヤルを引き抜き8番の状態で取り付けます。
・ねじを締めます。
これで2目盛分あらく調整できます。
まだ細かい場合はもう一度同じように行います。

オートカットについて

本体の裏にある黄色いスイッチがオートカットのリセットです。
これは、受け缶がいっぱいになってモーターに高い負荷がかかったときに強制的に止める機能です。
これによりモーターを保護してくれます。
金属などの異物が入ったときにも負荷がかかって止まります。
その場合は、ダイヤルの両端にあるねじを外し刃に対する負荷の原因を取り除いて元に戻します。
そして、リセットさせて豆を入れずにスイッチを入れます。
それでモーターが回ればOKです。
回らなければ残念ながら修理となります。
(よっぽどは大丈夫です)

あらさを調整する動画

あらさの調整をする部分の動画です。
基本松屋式に関するものなので通常の挽きからあらい方へと調整しています。

ひきの基本は50gの粉を使って松屋式をやったときに300cc抽出するのに1分30秒から2分ぐらいになるように粉の粒度を調整します。

最終更新日:2016年 11月 12日 (土)

ネルドリップの研究

ネルドリップは抽出技術の頂点です
(・・ぼくはそう考えます)
そのネルのおもしろさを少しだけ書いてみたいと思います
ただし・・ぼくの知っていることがすべて正しいとは限らないので気をつけて!

水を吸い取るということ
ネルドリップは水につけて保存されています。
当然・・・抽出するときにはネルをしぼって使います。
ここで問題となるのがふきんなどを使ってネルに残っている水分を
取るかどうかかです。

絞ったあとのネルから
3杯用で約12ccの水を吸い取ることができます。

この12ccの水をどう考えるか・・・
ネルに残っている水は、抽出時に最初に押し出される水となります。

つまり・・
抽出技術の判定となるはずの最初の数滴のコーヒーが
判定に使えなくなる。

技術の上達段階であればふきんなどで吸い取るという作業はやるべきだと思います。

まるに近付くということ
ネルドリップの特徴は支えがないことです
ペーパードリップではプラスチックの支えがあります
(いわゆる・・・ドリッパーです)
ネルは何もありません
つまり・・・布の張力だけで支えています
この構造のよさは力が全体にいきわたって・・・
全体で支えるということです
(まるに近付くということ・・・)
上からお湯をさすという力が粉を動かす力に変わりにくいのです
ペーパーよりも粉が動きにくいということ
これは味を考える上でもけっこう重要になります

内起毛の特徴
起毛を内にする場合・・・
ネルのろ過能力を最大限に使えます
どれだけ細かくひいてもこすことが可能なのです
かくはんを起こしても目詰まりはおきません
これはろ過をフィルター表面を使うのではなく・・・
フィルターの厚さをまんべんなく使うからです
内側に起毛がきているとどんな細かい粉も起毛の隙間でとまってしまいます
つまり・・・フィルターを三次元で使うことができるのです
だから内起毛の場合は、粉を細かく使ってかくはんを使ったような抽出に向くということです
きれいな味は外起毛こってりした味は内起毛というのが基本となる気がします

外起毛の特徴
起毛を外にする場合・・・
起毛を外にするということはフィルターとしては表面しか使えないということです
外側の起毛はフィルターとしての効果は期待できません
(表面を通過したら起毛の隙間は自由に抜けることができる)
外起毛の場合は、ネルの厚さでこすということはムリなのです
つまり・・・ペーパードリップと同じで表面しか使えないのです
この場合・・・細かい粉では目詰まりもしくは微粉が通過する可能性が高いのです
だから・・中びき程度の粉がいいと思います
そして・・・粉にあまり刺激を与えないようにしてお湯をさします
そうするとネルのオイルを通過させる特徴が最大限に発揮されるコーヒーができるのです
(内から外のほうが反発力ができにくい)
わかりやすくいうとネルで松屋式をやる場合は外起毛がいいと思います
そして・・・ペーパーの時と違ってオイルのはいったコーヒーができるのです
実は・・このコーヒーがアポロくん・ミニの味に似ているのです

ペーパーとの違いについて
ペーパーはオイルを通しにくい性質を持っています
これはペーパーが一回だけしか使わないということによる性質なのです
蒸らしのときにお湯をかけるとペーパーには水がつきます
本来オイルは液体ですから紙の隙間をとおることが可能です
(でなきゃあ・・・てんぷら油を紙でこすことはできない)
ところが・・水のついた紙というのはオイルを反発する力を持ってしまうのです
そのためペーパーフィルターではオイルが通らなくなってしまうのです
それに対してネルがオイルを通す理由・・・
これは単純にネルの油ヨゴレが原因です
つまり・・・何度も使ったネルというのは油で汚れています
この油ヨゴレのためにオイルを反発する力がなくなってオイルが通るようになるのです
これがネルの最大の特長です

オイルの通過について
ネルドリップと金属フィルターはオイルを通過させます
ただし・・・まったく意味が違います
金属フィルターは単純に穴が大きいのです
だから・・オイルも微粉もすべて通します
そして・・・カップの表面にオイルが浮きます
それに対してネルフィルターオイルでもお湯となじみのよいものだけを選択して通します
このためにカップにはオイルが浮かないのです

ネルフィルターの寿命
ネルドリップで使うネルフィルターはオイルを通すことが特長なのです
これがペーパードリップにない特長なのです
(ペーパーでもオイルを通す技術もありますが・・・)
そして、ネルドリツプのオイルというのはカップの表面に浮かないオイルなのです
(プレスのオイルと根本的な違い)
つまり・・・オイルの選択性があるところがネルドリップのすごさなのです

では・・・ネルの寿命はといいますと・・・
このオイルの選択性が崩れたときということです
カップにオイルが浮くようになったら取替え時ということです
オイルを通過させすぎる様になったらアウトというわけです

そのためか・・プレスの様にオイルがカップの表面に浮いているコーヒーを
ネルドリップの人たちは否定するのだと思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

葛根湯コーヒーをつくろう

薬屋さんと話していて葛根湯の苦味とコーヒーの苦味は相性がいいかという話になりました・・
たまたま薬屋さんが葛根湯エキスというものを持っていたのでコーヒーにいれて飲んでみました・・・
・・・・・飲める!・・・・・
その葛根湯エキスというのは、葛根湯を煎じたものを濃縮したものらしい・・・
ということは・・・粉末の飲みにくい葛根湯のエキスだけを溶かすことができればいいということになります
そうなりゃあ・・話は簡単です
珈琲屋というのはもともと、成分を抽出するのが専門ですから・・
・・・てなわけでできたのが・・・
「葛根湯コーヒー」・・効きますことやら・・・

コーヒーの上に葛根湯をふりかける

葛根湯がのった状態のコーヒー

最初に蒸らす

コーヒーの抽出は、松屋式抽出法を参考にしてください

・コーヒーの量は、15グラム使ってつくります(一杯だしの場合)
・コーヒーの粉に穴を掘ってそこに葛根湯を入れます(一袋入れてください)
・あとは通常のコーヒーと同じように抽出します(3分の蒸らしはおこなってください)

葛根湯コーヒー抽出中

出来上がり

抽出は、粉がひたひたな状態を維持するようにお湯をさしてください
そして、100ccまで抽出したらそこでやめて140ccまでお湯で薄めてください
そのときに出来上がったコーヒー液をしっかりとかき混ぜてください
(しっかりかき混ぜないと水っぽくなってしまう)

飲んだ感想
もともとこの葛根湯にはいろいろな成分が含まれていました
その中でぼくかコーヒーと相性がいいと感じたのは、「ケイヒ」がはいっていたのです
これはわかりやすくいえば「シナモン」なんです
つまり、味的にはシナモンコーヒーのような感じになるだろうと考えました。
(シナモンが漢方薬の一種だとは知りませんでしたが・・・・・)
砂糖はお好みで入れてもかまいませんが、ミルクは相性が最悪です
できればブラック飲んだほうがいいと思います
実際に飲んでみると・・・体かポカポカするような気がしました
もしかして・・・風邪が治るかも・・・そんな気にもなりました・・

しかし・・・本当に治るもんかは勝手に試してください
とりあえず・・・この実験をやって体を壊したということはありませんでした
しかし・・・ぼくはもともと丈夫だからなぁ・・・
10年間も医者にかかってないし・・・・

そんなことより・・・風邪をひいたら気合と根性とあとは寝ることが一番だと思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

ぬるかんにチャレンジ!

ぬるかんとは・・・
お酒の飲み方としては、熱燗と冷酒の間・・・ぬるかんという状態があります。
熱くもなく、冷たすぎることもない状態です。
コーヒーという飲み物はホットとアイスしかありません。
そして、時間がたてばすべてのコーヒーは常温に近づく。
となれば・・・・そのときにおいしいコーヒーというものがあってもいいんじゃあ・・・
てなわけで・・・つくってしまいました。
名付けて「ぬるかん」・・・!

(写真・500ml のぬるかんとDM用のはがき)

ぬるかんの基本コンセプト

コーヒーというものは、基本的な特性があります。
ホット用のコーヒーみたいにちょっと浅煎りの場合、必ず冷めると酸味を感じるようになります。
これは、人間の舌の特性だから仕方ありません。
それと反対に、アイスコーヒーがあったまってしまうと苦味がきつく感じるようになります。
これも人間の舌の特性だから仕方ありません。
となると・・・ぬるかんの温度帯でおいしく感じるようにブレンドすればできるということになります。
浅煎りのコーヒーと深煎りのコーヒーを適当にまぜて常温で余り酸味を感じず苦味も感じないようにすればいいわけです。
そこで・・・・たまたまお店にあったアイスコーヒーとポットにはいっていた「モカ」を液体の状態でまぜてみました。
・・・・・・・こんでいいじゃん!
そうなんです。
このぬるかんの場合・・・味わうというよりも水分補給という感じなんです。
ですから、いいかげんにアイスコーヒーとホットコーヒーを適当に混ぜて常温で酸味も苦味もあまり気にならないようになったらそれでOKなんです。
ちょっと濃いと感じたら・・・・素直に水で薄めちゃってもいいです。

(写真・カップ-ホルダーにぴったり)

ぬるかんの楽しみ方

ぬるかんは、特にドライブに最適です。
生ぬるいので一気にごくごくとは飲まないしカフェインの効果で眠気もとれるし・・・
ちびちびとゆっくりとひとくちづつ飲むのがぬるかんコーヒー通の飲み方です。
コーヒーは利尿作用があって大量にとるとすぐにトイレに行きたくなってしまいます。
しかし、このぬるかんならば・・・・
そんなこともなくトイレ休憩も通常の1/3に・・・・
(フレーバーコーヒー調べ・・・いいかげん!)

*・・・ぬるかんコーヒーは、しゃれでつくっただけで販売はしていません。勝手につくって遊んでください

ぬるかんをまたまた研究

ホットコーヒーとアイスコーヒーを抽出したあとに混ぜて
「ぬるかん」をつくります
ホット用の珈琲豆とアイス用の珈琲豆を混ぜてコーヒーをたてます
このふたつのコーヒーの味・・・・
まったく違うのです

ブレンドというのはお互いの豆の持っている成分が干渉しあった状態での抽出なのです
だから・・・数パーセント豆が入っただけで大きく変化したりするのです
(逆にたくさんいれたわりに変化が少ないこともあったりする・・・)

ぬるかんは・・・単なるブレンドではなく飲み方なのです

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

ひいた瞬間に発生するガスの量をはかる 2

(写真・実験に使った装置)

実験方法

ガテマラ(2種類)を焙煎してすぐに50gづつに小分けして
アルミの袋に入れる
半分は、保管庫(20度)に保存してもう半分は、
冷凍庫(-20度)に保存写真の装置で30秒間豆をひいて
コーヒーからでる気体の量をはかる

ガテマラガテ深煎
冷凍庫保管庫冷凍庫保管庫
当日74cc74cc174cc174cc
1日46cc56cc152cc134cc
2日80cc50cc166cc140cc
3日54cc36cc150cc110cc
4日44cc28cc136cc120cc

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

パーコレーターのすごさを知る

コーヒーはうまいだけがすべててじゃないんです・・・

パーコレーター嫌いのぼくが
アウトドアショップ FUTO さんで聞いて感動した
パーコレーターの話をします。
(今ではパーコレーターも好きです)

水筒、カレーヌードル、携帯ガスコンロ、パーコレーター

パーコレーターからバスケットを出して荒びきの粉を入れます。

(写真はカップラーメンの蓋をあけてパーコレーター本体でお湯を沸かしている図)

ラーメンに
お湯を入れている図

(キャンプにはやっぱカレーヌードルです)

分間まっている間にパーコレーターに水をいれ、バスケットをセットしコンロに火をつけます。

(カレーヌードルができあがって食べている最中にコーヒーの香りが漂ってきます。 ちょうど食べ終わった頃にコーヒーができあがります)

食後のコーヒータイム

この間に次のコーヒーをセットします。

釣りの計画やなんかかんかを話している間にコーヒーができあがります。

できたコーヒーを水筒に入れます。 ドリップで作ったコーヒーだと冷めてしまいますが、 パーコレーターのコーヒーは沸騰していますから、水筒を温める様な面倒は必要ありません。

特に寒い冬の釣りなど体を暖める時にポットからのあったかいコーヒーは最高のごちそうとなります。

コーヒーは味がすべてじゃあないんです。

コーヒーを研究してみますと、パーコレーターの欠点がいっぱい見えてきます。 たとえばコーヒーを沸騰させ、その力を利用してコーヒーの粉の中を通したり、 抽出されたコーヒー液をまたコーヒーの粉にかけるという事をするんです。 ドリップコーヒーが一番と思っているぼくにはとても納得できません。

実際に飲んでみるとひどい味です。 入れてすぐでもコーヒーはにごっているし味もひどい。 薄くしなければとても飲めたしろものではないのです。

そんなわけで「パーコレーターのコーヒーはコーヒーにあらず」などと思っていたのです。

ところがある日、FUTOのオーナーの斎藤太さんとコーヒーの話になったんです。

その中で、コーヒーはペーパーフィルターが一番いい事やサイフォン、 パーコレーターがなぜいけないかなどを自慢気に説明しました。 アウトドアの雑誌などにたき火で焙煎しているシーンがでていても、 ネルやペーパーフィルターでコーヒーをいれています。 どう考えてもアウトドアでもパーコレーターの出るまくはないとまで言っていました。

その時、斎藤さんが教えてくれたのが、パーコレーターのよさです。

斎藤
「寒い日に、渓流釣りにいくでしょ。 釣りにきたんだから、めしは簡単にすませたいんですよ。 そんな時、重宝するのがカップラーメンなんですね。

5人用パーコレーターって大きいサイズのカップラーメン2ヶ分の お湯が沸かせるんですよ。 それを食べている間にコーヒーを作るわけです。 そうすると食べている途中でコーヒーのいい香りがしてくるんですよ。 カップラーメンだけだとさみしい食事もコーヒーがあるだけでなんだかリッチな感じになるんです。 それにパーコレーターは熱いコーヒーが飲めて、体があったまっていいんです。

それとパーコレーターでいれたコーヒーを小さなポットに入れて釣りにいくでしょ。 寒くなったらポケットからポットを出してこれを飲むんです。 これが結構うまいんです」

どんなにコーヒーを研究してもやっぱアウトドアでコーヒーを飲み続けている人 にはかなわないなあと思いました。
それ以来、キャンプに行く人には「パーコレーターはキャンプでないと楽しめないんだから パーコレーターを使いなよ」とすすめています。

ちなみに、カレーヌードルになっている理由は、カレーヌードルを食った後は コーヒーの味なんかちったあまずくても関係ないからです。(^o^)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

フレーバーコーヒーをつくろう

(写真・道具一式)

フレーバーコーヒーをつくろう

フレーバーコーヒーという飲み物があります。(うちの店の屋号と同じですが、全然関係ありません)
これの作り方としては、焙煎した直後の熱いコーヒーに香りのオイルを吹き付けてコーヒー豆に 香りを吸着させたり、豆を販売するときに香りのパウダーなどを振りかけてミキシングしたりの 方法をとります。
この場合コーヒーの香りが強いと邪魔になるので香りの弱いコーヒーを使います。 ちなみに、ここでのフレーバーコーヒーは、もっといいかげんです。

(写真・カップを入れて真空にしている)

フレーバー流フレーバーコーヒーの作り方・その1

はっきりいってめちゃくちゃいいかげんなフレーバーコーヒーのいれ方です。 たぶん、まじめにフレーバーコーヒーを愛する人からクレームがきそうないれ方なんです。 (コーヒー好きからすれば、フレーバーコーヒー自体にクレームがつきそうなものなんでどっちもどっち のような気がしますが・・・・・)
香りのオイルを真空器の中に入れ陶器のカップをいれて真空にします。 そうすると、カップの底の部分は上薬が塗られていないため、陶器の内部の空気がでてきます。 (香りのオイルが、下にあるので泡として空気がでてきます。)
今度は、大気圧に戻すとそのとき、香りのオイルがコーヒーカップの底から内部に染み込んでいきます。

(写真・フレーバーつきカップにコーヒーを注ぐ)

できあがり

カップを適当に洗っておきます。 暖かいコーヒーをそのカップに注ぐと熱で香りのオイルが底の方から蒸発 してきます。コーヒーカップを口に近づけたときにほのかに香りがただよって けっこうおもしろいフレーバーコーヒーとなります。 (味は、全く普通のコーヒーです。あたりまえですけど・・・)

(写真・フェルトをカップの底にはる)

フレーバー流フレーバーコーヒーの作り方・その2

普通の家庭で真空器なんかはないと思います。(あったら、けっこうすごい)
そこで真空器がない方のための方法を紹介します。(はっきりいって、ばかはがしい方法です) カップの底にフェルトをはってそのフェルトに香りのオイルをしみこませます。 そうすると、カップに注いだコーヒーの熱で香りがほのかにでてくれます。
この方法の良いところは、コーヒーカップをソーサーにセットしてお客さんのところに持っていき お客さんの目の前でコーヒーを注いであげるんです。 そうすると、お客さんは、コーヒーカップを持つまではコーヒーの香りしかしなくてコーヒーを 口に運んだとき他の香りがしてびっくりするといういたずらが簡単にできることです。
このふたつの方法は、通常のフレーバーコーヒーのようにコーヒーにオイルを吸着させたりして 香りをつけるよりもコーヒーの味を損なわずにつくれて いいような気がします。

...

(写真・湯のみに香りをつけてみた)

日本茶でやってみる

コーヒーでうまくいくわけですから、日本茶のでもできるわけです。 そこで、日本茶でもやってみました。香りに関しては、コーヒーと同様に うまく香ります。しかし、はっきりいって日本茶にバニラの香りは似合いませんでした。 たぶん、他の日本茶にあう香りならば使えると思いました

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

コーヒー酒をつくろう

普通コーヒー酒をつくる場合、お酒にコーヒー豆をつけてつくります。 (たぶんこれが一般的) だけど、普通にコーヒーをつくるときこの方法をとる人は、 ほとんどいないはずです。やっぱり、おいしいコーヒーを飲みたければ ドリップ式を選ぶはずです。ドリップ式の方がコーヒーのうまみだけを 溶かし込むことができてやっぱりコーヒーがうまいのです。 となれば、コーヒー酒をつくる場合でもドリップ式を採用すれば もっとおいしいコーヒー酒ができるんじゃあないかと考えました。

(写真・コーヒー酒メーカー)

用意するもの

・お酒(今回は、焼酎 720ml)
・今回特別につくった水出しコーヒーの器具
・コーヒー(小さな初恋 50g こまかびき )

(写真・コーヒー酒メーカーに酒ビンをのせる)

コーヒー酒メーカー基本構造

はっきり言って単なる水出しコーヒーの器具と何ら変わりません。
ひとつ工夫したところは、水と違ってお酒はアルコールが蒸発しては 元も子もなくなってしまうのでドリップする部分も抽出する部分も そして、サーバー部分もできるかぎりアルコールが蒸発しないように すべて囲った状態で抽出されるようになっています。

(写真・コーヒーと酒をなじませる)

コーヒーと酒をなじませる

水だしコーヒーのつくり方と同じようにコーヒーの粉とお酒を混ぜて コーヒーのガスをできるだけ抜くようにこねます。 水だしコーヒーと同様に、コーヒーのガスが残っていると 泡がコーヒーの抽出を邪魔してしまうのです。 つまり、泡がなくなればコーヒーは非常にスムーズ抽出されるわけです。 (通常のドリップの場合は蒸らしという作業をしてガスを完全に 抜いてしまって抽出がスムーズになるようにしているのです。)

ネルフィルターにいれる

セット完了

(写真左・抽出直後)

(写真右・抽出終了)

抽出

ビンをひっくり返してセットします。 そうすると水だしコーヒーと同じように一滴づつお酒が コーヒーに落ちるようになります。 (全体に落ちるようには工夫してあります) 実際にアルコールで抽出する場合は、水よりも抽出速度がはやく 嫌味が溶けやすいのです。だから、抽出をはやめに切り上げた方が すっきりとしたコーヒー酒ができます。 だいたい2時間ぐらいあれば簡単にできます。

(写真・抽出直後・左はお酒)

(写真右・抽出60分・右は水)

お酒と水の比較

アルコールは水よりもあきらかにコーヒーをよく溶かすのがわかります。 ですから、水だしコーヒーなんかよりも短時間でコーヒー酒が出来上がるわけです。
だいたい1/3ほどの量を抽出したらそこでやめます。 (それ以上抽出するとコーヒーの嫌味なんかがでてきます)
これで、高い濃度でクリアーなコーヒーリキュールのできあがりです。 これを水割りにしたりお湯わりにしたりアイスクリームにかけたりして 楽しんでください。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

バターコーヒーをつくろう

(写真・ふかいりのコーヒーと雪印バター)

用意するもの

コーヒーはふかいりの豆を使います。バターは、お好みの銘柄を使ってください。 なぜふかいりの豆を使うかというと、バターの味や香りに負けない力が必要だからです。
バリエーションコーヒーといわれる、カフェ・オ・レやウインナーコーヒーなども 同じ理由でふかいりのコーヒーを使います。基本的に副材料がはいるコーヒーは、 副材料に負けない力のあるコーヒーを使います。

(写真・コーヒーの上にバターをのせる)

コーヒーの上にバターをのせます

コーヒー豆50gに対してバターの量は、2gから4g使います。 極端に多くのせて作るとコーヒーがべとべとになってしまいます。 その場合は、コーヒー豆を余分にいれてべとべと感を調整します。

(写真・電子レンジで加熱)

(写真・ちょっと溶けたバターをかきまぜる)

電子レンジで加熱したあとかきまわす

電子レンジで加熱した後、かきまわしてコーヒー豆とバターをなじませます。 コーヒー豆は、活性炭と同じ多孔質なのでバターがコーヒーの内部まではいりこんでくれます。
もしも、コーヒー豆がバターでぎとぎとになってしまったら、コーヒー豆を 少し加えてかき混ぜます。
ちょうど、イタリアンローストの時にコーヒーの豆の表面に 油がでてきたような状態にします。ちなみに、イタリアンローストとは、2はぜが終わって そのまま焙煎を続行すると、めちゃくちゃ煙をだしながら豆の表面に油が浮いてきて その油が豆にまわったぐらいの状態を言います。
(うちの店では、ここまで焙煎することはありませんが・・・)
普通のふかいりのコーヒーでも日にちがたつと豆の表面に油がまわった状態になります。 そんな状態にバターをこねてするわけです。(けっこうつやがでておいしそうになる

(写真・バターコーヒーにする前と後)

(写真・バターコーヒーを抽出・油は浮いていない)

バターコーヒーを抽出

左の写真の左側がバターコーヒーでとなりがバターをしみこませる前の コーヒーです。(豆の照かり具合に差が出ます。)
ちなみに、コーヒー屋の裏技をひとつ。
油のまわったコーヒーをごまかす方法ですが、 古くて油のまわったふかいりのコーヒーとあさいりのコーヒーをブレンドするんです。 そうすると、ふかいりのコーヒーの油があさいりのコーヒーに吸われて古いふかいり豆の ぎとぎと感はなくなり、あさいりのコーヒーは、表面につやがでて古い豆にはとても見えません。
もっと裏技になると、焙煎が終わってまだ余熱がある焙煎機の中にぎとぎとになったふかいりの コーヒーを入れちゃうんです。そのまま、軽く数分まわしてやると油が飛んでくれます。
(注・・・うちの店ではやってませんから)

抽出結果
ペーパードリップでいれたのですが、バターの油は抽出液の方には溶け出しませんでした。 (抽出液表面に油膜が張らない)
これは、コーヒー豆がバターをしっかり吸着しているためだと思いました。
バターの香りもほのかにしてバターのくどさもでてなくて、けっこうおいしかったです。
香りのついたコーヒー(フレーバーコーヒー・うちの店の屋号)などは、 焙煎した直後に香りのオイルなどを吹き付けたりして香りを豆にしみこませたりします。
そのオイルなどもコーヒー豆が しっかりと吸着して抽出時には溶けださなくてすんでいるんではないかと思いました。 ちなみに、うちの店では香りのついたコーヒー(フレーバーコーヒー)は扱っていません。 悪しからず。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

コーヒーメーカーであそぼう

コーヒーメーカーとは、ドリップ作業を全部機械がやってくれる非常にありがたい器具です。 しかし、コーヒーがまずいという重要な問題点を持っています。 (コーヒーメーカーのコーヒーがおいしいと思う人はそれでいいんですが・・)
基本的には、コーヒーメーカーも人がいれるのも同じようにお湯を上からさしているのですから 工夫すれば、コーヒーメーカーでもおいしくなるのです。ちょっと手間をかけて おいしくする方法を説明します。

(写真・実験装置)

コーヒーメーカーの特性

コーヒーメーカーの特性を調べるには、普通にコーヒーメーカーを動かしてどのようにコーヒーが 抽出されるかを調べるのが一番簡単です。30gのコーヒーを使って300ccのコーヒーを3個の ビーカーに分けて抽出してみました。つまり、コーヒーは前半、中盤、後半では、どのように成分を 抽出させているかを調べるためです。実験装置は、カリタのコーヒーメーカー(ET-5)を使って 行いました。ドリッパーだけ浮かせた状態にしておきコーヒーがビーカーに100ccでたときに 次のビーカーに取り替え、3個のビーカーが一杯になったとこでコーヒーを調べてみました。

(写真・蒸らしなしで抽出)

抽出結果

写真を見てもわかるように最初のビーカーが非常に濃く出ています。 コーヒーは、高い濃度の水溶液には不純物は溶けないという性質をもっていますから この最初のビーカーのコーヒー液をできるだけ濃くすればおいしいコーヒーが 作れる可能性がでてくるわけです。特に、最初のビーカーと次のビーカーの 色の差が大きければ大きいほどよいわけです。そこで、コーヒーメーカーに むらしを行ってみました。つまり、最初のビーカーにコーヒーが出始めたとき すぐにスイッチを切ってしまいます。こうすると当然コーヒーメーカーは とまってしまいます。この状態で3分間まってやります。 これにより、コーヒーの中に吸着されている炭酸ガスがコーヒーから 抜け出してその代わりにお湯が内部に侵入することができるわけです。 それにより、コーヒーの中にお湯が入りやすくなり抽出がスムーズになるわけです

(B・・・蒸らし3分)(A・・・蒸らしなし)

蒸らしたものとの比較

同じ条件で蒸らしをしたものとしないもので比較をしてみました。 蒸らしをすると最初のビーカーのコーヒーが明らかに濃く出ます。 最後のビーカーを比較すると蒸らしをした方は薄く出ています。 つまり、蒸らしを行うと、コーヒーの成分が一気に抽出されるということです。

(写真・コーヒーの濃さの拡大写真)

おいしくコーヒーをいれるコツ・結論

抽出されたコーヒーを飲んでみると最初のビーカーは、濃いけれどもいやみ や渋みははいっていません。2つ目のビーカーは、うまみと渋みが混ざっています。 最後のビーカーはいやみや渋みのオンパレードです。 つまり、コーヒーとしてほしい成分は、最初のビーカーの成分と2つ目のビーカーの 成分の一部なんです。(コーヒーメーカーの種類によって出方は多少違います)
そこで、結論・コーヒーメーカーでおいしくいれるコツ
・水の量は、人数分の半分程度にする
・コーヒーの粉は平らな状態にセットする
(コーヒーメーカーはハンドドリップのように
穴を掘らない)
・サーバーに数滴コーヒーが落ちてきたらスイッチを切って3分待つ (いわゆる蒸らしです)
・蒸らし終わってスイッチをいれコーヒーがでおわったら、人数分までサーバーに お湯をいれてうすめる
(とーぜん、好みの濃さでいいです)
・ここで使う水すぺて浄水機を通した水を使ってください

(写真・普通に抽出した後の粉)

蒸らしなしのコーヒーかす

普通にコーヒーメーカーを動かすと写真のようになります。 ちょうど、お湯のかかっていないところが、土手のようになっています。 これは、特にコーヒーが新鮮で炭酸ガスを多く含んでいるときにおきやすく 抽出が終わっても最後まで土手のコーヒーは、内部の炭酸ガスが 抜けることができないために軽い粉が外側に集まってしまったのです。
この状態では、ドリッパーの三個の穴から均等にコーヒー液がでません。 これは、泡がコーヒーの抽出を妨げてそのためお湯はコーヒーの層全体を使わずに 一部の通りやすい所をとおってしまうからです。(どうも、水と電気は横着で通りやすい所を とおりたがりますから・・・)
つまり、実際にはコーヒーの粉の一部しか成分抽出に使われていないわけです。

(写真・蒸らしをして抽出した後の粉)

3分の蒸らしをおこなったコーヒーかす

コーヒーメーカーを途中で止めて3分間の蒸らしをおこなった場合、 コーヒー内部の炭酸ガスがきれいに抜けてくれて、その後の抽出のとき コーヒーの層全体を使ってコーヒーが抽出されてくれるのです。
(じゃまな泡がないためコーヒーの中をお湯が均等にとおってくれる) 実際に3分間の蒸らしをやった後、抽出するとドリッパーの三つの穴から 均等にコーヒー液がでてくれます。

(写真右・普通にコーヒーメーカーで抽出)
(写真左・蒸らしをしてコーヒーメーカーで抽出

コーヒーの濁りを調べる

右のビーカーは、普通にコーヒーメーカーを動かして抽出したコーヒーで 4時間経過したものです。
左のビーカーは、3分間の蒸らしをおこなって人数分の半分抽出してそのあと薄める 方法をとっています。とーぜんですが、経過時間は同じ4時間です。
ふたつのビーカーのコーヒーはあきらかににごりぐあいが違ってきています。 つまり、コーヒーメーカーで抽出しても工夫次第でおいしいコーヒーを 作ることができるというわけです。
(コーヒーメーカーでわざわざここまでするのならば本当は、 ハンドドリップをすすめますけどね・・・・・・)

(写真・あく抜きドリッパーを使ったコーヒーメーカー)

このコーヒーのいれかたは松屋式コーヒーのいれ方をコーヒーメーカー用に
アレンジしたものです。詳しくは、下記のページを参考にしてください

* これ以外にコーヒーメーカーのコーヒーをおいしくする方法として あくぬき機能付ドリッパーを使う方法があります。これは、あくがサーバーの 方へ落ちなくした特殊なドリッパーを使っていれる方法です。

「あく抜きドリッパー」

カリタのサイフォンドリッパーを改造しています。
サイフォンカバーの先端に穴をあけた構造です。

サイフォンカバーの先端に
穴があいている拡大図。

市販の状態の穴のあいていない
状態の拡大図

※写真は水が最後に残っている状態です。

コーヒーメーカーで使った場合

コーヒーメーカーが動いている間はフツーのサイフォンドリッパーとして働きます。水タンクの水がなくなると当然ドリッパー内の水位が下がってきます。
(この場合、あくは上に浮いています)
サイフォンカバーの先端の穴より水位が下がってくるとそこから空気が入ってコーヒーがドリッパーに残った状態で終わります。つまり、あくがドリッパーに残るのです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)