焙煎機の改造 6

排気ファンの圧力測定装置

マノスターゲージを取り付ける

排気ファンの圧力測定装置通常の排気をおこなっているときに、 排気室の圧力はどのように変化しているかを調べてみました。
この装置の構造は、排気室にパイプを差し込んで 水がどれだけの高さまで引っ張られるかで排気室の圧力を測ろうとするものです。
(構造がめちゃめちゃ簡単ですが一番正確に測れる)
当然、吸う力が強ければ強いほど排気が強いことになります。
富士ローヤルの3-5kg用の焙煎機は、排気用のファンで排気室の空気を抜く構造になっています。
そして、その排気室には冷却と排気を切り替えるための切り替えダンパーと 排気の量を調節する排気ダンパーの2種類があります。
この2つのダンパーが排気室の圧力に対してどのような影響を与えるのかを調べることにより 排気を感覚的でなく数値的に考えることができるからです。
(ちょっとした、思いつきもありますが・・・・・)

実際の測定(単位はmmaq)* 数字が大きいほど引っ張る力が強い

排気ダンパー
ノーマル1615151413131212
切り替え11414131312121211
切り替え21010101010
切り替え3
補助ダンパー開1313131312121212
補助ダンパー連動1313141413131312

表の解説と傾向と対策 (ってこともないですが・・・・)ノーマルの状態では、排気1と排気2の部分で圧力に差がでます。
つまり、排気1では排気を絞っているにもかかわらず排気室の圧力が低く 引っ張る力が強いため絞っているわりに排気が絞れないことになります。
ですから、排気のイメージと実際の排気ではおおきく食い違ってしまうのです。
つまり、排気1は、掃除機が紙なんかをすいつけて一生懸命吸おうとしている状態 なんです。圧力が低くなると小さい隙間でも勢いよく空気が流れ込んで思ったほど 吸う量が減らないのです。
圧力が一定ならば、排気は排気ダンパーの穴の面積に依存するのですが、 その圧力部分が変化するとそのぶん排気が複雑になるのです。
つまり、排気をイメージどおりにするには、最初から適当な抜け穴をつくっておいて 排気室の圧力の下がりすぎを押さえる必要があるのです。
それに一番有効な方法は、切り替えダンパーを少し開けておいて排気を絞ったときに 圧力の下がりすぎを防ぐことだと思います。
(ちなみに、切り替えダンパーの切り替え板に隙間がけっこうある場合は何もしなくても 排気が安定的に変化します)

ルーペ鏡筒部分

ルーペ部分

豆チェック用ルーペ
スプーンで豆をチェックするとき、ほとんど豆の色あわせしかやっていませんでした。
過熱水蒸気を使っていてもっとレベルの高いチェックをしようということで 豆ののびと表面のテカリ具合をみるためにルーペを取り付けました。
ルーペに光が入らないように缶を細工して鏡筒をつくりました。
けっこうみやすくなって都合がいいです。
(ちなみに、ミートソースの缶と同じサイズでした)

排気ダンパー表示板
焙煎していて、温度でダンパーを調整するんですが そのときに火力を変更したりバーナー位置を変更したりするんです。
いろいろな焙煎の仕方をやっているとなにがなんだかわかんなくなっちゃいます。
そこで、ダンパーのところに操作仕様書みたいなものをつけておけば ミスがなくなります。
そこで、焙煎の方法を磁石で変更が簡単にできるようにしました。

流入温度計
熱風式シリンダーを取り付けた場合に効果があります。
吸い込まれる熱風の温度を正確にはかることができます。
これにより、実際に熱風式焙煎機で実際の熱風の温度を正確に管理することが可能になりました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

過熱水蒸気・・初期の装置

蒸気吹き出し口

蒸気吹き出し口アップ

蒸気発生装置

過熱水蒸気を利用する
過熱水蒸気には、2つの特性があります。
1・ある温度以上に達すると乾燥空気よりもはやく乾燥させることができる。
(乾燥逆転温度は・・170度)
2・通常の加熱と膜凝縮伝熱が加わり効率よく加熱できる
(過熱水蒸気がコーヒー豆の表面に次々と膜凝縮してコーヒーに熱を与える)

本来この過熱水蒸気の能力を100%使うには水蒸気100%の状態で 焙煎をしなければなりません。
しかし、この過熱水蒸気の特性だけを利用するのならば100%水蒸気という 状態を無理につくりださなくてもよいわけです。
(現在では、蒸気吹出口に熱変換器を取り付けてできるかぎり高温蒸気をつくるようにしています)
そこで、豆からの湿りけに依存していた蒸らしをバーナーの下より加湿器によって 湿度を上げて過熱水蒸気を利用できるようにしました。
(まだ、うまくいくかまではわかっていません)
この過熱水蒸気をうまく利用すれば豆の煎りむらの解消が簡単できるかも・・・・
今後の研究によりますが・・・・・

蒸気吹き出し口

蒸気の配管付近

蒸気用温度計

新型過熱水蒸気発生装置
今回蒸気発生装置を大幅に変えました。
できるかぎり、蒸気の温度を上げるために 焙煎機の燃焼室の中ほどまで蒸気のパイプを持ってきて燃焼室の熱や焙煎機自体の輻射熱を利用して 水蒸気の温度をあげるようにしました。
(パイプは、熱の吸収がいいように黒く塗ってある)
水蒸気の発生をチェックしやすいように温度計も取り付けました。

写真・アルミの部分がヒーターカバー

蒸気の吹き出し口
蒸気吹き出し口のパイプの下にヒーターをいれて過熱水蒸気の温度を上げるようにしました。
どうしても、加湿器では湿り水蒸気の状態になるので 蒸気を吹き出す前にヒーターでパイプを加熱して水蒸気の温度を上げてから燃焼室に 水蒸気を送り込みたかったのです。
最初は、パイプの内部にヒーターを入れて加熱しようと思ったんですが 残念ながら思うようなヒーターがみつからなくてパイプの下からの加熱となっちゃいました。
(実は、安く上げるために、はんだゴテを加工しています)

蒸気発生回路

制御盤付近

蒸気発生回路
本格的に過熱水蒸気焙煎をやるためにはヒーターやボイラーを制御しなければなりません。
それを電気的に制御しなければ、焙煎がめちゃめちゃ面倒になります。
めんどうな焙煎ではミスがおこります。
それでは、せっかくの改造が改悪になっちゃいます。
(実験の段階はめんどくさくてもしょうがないですが・・・・)
一応、回路の目玉は、予熱スイッチを押すとボイラーが最大のワット数で お湯を沸かしタイマーで自動的に切れるようにしました。
そして、通常のスタートスイッチを押すと蒸気の量を調節するボリュームと 蒸気を送る時間をタイマーで管理しています。
そして、スタートスイッチを押すと 豆が一定の温度になるまでは蒸気をださないようにタイマーを取り付けました。
(まぁ、回路としてはひじょーーーに簡単なもんなんですけどね・・・・)

蒸気分岐バルブ

バルブのアップ

蒸気分岐バルブの裏付近

蒸気分岐バルブ
今回の改造は、ヒーターがはいってから蒸気がでてくるまでの タイムラグをなくすことを目的としています。
(前から、何とかしたいなぁと思っていたんですが・・・・)
このバルブがあると、加湿器の電源をいれっぱなしにしておいて 必要なときだけ焙煎機のほうに蒸気を送り込むことができます。
ずーーーと加湿器が動いた状態ですから、蒸気の量もボリュームで しっかりと調整した状態にできます。
それと、今までの場合ヒーターが切れたあとしばらくは焙煎機の方に 蒸気が流れていました。
その部分も、これで解消することができます。
(当然、制御回路も全部書き換えて配線をつなぎ直しました)
ちなみに、右の写真では蒸気が確実に開閉するように新しい装置がついています。
しかし、この装置は残念ながら蒸気の量と蒸気の温度でちょっと能力不足であることがわかっています。

写真・・ツイン蒸気発生装置

蒸気の量を増やす
通常の加湿器が280wです。それに500wのヒーターを取り付けて780wまであげて使っていました。
しかし、それでも蒸気の量が足りないのでもう一つの加湿器をつなげて約1kwまで熱量を上げました。
この当時から、蒸気の噴出し口が焙煎機のバーナーよりも上に取り付けて バーナーの熱を利用して蒸気の再加熱ができるように工夫しました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造・バーナー編

バーナー位置・低

バーナー位置・高

バーナー高さ切り替え装置
いままで、焙煎量にあわせてバーナーの高さを三段階に切り替えることができるように していました。
今回は、焙煎中に自由にバーナーの高さを切り替えるようにしたのです。
遠火で焙煎した場合、豆はきれいに焼けるけれども、
味に力がでない欠点がありました。
近火で焙煎した場合、味に力がつくれるが、
蒸らしがむずかしく煎りむらがでやすい欠点がありました。

そのふたつのバーナー位置の欠点を加味すると蒸らし段階では、遠火を利用して はぜ以降では近火を利用するのがベストだと考えたのです。
この改造をおこなってから、コーヒー豆の個性がわかりやすくなったようなきがします。
(今回の改造は、めちゃめちゃ自信作です)

バルブ切り替え部分

ふいご取付状態

エアーガン取付状態

バーナー簡単掃除システム
焙煎機のバーナーは、結構、目詰まりを起こすものなんです。
バーナーのラッパをはずしてガスの吹き出し穴に細い針金を 差し込んで細かいごみをとるのが通常のバーナー掃除でした。
これは、バーナーユニットをはずしたり結構面倒でした。
そこで今回の改造では、高圧のエアーをバーナーに吹き込んでごみを吹き飛ばすように しました。当然、微圧計の方にエアーが送られると壊れてしまうので切り替え用の バルブを取り付けています。
それと、カプラーによりバルブの操作ミスによってガスの吹き出しを防いでいます。
(この装置を作ったことにより非常に掃除が楽になりました。)

高さ切り替えバーナー補助具
高さ切替え装置は、バーナー全体を上下に上げ下げしなければならず、 けっこう重たかったのです。(いわゆるぼくは、軟弱もんでして・・・) そこで、重さを補正するためにばねをつけました。 (ちなみに、左右でばねの太さが違う) これにより、今までけっこう重くてやりにくかったバーナーの上下が めちゃくちゃ楽になりました。

ドラムの隙間掃除用スリット
富士ローヤルの焙煎機の欠点の1つにドラムとドラムを覆っている カバーの隙間の部分にチャフがたまり燃えるという現象が起きていました。 (これにより、煙臭が豆につく) ここを掃除するいちばん簡単な方法は、バーナーをはずしてドラムと カバーの隙間にブロアーを吹くのが一番きれいにほこりが取れます。 それでは、あまりにもめんどくさいので、スリットへブロアーの空気を送り込むと ドラムとカバーの隙間に風があたるように細工をしました。 これにより、チャフが燃える対策としては、けっこう満足しています。

T型・吸い込み口

クリーニングブロアー T型
ブロアーがこわれて新しいブロアーにかえました。 今回のブロアーは、非常に強力で掃除機としての吸い込み力に余裕ができました。 それによって、今まではバーナーの真ん中より空気を吸っていましたが 今回の改造では、吸気口の周辺からも吸えるようになりました。 これにより使い勝手が非常に向上しました。

写真・1つだけふたが開いている状態のサンプル冷却機

サンプル冷却機
これは、焙煎途中の豆を冷やすためだけの冷却機です。
通常の冷却機と同様に下に空気を吸うようになっています。
そして、次の豆を冷やすときには冷えた豆にフタをして 冷却効率が落ちないように工夫してあります。
これにより焙煎途中のサンプルをつくったり、途中の豆の味を調べるのに使います。
特に、過熱水蒸気の効果を調べるためだけにつくったものです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造 3

シャッター付きのぞき窓

のぞき窓からドラム内をみる

シャッター付きのぞき窓
焙煎機の内部をみるためののぞき窓です。 これにより、焙煎中の煙や豆の攪拌状態がわかるようになります。 実際にこの窓の部分は、豆投入時に豆がのっかかったりするのを防ぐように 窓をおおうシャッターがついていて釜内部をみる場合は、シャッタを開けて みる事になります

焙煎機正面

焙煎機右部分

焙煎機左部分

制御盤
(中段2個の温度計)

センサー部分
焙煎機の左右同じ位置に
センサーを取り付けました

比較温度計
焙煎機の中で、豆は攪拌されます。そのときに、左のほうに豆が集まります。 そのため、排気温は、右側と左側では違いが生じます。 その違いを実際に表示するための温度計です。
この温度差から豆の乾燥度(水の抜け方)をチェックできるようになると 期待してつけました。
上の段の写真は、てんぷら用温度計を使っています。
実際に使えそうなので熱電対のまともな温度計でデーターをとっています。

ひとつぶ用スプーン

のぞき窓から豆をとる

ひとつぶ用スプーン
焙煎を実際にやっていて大切なのは豆に対して熱がしっかりと 加わって水がきれいに抜けているかです。 それを調べるのにいちばん簡単な方法は、豆を抜いて カッターナイフなどで豆をきってみることです。 そのために、のぞき窓から直接豆をひとつぶづつ取りだすスプーンをつくりました。

(写真・ダンパーの手前のダクトのところの温度計)

正確排気温
通常の焙煎機についている温度計などは、釜からの熱などが影響して 温度変化がスムーズにいきませんでした。 そこで、いちばん焙煎機本体に影響されない温度計を取り付けました。

高さ切り替え部分

高さ切り替え部分アップ

高さ切り替えバーナー部分に、バーナーの高さがわかりやすいように マークを色分けしました。その部分にそのときの火力も指示できるようにしました。
ついでに、その指示用に”のんたん”を使ってみました。
(これは、単なるシャレ・・・・)
ちなみに、この”のんたん”部分は「D」くんにつくってもらいました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造 2

(写真・通常のダンパーの後ろにあるのが補助ダンパー)

焙煎機補助ダンパー
焙煎にとって一番、重要なのが排気です。排気の仕方でコーヒーの味や香りが ものすごく変わります。それだけ重要なものなんです。ところが、焙煎機というのは 同じ目盛にダンパーをしても外気温と煙突内の温度差で排気力が変わってしまいます。 そこで、外気温によって変わる排気力を補正するために作ったのがこの、補助ダンパーです。 これは、通常のダンパーの後についていて、これをあけることにより排気を弱くすることが できます。構造は単純でダンパーのすぐ後の部分の配管に穴をあけて開閉弁をつけただけです。 これにより、ダンパー操作に幅ができたように思います。

(写真・補助ダンパーの上についているのが温度計)

補助ダンパー温度計
補助ダンパーから、どれだけ空気を吸っているかを判断する目安がほしいということで、 温度計をつけました。温度計は、温度が知りたいのではなく温度が上がってきているのか 下がっているのかを知るためにあるのです。これはどの温度計にもいえることですが、 温度計の示しているのは、センサーの部分の温度なんです。たとえば、温度計が200度を 示していても温度が上昇しているときの200度のほうが下がっているときの200度よりも実際は 高いのです。温度計の温度が上がるということは、簡単に言うとセンサーのまわりはその温度より 高いということなんです。その温度差が大きければ大きいほど上昇のスピードが上がるということです。 逆に下がるときは、センサーのまわりのが温度か低いからということになります。 温度計の示している温度を鵜呑みにしてしまうと大きなミスをしてしまうというのは このためです。ですから、自分の目を信じて温度計を補助的に使ってコーヒーは焙煎しなければ ならないとぼくは思います。

今までのバーナー部分

高さ切り替え機能付きバーナー

高さ切り替え機能付きバーナー
直火式焙煎機は、現在どちらかというとバーナーとドラムを離す熱風式に近いタイプが 主流になっているような気がします。ただし、それが正しい選択なのかどうかは誰も 判らないのです。 (ただし、炎を近づけた場合、蒸らしをしっかりやらないとうまく焙煎できないような気がしますが・・・) そこで、実際にどのぐらいの位置にバーナーがあるのが適当なのかを調べるためにバーナーの高さを 変えれるように改造しました。
ちなみに、個人的見解では炎は豆に直接ぶち当てた方がいいように思います。 どうも、ただコーヒーに熱を与えている以上に炎は意味があるように思えてならないのです。 (ただし、これは単なる直感なんでまだまだ根拠はないです)

クリーニングブロアー吸い込み口

焙煎機のドラムの掃除

L型・吸い込み口

クリーニングブロアー
焙煎したら毎回ドラムや煙道なんかをブロアーで掃除します。 これをしないと焙煎時に残ったチャフや微粉に次の焙煎で火がついて煙を出します。 このチャフや微粉が燃える場所がドラムよりも下だと珈琲豆が煙を吸着してしまいます。
(ぼくは、このドラムよりも下で燃えるのを防げはいりたて特有の煙くささは防げると思います。)
このブロアーで掃除をするときにほこりやチャフが舞い上がって大変なんです。 そこでつくったのが、掃除機の吸い込み口をバーナーの真ん中に置いて掃除機の吹き出し口を ブロアーとして使う事です。
この装置の良さは、ブロアーで吹いたときのほこりを掃除機が すぐに吸ってくれて焙煎機の外にほこりがでないことです。 それとバーナーの近くでほこりを 吸うとブロアーで舞い上がったほこりがバーナーのノズルをつまらせにくくできます。
(今までのブロアーでの掃除は、バーナーの上にふたをしてやっていました。)

釜本体用センサー

釜本体用センサー
焙煎機についているセンサーは、せいぜい豆の温度をはかるか 排気温をはかるかぐらいしかありませんでした。 今回は、釜の一番空気の動きのなさそうなところにセンサーを 取り付けました。これは、釜自体の温度をはかるものです。 つまり、排気温などか同じであっても釜の温度が低ければ、 焙煎時間が長くなってしまいます。 つまり、釜の状態をみるためのセンサーです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎機の改造 1

焙煎の理論なんかは、めちゃくちゃ変化します。それは、その時に考えられる最高の方法を 使って焙煎するからなんです。(けっこう、内緒で焙煎の方法をどんどん変えてしまう)
そうやってだんだんと焙煎機の欠点や良い点が見えてくるんです。 だから、ぼくはコーヒーの味が変わることを恐れずに焙煎機の改造を繰り返すのです。 (たまにやらなきゃ良かったと思うときもありますが・・・・・・)
じっくりと読んでみると最初のころと現在の焙煎の考え方が変わっているのがよくわかると思います。

(写真・ガス圧計の上にあるのが廃熱温度計)

廃熱温度計
焙煎機は、排気を絞るとドラム内が蒸し焼き状態になります。 つまり、バーナーで熱を加えても排気が弱くて熱がドラム内に こもってきます。こもってきた、熱を測定するためにとりつけたのが 写真の温度計です。これは、ドラム位置より少し下に穴をあけて 熱風を取り出しています。この温度がたかくなれば火力に対して 排気が絞り気味であるということになります。 逆に排気を開けぎみにすると上に伸びたパイプから熱気が上がらなくなり 一気に温度が下がることになります。 この温度計と、ドラム上部に取り付いた温度計(下の写真)で火力と排気の 関係を調べています。その中で判ったことは外気温が低いと煙突の効率が 非常にたかくなり排気を絞っていても通常より排気が強くなる傾向があるという事です。 ですから、焙煎するときは外気温に気を付けてください。

(写真・すきまそうじ用スリットのうえにあるのが廃熱温度計)

mew・廃熱温度計
以前の廃熱温度計は、パイプ内の空気の温度をはかっていて パイプが熱を持ったあと下がりが悪い欠点を持っていました。 そこで、今回はめちゃめちゃ単純にセンサーむきだしにしました。 これにより、廃熱がおおくなると簡単に温度が上がり、少なくなると 簡単に下がるようになりました。 排気の、ほんのちょっと変化がこれでわかるようになりました。

(写真・排気監視窓と下が排気チェック温度計)

排気監視窓
この窓は、どれだけ排気されているか、どれだけチャフがたまっているかを監視する窓です。 毎日焙煎をやる前にガラスをアルコールでふいてきれいにしています。(内側がけっこうよごれる) 掃除がしやすいように簡単にガラスがはずせるようにもなっています。そして、反対側にも 同じ窓がありそこからライトで光を送っています。(ひとつの窓だと焙煎機の中が暗くてよく見えない) この窓からみているとチャフの飛んでいく様子がよくわかります。そして、焙煎機の形状の欠点も。 この焙煎機では、ダンパーが焙煎機の上部にありチャフはドラムからU字を描いて飛んでいくことに なります。フロントパネルの下(スプーン上部の斜めの部分)は、空気の流れが遅いのでチャフが フロントパネル下にたまってしまうのです。ですからたまに、フロントパネル正面の窓から吹いて チャフを飛ばしてやらないといけないのです。 一度焙煎したら必ずブロアーなどで焙煎機内のチャフを飛ばしておかないと次の焙煎でたまったチャフに 火がついてコーヒーにいゃな煙臭ついてしまいます。

(写真・ガス圧計のした付近にチャフ受け皿冷却装置がある)

チャフ受け皿冷却装置
上に伸びたパイプからどれだけ煙がでてくるかでコーヒー豆が 煙をかぶっているかの目安にもなります 特にこのパイプをつけたことにより煎りたてのコーヒーが煙り臭くて おいしくない理由もわかりました。焙煎をするとコーヒーからチャフが はずれます。これが通常バーナーの下にあるチャフ受け皿にたまります。 チャフに火がついた状態でチャフ受けに落ちて火が消えないと大量の煙を だすのです。これが、ドラム内のコーヒーに吸着されるのです。 つまり、チャフ受け皿でチャフを燃えないようにしてやれば煙臭は 大きく減らすことが出来るのです。 そこで考えたのが、チャフ受け皿を冷やしてやることです。チャフが受け皿で 燃える理由は、受け皿が熱いからです。受け皿が冷たければ、火のついたチャフが 落ちてきても熱を奪ってしまい消えてしまいます。そうすれは、煙の量は一気に少なく することが出来るのです。そのために、チャフ受け皿の下に空気を通して冷やすような 装置をつけてしまいました。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

間違えやすい焙煎機の改造

東浦の「I」さんと焙煎機の話をしていて気づいたことを書きました
ぼくがつくった焙煎機かうまく動いていたのはたまたま偶然だった気がします
こんなに基本的なことを知らずにつくっていたとわかってちょっとびっくりしました(反省)
下の焙煎機はどちらも煙突にシャッターをつけて排気を調節しています
しかし、左は思うように排気をコントロールできるのに対して右は思うようにできませんでした
最初はそれがなぜかがわかりませんでした
「I」さんと話しているうちにそれがドラムとカバーの隙間にすべての問題があると感じたのです
そこがわかると焙煎機の改造は簡単だと思いました
ちなみに・・右側の焙煎機は豆投入口を排気調節に使うよう改造するそうです

(写真・とんがり屋根のようなカバー)

(写真・角型のカバー・東浦の「I」さん作)

一般の方が陥りやすいミス
ぼくの焙煎機の改造の基本は排気の調整がスムーズに行くことが一番のポイントです
そして・・・素人の方が陥りやすいミスがドラムを覆うカバーの取り付け方なのです
特にドラムのサイズに対してカバーのサイズを大きくつくりすぎるともうアウトなのです
なぜか・・・・
基本はドラムとカバーをできるだけ近づけること
ガスを燃やした熱風が必ずドラムの中を通過するように工夫することが大切です
ドラムの中を通るよりも熱風がドラムとカバーの隙間を通るほうが楽だと
そちらを優先的に通るようになってしまうのです
そうすると当然豆に熱を奪われないわけですから煙突部分が極端に高温となります
ですが豆は思うように煎られていかないことになります
あとバーナーが遠くなると大量の熱風ができることになります
業務用の焙煎機は、ファンで熱風を吸って焙煎をする構造になっています
それに対してこの素人の焙煎機は煙突効果だけが頼りなんです

いかに豆の中に熱風を通すか
まず・・・この構造の焙煎機で煙突から熱風がでてこないことはありえないのです
必ず温度差があるわけだから当然なのです

問題はドラムの中を通ったかドラムとカバーの隙間を通ったかだけの差だけです
煙突部分に取り付けた温度計のあがり方が極端に早い場合は
ドラムを通っていないと考えていいと思います
対策としては、バーナーがつくる熱風をドラムに流すフィンのようなものをつくるか
カバーとドラムの隙間を減らすように工夫するしかありません
あと・・・バーナーを近づけることも豆の中に熱風を通す方法のひとつとなります
(煎りムラを起こしやすいと嫌う人もありますが・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレーバーの焙煎機 6

(写真・バーナー部分)

焙煎機に取り付ける

ブロアーを使用中

クリーニングブロアー「T」型
バーナーの上を走っているパイプが掃除機の給気口とつながっています
そして・・掃除機の排気がブロアーとして使われています。
ブロアーで焙煎機を掃除したときにホコリが舞うのを防ぐことができます
ドラムの下のほうにあるチャフやホコリが燃えて煙をだします
それを毎回吹き飛ばしてから焙煎すれば煙くさいコーヒーにはなりにくくなります
そのときに単純にブロアーを使うとホコリが舞ってしまって大変です
そこで考えたのが吸気をで燃焼室の灰を取るというアイデアです

...

(排気チェックスプーン)

焙煎度をみる

内圧をみる

排気検査機能付きスプーン

このスプーンは結構多くのコーヒー屋さんにつくってあげました
ぼくとしては・・力作です
通常のスプーンと同様にコーヒー豆の焙煎度合いをみることと・・・
焙煎機内の内圧が正か負かを明確に調べることができます
(これに関してはマノスターゲージよりも正確です)
このスプーンから出てくる気体が何かを調べると釜内の状態がよくわかります
つまり、蒸気が出てくるのか煙が出てくるかで意味がまったく変わるわけです
とりあえず、排気の大切さを理解できたのはこのスプーンを使うようになってからです

(写真・吸入温度計付近)

吸入温度計
吸入温度計とは・・バーナーの熱風の温度をはかるための温度計です
バーナーの炎があたらないところでドラムの近くにセンサーを持っていってあります
この温度が上がっていくときは排気が絞ってある状態となります
逆に温度が下がっていくときは排気が大きくバーナーがつくった熱風の量よりも 排気のほうが多いということになります

隙間スリット
このスリットから空気を吹き込むとドラムとカバーの隙間に 空気が吹き込まれるように工夫してあります
それによりホコリやチャフを飛ばして焙煎時の煙発生を最小限に減らします

(写真・木製豆排出レバー)

豆排出レバー
豆の排出口のストッパー部分です
この部分の先端のつまみ部分はプラスチックだから熱くないのです
しかし、軸部分は金属なんで熱いのです
そこでその金属部分に木製のパイプをはめ込んで素手で触っても熱くないようにしました
(わざわざ木製のパイプをつくったんです)

(写真・飛びはね防止アミ)

飛びはね防止アミ
生豆のホコリ飛ばしなどやっていると・・・
冷却器に落としたときたまに飛び出す豆があります
これは、ある一定以上の豆をドラムに入れてまわした状態で・・・
排出口をあけると排出口の隙間から飛び出す豆があるんです
それを防ぐためのアミです

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレーバーの焙煎機 5

バーナー界隈の改造部分

焙煎の心臓部といえば・・・・バーナー界隈でしょう
ここの部分は・・一番いろいろなところをいじっています
だ分ここの部分ノウハウが一番豊富だと思っています
とりあえず・・アイデアが盗める程度に詳しく紹介するつもりです
じゃんじゃん盗んでください
ただ・・一言声をかけてくれるとうれしいですけどね

(写真・バーナー位置・低)

(写真・バーナー位置・高)

バーナー高さ切り替え装置
焙煎中に自由にバーナーの位置を変化させることができる機能です
これは炎の先端が高温であるという特徴を焙煎に使うために必要でした
つまり・・熱量でいえば炎が遠くても近くても同じなんです
(燃やしているガスの量に依存するため・・・)
ただ豆を熱するだけならば遠火の方が煎りむらを起こしにくくていいです
これのいい例が熱風式の焙煎機です
低温の大量の熱風で焙煎するほうが煎りむらが起きなくて楽チンです
(熱風のドラムに変更して一ヶ月実験したときの結論)
では、何が弱点か・・・
豆に与える温度という刺激を使えないのです
それを使うためには直火式の焙煎機で
バーナーの位置はドラムに炎が直接あたらないといけないと考えました
だだ・・蒸らしの段階で温度よりも熱量が重要になります
そこで・・・
蒸らし段階はバーナーを低い位置にいる段階では高い位置にと・・
自由に変化させる構造にしたのです
ちなみに・・ばねを使って軽い力でバーナーを上げ下げできるようにしてあります

(写真・バルブ切り替え部分)

(写真・エアーガン装着状態)

バーナー簡単掃除システム
直火式の欠点はドラムが網になっているためにチャフなどが下に落ちてくることです
そして、落ちてきたチャフがバーナーの目詰まりをおこしてしまうのです
バーナーはガス圧が一定でも目詰まりを起こせば一気に熱量が足りなくなります
そのためにバーナーの掃除は絶対に必要となるわけです

構造・・簡単にいうとバーナーのノズルに高圧の空気を流してバーナーの目詰まりをなくすわけです
そのために分岐バルブをつけてガスを流すときと空気を流すときを分けています
空気を流す側にカプラーをつけて簡単に装着できるようにと・・・
ガスが空気の側に流れてきたとしても安全なようにしてあります

(写真・ふいごでバーナーを掃除する)

(写真・エアーガンでバーナーを掃除する)

バーナー掃除補助具
バーナーの目詰まりも、簡単なものはこのふいごでホコリを吹き飛ばします
それでもバーナーの炎が安定しないようだったらエアーガンに先端を取り替えて使います
このふたつでバーナーがきれいにならなかったときだけ・・・
バーナーにエアーを吹き込むようにするのです

取っ手を変えた灰箱
これは焙煎機のバーナーの下にある灰箱です
つまり、チャフなどの燃えカスがたまる場所です
一回、焙煎が終わるごとに灰箱のごみを捨てるのです
ところが・・・
この灰箱はバーナーの下にあるだけに結構・・熱い
そこで灰箱の取っ手を木製の取っ手に変えました
これにより・・・灰箱のごみ捨てが素手でできるようになりました
連続焙煎するには非常によいアイデアだと思っています

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレーバーの焙煎機 4

(写真・ホッパーチェックミラー)

ホッパーチェックミラー
焙煎機のホッパーです
ここに豆をセットしておき釜があったまったら・・豆を投入するわけです
ここになぜ鏡が必要になったか・・・
生豆のほこり飛ばしをやっていて最後の一回分を忘れたんです
(たまたま豆の量が少なかったため気がつかなかった・・・)
焙煎をはじめようと豆をホッパーに入れた瞬間・・・
しまったと思いました
空のホッパーと豆が入っているホッパーではとーぜん音が違うからすぐわかります
そこでポッパーが空かどうかが目視できるように鏡をつけたわけです
簡単ですが・・・役に立ちます

(写真・給気口カバー)

給気口カバー
焙煎機を動かすと大量の空気が外から入り込みます
当然・・給気口が必要です
問題は冬場にこの給気口から入ってきた風がさぶい・・・
そこで換気扇カバーを取り付けて・・・・
給気口の風をガスファンヒーターの空気取り入れ口のほうに向けています
そうしないと・・・
バイトの女の子がさぶいもんで・・・

(写真・過熱水蒸気用排水ポンプ)

過熱水蒸気用排水ポンプ
過熱水蒸気発生装置はどうしてもドレンがでます
当然・・・長時間焙煎をやればそれなりの量になります
ドレン受けの容器がいっぱいになると流しまで運ぶのが大変です
そこで外にホースをつなげてつくったのが排水ポンプ・・・
単純に熱帯魚用のポンプを使いました
まぁ・・・電動にする必要もないですから・・・
ある程度ポンプで水を捨ててから流しへドレン受けをもっていきます
どーしてもチャフとかで汚れますから・・・

(写真・ポンプとセンサー部分)

(写真・排水用の回路)

過熱水蒸気用排水ポンプ 2
いままで排水を手動でおこなっていました
たまたまホームセンターへ行ったら・・・
お風呂用のポンプがめちゃめちゃ安かったんです
これならば・・・自動で排水する装置がつくれます

今回の回路の特長は、マノスタースイッチをフロートスイッチの代わりに使っています
本来水位を判定するにはフロートスイッチを使うことが多いのです

今回は、水位が上がると金属容器内の空気が押し上げられて圧力が生じます
その圧力を利用してスイッチを動かしています
これだとマノスタースイッチの圧力調整で水位を自由に変更することが可能となるわけです

あと・・・容器の大きさによりこの部分がアンプの役割をしてくれます
このアイデアはイロイロと使えると思いました
個人的に気に入っています

(写真・普段のポジション)

(写真・煎り豆の目減り測定)

(写真・生豆の小分け時)

大活躍のはかり
通常・・はかりのポジションは焙煎機の取り出し口のところです
ここで焙煎した豆の軽量を毎回行っています
それによってコーヒー豆の目減りはいつも把握できています
(ちょっと・・・じまん!)
そして、使いやすいように、はかりの高さは豆ケースの高さに合わせています

生豆のほこり飛ばしの場合は、はかりを移動させます
(はかり台の下にキャスターがついているので楽ちん!)
そうすると取り出し口のところに低い台が現れます
ここには18リットル缶がちょうどおさまる高さになっています
ホコリを飛ばした生豆は12キロづつに計量されて保管庫に保存されます
そのときに使われるのが・・・大口径投入誘導装置汎用袋詰誘導機

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)