ペーパーはオイルを吸着するか

コーヒーの業界って・・・
けっこう常識に縛られています
しかし・・その常識が絶対かどうかは別問題です
ぼくの中でずーーーーっと不思議たったこと・・・
「ペーパーはコーヒーオイルを吸着する」
外国のえらい人がいったのが始まりみたいなんですが・・・
どんな実験をやってそうなったかは・・・ぼくたちコーヒー屋も知らない
ただ・・・その言葉だけが独り歩きしている
そこで実際に吸着するのか実験してみました

実験方法
あらびきのコーヒー10gに150ccでプレスを使います
(抽出法はフレンチプレスのたて方を参考に)
抽出時間時間は3分間です

フツー・・・だだフツーに抽出しただけ
しっかり油が浮いている

ペーパー・・プレスのフィルターにペーパーを取り付けて抽出したもの
やっぱり油が浮いている

ろ過・・・・ペーパーフィルターで抽出したものをろ過したもの
表面に油は浮いていない

ペーパーを使う
プレスのフィルター部分に丸いペーパーを取り付けて抽出する
ペーパーの吸着が本当ならば油は浮かないはずです
しかし・・実験の結果は見事に油が浮く
どうもペーパーでコーヒーオイルが吸着されるというのは
違うような気がする
単にフレンチプレスの優位性を語るのに
使われただけだと思う
まぁ・・・この程度のうそにだまされたぼくたちコーヒー屋も問題ですけどね

ペーパーフィルターでこす
フツーにプレスで抽出したものを
ペーパーフィルターでこしてみました
これは微粉がこせるだけでなくオイルもしっかりこせました
つまり・・カップのほうにはオイルが入りません
そして・・カップにはいったコーヒー自体がまずいのです
酸味が強くでたりしてバランスが大きく崩れるのです
これがペーパーよりもプレスのほうがいいという根拠となっていったんだとおもう

実験の結論について
すごくシンプルな結論ですが・・・
ペーパーも単なるフィルターと考えたほうがいいと思います
プレスのようにフィルターに圧力がかかる場合はオイルもとおります
(微粉は隙間をとおるんだと思う)
吸着とかは関係ないのです

本来・・・水と油は混ざりません
(だから・・・浮くんですけどね)
当然・・・ペーパーに油を塗っておけば水は通りません
逆に水にぬらしたペーパーだと油がこせません
(ちょっと・・・当たり前っぽい話・・)

つまり・・・
ペーパードリップでは最初にペーパーが水で濡れます
その状態では油は通れなくなります
そのため油はカップのほうに落ちないのです
しかし・・・圧力がかかった場合は話が別です
プレスのように圧力がかかればオイルもペーパーの隙間を抜けるのです
(結論としては・・・当たり前)

この考えでいくとペーパーフィルターでオイルが浮く条件は一つしかないと思います
粉に対して強いかくはんを起こしてやること
こうすれば軽いオイルもペーパーフィルターまで達することができるし
お湯の勢いがよければペーパーフィルターを通る圧力が生まれることになります
ただし・・・この抽出法がうまいかどうかは別の話です

それから・・・
プレスでたてたコーヒーをペーパーフィルターでこすと味が全く変わります
ペーパーフィルターでドリップしたコーヒーをこしても味は変わりません
これはプレスという器具がオイルと微粉に味を大きく依存する性質をもつというだけで
これは長所でも短所でもないのです
単なる特徴なんです
逆にドリップはドリップの特徴があるわけです
だから・・・どちらの抽出法がすぐれているというわけではないのです
ただし・・・人によって好き嫌いはあってもかまわない気がします

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

めちゃめちゃうまい!プレスのいれかた

まず・・・知らねばならないのは・・・
プレスはコーヒーのすべてを溶かしているわけではないということです
もっというと・・・非常に抽出器としては未完成なものであるということです
抽出の完成度としてはドリップ式のほうが完成度も高いし
成分の選択性もあるので優れていると思います
しかし、プレスにはどの抽出器にも無い優れている点があります
それがよくいわれるオイル感です
これは残念ながらドリップではだせない成分なのです
ただし、ドリップでも強いかくはんを起こせばだすことができます
しかし、その場合は雑味感も強くでるので通常はやりません

1.プレスと松屋式ドリップ

2.お湯をさして蒸らしの状態

3・ふたつを混ぜて完成

めちゃめちゃうまい!プレスのいれかた
1・器具を用意する
松屋式の器具とフレンチプレスを用意します
フレンチプレスの入れ方はフレンチプレスのいれ方を参考にしてください
松屋式抽出法は松屋式ドリップを極めるを参考にしてください
このいれ方は松屋式の長所もプレスの長所も理解せねば意味がないのです

2・コーヒーの粉をいれて蒸らしにはいる
松屋式の蒸らしにはいってからプレスの蒸らしをやるぐらいでいいと思います
実際にどちらの抽出法も少しぐらい蒸らしが長くでも味に影響はありません
もし・・・味がおかしいようでしたらそれ以外の問題があるとおもいます

3・できあがったコーヒーを混ぜる
松屋式ドリップのほうはうまみが溶けたところでやめます
つまり・・・抽出は人数分の半分の量でやめるというのが大切になります
この松屋式で大半のうま味を溶かしてプレスでオイル感を溶かすのです
そして、そのふたつを混ぜることにより
ドリップでもできずプレスでもできないコーヒーが出来上がるわけです
ただし・・・この味がぼくが研究している「アポロ」と味の性質が似ているんです
ということは・・・・「アポロ」はプレスと同じようなオイル感を
溶かすことができる可能性があるということです

実際にはまだ仮説でしかありませんが・・・・

プレスを押し下げだ濃いコーヒー

松屋式の濃いコーヒー

ふたつのコーヒーの比較
(松屋式のほうが圧倒的に濃く出ている)

ふたつの抽出法の違いについて
写真でみてわかるようにプレスでたてたコーヒーは明らかに薄く濁っています
松屋式のような透明感のある濃い黒ではありません
つまり・・・プレスという器具は濃くだすことは苦手なのです
だから・・クリアな味が得意なスペシャリティーに評価されるのです
(それとプレスは焙煎の失敗がわかりにくいという欠点を持つ)
そのかわり・・・素人でも少し覚えれば簡単にコーヒーがたてられるよさがあります
そういう意味では家庭用の器具ですから仕方ないのです

とにかく再三いうようですが・・・プレスは濃くだすための器具ではないのです
オイル感を楽しむ器具なんです
(これだけで十分価値があると思う)

それに対して松屋式は喫茶店の抽出を基としています
つまり、技術を持っていることを基本としているわけです
その分・・・うまいへたがでやすいという欠点があります
ただし・・プロの技術である味の選択性を持ったとしても
オイル感というものは松屋式では絶対にだせないのです

その全く性質の違うふたつの器具でたてたコーヒーを混ぜるとどうなるか・・・・

プレスの物足りなさを松屋式のクリアなうま味がカバーしてオイル感のあるクリアーで
ミルクにも負けない最強のコーヒーができるのです
味が「アポロ」似ているのが一番の特長です

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレンチプレスの改造

現在売られているフレンチプレスは・・・
アミの部分が細かいことと・・・
アミが平らであること・・・
この2点が気になります
これは・・・
プレスが単なるロカキとしてしか考えていないからいです
(別にそれでよければいいんですけどね)

それで・・・ぼくなりに改造してみました
ちなみに・・抽出の基本はフレンチプレスのいれ方 を参考にしてください

左・通常 右・つくったアミ

アミのアップ

フレンチプレスのアミをかえる

プレスの抽出で微粒子感はコーヒーの微粒子が原因ではなく
コーヒーのかくはんが原因であると考えています
つまり・・コーヒーの微粒子などはカップの中に入っても何も問題はないのです
それと・・・コーヒーの微粒子はロウ質の部分ではなく
コーヒーの豆の内部の部分であることが多く豆の内部は水を吸いやすく
カップのそこにすばやくとごってくれて飲みにくさには関係がないと考えました
そう考えれば・・・ガスが抜けやすい程度の荒いアミのほうが有利です
そこで茶漉しをばらしてつくってみました

ガスもスムーズに抜けて非常に調子いいです

アミのバルーン

ガスを外に逃がすためのもの

アミのバルーン
コーヒーの粉を水面よりも下に押し下げる部分のアミです
これは下に凸の状態にアミをしてあります
これは・・・コーヒーからでたガスを抜くときに 容器との接触部分が一番抜きやすいからです
そのためにガスが外へ逃げやすいようにつくりました
ガスができるだけ短時間で抜ければ抜けるほどお湯とコーヒーが接触しやすくなります
いかにスムーズにガスを抜くか・・・
この工夫がプレスを発展させるかどうかの鍵となります

ちなみに・・・このアミのバルーン構造は・・・
ぼくが20年前に発明したサンドイッチ抽出法で使った技術です

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレンチプレスのいれかた

フレンチプレスとは・・・
浸漬法の代表的な抽出法です
粉とお湯がずーーーっと接触した状態で抽出されます
オイル感や微粒子感が特徴です
・・・実は僕はこの器具が大嫌いでした
イロイロなサイトに書かれている抽出法を試しても全くうまくない
どう考えても・・おかしい・・・
そこで・・・自分独自の抽出方法を編み出すことにしたのです

1・お湯をいれる

2・粉をいれる

3・ふたをセットする

フレンチプレスのいれ方

1・お湯を入れる
これは・・・コーヒーを入れてからお湯を注ぐのではなくて逆なんです
つまり・・・お湯を先に入れてからコーヒーの粉を入れたほうが
コーヒーに対して物理的な刺激が少ないと考えたからです
ちなみに・・・このやり方は浸漬法とはいえない気がします

2・コーヒーの粉をいれる
粉のひきは荒くします
粉の量は一杯あたり8-10gぐらいでいいと思います
このいれ方はあまり濃くださないほうがいいです

3・ふたをセットする
単純にふたをきせるだけです
このときにフィルター部分はいちばん上に上げておきます

4・水面より下に押し下げる

フィルター部分のアップ

5・できあがり

4・フィルターを水面より下に押し下げる
ここがいちばんのポイントになります
つまり・・・コーヒーの粉からでるガスをスムーズに抜いて
コーヒーの粉とお湯が確実に接触する方法は
ゆっくりとフィルターを水面よりも下まで押し下げることなのです
こうすれば
コーヒーからでるガスは泡となってフィルターの隙間から抜けてくれます
そして、コーヒーの粉にお湯が進入して抽出できる状態に自然になるわけです
ですからコーヒーの粉は必ず泡が通れる程度の荒さである必要があるわけです
(細かいとコーヒーからでた泡が抜けられずにコーヒーとお湯の接触の妨げになる)
そして・・・この状態で3分から5分程度待ちます
このやり方ではコーヒーの粉に物理的な刺激を与えていないので
10分以上置いておいてもなんら問題ありません
(粉が浮いた状態でもかまいません)

5・フィルターをゆっくりと押し下げます
コーヒーの粉が浮いた状態だとフィルターを押し下げるにつれて・・・
コーヒーの粉の間をゆっくりと流れることになります
これは、ちょうどドリップの逆になるわけです

そして、コーヒーの持っているオイルは確実に上にあがってくれます
普通にかくはんする方法と比べると粉っぽさが全く出なくて
非常に飲みやすいコーヒーができあがります

とりあえず・・・フレンチプレスでの抽出ではこれがいちばんきれいな抽出法だと思います
(もっと良い方法がみつかるかもしれませんがね)

ちなみに・・・このときのフィルターは金属である必要があります
ペーパーやナイロンではなく金属でなければなりません
これはオイルを吸着するとかではなく
コーヒーからでたガスが金属のあらいフィルターのほうが抜けやすいからです
そしてこのガスが抜けてくれないとコーヒーの粉とお湯の接触を妨げてしまうからです 

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「新型・氷だしコーヒー」

新型・氷だしコーヒーについて・・・・
今までの氷だしコーヒーではコーヒーの粉を直接ペットボトルに詰め込みました。
*氷だしコーヒー再発見を参照
当然、片づけにくさが欠点でした。
今回は今まで販売している水だしコーヒーを使って
氷だしコーヒーをやってみました。

普通の使い方

水だしコーヒーを氷だしで使う

水だしコーヒーで氷だしコーヒーをつくる
水だしコーヒーのパックを650ccの水の中に入れて
ほったらかしておけばアイスコーヒーができます。
これは浸漬法という非常に手軽な抽出法です。
非常に手軽でいいのですが味に関してはお茶のような感じで
力がないのが欠点です。

今回はその水だしコーヒーのパックを使って
氷だしコーヒーをつくろうというものです。
水だしコーヒーのパックの場合、片付けが非常に簡単で本当に手軽な感じで
氷だしコーヒーが作れるのが特徴です。

コーヒーパックを詰める

少しお湯をかける

コーヒーに氷をの載せる

氷だしコーヒーの作り方
1.2リットルのペットボトルの底をカッターナイフなどでカットします。
2.水だしコーヒーのパックをペットボトルの口部分にしっかりと詰めます。
(出来るだけ隙間ができないよう詰めます)
3.お湯を少しだけコーヒーパックにかけて3分ほど待ちます。
(コーヒー豆の内部のガスを抜くため)
4.氷を適当な数、ペットボトルに敷き詰めます。
(多めに入れたほうがうまくいきます)
サーバーに300ccから400ccぐらいコーヒーが落ちたら
好みの濃さまで水や氷で薄めます。

抽出スタート

約40分後

約8時間後

水だしコーヒーと氷だしコーヒーの比較
水の中に浸けっぱなしの浸漬法では、
水とコーヒー液の比重の差が抽出の原動力となります。
つまり、上に浮いた状態のコーヒーに水が浸み込み
重さで下にコーヒー液が下に流れだします。
そして、軽い水は上に上がってきてコーヒーに接触し
コーヒーの成分を溶かすことになりまた下に流れていきます。
これの繰り返して徐々にコーヒー液の濃度が上がるわけです。
そして、コーヒー液の濃度が上がれば上がるほど
コーヒー液と水の比重の差が小さくなって溶かす力が弱くなってくるわけです。
当然この構造ではかくはんは行われないのでコーヒーのクリアさは維持できます。
しかし、残念ながらコクができない欠点があります。

氷だしコーヒーの場合は、単純に氷がとけた水がコーヒーの粉の中に流れていきます。
これは比重ではなく水の重さが原動力となるのです。
そして、成分がとけたコーヒー液はサーバーに落とされコーヒーは
成分がとけていない水と常時接触することとなるのです。
その分、溶かす力が浸漬法と比べると溶かす力が強いため
コクのあるコーヒー液をつくることができます。

左・浸漬法 右・ドリップ法

結論
美味しさに関しては圧倒的に氷だしコーヒーがうまいです。
お茶感覚で飲める部分では、浸漬法も悪いわけではありません。
しかし、濃いコーヒーを薄めてのばすことはできますが、
薄いコーヒーはそれ以上細工はできないのです。

この器具は、だれでも手軽につくれるし
ふたつの抽出法を実験するのにちょうどいいと思います。
ちなみに、水だしアイスコーヒーは販売しています。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

氷だしコーヒー再研究・・・

氷だしコーヒーとは・・・・
基本的には、水だしコーヒーの変形みたいなもんです
通常の水出しコーヒーはコックなどを使って一滴づつ水が落ちるように調節します。
いますが、氷だしコーヒーは氷の溶けるスピードを利用して
ゆっくりとコーヒーに水を供給するのです。
まぁ・・・ 誰でも簡単にできる装置ってなのがちょっとつくる気になった理由なんですけどね

(写真・コカコーラ1.5リットルのペットボトル)

氷だしコーヒーの器具のつくり方
1.コカコーラの1.5リットルのペットボトルを用意する
2.ペットボトルの底をカッターナイフで切り取る
一応・・コカコーラの1.5リットルのペットボトルが一番使いやすいと思いました
とくに・・コーヒーを100gいれた後に氷を
たっぷり入れるスペースがあって都合がいいです
それとペーパータオルをフィルターにする時、
コーヒーの粉がとおりにくくうまくできるのです

(写真・ペーパーをつめる)

フィルターを取り付ける
できれば厚手のキッチンペーパーが理想です。
もし・・なければペーパータオルを二枚重ねで使ってもかまいません
厚手のもののほうがペットボトルの口部分に隙間ができにくく
微粉が落ちにくい特長があります
3.キッチンペーパーを4ッ折にして人差し指にかぶせるようにして、
ペットボトルの内側から押し込みます

(写真・蒸らし)

コーヒーを蒸らす
細かくひいた(NO.2)コーヒーをペットボトルにいれる
(100gぐらいが適当・・)
そして、100gに対して120ccのお湯をゆっくり細くさします
このときのお湯の温度は70度程度て十分です
お湯をさし終わったら、10分間の蒸らしを行います
このときにさすお湯の量は、
松屋式ドリップの時に蒸らしで使うお湯の量を基本としました。
つまり、コーヒーの粉がお湯に浮かない程度の量しか
蒸らしではお湯を使ってはいけないと考えました
それには、松屋式ドリップの時のお湯の量が一番妥当と考えました
お湯の温度は、あまりコーヒーの粉から泡がてで膨らんでもらうと都合が悪いので
低い温度である70度にしました
全体に粉が濡れていなくても10分程度ぽったらかしてやると
お湯がゆっくりとしみこんでペーパーの部分まで到達します
それと、蒸らしを長くとることによって、コーヒーの層自体が下に少し沈んで
氷の重さにも耐えることができるのです

蒸らし終了後のコーヒー

氷をコーヒーの上に並べる

氷を詰めて準備完了

氷をコーヒーの上にのせる
蒸らしが終わったら氷を準備します
まず、ボウルなどに水を張り氷をそこにいれます
その状態で氷をかき回しながら5分ほど氷を溶かします
これは、冷蔵庫から出した氷は-20度ぐらいあって、
そのままコーヒーにのせていくと氷同士がくっついてしまうのです。
そうなると、均一にコーヒーの粉に水がドリップされなくて困るのです。
その点、氷を0度まで戻してやっておけば絶対に氷同士がくっつくことはなく
とけると氷がバラけるようになって、コーヒーの粉全体に水が供給されることになるのです

3時間待って出来上がり・・・・
コーヒーの出来上がった量で決めてもかまいません。
それ以外の方法としては、でてくるコーヒーをスプーンですくって舐めてみてください。
その味が、自分にとって嫌味がでてきたと思ったらやめてください。
そして、そのコーヒーを好みの濃さに薄めたほうがよりきれいなコーヒーになります。
一応、目安としては100gの粉で
300ccから400ccぐらいが妥当だと思いました。
そのかわり、めちゃめちゃ濃いコーヒーなので
3倍ぐらいにのばして飲んだほうがいいと思います。
それ以外としては、濃いコーヒーをアイスクリームにかけて食べるとけっこううまいです。

(写真左・白い沈殿物 右・加熱しない時のコーヒー)

番外編---研究らしい部分---
実は・・・こっからが本題なんです。
このコーヒーを、あっためて飲もうと思ったんです。
そのときにアレって思いました。
温めたときに濁るのです。
普通コーヒーというのは、さめると濁るというのはよく聞きますが
温めると濁るというのは初めてだったんです。
そこで・・・氷だしコーヒーで濃厚なコーヒーを300ccつくって、
湯煎で熱を加えてみました・・・
そうすると・・・なんかよー判らんものが分離できました・・・
(写真左の白い部分)
そして、白い部分が沈んだ後、 スポイドて上澄みのコーヒーを抜いてコーヒーを追加して
まだ湯煎するという作業を繰り返しました。

一応、この白い物質の性質
・熱を加えると凝縮して固まる(湯煎したら現れた)
・比重は水よりも重い(静かにしておくと沈殿した)
・色は白い(みりゃあ・・わかるけど・・)
・作業を繰り返すうちにおおきくなっていった
(新しく追加したコーヒーの白い物質とがくっついた)

(写真・装置を水だしバージョンにする)

完全なる水出しバージョン
白い沈殿物が氷だしコーヒーの特長か・・・
これを証明するためには普通の水だしコーヒーをつくってみて
実際に沈殿物が出来上がるかを調べるしかありません
そのためにわざわざペットボトルをふたつ重ねて水だしコーヒー用に改造しました。
原理は上のペットボトルの氷が溶けて下のペットボトルの
コーヒーの粉に1滴づつ水が落ちるという単純な装置です
一応、氷のはいったペットボトルの口にはペーパータオルをつめて
氷が落ちないようにしました
実際に動かしてみると氷の溶け方も全く同じですし、
違っているのはコーヒーの粉と氷が接してないだけです

---研究らしい部分---その2
写真をみて判るように水出しコーヒーでも同様な白い沈殿物がでてきました
つまり・・・氷だしコーヒーの特長ではなさそうです
そして・・この白い粉の特長としてはクエン酸などで簡単に溶かすことができます

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

水だしアイスコーヒーの極意

(写真左側・ひきたてのコーヒー使用)
(写真右側・ひいて1週間ガス抜きをしたコーヒー使用)

いりたての水だしアイスコーヒーと
ガス抜き後の水だしアイスコーヒーの特長

アイスコーヒーの豆は大量の炭酸ガスを吸着しています。
通常の抽出では、蒸らしという炭酸ガスを放出させる作業をおこないます。
これにより、新鮮な大量の炭酸ガスを含んでいるコーヒーも
古くなって炭酸ガスが放出されているコーヒーも同じように抽出することができるのです。
(これにより、お湯がコーヒー内部までしみこみやすくなる)
水だしアイスコーヒーの場合、蒸らしがなく水につけておくだけなので、
この炭酸ガスの影響がでてしまうのです。

(写真左・水につけて1時間)

(写真右・水につけて2時間)

両者の抽出状態

左の写真が水だしアイスコーヒーを水につけて約1時間たったものです。
右の写真が2時間たったものです。
写真でもわかるようにガス抜きをした
コーヒーでは抽出のスピードが速くなります。
これは、コーヒー豆の内部に水が入り込みやすいからでひきたてのコーヒーの場合
コーヒーからでる炭酸ガスが水の進入を妨げて抽出のスピードを遅らせてしまいます。
もうひとつ、抽出の違いを起こす原因は、コーヒーからでる炭酸ガスの量で
ひきたてのコーヒーの場合は、コーヒーバックが膨らんでしまい
水が袋の中に進入しにくくしてしまいます。
このふたつの原因でガス抜きをしたコーヒーと
ひきたてのコーヒーの抽出の差がでてきたのです。
ただし、6時間後は、同じ濃さに落ち着きました。

(写真・たてた状態と寝かせた状態での水だしアイスコーヒー抽出)

立てて抽出と寝かせて抽出

左の容器は、口が広く寝かせた状態で水に浸かります。
右の容器は、口が狭く立てた状態で水に徐々に浸かります。
このふたつともガス抜きのしてあるコーヒーを使用しました。
コーヒーが入っている紙の袋は、
乾いている間はガスをスムーズに通すことができます。
しかし、いったん水がしみこんでしまうと
ガスがとおりにくくなります。
たてた状態では、ペーパーが完全にぬれるまでに時間がかかり寝かせた状態では
、 短時間で水がしみこんでしまいます。
本来ならば、たてた状態の方がコーヒーの抽出が早くなり
寝かせた状態の方がコーヒーの抽出が遅くなるはずです。
(寝かせた状態の方がコーヒーから出る炭酸ガスで大きく膨らんでしまう)
しかし、写真のようにふたつの抽出状態に差はでていません。
これは、ガス抜きがしっかりしているコーヒーでは、
コーヒーに水がしみこみやすくコーヒーからでるガスの量が少ないため
水だしコーヒーの袋がふくらんで抽出を邪魔をすることがないためだと思います。

結論

水だしアイスコーヒーバックでコーヒーをたてるとき、
ガス抜きがしっかりしている場合は、どんな容器でコーヒーをたてても大丈夫です。
しかし、ガス抜きがしっかりなされていない場合は、
たてた状態で水だしコーヒーバックがはいるような容器を使うとうまくいきます。
(ひきたてのコーヒーも含む)
ちなみに、うちの店の水だしコーヒーバックは、ひとつづつ香りを通さない袋にいれてあり
その袋に炭酸ガス吸収剤をいれておくことにより完全にコーヒーのガスが抜けるようにしてあります。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしアイスコーヒーを科学する

(写真・水だしアイスコーヒー)

コーヒーバックとは

コーヒーバックは、細かくひいたコーヒーがはいっている袋で水の中にいれて
6時間ぐらいかけて抽出する商品です。
特長は、なんといっても手軽で簡単。
それに尽きると思います。
いちじき、うちの店でもはやってたくさん作ったりもしました。
(けっこうコーヒーバックのノウハウも持っていました)
実際本格的にいれたアイスコーヒーと比べると味気なくて飽きちゃったんです。
そこで、同じ日に焙煎したアイスコーヒーを使って同じミルで同じひきにして
同じ量のコーヒー豆を使ってコーヒーバックで作ったアイスコーヒーと
氷だしコーヒーで作ったアイスコーヒーとどのぐらい違いがあるかを
試してみることにしてみました

(写真・コーヒーバックで抽出)

コーヒーバックの特長

コーヒーバックは1袋づつ香りを通さない袋に入れて販売していました。
このときのポイントは、かならす、鮮度保持剤を入れることです。
鮮度保持剤は、コーヒーからでる炭酸ガスを吸収するものでこれをいれることによって
コーヒーの持っている炭酸ガスが強制的に排出できるわけです。
(新鮮なコーヒー豆を一瞬だけ真空ポンプで真空にしたぐらいでは、
コーヒー豆の持っている炭酸ガスを100%排出できない)
この作業をすることにより、コーヒーの内部に水が侵入しやすくなるわけです。
抽出のポイントは、コーヒーバックが立った状態で水に使っていることです。
これによりコーヒーから出てくる気体があっても
乾いたペーパー部分から抜けることができるわけなんです。
ぬれてしまったペーパーは、気体通過を妨げるので最初から
バック全体をぬらしてしまうとコーヒーからでた気体で水の進入を妨げてしまうのです。
つまり、コーヒーと水が接しにくく
成分の抽出がしにくくなってしまうわけです。

(写真・氷だしコーヒーの蒸らしの後)

(写真・氷だしコーヒーで抽出)

氷だしコーヒー

氷だしコーヒーは、ダッチコーヒーの改造したものです。
感じとしては、性能の良いダッチコーヒーのようなものです。
氷の溶けるのを利用してゆっくりと1滴づつ均等に水が落ちるように
したものです。氷が溶けて水が落ちるので水の温度は一定になるのです。
くわしくは、氷だしコーヒーをつくろうを 参考にしてください。
普通のダッチコーヒーで水の温度を一定にする場合
フラスコに水と氷を入れておきます。
そうすると、水の温度が上がるのを 防ぐことができます。
基本的にダッチコーヒーの良いところは、コーヒーの抽出液が
長く持つことです。
それは、コーヒーの品質を落とす原因の温度変化が非常に少なくてすむからです。
通常、コーヒーを抽出すると70度前後になります。これを冷蔵庫などで保存すると
コーヒー液が、温度変化にさらされることになります。
その点、、ダッチコーヒーの場合は
それを防ぐことができるわけです。

(写真左・水だしコーヒーでだしたコーヒー)

(写真右・2種類水だしコーヒーの抽出液のアップ)

出来上がったコーヒー液の比較

どちらの写真も左側が氷だしコーヒー、右側がコーヒーバックのコーヒーです。
同じコーヒー、粉のあらさも同じ、出来上がり量も同じです。
ついでに言うならば、抽出時間では、
コーヒーバックの方が倍の時間(6時間)かけています。
コーヒーは、水の中につけた状態で抽出するのには限界があるように思いました。
氷だしコーヒーの場合、上から落ちてくる水は何も溶けていない、
一番ものを溶かすことができる状態なのです。
コーヒーの成分を溶かした水はコーヒーの粉の中を
ゆっくり下へと流れていきます。
当然、下へいけば行くほどコーヒーは濃くなり、
一番濃い状態でサーバーへと落ちることになります。
このとき流れようとする力は重力が原動力となります。
これに対して、コーヒーバックの場合は、粉が水の中に浸かった状態ですから
コーヒー成分がとけた状態と溶けていない水の状態との比重の差だけが
コーヒーの粉の中を水が通過する原動力となるわけです。
そして、この力はコーヒーが溶ければ溶けるほど比重の差がなくなっしてまい
コーヒーの粉の中を通過しようとする力が弱くなってしまうのです。
そして、もの(コーヒー)が溶けている水は、ものを溶かす力が弱くなってしまいます。
ふたつの同じ水出しコーヒーですが、濃さに歴然と差がつきました。
味も個人的には、氷だしコーヒーのが好きです。
(人の好みもありますから絶対とはいえないですが・・・)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

あさいりで水だしコーヒーをつくる

水だしコーヒーは、ふかいりの豆を使うというのは、コーヒー屋としては、
常識のようなものなんです。コーヒーを抽出するとは、
うまみの成分と渋味の成分をわけることです。
もっと簡単に言うとうまみの成分は
、溶かして渋味の成分は粉の中に残すということです。
水だしコーヒーは、うまみと渋味をわけることができないので、
渋味の成分のすくない、ふかいりの豆を使うのです。
なぜ、渋味までででしまうかを説明すると

  • 一滴づつコーヒーの粉に落ちた水は、うまみを溶かして下の方へ流れ落ちていく。
  • 上の方の粉は、うまみを溶かし終えたあと、渋味を溶かし始める。
  • 松屋のいれ方のひたひた状態で抽出ができないときは、渋味が溶け出す。
    これと、同じ事が水だしコーヒーでも起こる。
    (松屋のいれかた参照)

これが、水だしコーヒーであさいりを使わない理由です。
つまり、あさいりの豆を使うと、どうしても渋味がでてしまう。
これを、防ぐためには、ふかいりの豆を使うしかない。
これを、証明するために実験をしてみました

実験
あさいりのコーヒーを水だしコーヒーの器具にセットします。
(粉は、こまかびきでむらしは、穴をほってお湯でやってください。松屋のいれかた参照)
水を一滴づつ落として、でてくるコーヒーをスプーンにとってなめてみる

結果
予想と反して前半では、うまみしかでませんでした。
水を落とすスピードと味は、あまり関係がなく
せいぜいうまみが溶け終わるまでの水の量が違うだけでした。
(はやければ、コーヒーが多く出たところで渋味がでてきます。
おそければ、逆に落ちてくるコーヒーは、濃くて少ないところで渋味がでてきます。)

結論
水だしコーヒーは、こまかびきの粉を使います。
ここに、水出しのポイントがあります。
コーヒーの粉の保水力は、粉をこまかくすればするほど、高くなります。
実際、はかってみますと、水だしコーヒーが動いているときの
コーヒーの粉がもっている水の量と、松屋式でコーヒーをいれている時の
粉が持っている水の量が、ほとんど変わらないんです。
つまり、一滴づつ水を落としているのにもかかわらず、
松屋式でいう、ひたひた状態を水だしコーヒーは、つくっているのです。
そのため、うまみが溶け終わってから渋味が溶けるという松屋式の抽出と、
同じ事が水だしコーヒーでもおこるのです。
つまり、水だしコーヒーでもあさいりの豆が使えるということです。
そのかわり、人数分抽出するのではなく渋味がでたらそこでやめてあとは、
薄める必要があるということです。
そうすれば、おいしくて長もちするコーヒーが簡単にできます。
(この原理を使って作ったのが氷だしコーヒーです。)

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

水だしコーヒーの器具をつくろう

準備する品々
ペットボトル、コーヒーサーバー、きゅうす
ひもかガーゼか手ぬぐいか

コーヒーの粉をしめらせます
カリタのドリッパーに細かくひいた深煎りのコーヒーを入れて
普通の蒸らしの様にお湯をかけます。

本来は水で練って空気を抜く作業をするのですが、
これがなかなか面倒です。
ガス抜きで一番手っ取り早いのは
お湯をさして水蒸気をコーヒーの粉の中に入れ、
炭酸ガスを追い出す普通のドリップ式の蒸らしです。
簡単なので今回はそのやり方でいきます

コーヒーの粉の上に丸いロシをのせます
しっかり蒸らした後(3~5分)の粉の上に丸いロシをのせておきます。
水出しコーヒーの場合は、一点に集中して
水が落ちるので水を分散させるためです。

...

等速滴下装置 「まじめなポタ君」
水の入ったペットボトルを適当なきゅうすにひっくり返してつっこみます。

きゅうすの中にひもを入れ、きゅうすの口からひもを出します。

ひもの長さを調節して、1秒間に1滴程度に調節します。
(ひもの長さを長くすると水の出るスピードが早くなります)※この装置はきゅうすの水位とひもの長さで水滴のスピードが決まります。 きゅうすの水位が下がると自動的にペットボトルから水が入りこんで きゅうすの水位を一定に保ってくれるのです。

簡単な作りでありながら高級なウォータードリッパーのように
最初から最後まで一定のスピードで水滴が落ちるスグレものです。

できあがり
一定量のコーヒーがでたらできあがり。
ウォータードリッパーは一度も温度変化にさらされていないので
けっこう長持ちします。
ホットにしてもアイスにしてもOKです。
もともと深煎りのコーヒーを使った理由は
浅煎りだと嫌味がでておいしくないからです。
低い温度で抽出しても時間をかけると嫌味は溶け出すようです。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)