電動ロースターの改造

知り合いのコーヒーマニア・・・・「S」くんが、焙煎機をもってきました。
(なぜか彼は・・ゴールデンウィークに遊びにくる・・・)
その焙煎機を、テキトーに改造してあげることになりました。
それは・・・20年ちかく前にみたことのある電動の焙煎機でした。
いゃあ・・・なつかしいなぁ・・・
そんな古い機械が現役で動くなんて・・・
ちょっと感動です

(写真・温度計と排気シャッター)

(写真・排気シャッターのアップ)

今回の改造・・排気口付近
この焙煎機は、排気口部分に触媒があってその触媒をその下にあるヒーターであたためて 煙を消すシステムになっていました。
しかし、残念ながらもう触媒は腐っちゃったらしくなくなっていました。
ですから、この排気口をふさぐことにより釜内で熱や湿気がこもった状態(蒸らし)を つくりだすことにしました。
実際にそれだけだとおもしろくないので、温度計も試しにつけてみました・・
(あまり・・意味がなかった・・・)
今みると・・・この機械の欠点なんかもわかるもんですねぇ・・・・
この排気口部分の触媒を動かすためには250度ぐらいの温度か必要なんです。
そのぐらいの温度にならないと煙が消せないのです。
そのためにこの排気口部分の真下にヒーターを組み込んである・・・
これは、非常に理にかなっているんですが・・・・
焙煎を考えると疑問を感じるんです。
回転するドラムによって豆をかくはんする場合・・
豆がどうしてもかたまってしまう・・・
ヒーターが上についているこの機械は、ヒーターのだす遠赤外線によって焙煎しようとします。
豆は、表面にでている豆だけ強力な遠赤外線で熱せられて、下に隠れている豆は熱が伝わらなくなってしまうのです。
普通に、下にヒーターをつければ遠赤外線の効果もヒーターの熱によってでる熱風の効果も焙煎に使えていいはずなのに・・・
この機械は、焙煎することよりも何が何でも煙を消すことに力を入れちゃったんですねぇ・・・
この機械を改造していてそんなことを感じました・・・
とりあえず・・・排気口をふさげは・・・釜の中の温度が上がるから何とかなることでしょう
(けっこう・・・・いいかげんな感じですが・・・・)

(写真・吸気口付近)

(写真・吸気口のアップ)

今回の改造・・吸気口付近
この機械は、もともと排気を強くする気がないのです。
つまり・・・
触媒を使って煙を消す場合・・・・
大量の低温の煙ではいくら触媒で燃やそうと思っても無理なのです
そこで、この釜は吸気口が極端に少ないのです。
これでは煙が大量にでてきた場合に排気が追いつかなくなります・・・
そこで、適当に穴をあけて吸気量を増やすように改良しました・・・
これにより、排気ダンパーを開ければ強い排気も可能となります。

いゃあ・・・今回は時間がなかったので中を分解してじっくりとみれなかったのが残念です。
それにしても・・・・
20年前だったら・・・この機械はけっこういい機械だと思います。
そのころは、排気で味をつくるという考え方がまだなかったため
とりあえず、煙を消すことに極端にこだわってしまったんでしょうねぇ・・・
それが、実感できました・・・・
いい勉強になりました・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

間違えやすい焙煎機の改造

東浦の「I」さんと焙煎機の話をしていて気づいたことを書きました
ぼくがつくった焙煎機かうまく動いていたのはたまたま偶然だった気がします
こんなに基本的なことを知らずにつくっていたとわかってちょっとびっくりしました(反省)
下の焙煎機はどちらも煙突にシャッターをつけて排気を調節しています
しかし、左は思うように排気をコントロールできるのに対して右は思うようにできませんでした
最初はそれがなぜかがわかりませんでした
「I」さんと話しているうちにそれがドラムとカバーの隙間にすべての問題があると感じたのです
そこがわかると焙煎機の改造は簡単だと思いました
ちなみに・・右側の焙煎機は豆投入口を排気調節に使うよう改造するそうです

(写真・とんがり屋根のようなカバー)

(写真・角型のカバー・東浦の「I」さん作)

一般の方が陥りやすいミス
ぼくの焙煎機の改造の基本は排気の調整がスムーズに行くことが一番のポイントです
そして・・・素人の方が陥りやすいミスがドラムを覆うカバーの取り付け方なのです
特にドラムのサイズに対してカバーのサイズを大きくつくりすぎるともうアウトなのです
なぜか・・・・
基本はドラムとカバーをできるだけ近づけること
ガスを燃やした熱風が必ずドラムの中を通過するように工夫することが大切です
ドラムの中を通るよりも熱風がドラムとカバーの隙間を通るほうが楽だと
そちらを優先的に通るようになってしまうのです
そうすると当然豆に熱を奪われないわけですから煙突部分が極端に高温となります
ですが豆は思うように煎られていかないことになります
あとバーナーが遠くなると大量の熱風ができることになります
業務用の焙煎機は、ファンで熱風を吸って焙煎をする構造になっています
それに対してこの素人の焙煎機は煙突効果だけが頼りなんです

いかに豆の中に熱風を通すか
まず・・・この構造の焙煎機で煙突から熱風がでてこないことはありえないのです
必ず温度差があるわけだから当然なのです

問題はドラムの中を通ったかドラムとカバーの隙間を通ったかだけの差だけです
煙突部分に取り付けた温度計のあがり方が極端に早い場合は
ドラムを通っていないと考えていいと思います
対策としては、バーナーがつくる熱風をドラムに流すフィンのようなものをつくるか
カバーとドラムの隙間を減らすように工夫するしかありません
あと・・・バーナーを近づけることも豆の中に熱風を通す方法のひとつとなります
(煎りムラを起こしやすいと嫌う人もありますが・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

フレーバーの焙煎機 6

(写真・バーナー部分)

焙煎機に取り付ける

ブロアーを使用中

クリーニングブロアー「T」型
バーナーの上を走っているパイプが掃除機の給気口とつながっています
そして・・掃除機の排気がブロアーとして使われています。
ブロアーで焙煎機を掃除したときにホコリが舞うのを防ぐことができます
ドラムの下のほうにあるチャフやホコリが燃えて煙をだします
それを毎回吹き飛ばしてから焙煎すれば煙くさいコーヒーにはなりにくくなります
そのときに単純にブロアーを使うとホコリが舞ってしまって大変です
そこで考えたのが吸気をで燃焼室の灰を取るというアイデアです

...

(排気チェックスプーン)

焙煎度をみる

内圧をみる

排気検査機能付きスプーン

このスプーンは結構多くのコーヒー屋さんにつくってあげました
ぼくとしては・・力作です
通常のスプーンと同様にコーヒー豆の焙煎度合いをみることと・・・
焙煎機内の内圧が正か負かを明確に調べることができます
(これに関してはマノスターゲージよりも正確です)
このスプーンから出てくる気体が何かを調べると釜内の状態がよくわかります
つまり、蒸気が出てくるのか煙が出てくるかで意味がまったく変わるわけです
とりあえず、排気の大切さを理解できたのはこのスプーンを使うようになってからです

(写真・吸入温度計付近)

吸入温度計
吸入温度計とは・・バーナーの熱風の温度をはかるための温度計です
バーナーの炎があたらないところでドラムの近くにセンサーを持っていってあります
この温度が上がっていくときは排気が絞ってある状態となります
逆に温度が下がっていくときは排気が大きくバーナーがつくった熱風の量よりも 排気のほうが多いということになります

隙間スリット
このスリットから空気を吹き込むとドラムとカバーの隙間に 空気が吹き込まれるように工夫してあります
それによりホコリやチャフを飛ばして焙煎時の煙発生を最小限に減らします

(写真・木製豆排出レバー)

豆排出レバー
豆の排出口のストッパー部分です
この部分の先端のつまみ部分はプラスチックだから熱くないのです
しかし、軸部分は金属なんで熱いのです
そこでその金属部分に木製のパイプをはめ込んで素手で触っても熱くないようにしました
(わざわざ木製のパイプをつくったんです)

(写真・飛びはね防止アミ)

飛びはね防止アミ
生豆のホコリ飛ばしなどやっていると・・・
冷却器に落としたときたまに飛び出す豆があります
これは、ある一定以上の豆をドラムに入れてまわした状態で・・・
排出口をあけると排出口の隙間から飛び出す豆があるんです
それを防ぐためのアミです

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「 I 」さんの焙煎機

東浦の「I」さん・・・・アメリカから電動の焙煎機を個人輸入した人です。
そして・・・最初はその焙煎機で焙煎して喜んでいました・・
ところが・・・その焙煎機の性能に満足できずに改造したんです。

そして、今回はヒーター式焙煎機の限界を感じて改造することになったのです・・・
ちなみに・・・ぼくは、何もやっていません・・
すべて・・・「I」さんが、ひとりでつくりました・・
まぁ・・・お手伝いしたといえば・・煙突に色を塗ったぐらいですかねぇ・・・
(やったうちにはいらんだろーーーが・・・ごもっとも!)

(写真・買った当時の焙煎機)

(写真・ドラムだけを使用)

「I」さん改造の道のり・・
「I」さんからガス式に改造したいと相談されました。
(おそかれ、はやかれ改造するとは思っていました・・・)
ただ・・・・忙しいのでやりたくなかったのです・・・
・・・・てなわけで、「I」さんには、アドバイスをする程度の応援しかできませんでした。
だけど・・・やる気があればできるもんですねぇ・・・
見事に完成させてきました・・・
一度目に持ってきたときには・・・バーナーの位置が悪くでコーヒーの味がスカスカになるとなやんでいました・・
このときは・・・バーナーをドラムに近づければ簡単に直るとアドバイスしました・・・
ところが・・・「I」さんは、うちの焙煎機のバーナーの高さ調節の機能よりも・・・・
もっと面白い無段階調節ができるようにしてきたのです・・
いゃあ・・・・・負けちゃいましたねぇ・・・
次に・・ぼくが焙煎機を改造するときに取り入れようかなぁ・・・
・・・・ちょっと、誉めすぎ?・・・

(写真・横から)

(写真・カバーを開いた状態)

この焙煎機の特長
この焙煎機の特長は減速モーターの軸に直結されてドラムがあります。
つまり・・・片側だけでドラムを支えています。
(ドラムが軽いので全然問題ないです・・・)
そして、このモーターは、回転数を自由に変えられるのが特長です。
かくはんスピードは思いのままということです。
(この機能は、けっこういいと思った・・・)
現在は・・排出をモーターをはずして豆を取りだしていますが・・・
モーターを逆転して豆を排出する構造に改造することが可能です。
ドラムのサイズに対してカバーが大きくとってあり・・・煙だまりとしての機能も効果的だと思います。
煙突もけっこう高いし・・・煙だまりの温度も測定できるし・・申し分ありません。
それと・・・なんんといっても高さが無段階に調整できるバーナーがいいです。
これによって・・・力のあるコーヒーがつくれると「I」さんも自慢していました。
(はっきりいって・・・ぼくも、絶賛の機能です)

(写真・ガス圧計とコントローラー)

(写真・排気温とシャッター部分)

(写真・モーター取り付け部分)

細かい部分の説明
ガス圧計かいわい(左の写真)
ガス圧計からバーナーをつなぐホースはワンタッチのホースを使っています。
普通ならば完全につなぎっぱなしなんですが・・・
「I」さんは、片づけのときにそのホースが邪魔になるのこのような構造にしたらしいです。
ちなみに・・スピードコントローラーと微圧計狭く取り付けられているのも・・・
戸棚に入る寸法らしい・・・(なっとく!)
バーナーは、たこ焼き用のものを使用・・・
高さ調節機能は囲炉裏などに使われている自在鉤の原理が使われています。
温度計付きスプーンは、前回の改造品をそのまま使用・・・・

えんとつかいわい(まんなかの写真)
排気の調節をするシャッターは、ぼくが一番使う方法をとっています。
そして・・・その排気温を調べるための温度計も取り付けてあります。
この機械は・・・ドラムのサイズに対してカバーが大きい分煙をこもらせて排出することができます。>
つまり・・・排気を絞ったわりに煙くさくならないという特長があります。

モーター部分(右の写真)
モーターは、減速モーターを使っているだけでなく可変速の機能があります。
(逆転も可能・・・)
ただし・・・現在は、カバーをはずしてモーター部分をはずして豆を取り出しているらしい・・・
取り付け部分は・・・・もうちょっとくふうしたほうが・・と思ったりして・・・
ただ・・・将来は完全に固定して逆転で豆を排出するのが基本でしょう・・・

この焙煎機がどこまで進歩していくのか・・・けっこう楽しみ!楽しみ!
ちなみに・・・この焙煎機について興味がありましたら・・とりあえず、ぼくにメールください。
「I」さんに連絡しますから・・・
しろーとは・・・くろーとを越える・・・かも・・

(写真・温度計斜めにさす)

(写真・可変バーナー部分)

(写真・可変バーナー部分)

「I」さんの焙煎機その後
温度計(左の写真)
ぼくがつくった温度計から新しい温度計に変わっていました・・・
どうも・・・温度計の長さを特注でつくってもらったらしい・・・
(スプーンについている温度計)
特注でありながらけっこう安かったらしい・・・ それともうひとつは熱電対の温度計を常時差し込んでいるようです。
そして、必ず豆がたまっている位置に温度計がいくように斜めにさしてありました。
(ぼくは・・・斜めにさすと美しくないので微妙にきらいだったりする・・・)
ただし・・・焙煎機としては非常に理にかなっていると思います

改良された可変バーナー(まんなかと右の写真)
これがすごい!
脱帽です・・・・・・・
焙煎中にバーナーを上下する機能がバージョンアップしていました・・・
それも・・・非常に美しくできていました・・・
何を利用してつくられていたかという「Fクランプ」という工具を改造して使っていました・・
これならば、自分の思いのままに自由にバーナーの高さが変えられると思いました・・・
小型の自作焙煎機ではこの機能を取り付けると断然性能が上がると思います。
それにしても・・・いい機械になってきたと思います。
問い合わせは直接「I」さんに・・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「 I 」さんの焙煎機

春日井の「I」さんから焙煎機をみてほしいと電話がありました・・・
おもしろそうだったので・・・・OKをだしました・・・
いゃあ・・・来てみるとおもしろい焙煎機でしたねぇ・・・・
モーターは・・・・電動のドリルを使っていました・・・
それも・・・めちゃめちゃショボイやつ・・・・
(ただし・・・スピードコントローラーがついていたりする・・・)
温度計の取りつけ方も斬新だし・・・おもしろかったです
ただ・・・残念なのはコーヒーの味がいまいちだった・・・・

(写真・買った当時の焙煎機)

(写真・ドラムだけを使用)

焙煎機の基本構造

この焙煎機は、家庭用のガスコンロに取り付けるような構造になっています。
つまり・・・・ドラムの部分がコンロにのって、ドリルの部分がもうひとつのコンロの上にくる・・・
かんたんにいって・・・めちゃめちゃでかいということです。
温度計部分は・・・
ちょうつがいで温度計を治める部分が下におりてきて温度計を突っ込む構造で・・・
豆をスプーンで取るときには温度計をはずして温度計のついているふたをはずして豆をみる構造です・・・
(この部分がひじょうにおもしろい斬新な構造だと思いました・・・)
ただし・・・・この構造は、けっこうめんどくさいのであまりオススメできません
ぼく的には・・・メカっぽくって好きですけどねぇ・・・・
あと・・・・えんとつの上に煙の量を調節するダンパーが取り付けてありました・・・
ただ・・・ダンパーとして考えるのならば・・えんとつの先端でなくて根元の部分で開閉した方がいいと思いました。

(写真・横から)

(写真・カバーを開いた状態)

この焙煎機の欠点・・・
この焙煎機のカバーは、けっこうでかいです。
容積もあります。
この場合、容積が大きいのは問題ないのですがドラムと横の壁の隙間の大きさは問題だとおもいます。
つまり・・・通常のコンロの炎は斜め上に向かって飛び出します。
その状態で、ドラムと壁の隙間が大きいとドラム内を熱風が流れずに壁との隙間をとおってしまうと思いました。
つまり・・・
熱風はドラム内を通過しなければ意味がないのです。
そういう意味では、たこ焼き焼き機のバーナーは、いいと思います。
なぜならば、ドラムに向けて直接炎を当てる構造だからです。

もし・・・焙煎機の改造を考えている人は、たこ焼き焼き機のバーナーを使うことを勧めます。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「 Y 」さんの焙煎機

大阪から泊り込みで焙煎機をつくりにきた夫婦がいました・・・
(・・・・物好きだなぁ・・・・)
最初は焙煎機の改造を依頼されたんですが・・・・
めんどくさかったのでキッパリ断りました。
そんでもしつこくお願いされるので・・・・
自分でつくるのなら手伝ってあげてもいいと答えました。
(わざわざ大阪からくるとは思わなかったもんで・・・・)
ところが・・・・・・
きちゃうんですねぇ・・・・・
物好きですねぇ・・・・
そんなこんなで焙煎機を改造するのを手伝ってしまいました・・・
ちなみに・・・・つくるのに、1日半と焙煎機の試運転で半日かかって・・・・・
丸2日間は・・・・西尾で過ごすことになっちゃいました・・・・
(お気の毒・・・・)

(写真・カバーをつけない状態)

(写真・横からみた状態)

改造の目玉・・・

今までとスプーンの取り付け方法は同じなんですが・・・
今回は、豆のとびだし防止装置を新しくしました・・・・・
カリビアンロースターの改造では必ず必要なのが豆飛び出し防止装置なんです・・・
(これがないと焙煎中に口から豆が飛び出してしまう・・・)
いままでは・・・スプーンの入り口のところに豆飛びだし防止板みたいなものをくっつけていました・・・


今回は、ドラムの入り口を完全にふさいでスプーンの通る程度の穴をあけました・・・
これにより完全に飛び出しは防ぐことができました・・・
それと・・・・豆の投入は、今までどおりのじょうごでスムーズにドラムの中に収まりました・・・
(つくったときは・・・ちょっと心配だった・・・・)
ちなみに・・・今回も軸受けはベアリングを使いました・・・・
・・・・・・・これが一番、楽ちんです・・・・

(写真・カバーをつけた状態)

(写真・焙煎機の全体)

焙煎機の改造日誌
「Y」さん夫婦は、うちの店の開店にあわせて大阪から5時間かけてきました。
今回・・・土曜日と日曜日の2日間を使っての改造の予定でした。
ただ・・・どんな焙煎機をつくるかだとかどんな機能がほしいだとかは全く決まっていませんでした。
つまり・・・・打ち合わせや材料の買いだし・試運転なんかも合わせて2日間でやらなければなりませんでした・・・
そんでもって・・・ぼくは、日常の仕事もやりながらというけっこう大変な状態でした。
だけど・・・・「Y」さん夫婦・・・がんばりましたねぇ・・・
実は・・・・焙煎機の大半は「Y」さん夫婦がつくったんです。
いゃあ・・・つくり方をちょっと教えたら・・・できちゃうもんですねぇ・・・
とにかく・・「Y」さん夫婦のがんばりに驚きました・・・
それから・・・・折り曲げ機は、めちゃめちゃ活躍しました・・・

焙煎機の試運転
試運転のころには・・・なぜか人がわさわさいました・・・
10人近くの人がちっちゃな焙煎機をみてあーでもないこーでもないとしゃべっていました・・・
それも・・・・試運転が店先でしたから・・・
そとからみたら・・・ちょっと異様だったとおもいます。
ただ・・・試運転で煎ったコーヒーがけっこううまく焙煎できたのでちょっとほっとしました。

今回の改造で気づいたこと
カセットコンロを使って改造して感じたんですが・・・・
まず・・・・カセットコンロのカロリーが強いものは改造に向きません・・・
もともと200gぐらいしか煎らないのであればカロリーはめちゃめちゃ小さくていいのです。
下手にカロリーが高いコンロでは、めちゃめちゃとろ火にして焙煎しなければならなくて非常にやりにくいです。
それとカセットコンロが大きいと歯車が邪魔して火の近くにドラムを下げることができなくなります。
これは・・・焙煎機をつくる上ではけっこう致命傷となります・・・
ですから・・・コンロの火がドラムの下にあるときに歯車がコンロ本体の外にでるようなものが改造しやすいと思いました。
その意味ではたこ焼き焼き機ようのバーナーは改造しやすかったんだと改めて思いました・・・

今回の改造では、「Y」さん夫婦もけっこう楽しんで改造していたし・・・ぼくも楽しかったです。
それと・・・自分でつくった機械というのは愛着がぜんぜん違うような気がしました・・・
ぼくは、改造依頼を断って改造を手伝うという形をとったことは・・・本当によかったと思います。
ただ・・・この2日間は・・・けっこう疲れました・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「 K 」さんの焙煎機

久しぶりに焙煎機をつくることになりまして・・・
せっかくだからぼくの持っている知識を全部いれた焙煎機をつくってみたいと思いました
今回はいつもよりも時間をかけてじっくりと取り組みました
その分・・おもしろい焙煎機になったと思います

(写真・焙煎機単体)

(写真・カバーがついた状態)

(写真・排気装置がついた状態)

改造の目玉・・・

ぼくが一番つくってみたいと思っていた機能は
チャフを取り除く装置と冷却器を持っている焙煎機だったんです
そのためには強制排気と冷却器との接続をどうすればいいかが課題でした
あと・・・冷却器のアミをどのようにつくるかはチョット手間取りました

(写真・吸い込み口)

(写真・ダクトの接続部分)

(写真・冷却箱単体)

焙煎機の構造
排気装置の下のバットに水を張ります
排気装置は仕切りが数枚ついていて・・・
排気を2回、水面に当てる構造になっている
この部分で焙煎中や冷却中の排気からチャフを取り除くことができるのです
排気用ファンはスピードコントローラーで無段階に制御できるので
自由に排気を調整できる
焙煎が終了したらカバーをはずし冷却箱にいり豆をいれます
そして、冷却箱をスライドさせると吸い込み口が冷却箱に接続して冷却状態になるので

(写真・スプーン部分のアップ)

(写真・ギャー部分のアップ)

(写真・排気接続部分)

主要部分のアップ
スプーン部分・・・この部分はスプーンが通る程度の穴しかあけない方式が
一番つくりやすく豆が飛び出さなくていいように思います
今回はスプーン用のガイドをいつもよりも細くしたので
豆を入れるじょうごのために斜めにカットしてあります

ギャー部分・・・今回初めて軸受けにベアリングを使いました
はっきりいってこの方法が一番楽だと思いました

排気接続部分・・・焙煎機排気装置は別なので接続部分にはガイドピンをつけておきました
それと接続部分にアソビをつくっておきました

(写真・「P」さん用焙煎機)

新しくつくる
珈琲屋の「P」さんに頼まれて焙煎機をつくることになりました
今回はできるだけ「まげ」を多くしてつくろうと思いました
これはある程度カタチがイメージできているので可能と考えたのです
それと今回は新しい試みとして、チャフを受ける灰皿を取り付けることにしました

(写真・チャフ落としカバー)

(写真・焙煎機の灰皿)

今回の改造点
チャフ落としカバー・・・チャフを灰皿に導くように付けられています
そして、簡単に取り外すことができるように工夫されています

焙煎機の灰皿・・・前回の機械はガスの配管をベースのアングルに取り付けたために灰皿を取り付けることができませんでした
そこで今回は、ガスの配管を持ち上げて隙間に灰皿をもぐりこませるようにしました
これによりそうじが非常に簡単になります

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

インスタント焙煎機

たまたま・・・安もんの焙煎機を買ったお客さんが・・
改造してほしいともっててきました
はっきりいってこの焙煎機にお金をかけるのはちょっともったいないと思いました
そこで・・・最低限の改造をすることにしました

(写真・もともとの焙煎機)

(写真・豆投入口)

(写真・かくはん用ドリル)

(写真・ドラム角度調整ネジ)

(写真・焙煎中)

焙煎機の改造の仕方
モーターの代わりにスピードコントローラつきの安いドリルを使っています
(2000円以下で売っていた・・・)
そのドリルをU字ボルトを使って板に固定しています
それをコンロにちょうつがいを使って固定しています
ついでに角度を調整するネジも取り付けました
豆の投入は園芸用のスコップを使います
排気の調整は基本的にはないのですが・・・
傾斜をきつくすると排気が強くなります

別にミルクの缶でも十分できると思いました
たぶん・・・3000円前後でつくれると思います
つくり方にもよりますが・・・3時間程度で可能だと思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「K」さんの焙煎機

久しぶりの焙煎機製作です

松屋式抽出法を教えた「K」さんが・・・・
どうしても焙煎機をつくってほしいというもんだから・・・
久しぶりにつくってみることにしました。
せっかくつくる以上、今までの中で最高のものをつくりたいと思いました。
そこで、今回はじっくりと時間をかけて製作しました。
それといろいろなものをインターネットで買いそろえるようにしました。
とにかく・・・インターネットっていいなぁと改めて思いました。
(部品をさがす苦労はなくなったって感じです。)

完成した焙煎機(ユニオン・サンプルロースターの改造)

正面・ベース部分

後部・モーター部分

側面・微圧計部分

ベースについて

今回のベースの特長は、3*5センチの厚さ3ミリのアルミを使ったことです。
(けっこう丈夫です。)
それと、内側にアングルを向けてベースにしました。(左の写真)
これは、見た目や安定感よりも作業性重視の考え方で
この構造にするとネジ自体がすべて外にでてきます。
これにより高さ調節などいろいろな微調整が楽になります。
ちなみに、ベースをつないでいるネジは8ミリを使いました。

モーター部分

この部分から排気ファンの電源もとっています。
ただし、このモーターの線を一度切って圧着端子でつなぎなおす必要があるので
その辺はちょっと面倒な気がしました。

微圧計部分

この部分だけカバー受け部分の柱を利用して取り付けました。
できるだけ干渉する部分をなくして調整するとき楽にできるようにと考えましたが
微圧計の部分に関しては全く変更することがないので完全に固定するようにしたのです。

側面・カバー受け部分

バーナーの高さ調整部分

後部・軸受

側面・カバー受け部分

カバー受け部分は通常は軸受け部分と同じ柱を使うことが多いのですが
今回は単独の柱にしました。
同じ柱を使ったほうが干渉しあって強くなります。
しかし、微調整が難しくなることと改造するときに部品を外しにくいという欠点があります。
今回のようにベースを丈夫にすればこのような単独の柱で作ることが可能となるのです。

バーナーの高さ調整部分

バーナー自体が蝶ネジで止まっているだけなので調整は非常に楽です。
ただし・・焙煎中の高さ調節はできません。
実際に調節する構造は可能なんですが、多分焙煎中にそこまでは無理だろうと考えました。

後部・軸受

この部分は毎回ほとんど変わっていません。
今回少しだけ工夫したのは、ベアリング部分の座金の数を調整して
ドラムの間隙を調整できるようにしたことです。

フロント軸受

カバー受け部分のアップ

微圧計部分とバーナーの接続部分

フロント軸受

この部分はスプーンが入る程度の穴をあけて
ドラムの口を受けるようにベアリングが取り付けられています。
今回はバーナー自体もこのフロントの軸受部分に取り付けました。
バーナー自体も高さが上下できるように工夫しました。

カバー受け部分のアップ

カバー受けの問題は、ドラムとの隙間をいかに狭くするかにあります。
つまり、この部分を狭くしないと熱風がドラム内を通ってくれないのです。
(空気は流れやすいところを通る性質があるため)
それと、ある程度の調整ができる構造を作らねばなりません。
ポイントとなるところは、溝を固定する3ミリのネジがカバーが
前後に動くのを防ぐ役割を持たせていることです。

微圧計部分とバーナーの接続部分

この部分は今まで作ったものとほとんど変わりません。
とりあえず、バーナーを上下したことに対応できる程度に
ガス管に余裕を持たせることだけが大切となります。

ガスのバルブ部分

チャフ用灰皿

ドラムをおおうカバー

ガスのバルブ部分

この部分は今までと全く変更がありません。
L金具とU字ボルトで配管を固定するのも今まで通りです。
たぶん、この部分に関しては改良する必要はでてこない気がします。

チャフ用灰皿

ドラムから落ちチャフを掃除するためのさらです。
取り付け方法も簡単だしこれ自体はけっこう気に入っています。
アルミ板を曲げる時には、曲げた分だけ予定よりも大きくなることを
頭に入れて最初の寸法をださねば失敗します。
今になって思うに、カバー受け部分の柱を使ってチャフを集めるための板を
取り付けてもよかったかなぁと思っています。
これは・・次回につくる機会があったらやってみようと思います。

ドラムをおおうカバー

カバーのポイントは煙突とバランスをとるようにつけられたハンドルです。
このハンドルがあることにより左右のバランスをとりやすくなっています。
あと・・・煙突のパイプはしっかりと固定されていずにけっこうガタつきがあります。
これはそうしないと簡単にカバーを取り付けることができないからです。

豆投入用じょうご

豆投入時の様子

豆投入用じょうご

今回も今までと同じタイプのじょうごをつくりました。
滑り台部分をブリキでつくったんですが、ステンレスで作ったほうがすべりがいいとおもいました。
あと、滑り台の長さももう少し長くしたほうが早く流れるように感じました。
次回は、そのように工夫したいと思いました。
ガイドの傾斜は、もう少しゆるくても大丈夫だと思いました。
そうすれば滑り台とガイドのなじみがよくなると思います。

温度計付きスプーン

温度計付きスプーンに関しては、温度計に合わせてつくるというところが問題となります。
今までの温度計と比べると保護管の径が細いのでそれ用のタケノコを取り寄せました。
(3/8のタケノコを加工する)
今までは、温度計をシリコンでくっつけていたんですが、今回は差し込んであるだけです。
これはスプーンの中に入れてあるたけのこ2本の軸がほんの少しずれていることを利用しています

排気装置後部

ファンをはずす

排気ダンパー兼冷却ダンパー

シャッター部分のアップ

冷却器

冷却装置の底部分

排気装置の概要

箱の後部にななめにつけられたファンで吸引する構造です。
小さなバットの中にいれ、水を張って使います。
ファンで引っ張られた煙は水にぶつかってからファンで排出されます。
その水に煙をぶつけることによってチャフを外にださないようにするわけです。

排気の調節は、吸引する量をシャッターで調節しています。
そして、焙煎終了時には煎りあがった豆を冷却箱に入れて
シャッターを奥に押し込むと煙突からの吸引から
冷却箱からの吸引に変わります。

煙突や冷却箱から吸引された空気は、排気装置の下にある水に当てられた後にファンで排出されます。
つまり、大型の焙煎機のサイクロンの代わりにこの水に煙をぶつけてチャフを止めるというわけです。

焙煎機試運転中

試運転の感想

200gの豆を焼いたんですが・・・・
とにかく煙がすごいです。
ファンが後ろに排出するとはいうものの、やはり換気は大切となります。
これは、外に排出する専門の装置を考える必要がありそうです。
焙煎に関しては、排気の調整がすごく使いやすくて冷却も思ったよりも早く感じました。

次回は換気装置の開発が課題かなぁと思いました。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

「I」さんの焙煎機

ダクト接続型焙煎機

今回の焙煎機の特長はダクトを接続することです。
つまり、室外に煙を排出する機能を最初から取り付けるということです。
これはこれで、やってみるとけっこうおもしろい・・・
どうすれば煙突を簡単に接続することが可能になるか・・・・
とにかく・・・いろいろな意味で勉強になりました。

今回の焙煎機の改良点

チャフ集め板を取り付けてチャフは灰皿の中央に集まるようにしました。
それによってスプーンをのせる台を灰皿に置くことが可能になりました。
これが思いのほか調子いいのです。
スプーンを抜いた状態ですぐに置く・・・
スムーズに作業をすすめることができます。
ストレスなくできる作業ではミスが起こりにくくなります。

冷却装置部分の改良点

ダクトは100ミリのじゃばら式の煙突を取り付けるようにしました。
できるだけ簡単に取り外しができるようにとネジ1本で固定できるようにしました。
それを可能にしたのがファンを固定するネジをわざと伸ばして3点で支持できるようにしました。

屋根と冷却装置の接続部分

今までの焙煎機と比べると横の配管が長いことと
配管が真横にきていないために接続や取り外しがしにくくなりました。
そこで、冷却側の煙突にもつまみをつけて両手で屋根をはずすようにしました。

冷却器の改良点

装置としては全く変わりません。
ただ、作り方としては大幅に変更しました。
(見た目は全く変わりません)
最初にパンチングメタルの部分をつくっておき
それに合わせて外側を現物あわせでつくっていく。
特に・・・
コの字形に曲げる時は、片側を曲げておき
そこで寸法をとってもう一方を曲げるようにする。
このやり方により曲げによる誤差が半分に防げるようになるわけです。

排気ダンパーの改良

この部分も作り方では改良しました。
冷却装置本体と上ふた部分の接続を外側のアングル部分のネジ止めにしました。
これにより、排気ダンパー部分との干渉なく取り付け取り外しなどに苦労せずにすみます。

このような機械は、部品点数が増えても
後で改造したり修理が楽なように工夫することが大切だと思います。

試運転の感想

排気用の煙突があるのはいいです。
なんせ・・・
部屋が煙だらけにならなくてすみます。
ただし・・・
煙を確認できないためにどれぐらい煙がでているかをチェックできないことは欠点です。
慣れてくれば煙は外に排出されるほうがやっぱり楽です。
次回つくるときはスプーンを排気チェック機能付きスプーンにしてみますか・・・

番外編

今回は焙煎機を2台いっぺんにつくりました。
そこで効率よく作るために材料を置いておく棚をつくりました。
これによりチャンネルやアングルなどをしっかり分けて置いておくことが可能になりました。
それと吊り棚を作業台の上に取り付けました。
ここにドライバーやレンチなどを載せて置くようにしました。
これは非常に作業性がアップして良かったです。
そして、焙煎機をつくり終わったら天井に棚が収納できて邪魔にならずに助かりました。
近所の「K」さんにドリルの砥ぎ方を教えてもらってドリルを砥ぐようになりました。
これがけっこうおもしろかったです。
わざわざ刃先が砥げているかを顕微鏡でチェックして使ってみると
見事に切れるようになってちょっとした驚きでした。

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)