カリビアンロースターの改造・その2

またまたカリビアンロースターの改造を頼まれちゃいました。
今回の依頼者は浜松の「M」さんで「樹の香」さんの焙煎機の設置のときに お手伝いしてもらった人です。
(ちなみに、そのときはご夫婦できてて夜中までつきあわせてしまった・・・)
今回どんな感じにつくるかを打ち合わせたときにでた意見がチャフの処理なんです。
てなわけで今回の焙煎機のテーマは台所が汚れない焙煎機です。

今回の改造で苦労した部分
一番に苦労した点は、どうやったら煙突からでるチャフをとめることができるかでした。
後の部分はカバーをしっかりとつくればチャフは外へ出ないでしょうから・・・
煙突というのは釜の煙を外にだす大事な部分です。
普通に考えれば煙突でおきた上昇気流に乗ってチャフも飛んでしまいます。
そこでぼくが考えたのが煙突を直角に一回曲げてその水平な部分に上下に数箇所のはねをつけて 空気の流れを乱れさせてチャフを落とそうというアイデアでした。
最初はそのはねを4枚つけたんですが、つけすぎると排気の効率がめちゃめちゃ落ちちゃって 結局は、2枚のはねだけになっちゃいました。
それでも、排気を全開にしても煙突からチャフが飛ぶのを防ぐことができました。

カリビアンロースターとフィスコの焙煎機の大きな違い

カリビアンロースターと以前改造したフィスコの焙煎機の大きな違いは ドラムの回転数です。
カリビアンロースターのほうが回転数がはやく豆はよく混ざります。
(煎りむらが少ない)
しかし、その分豆がドラムの口部分から飛び出しやすいという欠点を持っています。
そこで今回も豆飛び出し防止板を取り付けました。
どうも、カリビアンロースターの改造にはこの豆飛び出し防止板が絶対に必要となるようです。
(写真・カバーを取った状態)

微圧計とバーナーについて
この焙煎機のベースとなったのがたこ焼き用のコンロでした。
それも、めちゃめちゃ安物だったためにベースとしての強度がそのままでは取れませんでした。
そのため、裏側に補強をいれたりけっこう苦労しました。
(ベースがしっかりしていると非常にやりやすいとしみじみ思いました)
バーナー部分はたこ焼き用でいいんですがドラムの長さよりもちょっと長かったんです。
そこで、バーナーの穴を10個ほど埋めちゃいました。
方法は、タップでバーナーの穴にねじを切っちゃってステンレスのねじを締めるときに マフラー用の耐熱パテをつけてOKでした。
(少しぐらいガスがもれったって大丈夫ですから・・・たぶん)
あと、バーナー部分が簡単に取り外せるようにして掃除をしやすくしました。

豆飛び出し防止板について
豆飛び出し防止板は、簡単に開閉できるようにしました。
決まった温度まで釜があったまったら専用のじょうごで豆をドラムの中に入れます。
そのときにはこの豆飛び出し防止板はあけた状態にしておかねばならないのです。
それと、以前作ったときはこの豆飛び出し防止板は着脱式になっていて ちょっとスマートじゃあなかったんです。
だから、今度はちょっとスマートにつくってみました。
(それほどスマートともいえなかったりして・・・・)

ダンパー部分について
今回のダンパーは今までのものと比べると効率が悪くなります。
なぜかというと、煙道を直角に折り曲げて、どうしても抵抗ができてしまうのです。
そこで、いつもよりも大きめの開閉部分にしました。
ちなみに、ここで使ったダンパー確認窓は富士ローヤルの焙煎機の窓なんです。
なんか、めちゃめちゃ高くついてしまった・・・・

軸受けについて
特に後部軸受けにはこだわりました。
ギヤーというのは、適正なかさなりにしなければなりません。
そこでどうしてもしっかりした受け部分が必要となります。
今回は、寸切りのボルトに3mmのねじを切ってそのねじ部分で軸を受けるようにしました。
ちなみにもう片方のボルトはバカ穴になっています。
前面の軸受けは初めてベアリングを使いました。
一度試しに使ってみたかったんです。
使ってみると細工が楽だし非常に気に入りました。
たぶん、今度からはこの方法になるだろうなぁ・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

カリビアンロースターを改造しよう

カリビアンロースター

東京の「U」さんからメールがきました。
煎っ太郎をつくってほしい・・・と
ぼくとしては、普通の人が使うにはでかいし、煙もすごいし・・・ てなわけで、ていちょうにおことわりしました。
(実は、ステンレスが多くて改造がしにくかったんで・・・)
メールのやり取りの中で「U」さんは、小型の焙煎機は持っているといっていたので、 それならばその小型の焙煎機ならば改造してあげましょうということになりました。
たかが、焙煎機であまりお金をかけるのはねぇ・・・・
とりあえず、うちの店に送ってくださいと「U」さんにメールを送りました。
当然、すぐに焙煎機が送られてくると思ったのですが・・・・来ません。 3日ほどたってやっと来ました。
焙煎機が・・・・
そして、ついでに「U」さん本人が・・・・
そうなんです、わざわざ焙煎機を背中にしょって現れたのです。
(宅急便なら、1000円ぐらいで済むのに、新幹線で持ってくると往復で2万円はかかるだろうに・・・やれやれ)

(写真・改造前の焙煎機)

改造のポイント

今回やってみたかった改造がありました。
それは、イワタニのカセットコンロ「ジュニア」というコンロに取り付けたかったのです。
はっきりいって、めちゃめちゃコンパクトな焙煎機ができるような気がしたのです。
それと、ダンパーを今までよく使っていたスライドダンパーのかわりに回転式ダンパーをつけてみたかったのです。
それ以外の軸受け部分とか温度計兼用スプーンはフィスコ改造のときとまったく同じタイプを使いました。

(写真・コンロにのった焙煎機)

問題発生(コケた・・・・!)

この改造は、結構スムーズに進んだんですがやっぱり、問題が起こりました。
このカセットコンロはめちゃめちゃ小さいのでモーター部分がどうしてもコンロの外にいっちゃうんです。
そうすると、必然的に後ろが重たくなっちゃうんです。
そして、きたいどおーり、コケちゃいました。
(最初から、ちょっと予想していましたが・・・・)
そこで仕方なく、モーターの下に足をつけてフロント部分にもおもりもかねて足をつけました。
これによって安定感はましました。

(写真・足を取り付ける前の焙煎機)

ついに完成
今回の焙煎機の全体写真です。
試運転をやった結果、150gのコーヒー豆が安定して焙煎できるようです。
ついでに、豆が飛び出しやすい欠点を克服するために豆飛出防止板もとりつけちゃいました。
結局、試運転を含めて一週間ほどの改造でしたが、けっこうおもしろかったなぁ・・・
とりあえず、いい仕事ができたなぁと満足しています。
「U」さん、はっきりいって文句はいわせません!
特に性能に関しては・・・・

ダンパー部分のアップ
今回の一番の力作・回転式ダンパーです。
左にあるハンドルを回すとダンパーの開閉が出来ます。
そのときにバランスを保つために右側におもりがついています。
そして、ハンドル部分のうでに磁石がついており適当なところでも止まるように工夫してあります。
ちなみに、煙突とダンパー部分の箱はお茶漬けの空き缶です。

豆飛出防止板とフロントの足のアップ
温度計兼スプーンの奥にある板が豆飛出防止板です。
実は、これがないと150gのコーヒー豆を煎ると豆がドラムと温度計の隙間から飛び出してきてしまうのです。
(けっこう、これが調子いい・・・つけた状態で豆の投入も可能です。)
右の写真はフロントの足部分です。
これを取り付けたことによって、極端に後ろが重いというアンバランスから開放されました。
それと、見た目の安定感もできたような・・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)