説明
「葡萄の甘酸っぱさ」
ウガンダ共和国と言えば、ロブスタを主流に作っている珈琲生産地です。
アラビカ種の生産は全体の2割。その内、スペシャルティグレードとなると、とても希少な珈琲です。
鳥目散帰山人氏が話していた通り、「国策で珈琲の生産に力を入れている」とのこと。
今後、スペシャルティグレードのコーヒーも増えてくる可能性は高いです。
そんな未来を感じられるウガンダ共和国の珈琲をお楽しみくださいませ。
今回、生豆を見て、そして、焙煎して
「非常にアフリカらしさを感じられるポテンシャルが高い珈琲」です。
ナチュラル精製は「エチオピアのスペシャルティグレードと同等」と言える程、質は高いです。
生豆の香は「いつまでも嗅いでいたくなる果実味溢れる香」です。
酸味も「昨今のケニア・スペシャルティグレードより強く、明るい酸味が分かりやすい」です。
残念なのは、「欠点豆の混入が多い」ため、折角の香味を阻害して、全体の品質を落としているところです。
生豆を選別する作業のクォリティが上がれば、エチオピアのイルガチェフェやグジ等、ブランド化した珈琲に引けを取らない珈琲になります。
ということで、今回は、焙煎担当の中川さんに「ハンドピックを3回」してもらい、極力、欠点豆を除去しました。
芳醇な甘い香りが香ばしい香りと共に強く拡がります。
一口飲むと、口の中はフルーティな香味が溢れます。
爽やかな酸味の余韻が秀逸で、より果実味をリアルに感じられます。
甘酸っぱい香味は黒みがかった濃い発色の「葡萄」です。
ブラインドで飲むと「エチオピア産珈琲」と間違えます。
是非、お試しくださいませ。
===生豆商社の説明===
ロバが運ぶ、ウガンダのスペシャルティコーヒー新興地のコーヒー
【香味コメント】
フレーバーノート:peach, berry, dates, papaya, melon
ウガンダのドンキーナチュラルのニュークロップが入荷しました。
継続してお店のラインナップに入れてくださっているお客さまも多く、
「いつ入荷しますか?」「今年も入ってきますか?」というお問い合わせも度々いただきます。
今年も例年同様にフルーティな味わいのコーヒーが届きました。
アフリカならではの果実感やジューシーさをお楽しみいただける商品です。
この商品は、山岳地帯に住むコーヒー農家さんたちがロバにコーヒーを載せて加工場まで運ぶというストーリーに
心を惹かれて取り引きを始め、毎年みなさんのもとへ継続してお届けすることができています。
この地域では現在でもコモディティコーヒーの生産が一般的です。
若干しわになっている豆や、欠け豆などが混じっていますが、カップへの大きな影響はないように思います。
コモディティコーヒーの生産が当たり前の生産者さんたちにとって、スペシャルティレベルまで品質を上げるのはなかなか簡単なことではありません。
それでも、ここまで味わいを仕上げてくださっていることはすごいなぁと感心した一品です。
今後のドンキーにも注目しながら手に取っていただきたい商品です。
生産地概要
コンゴ民主共和国との国境近くに位置するルウェンゾリ山脈。
ルウェンゾリとは現地のバコンジョ族の言葉で「雪を頂く山」という意味が込められています。
赤道直下にあるながら、山頂付近には年中雪が残り、氷河も残っているんだそう。
山脈のある一帯は国立公園にも指定され、独特な見た目の高山植物がたくさんあり、その生態系に魅了される人々も多くいます。
コーヒーはその山のふもとから中腹付近の標高1,200~1,800メートル程度の地域で栽培されています。
道が細く、車は通れないため、農家さんたちの荷物の運搬やコーヒーの運搬にはロバが活躍しています。
ウガンダ南部、ルウェンゾリ山脈のふもとから
ウガンダ南部、ルウェンゾリ山脈のふもとからウガンダは世界第6位のコーヒー生産量を誇る一大コーヒー産地です。
生産量全体の8割程度がロブスタ種、残りの2割程度がアラビカ種と言われています。
アラビカ種の生産地として知られているのが、北部のウェストナイル周辺と東部のマウントエルゴン周辺、
そしてこのコーヒーの産地、南部のルウェンゾリ国立公園周辺です。
4,000メートルを超える山々が連なり、雄大な光景が広がっています。
コーヒーはその山のふもとから中腹付近の標高1,200~1,800メートル程度の地域で栽培されています。
山岳地帯で、車の通る道もなく、農家さんたちは生活で必要な物の運搬にいつも使っているロバ(ドンキー)に
コーヒーチェリーを載せて山をくだり水洗工場まで運んでいます。
かつてこの地域は、低級品のアンウォッシュアラビカの産地でした。
流通の過程で、アラビカ種もロブスタ種も関係なく、隣国からの古い在庫のコーヒーなどと一緒に混ぜられてしまっている状態でした。
もともとこの地域で栽培されているコーヒーの木はケニア由来の品質の良いアラビカ種。
SL品種とも呼ばれる、ブルボンーティピカ系統の品種です。
ジューシーな口当たりと、柑橘系の明るい酸味がこの品種のコーヒーの風味の特徴です。
本来の風味の良さをできる限り損なうことのないようこの地域のコーヒーのみを集め、
さらにそれをスペシャルティグレードレベルのコーヒーになるよう精選しています。
農家さんたちのポテンシャルを引き出す
ルウェンゾリ地域の農家さんや加工場のスタッフさんたちのつくるコーヒーのポテンシャルを最大限に引き出す取り組みを行っているのが、
輸出業者のキャラガニコーヒー社と、その傘下でウォッシングステーションを運営しているアグリエボルブ社です。
1990年に設立されたキャラガニコーヒー社は、ソーシャルビジネスを柱とし、社会的なインパクトを考慮しながら事業を行っています。
アグリエボルブ社もまた、コーヒー生産者に対し、品質向上と生産量向上のためのさまざまなプログラムを提供しています。
品質向上ためにまず取り組んだことは、他国や別の産地で収穫されたコーヒーチェリーと混ざらないよう、その流通経路を改めて構築することでした。
またコモディティの生産が主だった産地。収穫の方法も一から細かく伝えていく必要がありました。
コーヒーチェリーの完熟度を上げ、均一性を保つため、プログラムの一環としてセミナーでの啓もうやデモンストレーションを継続的に行っています。
これまでは主にヨーロッパに販売されていましたが、地域に根付いた地道な取り組みにより、
徐々に生産量が向上し、日本にもそのコーヒーを分けてもらうことができるようになりました。