ピトー管式風速計をつくろう

ピトー管とは・・・・空気の流れに対して真正面の穴からひろった圧力と
流れと平行にあいた穴との圧力差を利用して風速を測定する装置です
(別に空気の流れだけをはかるわけではないですが・・・)
煙突などの高温に達する部分でもはかれるのが非常に都合がいいです

ピトー管本体
(右の管は横に2.4mm の穴が4ヶあいている)

ピトー管のつくり方2本の管を90度に曲げます
1本はそのまま使います(写真では左側)
ちなみにこちらの管が流れに対して真正面の穴になります
もう1本の管の先端に詰め物をしてふさぎます
そして管の横にてきとうに小さい穴を開けます(写真では右側)
こちらの管が流れに対して平行な穴になります
この写真では左から右に風が流れる感じになります

ピトー管・・取り付け位置

ホッパーとダンパーの間にピトー管を取り付ける
ダンパーのあとのエルボーを通った後のまっすぐな煙突に
ピトー管を取り付けたらけっこういい数字がだせなかったんです
風速計を取り付けてもいい数字にならなかったのでいちばん実績のある場所に
ピトー管を取り付けて実験することにしました
ちなみに・・・ダンパーの側が流れに対して垂直の穴を担当しています
そして・・・ホッパーの側が流れに対して平行な穴を担当しています
(加工ができれば1本でつくるんですけどねぇ・・・)

風速計 (3kg釜・風速 m/s)

排気ダンパー
ファン風速(m/s)2.02.83.64.55.56.37.07.47.5
熱線風速(m/s)2.13.24.25.26.26.87.57.87.8
ピトー管・差圧(pa)5913182530343840
ピトー管・風速(m/s)2.93.84.65.46.47.07.47.98.1

実際に計測したデーター
ファン式風速計・・・・・青色
熱線式風速計・・・・・・赤色
ピトー管式風速計・・・黄色

測定結果について青色の折れ線グラフがファン式の風速計で測定したものです(単位はm/s)
赤色の折れ線グラフが熱線の風速計で測定したものです(単位はm/s)

同じ位置にピトー管を取り付けて差圧を測定してみました(単位はpa)
そして、その数値を下の式に代入すると・・・・
風速(m/s)=1.2773√ピトー管・差圧(pa)
ピトー管による風速が計算できます
風速計の数値とピトー管の数値がけっこういい感じになっているので・・・
信用してもいいと思っています

これで焙煎中の排気もすべて把握できると思います

風速計 (3kg釜・風速 m/s)
火ありは、ガス圧200にて釜温度200度前後にて測定

排気ダンパー
火なし・差圧(pa)61014212935414747
火なし・風速(m/s)3.14.04.85.96.97.68.28.88.8
火あり・差圧(pa)5812152228343737
火あり・風速(m/s)2.93.64.44.96.06.87.47.87.8

実際に計測したデーター
火なし・風速(m/s)・・・・・青色
火あり・風速(m/s)・・・・・赤色

煙突効果とファン効率の減少
焙煎機には煙突がついています
当然・・・煙突は温度差をエネルギーにして働きます
となると・・・焙煎機は温度が上がるほど排気が強くなるはずです
しかし・・・実際にはかってみると煙突効果よりも高温による
ファンの能力減少の方が大きいようです
データーをみた感じでは約一割ほど減少しているようです
もっというと・・・
煙突効果よりも風によって起こる負圧のほうが・・・
よっぽと深刻な影響を焙煎に与えると思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)