ピトー管式風速計をつくろう

ピトー管とは・・・・空気の流れに対して真正面の穴からひろった圧力と
流れと平行にあいた穴との圧力差を利用して風速を測定する装置です
(別に空気の流れだけをはかるわけではないですが・・・)
煙突などの高温に達する部分でもはかれるのが非常に都合がいいです

ピトー管本体
(右の管は横に2.4mm の穴が4ヶあいている)

ピトー管のつくり方2本の管を90度に曲げます
1本はそのまま使います(写真では左側)
ちなみにこちらの管が流れに対して真正面の穴になります
もう1本の管の先端に詰め物をしてふさぎます
そして管の横にてきとうに小さい穴を開けます(写真では右側)
こちらの管が流れに対して平行な穴になります
この写真では左から右に風が流れる感じになります

ピトー管・・取り付け位置

ホッパーとダンパーの間にピトー管を取り付ける
ダンパーのあとのエルボーを通った後のまっすぐな煙突に
ピトー管を取り付けたらけっこういい数字がだせなかったんです
風速計を取り付けてもいい数字にならなかったのでいちばん実績のある場所に
ピトー管を取り付けて実験することにしました
ちなみに・・・ダンパーの側が流れに対して垂直の穴を担当しています
そして・・・ホッパーの側が流れに対して平行な穴を担当しています
(加工ができれば1本でつくるんですけどねぇ・・・)

風速計 (3kg釜・風速 m/s)

排気ダンパー
ファン風速(m/s)2.02.83.64.55.56.37.07.47.5
熱線風速(m/s)2.13.24.25.26.26.87.57.87.8
ピトー管・差圧(pa)5913182530343840
ピトー管・風速(m/s)2.93.84.65.46.47.07.47.98.1

実際に計測したデーター
ファン式風速計・・・・・青色
熱線式風速計・・・・・・赤色
ピトー管式風速計・・・黄色

測定結果について青色の折れ線グラフがファン式の風速計で測定したものです(単位はm/s)
赤色の折れ線グラフが熱線の風速計で測定したものです(単位はm/s)

同じ位置にピトー管を取り付けて差圧を測定してみました(単位はpa)
そして、その数値を下の式に代入すると・・・・
風速(m/s)=1.2773√ピトー管・差圧(pa)
ピトー管による風速が計算できます
風速計の数値とピトー管の数値がけっこういい感じになっているので・・・
信用してもいいと思っています

これで焙煎中の排気もすべて把握できると思います

風速計 (3kg釜・風速 m/s)
火ありは、ガス圧200にて釜温度200度前後にて測定

排気ダンパー
火なし・差圧(pa)61014212935414747
火なし・風速(m/s)3.14.04.85.96.97.68.28.88.8
火あり・差圧(pa)5812152228343737
火あり・風速(m/s)2.93.64.44.96.06.87.47.87.8

実際に計測したデーター
火なし・風速(m/s)・・・・・青色
火あり・風速(m/s)・・・・・赤色

煙突効果とファン効率の減少
焙煎機には煙突がついています
当然・・・煙突は温度差をエネルギーにして働きます
となると・・・焙煎機は温度が上がるほど排気が強くなるはずです
しかし・・・実際にはかってみると煙突効果よりも高温による
ファンの能力減少の方が大きいようです
データーをみた感じでは約一割ほど減少しているようです
もっというと・・・
煙突効果よりも風によって起こる負圧のほうが・・・
よっぽと深刻な影響を焙煎に与えると思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

微差圧計を考える

排気ファン付近の圧力を測定・・A

排気ダンパー手前の圧力を測定・・B

排気の吸い込み口の圧力測定・・C

サイクロンの圧力測定・・D

マノスターゲージを焙煎機に使う
マノスターゲージというのは・・・2ヶ所の圧力差を測定する装置です
つまり・・・ひとつを開放にしておくと大気圧との比較となるわけです
A・・・排気ファン付近は、排気の原動力となる部分です
B・・・排気ダンパー手前付近は、ダンパーの開閉で大きく変化する部分です
C・・・排気の吸い込み口付近はほとんど大気圧になります(ただし大気圧ではない)
D・・・サイクロンの圧力はファンの風と煙突効果の引っ張りの合計となります(火が入らなければ必ず正圧)

実際の測定・(3kg釜・バーナーなし・mmH2O)

排気ダンパー
A・・・排気ファン付近-16.5-15.5-14.9-14.0-13.0-12.2-11.5-11.5-11.0
B・・・排気ダンパー手前-0.6-1.0-1.4-1.9-2.9-3.6-4.2-4.6-4.7
C・・・吸い込み口付近-0.1-0.1-0.1-0.2-0.2-0.25-0.25-0.3-0.3
D・・・サイクロンの圧力+3.4+3.8+4.0+4.2+4.8+5.0+5.4+5.6+5.6
A-B・排気ファン-排気ダンパー-15.5-14.5-13.5-12.0-9.5-8.0-7.0-6.0-6.0

排気ダンパーとマノスターゲージの関係
(バーナーに火がはいるとどうなるか)

排気ダンパー
B-C・火なし0.50.91.32.02.83.54.04.44.5
B-C・火あり0.50.91.31.92.63.33.84.04.1
B・火なし0.61.01.42.13.13.74.24.64.7
B・火あり0.30.71.11.62.33.13.63.94.1

マノスターゲージの取り付け位置を考える
マノスターゲージは2ヶ所の差圧を測定する計器です
片側を開放状態にしておけば微圧や微真空計となります
排気ダンパーの手前(B)が一番焙煎機の排気との関連がとりやすいと考えます
問題となるのはどことの差圧をはかるかです
開放にすれば大気圧との差圧となります
しかし、焙煎機内と大気圧では温度差が大きく条件が大きく変化します
そこで実際にどことどこの差圧を測定したときが
バーナーに火を入れたときと火をいれないときのデーターが似るかを試してみました

B-Cと接続

赤がB-C・火あり
青がB-C・火なし

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・排気圧(mmH2O)

B・片側開放

赤がB・火あり(片側開放)
青がB・火なし(片側開放)

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・排気圧(mmH2O)

グラフの解説焙煎機の排気をマノスターゲージによって計る場合・・・
気をつけねばならないのはバーナーに火を入れて釜が温まると釜内に
熱風を送り込むだけ正圧になります
(ただしダンパー手前はファンによって吸われているので負圧)
その分・・火を入れたときと入れないときでは誤差が生まれます
(誤差を理解して使う場合はかまいませんが・・・)
そして、実験の結果・・・・
排気ダンパーの手前(B)と吸い込み口付近(C)をマノスターゲージでつなぐと
バーナーをつけたときと消したときのデーターの誤差が小さくなる
まぁ・・・これって珈琲屋以外の人には全く役立ないですけどね
ちなみに焙煎機の排気 2で
マノスターゲージと風速の関係も実験しています
あわせて参考にしてください

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

連続焙煎を考える

連続焙煎とは・・・
小型の焙煎機は、排気ファンと冷却ファンがいっしょです
つまり、焙煎したコーヒー豆を冷やすためには切り替えダンパーを冷却側にして
ファンを切り替えていました
そのため冷却している間は、次の焙煎ができないということになります
そこで、排気用のファンと冷却用のファンを単独で持てば連続焙煎が可能になるわけです
しかし、そのためにはサイクロンがもうひとつ必要になったり・・・
煙突をもう一本ださねばならなかったりで結構大変でした
たまたま「T」さんと「H」さんと話していて・・・
本当に単独ファンをつけなければ連続焙煎ができないのか試したくなりました

(写真・排気ダンパー)

(写真・切り替えダンパー)

排気用ファンだけで連続焙煎するには・・・
基本的に冷却しているときに焙煎機の側からどれだけ空気が引っ張れるかが鍵となります
つまり、蒸らし程度の排気を冷却しながらできれば連続焙煎が可能であるということになります
そして、その状態でも煎った豆がスムーズに冷やせる程度の能力があれば可能ということになります

排気ダンパーに取り付けた風速計

実際に測定する生豆を4kgいれた状態で排気をはかる

排気1排気2排気4
7.6km/h9.7km/h15.8km/h

切り替えダンパーを焙煎の側にした状態で測定しました
これが通常の焙煎機の排気であると考えて間違いないと思います
つまり、この風速を切り替えダンパーで冷却状態のときに作ることができれは連続焙煎が可能となるわけです

生豆を4kgいれた状態で排気をはかる
冷却機に 3.2kgの煎り豆をいれる
(かくはん状態)
排気ダンパーは全開
切り替えダンパーを冷却側より1目盛りづつずらす

切り替えダンパー・1切り替えダンパー・2
8.0km/h (4.7km/h)11.3km/h (8.8km/h)

連続焙煎を想定して測定する
この状態は、通常の冷却を想定しています
つまり、焙煎後のコーヒー豆が冷却機にはいった状態で
次の豆が本体に投入されれたときの風速を測定したものです
このときにポイントとなることは冷却機の底の穴がみえない程度の
コーヒー豆があることが必要です
これは、穴がみえる状態だと空気がそこから流れてしまって豆の冷却に使われないのです
それと同時に、排気ファンの減圧が弱くなって焙煎機側の排気が弱くなってしまうのです
ちなみに・・かっこ内の数値は冷却機に豆がまったくはいってない状態です

単独ファンを使わずに連続焙煎が可能かについて・・はっきりいって、通常の焙煎機でも連続焙煎は可能です
そして、冷却も問題なく冷えます
慣れてしまえばそれほど難しくありません
ただし、火力は相当下げる必要があります
これは、釜が温まるために使われる熱量が必要なくなるからです
ただし、これも数回、焙煎すればコツがつかめると思います
あとは、スポットクーラーを冷却機にずーっとあてておくとベストです
これは、冷却機が冷える時間が不足するのを補填するためです
ただし、これは単独ファンがついていても同じことがいえますからなくても可能です

ちなみに・・これはぼく個人の意見です
試すかどうかは自己責任でやってください

豆の種類とチャフ

焙煎をしていて、豆によってチャフの量が明らかに違うと感じていました。
そして、目減りの中にはチャフの量もはいってしまって単純に水分が飛んだのとは違ってしまいます
つまり、目減りを測定してチャフの重さ分だけ補正すれば、もう少しつかいやすい数字になると考えたわけです

モカ (4kg・焙煎)
チャフの重さ 34g
チャフの体積 2000cc

ブラジル (4kg・焙煎)
チャフの重さ 17.4g
チャフの体積 800cc

キリマン (4kg・焙煎)
チャフの重さ 14.2g
チャフの体積 700cc

マンデリン (4kg・焙煎)
チャフの重さ 7.8g
チャフの体積 350cc

ガテマラ (4kg・焙煎)
チャフの重さ 12.8g
チャフの体積 650cc

コロンビア (4kg・焙煎)
チャフの重さ 14.4g
チャフの体積 650cc

メキシコ (4kg・焙煎)
チャフの重さ 4g
チャフの体積 200cc

チャフの量の違い
(モカとメキシコ)

チャフの色の違い
(モカとメキシコ)

チャフの量とチャフの色
一番チャフがでたのはモカです。(エチオピア・デルガーゴ)
そして、でなかったのがメキシコでした。
この差は重さで30g、体積で1800ccとけっこうすごい量の差がありました。
そして、目減りは15%から20%ぐらいですからそのときの30gは明らかに影響があります
(0.8%ぐらいは変化する)
この量を補正すると、けっこう目減りも使える数字になってきます。
それと、気づいたのはモカのチャフだけが重く感じるのです
チャフの厚さが違うように思います。
(比重をはかってもやはり重かった)
あとは、チャフの色が薄いものと濃いものが混ざっていました。
これは、チャフが外れるタイミングによって起こるものではないかと思いました。
つまり、蒸らしの段階で外れるチャフとはぜの段階で外れるチャフによって色が変わると考えました。
その仮説が正しければ、チャフの色が薄い状態のメキシコなどは蒸らしの段階で外れてしまっているということになります

今回の実験装置・チャフとりびん

モカ・蒸らしのチャフとはぜのチャフ

ガテマラ・蒸らしのチャフとはぜのチャフ

蒸らしの段階のチャフとはぜのチャフ
今回の実験装置は、めちゃめちゃ単純です。
サイクロンのちょうど落ちてくるところにビンを置いておきます。
そして、蒸らしが終わったら新しいビンにかえるだけです。
つまり、そうすることにより蒸らしの段階のチャフとそれ以降のチャフの差が調べられるわけです
(説明するほど複雑ではないと思うのですが・・・・)
結果・・・
実際にやってみて、蒸らしまでで外れるチャフというのは非常に少ないと思いました。
(写真では薄い色の方)
モカでは、蒸らしまでのチャフの量の約10倍ほどの量がはぜの段階ででました。
ガテマラでも、同じような結果がでました。
つまり、パッとみのチャフの色でどの段階で外れたチャフかは見当がつくということです。
もっと詳しく考えるならば、チャフの色をみれば蒸らしをしっかりやったものかそうでないかもわかる可能性があると思います。
(よその珈琲屋さんにわざわざチャフをみせてもらうことはないとおもいますが・・・)

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

電動ロースターの改造

知り合いのコーヒーマニア・・・・「S」くんが、焙煎機をもってきました。
(なぜか彼は・・ゴールデンウィークに遊びにくる・・・)
その焙煎機を、テキトーに改造してあげることになりました。
それは・・・20年ちかく前にみたことのある電動の焙煎機でした。
いゃあ・・・なつかしいなぁ・・・
そんな古い機械が現役で動くなんて・・・
ちょっと感動です

(写真・温度計と排気シャッター)

(写真・排気シャッターのアップ)

今回の改造・・排気口付近
この焙煎機は、排気口部分に触媒があってその触媒をその下にあるヒーターであたためて 煙を消すシステムになっていました。
しかし、残念ながらもう触媒は腐っちゃったらしくなくなっていました。
ですから、この排気口をふさぐことにより釜内で熱や湿気がこもった状態(蒸らし)を つくりだすことにしました。
実際にそれだけだとおもしろくないので、温度計も試しにつけてみました・・
(あまり・・意味がなかった・・・)
今みると・・・この機械の欠点なんかもわかるもんですねぇ・・・・
この排気口部分の触媒を動かすためには250度ぐらいの温度か必要なんです。
そのぐらいの温度にならないと煙が消せないのです。
そのためにこの排気口部分の真下にヒーターを組み込んである・・・
これは、非常に理にかなっているんですが・・・・
焙煎を考えると疑問を感じるんです。
回転するドラムによって豆をかくはんする場合・・
豆がどうしてもかたまってしまう・・・
ヒーターが上についているこの機械は、ヒーターのだす遠赤外線によって焙煎しようとします。
豆は、表面にでている豆だけ強力な遠赤外線で熱せられて、下に隠れている豆は熱が伝わらなくなってしまうのです。
普通に、下にヒーターをつければ遠赤外線の効果もヒーターの熱によってでる熱風の効果も焙煎に使えていいはずなのに・・・
この機械は、焙煎することよりも何が何でも煙を消すことに力を入れちゃったんですねぇ・・・
この機械を改造していてそんなことを感じました・・・
とりあえず・・・排気口をふさげは・・・釜の中の温度が上がるから何とかなることでしょう
(けっこう・・・・いいかげんな感じですが・・・・)

(写真・吸気口付近)

(写真・吸気口のアップ)

今回の改造・・吸気口付近
この機械は、もともと排気を強くする気がないのです。
つまり・・・
触媒を使って煙を消す場合・・・・
大量の低温の煙ではいくら触媒で燃やそうと思っても無理なのです
そこで、この釜は吸気口が極端に少ないのです。
これでは煙が大量にでてきた場合に排気が追いつかなくなります・・・
そこで、適当に穴をあけて吸気量を増やすように改良しました・・・
これにより、排気ダンパーを開ければ強い排気も可能となります。

いゃあ・・・今回は時間がなかったので中を分解してじっくりとみれなかったのが残念です。
それにしても・・・・
20年前だったら・・・この機械はけっこういい機械だと思います。
そのころは、排気で味をつくるという考え方がまだなかったため
とりあえず、煙を消すことに極端にこだわってしまったんでしょうねぇ・・・
それが、実感できました・・・・
いい勉強になりました・・・

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

焙煎時の水の抜け方

焙煎をやっていて、どの時期に豆から水が抜けるかを調べてみたくなりました。
といっても、業務用の焙煎機をはかりにのせて焙煎するわけにはいきません・・・
そこで、「I」さんの持っている焙煎機を使って実験することにしました。
ただし・・・「I」さんの焙煎機は、5kg以上あって・・・・
そのまま、はかりの上に焙煎機を載せて焙煎することができません。
そこだけ・・・ちょっと工夫が必要でした。

(写真・上から天秤でつる)

(写真・シーソーを利用する)

(写真・支点を変更する)

実験方法
今回は、焙煎機が5kg以上あってそのままはかりにのせてはかれませんでした。
(はかりの最大が5kgのはかりだから・・・・)
そのため、はかりの重さを減らすためにいろいろと工夫しました。

上から天秤でつる
この方法では、反対側のおもりがゆれたりするだけはかりの数値が変化してしまって はかりの数値を読むのがむずかしく失敗でした。

シーソーを利用する
この方法は、そのままはかりの数値が利用できていいのですが、焙煎機が回転したときの重心の変化が ダイレクトにはかりの数値に反映されてやっぱり失敗でした。
とくに・・・・ほんの少しの重心の変化がそのままはかりの数値にかかわってしまって非常にやりにくかったです。
そして、おもり重さも影響するなど実験の再現性が大変だと思いました。

支点を変更する
この方法は、おもりを使わず支点を外側に持っていってはかりを反対側の端にセットして 焙煎機を板の真中に持っていくことにしました。
この方法では、はかりの精度は半分に落ちますがけっこう重心の変化の影響が少なくて実験しやすいと思いました。
もともと、1/10gの精度のあるはかりですから半分の精度でも大丈夫だと思いました。
(この装置が今回の実験で使った方法です)
ちなみに、片方の端に支点・まんなかに焙煎機・もう片方の端にはかりを置くと重さは半分となります。
(よく考えればあたりまえなんですけどね)

実験方法・・・
・100gのコーヒー豆を焙煎機にいれてドラムを回転させた瞬間のはかりの数値(W)を調べます。
・5分後のはかりの数値に100/(W)を掛けます。これがそのときの豆の重さとなります。
・10分後・15分後も同様に計算します。

品 名モ カコロンビアモ カコロンビアマンデリン
 0分- 5分4.34.93.54.44.4
 5分-10分7.36.67.95.86.7
10分-15分10.35.88.37.56.7
 合 計21.917.319.717.717.8

焙煎と水の抜け方について・・・
本来・・・たった5回の実験で答えをだすべきではないと思いますが・・・
とりあえず、わかったこと
最初の5分間は、あまり水が抜けない
一番水が抜けるのは、10分から15分のところで、これは「はぜ」による水分の放出が行われるためと思われます。

こんな解釈では、あまり面白くないので・・・
勝手に飛躍した解釈・・・を少し・・・
ここで使った「モカ」はエチオピア・デルガーゴという国連コーヒーを使いました。
この「モカ」だけか非常に水の抜けがいいように思います。
これは、焙煎しやすさと関係がありそうです。
つまり・・・いわゆるスペシャリティコーヒーにはこの「モカ」と同じ傾向がでるかもしれません。
もし・・その傾向がでるとしたら・・栽培によってその性質がでたということになります。
ただ・・・残念なことにうちの店がスペシャリティを扱っていないのてそこまでは実験できませんでした。
どのコーヒーも、最初の5分間は水が抜けていないようにみえます。
つまり、その5分間にコーヒーの成分が飛ぶということを心配する必要はないと思います。
この段階では、「水を抜く」だとか「蒸らし」だとかを考えずに豆全体の温度を上げることに専念すればいいと思います。
まぁ・・・だいたい予想していたような実験結果でした。
(びみょうに・・・つまらんかったりして・・・)
もっと、回数を繰り返して誤差を消していけばもう少しきれいな数字になると思いますが・・・・
ぼくてきにはこの程度の数字でもう・・・いいかなぁと思っています。
(けっこう実験が大変なもんで・・・・・)

再度挑戦!

今回は、「アイ・ロースト」という焙煎機を使って実験しました
この焙煎機は、重さが2.1kgしかないのでMax5kgで精度が0.2g単位のはかりにのせて焙煎することができます
つまり、一分ごとの重さの変化も調べることが可能となります
そして、焙煎機の欠点は排気の噴出し口が真上に向いていてことです
そのため排気を横に逃がしてやらねばはかりの数値が大きく変化するという欠点が発覚しました
(まぁ・・・たいした問題でもなかったんですが・・・)
次に問題となったのが、この焙煎機が持っているしょーもない焙煎プログラムでした
こっちの思うように動いてくれなくて非常に苦労しましたが大雑把な数値をつくるには十分だと思いました

実験方法 
・焙煎機があったまった状態で130gのコーヒー豆を入れる
・「焙煎パターン・1」の状態で焙煎時間を10分にセットする
・1分づつではかりの数値から目減りを計算する
(写真・はかりの上で焙煎させる)

時 間0-11-22-33-44-55-66-77-88-99-10目減り
モカ2.23.22.43.24.42.82.21.42.44.223.5%
マンデリン1.62.42.24.64.82.01.01.21.83.422.0%
コロンビア1.82.02.03.24.22.21.21.61.63.420.6%
水洗・コロ2.62.22.23.83.62.82.22.21.82.020.1%

(目減りは冷却後の重さから計算しました)

1分間に何グラム目減りするかを
調べたグラフ

「X軸」はかかった時間(分)
「Y軸」は目減りした量(g)

グラフの考察

どの豆も4分から5分のところで1はぜかおきました
(通常・・そんなにはやくはぜさせちゃあだめですけどね・・・)
どの豆も1はぜの部分で大きく目減りをしているのがわかります
これは、1はぜで大量の水が抜けたためです
(1はぜは、水が蒸気に変わるときの圧力でおこる)
9分から10分の目減りはコーヒー豆の表面に油が浮き出るぐらいの煎り加減で 大量の煙が発生しました
たぶん・・・燃焼によってコーヒー豆の成分自体が減少したんだと思います
あと・・豆がやわらかい熱の通りやすい豆(モカ)は、最初の3分間も目減りが活発です
後半部分も安定して目減りしています
それに対して、コロンビアは最初の3分では目減りが緩やかです
このような豆が硬くて焙煎がしにくい豆と考えていいように思います
あと、マンデリンが3分から5分の2分間、目減りがありました
これは、だらだらっとはぜる傾向と一致します

同じ条件で焙煎したコロンビア

水洗いコロンビア VS 普通のコロンビア

珈琲の生まめを水洗ってから焙煎するという方法があります
これによりコーヒー豆の表面の汚れを落とすことができます
(この方法に関しては、賛否両論ありますが・・・)
実際にコロンビアを水でしっかり洗って・・・
その後水を切って乾燥させて前回と同じ条件で焙煎してみました
通常のコロンビアと明らかに違うのは水の抜けが明らかによくなっているということと
はぜのときの水分の排出が弱いことです
どちらかというとモカと同じような感じにグラフが走っています
つまり・・焙煎はやりやすくなるという可能性があります
ただ・・・水に汚れ以外が溶け込まないかというと・・・はっきりいって未知数なのです
そこがちょっと問題だと思います
水洗コーヒーのグラフの最後の部分が跳ね上がっていない理由
これは今までの豆よりも大量の水分を持っているため
目減りが大きいわりに焙煎の進行が遅くなっているためだと思います

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

焙煎機の排気 2

「M工業」から借りた風速計

新しく買った風速計

新しく買った風速計を取り付ける

排気量を調べる
今回・・オークションで風速計を買いました
前回「M工業」に借りて実験したんですが同じ部分に風速計を取り付けて実験をすることにしました
前回の測定では補助ダンパーを使っていましたが今回は、ない状態で測定しました
ちなみに、風速計がついている赤いパイプはウーロン茶が入っていた紙缶を切って使いました

実際の測定・ファン式風速計 (3kg釜・補助ダンパーなし 風速 m/s)

排気ダンパー
風速(m/s)2.02.83.64.55.56.37.07.47.5
風量(l/s)10.314.318.022.827.731.835.337.238.0
減少率(%)27%38%48%60%73%84%93%98%100%

実際の測定・熱線式風速計 (3kg釜・補助ダンパーあり 風速 m/s)

排気ダンパー
風速(m/s)2.13.24.25.26.26.87.57.87.8
風量(l/s)10.516.021.026.031.034.537.539.539.5
減少率(%)27%41%53%66%78%87%95%100%100%

実際の測定・熱線式風速計 (5kg釜・風速 m/s)

排気ダンパー
風速(m/s)5.15.66.57.28.810.010.210.510.5
風量(l/s)25.731.332.836.344.450.451.452.952.9
減少率(%)49%53%61%69%84%95%97%100%100%

赤が5kg釜
青が3kg釜

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・風量(l/s)

表の解説
今回新しく買った風速計を前回、熱線式風速計で測定した位置と同じところではかってみました
前回と数値的には同じような感じででたんで信憑性は高いと考えていいと思います。
そのなかで、ぼくがもっとも問題と考えるのは5kg釜の排気の減少率です
3kg釜の場合ダンパーを全閉にしたときの減少率が27%なのに対して5kg釜は49%もあります。
これは、排気の幅が5kg釜の方が極端に狭いということです
排気の幅が狭いということは少量焙煎が極端に難しくなることになります

煙突に風速計を取り付ける

ダンパー手前に取り付ける

赤がダンパー手前
青が煙突(3kg釜使用)

X軸・・・ダンパー開度
Y軸・・・風量(l/s)

煙突内の風速について
煙突内の風速は、ダンパー手前の部分のような極端な変化が起きませんでした
減少率にして65%ほどしかありませんでした
これは、排気ダンパーを閉じても焙煎-冷却切り替えダンパーのすきまなどから
空気が流れてくることが原因だと思います
排気ダンパーは、隙間の大きさを調整しています
つまり、ダンパーを絞って隙間を小さくした場合は
切り替えダンパーにある隙間から入り込む空気の比率が大きくなってしまうのです
ちなみに切り替えダンパーを冷却にすると
68(l/s)もの空気が煙突に流れることになります(3kg釜のデーター)

焙煎機のダンパー部分
ダンパーを全閉にした状態

焙煎機のスリット部分
穴の面積は楕円となる

風量とスリット面積 (3kg釜・風量 l/s 面積 cm2)

排気ダンパー
スリット面積(cm2)4.47.011.016.422.429.036.043.050.7
3キロ釜・風量(l/s)10.314.318.022.827.731.835.337.238.0
5キロ釜・風量(l/s)25.731.332.836.344.450.451.452.952.9

青・・・スリットの面積(cmm2)
赤・・・3キロの風量(l/s)
黄・・・5キロの風量(l/s)

ダンパーの隙間を計算するダンパーはパイプに7㎝の穴と2センチ小さな穴を結んだような格好の
穴が開いておりそれを回転させて隙間を調整しています
(珈琲屋でないとわかんないかもしれませんが・・・)
流体力学ではこの穴の面積はこの楕円の面積で計算すればいいらしいのです
(大学生に教わりました)
そして、実際に計算してみると・・・・
ほとんどきれいな直線になるのです
つまり、ダンパー1目盛りで10度づつ角度が変わって隙間の面積が表のように変化します
グラフではきれいな直線になるのでマノスターゲージの値や風速計の値が直線になるのもうなづけます
ただし・・排気のバランスが取れた部分が「5」になるか「6」になるかは大きな違いがでます
ファンの能力は「7」から「9」ぐらいでは変化がめちゃめちゃ弱くなるのです
それと5キロ釜の全閉時の吸い込み量の多さはダンパー操作の幅を 狭めているように思います

風速とマノスターゲージ

風速とマノスターゲージの関係を調べる
マノスターゲージは差圧を測定します
圧力差があればそこには風が起こります
圧力差があればあるほど強い風が起こります
(すごく当たり前・・・・)
そこで実際に風速とマノスターゲージの数値で
どれだけ関連性ができるかを調べてみました

風速計とマノスターゲージ (3kg釜・風速 m/s 差圧 mmH2O)

排気ダンパー
ノーマル風速(m/s)2.02.63.64.45.35.96.36.76.8
ノーマル微差圧(mmH2O)0.50.71.11.62.43.03.74.24.4
「10」・風速(m/s)1.42.12.73.64.55.46.16.46.4
「10」・微差圧(mmH2O)0.40.50.61.01.72.43.13.43.6

風速とマノスターゲージのグラフ
青・・・風速(ノーマル)
赤・・・差圧(ノーマル)
黄・・・風速(「10」に固定)
水色・・差圧(「10」に固定)

グラフの解説
マノスターゲージと風速計の関係をグラフにしたものです
ノーマルは普通の状態で測定したものです
「10」のほうは排気ファンの部分をを10mmH2Oに固定するようにしたものです
つまり・・・焙煎-冷却切り替えダンパーを操作して10mmH2Oになるようにした状態で
排気ダンパーの部分で風速と微圧を測定したものです

このグラフの一番の特徴は、排気ダンパーを絞った状態から徐々にあけるときに
マノスターゲージの数値の上がりが非常に弱いことです
これはダンパーの構造上最初の数段は穴の大きさがあまり変化していかないからです
それに対してノーマルのほうは、排気を絞ったときには穴の大きさは小さいかわりに
排気ファンの部分が大きな負圧をもっており吸い込もうとする力が大きいからです

まぁ・・わかっちゃえば当たり前のことですけどね

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

焙煎機の排気

写真・風速計

排気量を調べる「M工業」の「M」さんがハンディータイプの風速計を貸してくれました。 それを利用して焙煎機の排気量を正確にはかってみました。 実際に豆をいれた状態でも実験をしたいのですが、今回の風速計は センサー部分が熱に弱くて火をいれた状態でははかることができませんでした。 (ちょっと残念)

実際の測定(補助ダンパー連動)

排気ダンパー
風速(cm/s)210320420520620690750790790
風量(l/s)10.516.021.026.031.034.537.539.539.5

連排気をはずすと排気1では14(l/s) 排気2では18.5(l/s)でした

表の解説焙煎機の排気能力を正確にはかるために風速計で測定してみました。
一番正確にとれるであろうと考えてダンパーの手前のまっすぐの部分で はかることにしました。
そこでわかったことは、おもったよりも排気は強いということです。
ぼくの頭の中では、蒸らしダンパーといわれている排気を絞った時には めちゃめちゃ空気が流れていないとおもったのに実際にはかってみると 一番排気を絞った状態で一秒間に14リットルもの空気が排気されていたのです。
(これで、「蒸らし」といってもいいのかなぁ・・・・)
たぶん、火がはいっていればこれに煙突効果が追加されてもっと排気されることとおもいます。

実際の測定(補助ダンパー連動 風速 cm/s)

排気ダンパー
ノーマル210320420520620690750790790
切り替え 2190320420500600680720750750
切り替え 3160280350430520580620680680
切り替え 4120190280340410460480530530
切り替え 585145210280330380410440440

表の解説実際に豆をいれた状態でも風速をはかってみましたが、あまり変わりませんでした。
(生豆を 1kg・2kg・3kg・4kg いれて実験)
そのかわり、切り替えダンパーによってどれぐらい排気を抑えることができるかを 正確に実験することができました。

その結果下の表のようになりました。
つまり、焙煎量を変化させた時に切り替えダンパーを大きく変化させて焙煎すると 通常の排気ダンパーのほうはあまり変えずに少量の焙煎が可能となります。

切り替えダンパー

風量の減少率

ノーマル
100%95%85%65%55%

実際の測定(補助ダンパー連動・風量 l/s)

排気ダンパー
ノーマル10.516.021.026.031.034.537.539.539.5
切り替え 29.516.021.025.030.034.036.037.537.5
切り替え 38.014.017.521.526.029.031.034.034.0
切り替え 46.09.514.017.020.523.024.026.526.5
切り替え 54.07.010.514.016.519.020.522.022.0

1分間の風量(補助ダンパー連動)

排気ダンパー
風量(m3/min)0.690.991.351.712.042.312.552.67

連排気をはずすと 排気1では0.84(m3/min) 排気2では1.11(m3/min)でした

5kgの焙煎機の測定(風速 cm/s)

排気ダンパー
ノーマル5105806507208801000102010501050
切り替え 3410450500580680780800820820
切り替え 5310350400450520600650670670

風速の減少率

ノーマル
100%78%60

最終更新日:2016年 9月 29日 (木)

焙煎機の煙突掃除

コーヒー屋の仕事というと、コーヒー豆を焙煎したり、ハンドピックしたりとそんなイメージがあると 思います。けっこう、知られていないけど、重要なのが焙煎機の掃除なんです。 その中でも、煙突は、火災の原因にもなるのでまじめに掃除をします。 通常、300回ぐらい焙煎したら掃除をします。 (実をいうと、うちの店では、何回焙煎したかがわかるようにカウンターがついていて 、300回になったら掃除をすることにしているのです)

300回ぐらい焙煎すると内側に1センチぐらいクリンカーが蓄積します。
(クリンカー:コーヒーを焙煎して生ずる油成分)[写真 左]
ですから、煙突の内径が2センチぐらいは、小さくなります。 これにより、排気効率がさがるわけです。 しかし、そんなことよりも、煙突の内側についた油が曲者なんです。 温度が上がると、この油がもえるんです。

煙突にくっついているクリンカー(煙突の長さ約20cm)

クリンカーを皿に入れて電熱器で熱を加えます。 煙が出てクリンカーが液化します。

マッチで火をつけると勢いよく燃えます。
本来の煙突は10mぐらいはありますからこの程度の火では済みません。

焙煎機の煙突は、通常あまり温度が上がらなくできています。(サイクロンの温度で約70度)
しかし、通常の焙煎でなく深煎りのコーヒーを煎っている場合はこれ以上に上がります。 それと深煎りでは大量の煙が煙突に送られます。深煎りを焙煎中に目を離したりすると異常高温になり、 チャフ(渋皮)に火がついてサイクロンに飛んでいきます。それが引火の引き金になります。

一回焙煎するとこれだけの
チャフ(300cc)がサイクロンに
たまります。(モカ 3キロ)

※サイクロン=集塵機

コーヒー屋の焙煎機の煙突(ステンレス製)で、もし、色が変わっていたら、 それは、そのコーヒー屋さんが、掃除をおこたって煙突に火がはいってしまったんです。 ステンレスは、高温になると、変色してしまうんです。 そういう場合は、煙突掃除をやるように教えてあげてください。火事になる前に。

最終更新日:2016年 9月 28日 (水)

焙煎遍歴

焙煎とは、コーヒー豆に熱を加えて生豆の成分をいり豆の成分に 化学変化させる作業です。 実際にぼくたち珈琲屋さんが使っている焙煎機というのは 排気と投入温度と火力のたった三つしか操作する部分がありません。 このたった三つの操作の仕方だけで味のつくるのです。 実は、これだけでも無限の焙煎理論が存在してしまうのです。

排気温用センサー
煙突部分ではかる

バーナー位置
炎の高さを変える

ガス圧計と
廃熱温度計
(デジタルに変わりました)

制御盤
中段3個の温度計が
比較温度計と廃熱温度計

比較温度計センサー
左右同じ位置に熱電対を
取り付けました。

排気検査機能付スプーン
排気の状態が
チェックできる

現在やっている焙煎方式

2001年5月16日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150155172185
バーナー位置
火 力240280220
過熱水蒸気3min(off)6min(on)(5-S)

コ メ ン ト
蒸気を焙煎機に送り込むタイミングをタイマーで調節するようにしました。
これは、焙煎機に豆を投入して豆が中点に達してから初めて蒸気を送り込んだほうが、 乾燥逆転温度に達した状態で過熱水蒸気を送り込むことができるので いいんじゃあないかとおもったのです。
いままで、豆の汚れと思っていた部分の一部は、 豆表面と内部の煎りむらであることがわかりました。
つまり、煎りやすいコーヒーは内部に熱が伝わりやすいコーヒーではないかと思いました。
逆にいうと、今までモカなどで汚れと思っていた部分が、単なる焙煎の技術不足であることが よくわかりました。 (いままでいまいちと思っていたコーヒーが、実はめちゃめちゃうまいということがわかりました)
いかに豆表面と豆内部の温度差をなくして豆全体で化学変化を安定させるかがポイントとなると思います。 ちなみに、豆内部に熱が伝わりにくい豆は、 ある程度ストレスがあって本当はうまいコーヒーじゃあないかと思います。
熱のとおりやすい豆は、豆にストレスが少なくて温室育ちのような感じではないかと思います。
実際、温室育ちの豆は焙煎しやすくてきれいに煎れるんですが味が弱いのが欠点です。

2001年5月4日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150160172185
バーナー位置
火 力240280
過熱水蒸気8min

コ メ ン ト
過熱水蒸気を再加熱するために、 バーナーを下に持ってきて炎と水蒸気を混ぜて 釜に送るようにしました。
これにより、確実に過熱水蒸気の特性を使うことができる。
(バーナーを下げて火力をちょっとあげる)
蒸気をあてる時間は、蒸らしの段階のみのがいいようです。
きれいに蒸れているかどうかの判断は、 豆のはぜの音の大きさで現在は判断しています。
豆によってはぜの音の大小があるので それが蒸気の当て方の判定基準になるかも・・・

2001年4月30日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150160172185
バーナー位置
火 力220280
過熱水蒸気7min

コ メ ン ト
蒸気分岐バルブを取り付けて過熱水蒸気の装置としては、完成したと思います。
これからは、どのように蒸気を送るべきか、 そして、焙煎の仕方をどのように変えるべきかを調べていかなければ ならないと思います。
現在わかったこと
蒸気を当てすぎると
・豆の個性が消える。
・味的にスカスカになってしまう。
・香りが長くもたなくなる。
蒸気を使うとチャフの量が異様に多くなる。
(チャフがはずれやすくなるためと思われる)

2001年2月10日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165172185
バーナー位置
火 力220260
コ メ ン ト
水抜きのときに排気を全開にしたほうが抜けやすいことは、 何度かの実験でわかっていました。
そして、どちらかというと排気を全開にしたときに 豆が冷やされるの嫌って水抜きのときも排気を「6」ぐらいにしていました。
そして、水抜き時間を豆によって変える方法をとっていました。
今回、調べたかったのは排気を全開にしたときに豆の表面温度と 豆内部の温度差に着目してみようと思ったのです。
つまり、どんなに釜内部の湿度を高くしても表面から熱が流れている以上 表面のほうが高くなります。
内部と表面の温度を同じにする方法は、表面の温度上昇を意図的に下げて やるしかないはずです。
(内部は、温度が徐々にしか変化しない。)
特に、水が抜けるときに表面の熱を奪っているはずです。
(それが、もともとの比較温度計の温度差の原因と思っている)
実際に排気を全開にして意図的に豆の表面温度を調整して焙煎してみようと思います。
これによって、はぜの強さや味の変化をみてみたいと思います。

2001年2月2日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150165172185
バーナー位置
火 力220260
コ メ ン ト
今回の焙煎は、水抜き作業の時間を少しだけ多めにしてみました。
実際にこれでも豆によっては、水の抜けが弱いように思いました。 (マンデリンなど)
これ以降は、豆によって水の抜け方じっくり調べて豆にあわせて 水抜き作業の時間を変化させようと思います。
豆のふくらみや挽いたときのミルの音、抽出時の豆のふくらみ方など 問題はないと思いました。
ちなみに、味も大丈夫だと思います。

2001年1月31日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150160172185
バーナー位置
火 力220260
コ メ ン ト
蒸らしの段階で、水抜きのために排気を今ままで全開にしていたのを 排気を「6」程度にして、水が抜けるかを実験してみました。
排気を全開にすると空気の流れがはやくなってふにゃふにゃになった豆が 冷やされるんじゃあないかと思ったからです。
(実際に廃熱温度計が、下がったところをみると豆が冷やされていたと思う)
結論から言うと、水分は抜けます。
しかし、全開にしたときよりも比較温度計の数値が「35度」に近づくのが やはり遅い様に感じました。
煎りにはいる前には「35度」にたっしてはいましたが・・・・
つまり、水抜き用の排気時間(この場合、排気「6」の状態)を もう少し長めに調整したほうが確実な焙煎ができるように思いました。
味的には、味がやわらかくなったわりに味が濃くなったような気がします。

2001年1月29日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150160172185
バーナー位置
火 力200260
コ メ ン ト
今回、むらし段階で火は近いほうがいいのか遠いほうがいいのかを調べたいと思いました。
(現在のぼくは、近いほうを選択している)
すべて同じ条件でバーナー位置だけを下からスタートさせてみました。
そうすると、温度の上がりとしては、すこし遅くなりました。
(これは、ちょっとは予想できましたが・・・・)
そして、廃熱温度計の上昇が認められました。
これから考えると、炎を遠くにもってくることにより大量の熱風となったことにより 排気ファンですてる排気量以上の熱気をつくったため廃熱温度計の上昇になったんだと思います。
つまり、バーナー位置が高いとたくさんの空気と混ざる前にドラムにあたってしまって 熱が奪われてしまうんだとおもいました。
比較温度計の差は、大きくはでませんでした。
豆のふくらみとしてはよかったんですが、カロリー不足を感じました。
実験は「コロンビア」でした。
ちなみに「Y」さん曰く、最初の段階でバーナーを遠くにしておくと富士珈琲機械の焙煎機の味に 似ているといっていました。たぶん、バーナーの強い炎をあてる焙煎法と遠火にしてやわらかい 炎をあてる焙煎方の違いではないかと思います。

2001年1月26日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150165172185
バーナー位置
火 力200260
コ メ ン ト
性能のいい比較温度計を取り付けました。
豆の水分がある場合は、温度差が60度あります。
完全に水分が抜けた状態だと温度差が28度でした。 とりあえず、蒸らしが終了したあと煎るためには 温度差を35度以下にしなければならないようです。
(うちの機械の場合ですけどね・・・・・)
今回、蒸らしの排気を最初に絞った状態でスタートさせて 豆内部まで白くなったときに排気を全開にして水分を飛ばします。
今回は、最初に排気を絞っているので150度の時にもあまり水分が 飛んでいなくて、その分排気全開を165度まで伸ばしてみました。
煎る段階での温度差は当然35度以下にしました。
結果、豆のはぜは強いですし、豆を挽いたときの音も軽かったです。
そして、抽出のとき最初にお湯をさしたときのふくらみ方も 問題ないと思いました。
しかし、前回の焙煎方法と比べると酸味が強くなっちゃいました。
それと、香りが前回の焙煎のほうがいいように思いました。
ついでにいえば、味は前回の焙煎のがぼくの好みでした。
てなわけで、今回の焙煎は実験だけで終了としました。 ちなみに、実験したのは「モカ」でした。

2001年1月20日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度240
200
150160172185
バーナー位置
火 力200260
コ メ ン ト
今回、焙煎方法を変えたのはいかにコーヒーの水を抜くかを調べるためです。
基本的に豆の水は、はぜか始まるよりも前に水が抜けていなければならないと 思います。つまり、煎るためには水がじゃますると考えるからです。
ちなみに、水が残っている場合「はぜが弱い」「味が弱い」「のびがわるい」 などの現象が起こります。これは、水が残っているため煎る作業のときに 内部の温度不足のためと考えています。
今回の焙煎は、スタートの排気を「2」で始めたことです。
これにより最初から水分を少し多めに抜くようにしました。
「150度」の排気「8」は、完全なる水分抜きでやっています。
はぜの温度は、「185度」「15分20秒」 ミルで挽いた音としては静かでしたから、火は豆に通っていたと思います。
実際に、蒸らす段階でバーナーの高さが高いほうがいいのか低いほうがいいのかは いまだにわかりません。今後の課題だと思います。

2001年3月29日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165175185
バーナー位置
火 力220280
過熱水蒸気ON

コ メ ン ト
現在、過熱水蒸気の実験をやっています。
本当に使い物になるのかは、非常に未知数です。
(よくわからんから、おもしろいんですけどね)
とりあえず、現在までにわかったことを書いてみます。
まず、排気監視窓がよごれなくなりました。
(理由はまだわかりません)
火力を”260”だったところを”280”にあげたところ 排気温が”260”の時とまったく同じでした。
つまり、この過熱水蒸気を使うと排気温は確実に下がるということになります。
さがった状態で豆に熱を与えるわけですから、豆との温度差が少なく 表面だけが煎れることがなくなります。
この焙煎法を使った場合、抽出時の後半の成分があきらかにきれいになります。 (雑味がでにくい)
焙煎の可否の判断に使えるかも・・・・・

2001年3月8日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165175185
バーナー位置
火 力220260

コ メ ン ト
廃熱温度というものを正確にはかるようになりました。
そこでわかったことは、バーナーを豆に近づけて排気を強くすると 廃熱温度が下がってしまうという事です。 (ちょっと下がるのはあたりまえなんですけど・・・・・)
つまり、水抜きで排気を強くしたときに少量の強い熱風(炎)と空気をいっしょに吸ってしまうから この現象が起こると考えました。
これを防ぐためには水抜きで排気を強くするときには、バーナーを下げて 大量の弱い熱風をつくっちゃえば防げると思ったのです。 (すんげーーーあたりまえの話ですが・・・・・)
その状態で焙煎したほうが、味が濃くなってドリップしていて嫌味が最後まででないように思いました。
味的には、問題がないのですが、豆のつやがちょっと弱いように思いました。
(味は、気にいっているからいいんですけどね・・・・)

2001年2月22日・・・・ 焙煎量4kg

排 気
本体温度250
200
150165175185
バーナー位置
火 力220260

コ メ ン ト
今回調べたかったのは、蒸らしの段階で炎をあてるかどうかなんです。
蒸らしの時にバーナーを下げて焙煎すると、バーナーを上げて焙煎したときよりも スプーンからでる熱風の量があきらかに多いのです。
ということは、高温の炎が大量の熱風に変換されたということになります。
ガスを燃やしている量が同じなんですから熱量は同じです。
つまり、バーナーをドラムに近づけるということは熱を直接豆に届けるという事なんです。
バーナーをドラムから離すという事は、炎で大量の熱風に変換して熱風として 豆に熱を届けるということなんです。
(熱風に変換しなくて豆に直接熱を届ける方法は炭焼きのように 赤外線なんかでとどけるのも同じです)
では、どちらがいいか・・・・無難に焙煎する場合はバーナーが離れたほうがいいです。
しかし、味を強く香りを強くだしたい場合は、 炎を直接ドラムにぶつけたほうが強い味と香りが出来ます。
そのかわり、蒸らしと、豆の内部と外部の温度差を無くす作業は絶対に必要になります。
ちなみに、うちの焙煎機のバーナーも、もう一段ぐらい高くなったほうがいいような・・・・