説明
※‘EF2’(いーえふつー) = ‘Extra Fermentation 2days’の略。
2018年にCofinet社が開発したといわれるコーヒー生豆の生産処理方法。
曰く、「手摘みしたコーヒーチェリーに24時間の好気性発酵をさせてから、グレインプロに密閉封入して摂氏22度以下を保ったまま約50時間の嫌気性発酵を施して、その後に果皮・果肉とミューシレージを除去して、主としてアフリカンベッドで乾燥させる」という変則的な湿式精製(ウォッシュト)。
なんでも、「嫌気性発酵中に乳酸菌の活動が活発になり、コンプレックスなフレーバーが生まれ、心地よいボディ感のあるカップに仕上がる」そうである、知らんけど。
【生豆と焙煎の仕立て】
コロンビア共和国 ウィラ県 アセベド地区
ウィルダー・ラッソ所有農園 EX 15UP
ピンクブルボン
EF2(Extra Fermentation 2days) ウォッシュト(湿式精製) 100%
今やコロンビアコーヒーの主要な名産地となったウィラ県、その中でもアセベド地区で見出されたとされる稀少品種のピンクブルボン(イエローブルボンとレッドブルボンの自然交配種と喧伝されるが異説もアリ)、その地で2010年代半ばから圃場を買い増して付加価値のある精製を導入するウィルダー・ラッソ。
この原料生豆の出自は、名産地×珍品種×珍精製という近来のコロンビアの動向を象徴するものです。
ピンクブルボンとアネロビック(嫌気性発酵)を組み合わせたところが特徴ではありますが、普遍的なコロンビアコーヒーの香味特性を打ち消してしまうかのような発酵臭や着香には至っていない、むしろコロンビアコーヒーらしい青臭みだけを低減して、コロンビアコーヒーらしい柔らかで円やかな甘みを伸ばした好い味わいです。
但し、今般の原料ロットは生豆段階の質量比で24%強も丸豆(ピーベリー)が含まれているので、手元の選別後に平豆(フラットビーン)と戻し混ぜて一緒に焙煎しています。
直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」、16分15秒で中深煎りに仕立てました。
変な精製を施されたけれども風味はとても好い高級コロンビアコーヒーの珈琲遊戯版「EF2(いーえふつー)」、ご笑味ください。