説明
フイエ山一帯に伝わる昔話として、ルワンダが王国だった16世紀ごろ、覇王ルガンズ2世ンドリ(Ruganzu II Ndoli )の治世を拒み続けた地方王族の伝説があります。
フイエ山に住むベンギンザゲ(Benginzage)という老女は、蛇を使って覇王の軍団を退けて領地を守りました。
そこで、覇王は老女へ山羊(やぎ)を贈りました。
山羊は屋敷の周りの草むらを食べ尽くしたので、蛇は棲むところを失ってしまいました。
こうして、フイエ山の防御は崩れて、覇王ルガンズはフイエ山一帯の侵略を成したのです。
しかし、一帯の人々は、最期まで抵抗を続けた気高い老女をニャガチェチュル(Nyagakecuru:‘夫人’の意)と呼んで、その伝承を語り続けているのです。
【生豆と焙煎の仕立て】
ルワンダ共和国 南部州 フイエ地区
フイエマウンテン ソヴ
ブルボン亜種 ウォッシュト(湿式精製) 100%
直火の手廻し釜で火力一定の「一本焼き」、焙煎時間は18分30秒。
一昔前のルワンダには良くも悪くもややザラっとしたクセ味がありましたが、最近はクリアな味わいのロットが増えました。
デイビッド・ルバンザンガボが経営するフイエマウンテンコーヒーの特徴は、地域性をよく体現した香味で、柔らかくて透明感のある甘酸っぱさが特徴です。
マスカット系のブドウや青リンゴを想わせる上品な風味があり、それでいて黒糖のようなコクが感じられるように、やや浅めの深煎りにしました。
「ニャガチェチュル」の気高い味わい、ご笑味ください。