ミルク缶焙煎機で焙煎する

焙煎に必要なもの

  • コンロ・・・カセットコンロでも可。台所でやるとチャフがいっぱい飛んで大騒ぎになります。
  • 焙煎機・・・さっき作ったもの。
  • うちわ・・・煎り上がったコーヒー豆を冷やすのに使います。
  • ステンレスのザル・・・煎り上がりのコーヒーは200度ぐらいあります。 ですから金属のものを使って下さい。広めのザルの方がハンドピックしやすいと思います。
  • できればストップウォッチ・・・ばいせん機に温度計がない以上、コーヒー豆の状態と現象が どの時間でおきたかがばいせんの目安になります。 時計でもよいのですが、ストップウォッチの方が使いやすいでしょう。

缶の中の生豆

緑っぽい色をしています。
メキシコ、150g(ハンドピックをしておくこと)
この焙煎機は最大150g煎る事ができます。
* 生豆の選び方。
好きな豆を選べばよいのですが、次の点に気をつけてください。
非水洗処理の豆はチャフの量が多くなります。後の掃除が大変です。
(マンデリン、ブラジル、モカなど)
もし用意できれば、クリーナーにかけたコーヒーだとチャフで悩まなくてすみます。
(クリーナー・・・・お米で言うと精米機のようなもので、コーヒー豆の表面を削って磨く装置)

焙 煎

熱いので軍手などをしましょう。
かるく焙煎機を持ったとき、底部分のが水平になるのが理想です。

焙煎機の持ち方
軽く焙煎機を持ったとき、底の部分が水平になるのが理想です。 この角度がよいと手が疲れにくく、チャーハンのように豆をふり上げやすくなります。
火力の設定
とりあえず、最大でやります。 この状態で豆のはぜが15分以上かかる様でしたら、 焙煎機の穴の数を増やすか穴の大きさを大きくします。 10分ぐらいではぜる様でしたら火力を下げるしかありません。 火力最大で穴の大きさを少しづつ大きくしていって、15分ぐらいにはぜを持っていくと 理想の焙煎機になります。

焙煎機の振り方
チャーハンのような振り方と単なる上下運動を適当に行います。 最初は1秒間に1回程度で振ります。 はぜてきたらチャーハンのような振りは止めて上下運動だけにします。 リズミカルにはねる様に振ります。
焙煎のプロセス
焙煎は豆の色をあわせるのではなく、コーヒー豆の化学変化がおこなわれたかが問題になります。 適切に焙煎されれば香りたかいコーヒーになりますし、 そうでない場合はスカスカで香りのないコーヒーになってしまいます。 この焙煎機の場合、いくつかの目に見えるプロセスでばいせんが適切かどうかを判断します。

3~5分の時豆のチャフがはがれて飛ぶようになります。
15分豆がはぜる。力強くはぜる事。火力が弱いとはぜ方も弱い。
仕上げ色見本の豆とあわせて豆をざるにうつします。
その時、豆がのびているか、黒いしわが残っていないかも
確かめるポイントのひとつです。

コーヒー豆はゴム風船と同じではぜる手前で黒っぽく、 はぜた瞬間に表面がのばされてしわが消え色が薄くなります。 はじけるにはエネルギーが必要で、火力が弱いとはぜる力が足りなくて しわの残ったコーヒーになってしまいます。

焙煎開始6分後

うす茶色になってます。 豆の様子。(6分)
豆のフラットな部分にしわが多く残っています。
センターカットが閉じていてなんとなく豆がひねたように見えます。
水分がぬけて豆がひとまわり小さくなった状態です

焙煎開始9分後

かなり茶色になりました。 豆の様子
6分の頃と比べるとセンターカットが開いています。 (白いすじが目立つようになっている)
豆のしわが少し消え始めている。
豆のふくらみもでき始めている。

うちわで冷やします
余熱で焙煎が進んでしまうので、焙煎が終了したら缶から出して冷やします。
豆がはぜ終わったあとは時間と共に色が濃くなります。
(色が薄くなるのははぜる時のみ)
見本の豆と比べてちょっと濃くなったぐらいでザルにおとします。
あとは、焙煎が進まない様にうちわで豆をあおいで冷やします。

左側
ミルク缶焙煎機で煎った豆
13分で焙煎終了。
終了時間がちょっと早い。反省。
右側
フジローヤルR-103直火式焙煎機
にて焙煎。

センターカットの具合、豆のふくらみ、しわののび方など、
ハンドローストと業務用機械との見分けがつかないと思います。

ミルク缶焙煎機で煎る・週刊フレーバー
ミルク缶焙煎機で焙煎する・週刊フレーバー

最終更新日:2016年9月28日

ミルク缶焙煎機のつくり方

ハンドローストするとスカスカなコーヒーができることが多いのですが、ミルク缶ではそれがなく、 大型の焙煎機に負けないコーヒーが簡単に焙煎できます。
(銀杏煎りで焙煎すると排気オーバーの状態で焙煎するため、 成分が抜けてスカスカなコーヒーができてしまいます)

準備する品々
ミルク缶1個、木(長さ約20cm)、6mm長ボルト(30cm、2本)、ナット
ホームセンターにあるものばかりです。

ミルク缶は内側に塗装がしてないため、熱を加えても塗料が燃えなくてGOOD!です。 もし内側に塗料が塗ってある缶でしたら火で塗料を焼いてから使ってください。
木は握りやすいくらいの太さがよい
ネジはステンレスのものがよい
ちなみにミルク缶のサイズは直径130mm、高さ180mmです

穴の位置決め
缶の底には穴を開けます。ポンチで位置を決めていくと釘で穴を開けやすいのです。 穴はほぼ、均等に。このくらいの缶だと30個ぐらいの穴が適当です。
穴の数と穴の大きさは使うガスの熱量できまります。 普通にばいせんして15分ぐらいのとこにはぜがくる様に穴の大きさと数を決めていくのです。

* 穴の位置決めのやりかた
1.缶のセンターの出し方(コンパスを使う方法)
缶の半径ぐらいにコンパスを広げて、缶の端に針をつけて真ん中のあたりにマークします。
これを3個所くらいから行うと交点にセンターが出てきます。

2.センターより半径2cm、4cm、5.5cmの円を描き、半径2cmの円に6個、4cm、5.5cmの円に12個の点を マークします。(昔、ならった正六角形の書き方を利用します)

釘で穴あけ
ドリルではなく、釘であけるのがポイントです。
釘の太さは2~3mmぐらいを使ってます。ドリルで穴をあけずに釘で穴をあける理由は、 釘で穴をあけると缶の内側にささくれができるからです。
これが缶を振った時に豆を回転させるひっかかりになるのです。 そして、ささくれが豆のチャフ(豆の表面についている渋皮)を取り除くのに重要なのです。
ドリルで穴をあけると豆がすべってしまい、火が一方にしか当たらなくなってしまい、 煎りむらになりやすいのです。

缶の内側です
よく見ると穴のふちにささくれができているのが判ると思います。
穴と穴の距離はコーヒー豆の長径よりも大きくなければいけません。 これは豆がはぜた時、膨張して穴と穴の間にひっかかるのを防ぐためです。 穴の距離が短いとささくれの間に豆がはまりこんでしまいます。

取っ手をつけます
木製の取っ手をボルト、ナットで固定します。写真はボルトを通すための穴を開けているところ。
缶をテーブルにおいて、三角定規をテーブルに立てたりして垂直を出します。
穴の位置は底から10mmのところに直径6mmの穴をあけ、その穴から150mm上に直径6mmの穴をあけます。
ここは素直にドリルで穴をあけて下さい。
取っ手の傾きは、コンロに缶をおいた時、自然に取っ手が握れる様な角度がベストです。
木に斜めに穴をあけるのがちょっと難しいでしょうが、大きめの穴をあけておけば大丈夫です。

ぎんなん煎りの欠点

  • ぎんなん煎りを水平に振るため、コーヒー豆が網を滑って煎りムラがでやすい。
  • 網を通して豆をみるので豆の状態や色が見にくい。
  • 最大の欠点は、排気全開の状態でばいせんするため、 スカスカでこくのないコーヒーになりやすい。
...

ミルク缶の長所
缶の動きは垂直の動きが主で煎りムラがでにくい。
チャーハンのように豆を振り上げる時、豆がささくれにひっかかって渋皮がきれいにとれる。 その時、豆が回転して煎りムラがでにくい。
閉じた状態で豆の温度が上がるので成分が飛びにくい。煙の量にあわせて自然に排気が強くなってくれる。
(缶の底にまったく穴がないと煙りがこもってしまい、煙くさいコーヒーになってしまう)
はぜ時間を15分ぐらいになる様に穴の数とサイズを一度決めてしまえば、 けっこう簡単に香り高いコーヒーができあがる。
ちなみに、はぜが早すぎると香りが少ないコーヒーになる。
豆が見やすい。
豆が取り出しやすい。

ミルク缶冷却装置

めちゃめちゃ単純な冷却装置です
ファンにあう円盤を切り抜いて取り付けるだけ・・・
そんな冷却装置ですがけっこう効果があります

一番手軽な取っ手の取付け方

ミルク缶に取っ手がうまく取り付けられない人用の取っ手です。
ホームセンターで写真のような取っ手を買います
(できればプラスチックよりも木のほうがいい)
その取っ手にあうねじでできるだけ長いものを買います
(写真はM4の長さ6センチのなべねじです・・・)
ミルク缶の内側からねじをだしてナットをいれます
(この段階ではねじを締めない)
もうひとつナットを一センチ程度いれます
取っ手のほうにねじをいれて一センチぐらいはいったところで取っ手の部分のナットを締めます
次にミルク缶の部分のナットも締めます
これでしっかりとミルク缶に取っ手がつきます
できれば・・・ミルク缶の側には座金がはいっていたほうがいいと思います
取っ手の方は座金を入れないで下さい

温度計付ミルク缶焙煎機
ミルク缶焙煎機に温度計を取り付けてみました。
センサー部分が深くは入っていないので豆の温度を測定することはまったくできません。
しかし、雰囲気温度が測定できるのではぜのタイミングなどの目安にはなると思います。

ただし、この温度計の効果に関しては実際に使ったことがないので未知数です。
たまたまミルク缶焙煎機をつくったときに気が向いて取り付けてみただけですから・・・

センサーの長さなどをもう少し工夫すれば・・・
はけっこう使えるものができるような気がします。

...
ミルク缶焙煎機を作る・週刊フレーバー

最終更新日:2016年9月28日